陶片ミュージアム@花祭窯、始動に向かってまずは展示資料陳列棚の検討から。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

陶片ミュージアム@花祭窯、始動に向かってまずは展示資料陳列棚の検討から。

そろそろ有言実行で、陶片ミュージアムを整備したいと思います。とはいっても、花祭窯のギャラリースペースの一角に「いつでもすぐにご覧いただけるよう、展示用の陳列棚を設置する」程度ですので、「ミュージアムを整備」という字面は少々大袈裟(笑)。畳一畳ほどの美術館からスタート!とでも言いましょうか。それでもわたしにとっては嬉しい一大事業の第一歩です^^

形から入る、というのは案外良いことなのかもしれません。容れ物が決まることが推進力になるのは確かです。花祭窯の什器でたびたびお世話になっている大川家具ドットコムさんに、今回もお世話になることは早々に決めました。どういうものを作っていただくのが良いか検討した結果、今回はオーダーメイドではなく、既存の「着物箪笥」を流用して陶片の展示棚として使うことを決定。アドバイスをいただいていくつかの候補を挙げたところ、大川家具ドットコムさんのアテンドで、メーカーさんのショールームを見学できることになりました。ありがたいことで、感謝感謝です。

いざ、福岡県大川市にあるメーカーさんのショールーム「カグハウス」さんへ。花祭窯のあるここ津屋崎からは高速道路を使って約1時間半のドライブです。足を運んで実物を拝見しに伺う理由は、頭のなかにある「陶片展示棚」のイメージがはっきりしているので、そこに当てはまるかどうか、というところです。事前のやり取りでほぼ間違いないだろうという確信はありましたので、念のための確認というところでしょうか。

大川家具ドットコムの代表堤さんのアテンドで、カグハウスさんの営業担当さんから説明をお聞きすることができました。現物は、やはりとっても素敵でした。嬉しくなって引き出しを何度も開け閉め。そしてなんと、既製品として紹介しているものの、メーカーさんだから箪笥の引き出しの数や深さを希望に合わせて作り変えるセミオーダーが可能!ということで、思いがけず活用イメージの幅が広がりました。もちろんオーダー分は有料でプラスですが、これはとても魅力的です。

というわけで、この箪笥にすることは、ショールームに入って5分もしないうちに即決。あとはどのようにアレンジしていただくか、あるいはアレンジなしでそのまま使ってみるのか、決めるだけとなりました。やはり現物を見ると早いですね。メーカーさんに直接お話を伺うことができたのも、良かったです。

おかげさまで、今年内にはまず陶片ミュージアムの第一弾展示ケースを完成させることができそうな道筋が見えてきました。嬉しいです。頑張ります♪

毎年恒例、南方流の秋のお茶行事―香椎宮で献茶式&報恩寺で野点茶会。

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毎年恒例、南方流の秋のお茶行事―香椎宮で献茶式&報恩寺で野点茶会。

毎年10月に行われている茶道南方流の香椎宮献茶式と野点茶会は、今年は9月末の開催となりました。南方流のお茶会は「稽古茶会」で、客側と亭主側の仕事の両方を学ぶことができる、貴重なお稽古の機会です。お茶会は、その前日の準備とセットであり、南方流では、お茶会前日と当日に生じる仕事に合わせて係があります。わたしはこれまでの「前日お弁当準備係」と「つくばい洗い係」を卒業し、今回から「席決め係」チームに入ることを仰せつかりました。今回はその初仕事となりました。

「席決め」は文字通りお茶席の正客、次客、末客を決める仕事です。お茶会ではこの3名の役割をどなたにお願いするか決めておくことが肝要。ここが決まれば、それ以外のお席のおおよその順番は決めますが、実際には席入りする方々にお任せです。あとは、たとえば今回がお茶会初参加の方があれば、前後にキャリアのある方に入っていただくなど、ちょっとした配慮をすること。そして、おもてなしする亭主側の水屋仕事をする、点て出し係、お運び係などを決めるのも、この仕事に含まれます。お茶会に参加する皆さんのことを把握することが必要で、細かい気配りが求められる仕事だとわかりました。慣れるまでは頭がグルグルなりそうですが、ご指導くださる先輩がいらっしゃいますので、安心して学んでまいります。

