こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
実体験として「別の視点」「別の方法論」「別の技術」を手にすると、力になる。
なんだか少々説教臭いタイトルになってしまいましたが、これは先日息子に説明した時の言葉。今週、ダンナ・藤吉憲典は、京都芸術大学 藝術学舎の日本画の基礎を学ぶ公開講座に、生徒として受講しに行っていました。「陶芸家としてすごい作品たくさん作ってるのに、なんでわざわざ日本画勉強しに行くの?」とたずねる息子にした説明が、このタイトルのような内容でした。
モノを作り出す、生み出すというのは、文字通り「出す=アウトプット」。そのアウトプットを支えるために、作る人=藤吉憲典は意識的・無意識的に日々インプットをしています。出張で出かける海外での体験などは、まさに集中的なインプット。意識するしないに関わらず、たくさんのものが入ってきます。その一方で、体系的に指導してくださる人のいる場に臨んで、身体を動かして技術を習得するというのは、さらに別のレベルでのインプットになります。そしてそのような「学ぶ機会」を得るには、時間的にも気持ち的にも、余裕というか余白が必要です。
前回の意図的インプットツアーは、イタリア・カッラーラでの大理石彫刻研修への参加でした。2023年9月でしたので、もう2年半近くも前のことになりますね…そうなんです、そういう時間って、きちんと確保することを意識しないと、日常の仕事に流されてしまいがちなのです。昨年末に北京個展の延期が決まり、思いがけず年初に余白ができたので、「このタイミングで何かやりたいことある?」とダンナに投げかけてみたところ、「日本画と水墨画の基礎をやりたい」と、即座に返事が来たのでした。
というわけで、すぐに調べたところ、昨今は国内各地の芸術・美術系大学で、さまざまな公開講座が積極的に開催されていることが判明。なかでも京都芸大の通信課程や一般向けの講座は、通信も通学も、多種多様に間口を広げていることがわかりました。希望する期間に希望する分野を学べそうだということがわかり、すごい!ラッキー♪と、さっそく申し込み。丸二日間の講座は、集中講座と呼ぶのにふさわしい内容だったようで、作家曰く「久しぶりに、使ってない脳みそをフル回転させて、めちゃめちゃ疲れた!でもすごく楽しかった!勉強になった!」と大興奮でした。そしてわたしはといえば、この体験がどのようにアウトプット=作品にあらわれてくるか、今後の制作物がますます楽しみになるのです。
「だから、日本画やら水墨画やらを学んだり、作品制作することは、そのものの技術の向上を目的とするだけじゃなくって、やきものの仕事(と、我が家では読んでいます)に反映されるものがたくさんあって、全体としての創造力や技術のアップにつながるんだよ」と、息子には説明をしたのでした。そしてこれは芸術分野のみにあらず、なはず。きっと、彼がもっと社会経験を積んでいったあとに、「こういうことだったのか」と気付いてくれることでしょう。
