読書『受難』(KADOKAWA)帚木蓬生著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『受難』(KADOKAWA)帚木蓬生著

帚木蓬生さんの追っかけ継続中。いつものカメリアステージより借りて参りました。1冊1冊のボリュームが、質・量ともにあるので、ついつい手が伸びそうになるところを我慢して1冊づつ借りています。2週間の貸出期間のうちに読める分、ということです^^

これまでわたしが読んできた「帚木蓬生著作」もほとんどがそうでしたが、実際に起こった事件や社会状況をもとにしてストーリーを展開している、という点で、フィクションながら現実的な引っ掛かりが大きくて、考えさせられます。本書は、2014年に韓国・珍島沖で起きた客船の沈没事故に対する、著者の憤りが感じられる一冊。テレビの報道などで見た記憶がよみがえってきますが、約10年前のことだったのですね。

一方で、3Dプリンターで人体の生きたレプリカをつくる、というストーリーでもあります。これがSFではなく実際にそこまで進んでいるのかもしれないと思わせられるのは、昨今広範な分野で3Dプリンターが活用されていることに加え、著者が医師であるという事実によるものだと思います。

社会問題に対する目線と、医師であるが故の知識や経験が、帚木蓬生さんの著書の深みになっているのだろうな、と思いつつ。次回は何を借りようか、まだまだ楽しみが続きます。

『受難』(KADOKAWA)帚木蓬生著