さて当日はお天気が心配されましたが、次第に雲が晴れてきて、無事に野点の二席を行うことができました。ツクツクボウシが鳴き、枯れ葉が舞うなかでのお茶会は、陽射しのなかでもすがすがしく、気持ちの良い時間でした。今回わたしは、和尚さんと同じ席でしたので、長年続いている南方流の野点茶会について講釈を伺うことができて、嬉しくありがたいお茶会となりました。お世話になりました皆さま、ありがとうございました。

読書『AI時代の知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク』(SB Creative)永田豊志著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書AI時代の知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク』(SB Creative)永田豊志著

いつものカメリアステージ図書館から。「このテーマの本が必要」と目的がはっきりしているときは、まず図書館の蔵書検索です。福津市の図書館のサイトで、キーワードを打ち込んで簡易検索すれば、候補が上がってきます。リストにざっと目を通して、よほど中身が外れていると思うものを除いて片っ端から予約を入れます。福津市には図書館が2館あって、蔵書も分かれていますが、どちらにも予約を入れることが可能です。開館日であれば、そして該当する本が貸出可能な状態であれば、だいたい午前中に予約を入れれば午後3時過ぎごろには、カメリアステージ図書館のカウンターでまとめて受け取ることができます。便利の一言。

先日のブログ「サッシン・ベースの宿題…」にも書きましたが、「ピッチ資料」を書き上げるために、たくさんの本を予約して借りてきました。久しぶりにガッツリとビジネス書を借りて参りましたが、おかげさまでピッチ資料は無事完成しました。本書はその立役者ともいえる一冊です。SB Creativeの公式サイトでの紹介によると「6万部突破のロングセラー『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』が大幅アップデート!」だそうで、人気の高いシリーズなのですね。

そもそも、融資や補助金申請などでプレゼン資料として「事業計画書」を作ることはあっても、「ピッチ資料」なるものを作る機会がこれまでほとんどありませんでした。プレゼン資料ももちろんそうなのですが、ピッチではなおのこと図表や写真やグラフなどを使いこなしてビジュアルに訴えることが必要!というイメージがあります。放っておくと説明・解説はすべて「文章」になりがちなわたしにとって、フレームワークを使いこなした資料は憧れです。その第一歩を踏み出すためにも、この本は「買い」だと思いました。

読んでまずわかったのは、様々なパターンのフレームワークを、目的に応じていかに使い分けるかが大切だということ。もちろん本文中には、どのような目的でどのように活用できるかが例示されていますが、そのまま使っても、わけがわからないことになりかねません。自分の事業に置き換えたときに、どう表すのが効果的なのか。本書で紹介されているたくさんのフレームワーク、そのどれを、何を伝えるために、どのように使うか、センスが問われます。これもきっと数こなすとコツがつかめてくるはず、と思いつつ、ともあれ強い味方になってくれました。

AI時代の知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク』(SB Creative)永田豊志著

仕掛品ならぬ仕掛仕事が増えて混沌となりつつあるので、机の上を整理整頓。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

仕掛品ならぬ仕掛仕事が増えて混沌となりつつあるので、机の上を整理整頓。

ここ津屋崎も、先週ぐらいから秋っぽい空気を感じるようになっています。天気予報を見れば最高気温は30度前後だったりするので、冷静に考えたら「夏日」ということではあるのですが、それでも朝晩は涼しい日も多くなりましたし、連日35度前後であった日々を考えれば、かなり過ごしやすく。

涼しくなってくると、なにかと意欲が旺盛になるのは、動物としての本能なのでしょうか。読書の秋、芸術の秋、スポーツの秋、食欲の秋…「○○の秋」とは言い換えれば「○○」に対する欲求。個人的には、どうやら「仕事の秋」とでもいう状態に突入しているようで、「今手掛けていること」と「これから手掛けていきたいこと」に関する情報が、やたらと目につくようになっている今日この頃です。来年以降の話がちらほら増えてきたのも、季節を感じるひとつ。

