自分にとっての「ご褒美」は何か、どんな時にそう感じるか、思い返してみた。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

自分にとっての「ご褒美」は何か、どんな時にそう感じるか、思い返してみた。

「自分へのご褒美」という言い方がありますが、これっていつ頃から使われるようになったんだろう…と、ふと思いました。割と最近のような気がします。諸説ありそうですが、AI検索では、特に2010年以降に顕著になったという記事がいくつも上がってきました。たしかに肌感覚的には、よく耳にするようになったのは、ここ10年ほどかなぁという気もします。

個人的に思い当たるのは、1996年アトランタオリンピック、女子マラソンで銅メダルを取った有森裕子さんの「自分で自分をほめたいと思います」という、あまりにも有名なことば。これによって「自分を褒めていいんだ!」という肯定感が表出してきたことが、その後の「自分へのご褒美」につながってきたような気がしています。あの有森さんのことばで、自分たちまでもが救われたような気持になった人は、少なくなかったのではないでしょうか。

さて、自分へのご褒美。わたしが最初にそれを自分にとっての言葉として自覚したのは、2013年の博物館学芸員実習でした。博物館学芸員資格取得のための最終課程です。佛教大の通信課程での取得でしたので、そこまでの必要科目の講義受講と単位認定は、自宅学習と最寄り会場での試験で進みましたが、実習は博物館等施設の現場での1週間以上の実習が必須です。そのため京都に10日間ほど滞在して、朝から晩まで実習に通ったのでした。

京都という土地柄、佛教大学という大学柄のふたつが合わさって、ほんとうに贅沢な実習でした。通常は佛教大学の付属博物館ですべて賄われるはずの実習が、ちょうど佛教大の博物館が部分的に改修中であったという理由で、いくつもの他館での実習が組み込まれたのでした。京都・奈良の国立博物館をはじめ、平等院鳳凰堂、龍谷大の龍谷ミュージアム、サントリービール工場(見学ツアーの仕組みが博物館的な位置付けになります)、京都市博物館等で、各館のバックヤードに入り込み、学芸員さんたちから直接に様々なことを学びました。また座学で文化財保護や保存の歴史と今についての特別講義が開催されたのも、京都ならではだったと思います。1週間の間に、とてつもなく濃密な体験をしました。

自分にとって、宝物のような時間であり、これまでやってきたことに対するご褒美だと感じた時間でした。この実習のあとは、ロンドン出張が、わたしにとってのご褒美になっています。ロンドン出張はもちろん仕事なので緊張感も伴うのですが、時代を問わずたくさんの美術や歴史的資料に触れることのできる機会であり、まさにご褒美。自分が個人的に嬉しいことがそのまま仕事につながるのは、ほんとうに嬉しいことで、そういう仕事を稼業にできているのは恵まれていることだなぁと、つくづく思います。