こういう状態になると、同時並行的に複数事案についての情報が、目に耳に入ってきます。とりあえず、それぞれの情報やメモをクリアファイルに挟んで目の前の棚に立てたり、机の上に積んだりしているのですが、これらが増えてくると、当然混沌とした状態になってきます。同じテーマのファイルがいつのまにか複数できていたり、あるとわかっているのに「必要な時にサッと取り出す」ことが出来なかったり。

というわけで、本日はちゃんと時間をとって、整理整頓。情報をとった時系列でファイルを並べるようにしているのですが、まずは同じ事案についての情報を時系列の一番新しいファイルにまとめてひとつにしていきます。これだけでも、現状把握ができると同時に、「空いたクリアファイル」がいくつも出てきます。

「そんなのスマホ(オンライン)で管理したらいいのに」という声が聞こえてきそうですが、そういうことに関してはスマホをまったく使えていません(笑)。ただ、手を動かして「整理整頓」の物理的な作業を行うことが、わたしにとっては記憶の定着にもつながるので、それでよいと思っています。一緒に仕事をするスタッフがいたり、外注でお願いするパートナーさんと共有すべきことがあればまた別の話になりますが。

ともあれまずは整理整頓。仕事が思うようにはかどらないな、とか、何かを探している時間が増えたなと感じたら、立ち上がって手を動かして整理整頓です^^

サッシン・ベースの宿題「7分間のピッチ資料をつくる」にチャレンジ中。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

サッシン・ベースの宿題「7分間のピッチ資料をつくる」にチャレンジ中。

福岡県の商工部スタートアップ推進課からご案内をいただき、8月からスタートした支援事業「サッシン・ベース」。10月に開催されるワークショップ第2回目を控えて、宿題が出ました。「新規事業について、7分間のピッチ資料を作る」というもの。さっそく、週末から祝日にかけての時間を使って、取り組んでみました。

ピッチ資料には下記の内容を含めて!ということで

  1. どんな問題を解決するのか?(背景や課題)
  2. どんな商品やサービスを提供するのか?(解決策)
  3. 誰に向けたビジネスなのか?(市場)
  4. どうやって利益を出すのか?(収益モデル)
  5. 競争相手は?(競合分析)
  6. どのように事業を大きくしていくのか?(成長戦略)

1.から3.まではサクサクと進んだものの、「4.収益モデル、5.競合分析、6.成長戦略」という段になって、はて?と手が止まり。ふだん事業計画を考えるときに、わたしの頭は後半3つを(前半3つほどには)重視していないらしい…と判明しました。こういう発見があるのも、ありがたいことですね。

これではイカン、ということで、さっそく参考書を求めてまずは図書館検索。思いつくキーワードを入れては出てくるビジネス書をチェックして、できるだけ最近発刊されたものをいくつか選びました。ビジネス書、あるかなぁ…と心配していたのですが、とりあえず今回のピッチ資料に活用できそうなものを数冊見つけることができて一安心。本屋さんに行けばもっと選び放題であろうことはわかっているものの、一番近いのが図書館なもので、急いでいるときほどまず図書館で探してしまいます。

で、今のところ今回のピッチ資料制作で一番役に立っているのが、次の2冊です。

AI時代の知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク』(SB Creative)永田豊志著

SB Creativeの公式サイトでの紹介によると「6万部突破のロングセラー『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』が大幅アップデート!」だそうで、人気の高いシリーズなのですね。説明・解説はすべて「文章」になりがちなわたしにとって、フレームワークを使いこなした資料は憧れであり、その第一歩を踏み出すためにも、この本は「買い」です。本書で紹介されているたくさんのフレームワーク、そのどれを、何を伝えるために、どのように使うか、センスが問われると思いました。

『新しい「価格」の教科書 値づけの基本からプライステックの最前線まで』(ダイヤモンド社)松村大貴著

こちらは上述の「フレームワーク」に比べると、資料作りにそのまま具体的に役立つというよりは、「4.収益モデル、5.競合分析、6.成長戦略」を言語化(あるいは図解化)するために、その前提として知っておくべき考え方が書いてありました。「そもそも」とでもいいましょうか。タイトルを見て、即物的な値付けの方法論を説いた本なのかと思って借りたのでしたが、もっと骨太な本でした。

ということで、学習したことを下敷きにして、引き続きピッチ資料作り。頑張ります^^

花祭窯の長月(九月)の庭-彼岸花がちゃんと伸びてきました^^

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の長月(九月)の庭-彼岸花がちゃんと伸びてきました^^

今年の夏はひどい暑さでしたね。本日は秋分の日。「暑さ寒さも彼岸まで」が、今年は無理なのではないかと思っていましたら、先週あたりからちゃんと空気が変わってきたので、おお~!と思っている今日この頃。だいぶ過ごしやすくなりました。お彼岸といえばヒガンバナ、も、今年はついに無理かなぁと庭を眺めておりましたら、こちらもいつの間にかしっかりと茎が伸びてきているのを発見しました。これまた、おお~!!です。彼岸の入りには花は間に合いませんでしたが、お彼岸の期間中に花を拝むことはできるのではないかと思います。

ということで、今月もまだ花の少ない花祭窯の小さな露地ですが、秋冬の気配を感じさせる景色がちらほら。

南天の実

南天の実がたくさんついていました。これから冬に向かって赤く色づいていきます。

ヒガンバナ

生き生きとした黄緑色のヒガンバナの皆さん。これからさらに上に伸びて、花を咲かせてくれるはず。

ヒガンバナ

こちらもヒガンバナ。なにげに年々増えています^^

ヤツデの葉

秋の長雨。大きく育ったヤツデの葉に雨粒がたくさん。

「1年を通して畑の作り方・野菜の作り方をまなぶ」畑レッスン進捗状況その6。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「1年を通して畑の作り方・野菜の作り方をまなぶ」畑レッスン進捗状況その6。

造園家であり花や野菜を作りハーブの専門家であるガーデンアルテさんの畑で「1年を通して畑の作り方・野菜の作り方を、一緒にやりながら教わる講座」。今年2月にスタートした講座は、畝を作るところからスタートして、春野菜の種まき&収穫、夏野菜の種まき&収穫、秋野菜の種まき、と進んできました。1年を4シーズンに分けて考えると、残すところあと1シーズンというところです。

上の写真は無農薬で野菜をつくる農家さんが作ったお野菜。比べるべくもありませんが、つくづくプロの凄さを感じる今日この頃です。


(25)8/13(水)曇 17-17時半 27/34℃

  • 収穫のみ。オクラ、ナス、モロヘイヤ。
  • 雨の後、地面がゆるいときは、土は触らない!

(26)8/16(土)晴 16-18時 26/35℃

  • オクラ、ナス、モロヘイヤ、ニラ収穫。ニラを収穫するときは全部まとめて収穫、ハカマの上あたりで切りそろえる。
  • 草むしり、草のせ、畝を整える。
  • トマトを短く(脛の高さぐらい)カット→少し涼しくなったころに、生きていたらまた伸びてきて収穫できる。※暑すぎると花が咲いても受粉せず実が付かない。
  • ナスとオクラの枯れたり虫食いの枝や葉は落としてきれいにする。
  • シシトウ終了→畝を整えて草をかける。流れている土を盛り直す→次の種まき用に準備。

(27)8/31(日)曇/晴 16-18時 27/33℃

  • オクラ、ナス、キュウリ収穫。
  • モロヘイヤは、花・サヤは毒なので、切って落としてから収穫。葉っぱのみ使う。
  • キュウリはお終いなので、外す。
  • キュウリの後に黄色インゲンを種蒔き。ネットはそのまま使える。4粒。深さ3mm程度。土をかけたら手で軽く押さえる。
  • 畝を整えて細かい枯れ草をかける=肥料になる。

(28)9/7(日)曇 16-18時 27/33℃

  • オクラ、ナス、枝豆収穫。枝豆は、膨らんで実がしっかり入ったら収穫時。地際から切り取る。
  • オクラの葉は、上の方だけ数枚残して、あとは落としてOK。
  • ニンジンの種まき。畝は土をしっかり寄せて幅広にして表面は平らにする=台形になるように。二列に浅めに蒔いて、土をかぶせたら軽く押さえ、くずくずの枯れ葉を肥料として載せておく。
  • ニンジンは芽が出るまではできるだけ水を切らさないようにする!

(29)9/13(土) 曇→雨 16-17時 26/31℃

  • 枝豆収穫完了→あとに大根の種まき=畝1列。ニンジンより少し深めに。種は1cm間隔で。土をかぶせたら手で軽く押さえる。種蒔き後は必ず水撒き。
  • ニラ、ナス、オクラ収穫。

この記録を生かすためにも、畑は継続したいもので、そろそろ講座終了後に借りる「自分の畑」を探さないといけません。講座では、週1回の畑仕事で習ってきましたが、1回に作業できる時間は短くても、できるだけ頻繁に足を運ぶのが良さそうだと体感しています。ということはつまり、花祭窯に近ければ近いほど、良い。自分で管理しきれると思う範囲が、ふつうの家庭菜園と比べてもとても狭いので(笑)、小さい畑で良いのですが、小さすぎても探すのが難しいかもしれません。まずは少しづつ、ご近所情報集めです^^

九産大特任教授の緒方先生から、「博物館浴(RT)」の説明リーフレットが届きました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

九産大特任教授の緒方先生から、「博物館浴(RT)」の説明リーフレットが届きました。

※本文中(RT)は商標登録済みであることを示しています。

九州産業大学美術館を中核館とする、『「健康社会」実現を目指した、国際的「博物館浴(RT)」ネットワークによる社会課題解決事業実行委員会』から、博物館浴の解説リーフレットが届きました。A4サイズの4ページ構成。簡潔にまとまっていて、初めましての方にも「博物館浴とはどういうものか」がわかるようになっています^^

わたしが2013年に博物館学芸員資格課程を修了したあと、2016年から文化庁「ふくおか博物館人材育成事業」の学芸員技術研修会に参加したのが、九州産業大学特任教授・緒方泉先生との出会いでした。以来ほぼ毎年、緒方先生が束ねる学芸員の研修会に、館に所属しないフリーランスの立場ながら参加させていただいています。2018年からは文化庁「大学における文化芸術推進事業」博物館マネジメント人材育成事業の研修会に参加し、2021年以降は「博物館リンクワーカー人材養成講座」参加するなかで、「美術は(美術館・博物館は)地域でどのような役割を担うことができるか」を、考える機会をいただいてきました。「アート・エデュケーター」としての仕事や使命をじっくり考える機会です。

今回配布されたリーフレットでは、日本と世界の「博物館と健康・ウェルビーイング」の取り組みが、ここ10年ほどでどのように進んでいるか、その必要性・価値がわかりやすく紹介されています。緒方先生が2020年からスタートし、継続中の実証実験で証明されつつあることも、簡潔に示されています。実際に「リラックス効果」が生理的な数値の測定結果として現れていることは、これらを根拠として美術が活用される機会が増えることを示唆しています。個人的には、世の中に「役に立つ」ことだけがすべてではなく、美術は一見役に立たないものの代表格であり、それで(実利的でないという位置づけで)よいのだ、というスタンスこそが大切だと思っていますが、実用的価値への関心をきっかけとして美術愛好家が増えるなら、それはそれで歓迎すべきことかもしれません。

「博物館浴」を取り巻く今後の取り組みと、実証実験結果に、これからも注目してまいります^^

読書『知の編集術 発想・思考を生み出す技術』(講談社現代新書)松岡正剛著

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読書『知の編集術 発想・思考を生み出す技術』(講談社現代新書)松岡正剛著

少し前にお友だちとおしゃべりしていたときに名前が出てきた「知の巨人・松岡正剛」氏。お名前はどこかで聞いたことあるけれど、どこでだったかしら、と思いながら、松岡正剛氏の概略を教えてもらっていたのでした。解説を聴きながら、同様の内容をどこかで聞いたことがあったような、と思ったまま数か月。実は「読んで」いたことが判明。

先般「再読書」でとりあげた、田中優子先生の『蔦屋重三郎 江戸を編集した男』の文中にちらほら、そして巻末あとがきにがっつりと、松岡正剛氏のお名前が出てきていました。あらまあ、こんなところで目にしていたのね!です。俄然興味がわいてきましたので、本屋さんで探してみたところ、著者名で蔵書検索すると大量に出てきました。初心者であるわたしには、まずは軽めに新書版が良いかなと思い、本書をチョイス。

で、読み始めたのですが…まったく軽くありませんでした。難しい、いえ、書いてある内容はそんなに難しくはないのかもしれませんが、語り口が哲学的というのでしょうか、読み進めるのに、ずいぶんと時間を要しました。なんだか試されている感じです。そして時間を要しても、なかなか頭に入ってこない。文中にしばしば「編集稽古」なるものが挿入されていて、実際に自分で「編集作業」をやってみながら体感するようになっています。が、やってみてもわかったようなわからないような、ということはわかっていないのだな…という状況です(笑)。

ただ、本書で言う「編集」が、一般的に使われる「本や雑誌の編集」的なニュアンスにとどまらない、少々乱暴な言い方をすれば、生きることそれ自体が「編集」という言葉で説明できるのかも…ということだけはわかりました。そして誰もが日々無意識に「編集」を積み重ねているということも。たぶん、そんなことが書いてあるのだと思います。だからどうなの?というところまでは、本書を一回読んだだけではわたしには難しく。突き詰めて考える気持ちがないと、本書に書いてあることをしっかり飲み込むことはできないだろうな、という読後感です。

氏はイシス編集学校なるものを立ち上げており、ご本人が亡くなった後も続いています。そしてなんと、田中優子先生は、ここの学長でいらっしゃいました。ともあれ、ちゃんと読んだ!と言える状態ではありませんので、少し時間をおいて再読したいと思います。その時は「そうそう!」と腹落ちできることを期待して。

『知の編集術 発想・思考を生み出す技術』(講談社現代新書)松岡正剛著

「私は誰か」「私は何を知っているか」「私は誰を知っているか」。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「私は誰か」「私は何を知っているか」「私は誰を知っているか」。

今年四月に読んだ本『Effectuation エフェクチュエーション』。つい先日、友人とやりとりしていて、あの本のタイトルは「エフェクチュエーション」のあとに『優れた起業家が実践する「5つの原則」』と続くけれど、起業家とかビジネス分野に限らず、ふつうに個人の生き方・考え方に置き換えても、当てはまるところがあるよね、という話になりました。

「エフェクチュエーション」という耳慣れない名前で「5つの原則」をまとめて差し出してくださったから、なんだか新しい考え方のように見えましたが、そこに書いてあることは、実はずっとなんとなく「心当たりがある」ものでした。道理で、最初に読んだ時から「腑に落ちることだらけ」という感覚が付いて回ったのですね。

なかでも、ひとつ目の原則として挙げられている「手中の鳥の原則」は、たとえば「(自分資産の)棚卸し」と言い変えたら「ああ!それならやったことある!」という人も多いのではないでしょうか。おそらくビジネスパーソンには馴染みのある考え方かな、と。かくいうわたしも、花祭窯を創業する際に、自分たち(ダンナとわたし)について、まずこれを書きだす作業を何度もしたなぁと、思い出しました。本日のブログタイトル「私は誰か(Who I am)」「私は何を知っているか(What I know)」「私は誰を知っているか(Whom I know)」です。「私」は場合によって「私たち」にもなります^^

日々の仕事のなかで、わたしたちはおそらく無意識に「手中の鳥の原則」を使いまわしているのだと思います。が、きちんと意識して書きだすことは、ここ何年もしていない!ということに気が付きました。というわけで、久々にさっそくやってみることに。年齢を重ねている=経験・体験を積んできた分、書き出せる内容はずいぶん増えています。もちろん、なかには失ったものもあります。取り掛かったは良いけれど、思いがけず膨大な作業になりつつあり、内心ちょっぴり「しまった!」という気もしないではありません(笑)。ともあれ、どんな鳥が何羽ほどいるのか、楽しみながら見つけたいと思います。

『Effectuation エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』(ダイヤモンド社)吉田満梨・中村龍太著