読書『午後』(東京創元社)フェルディナント・フォン・シーラッハ著/酒寄進一 訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『午後』(東京創元社)フェルディナント・フォン・シーラッハ著/酒寄進一 訳

三日連続の読書記録。このところ珍しく、数冊を並行して読んでいましたので、ちょうど読み終わりの時期が重なりました。本書もいつものカメリアステージ図書館新刊棚から借りてきた一冊。東京創元社さんから出た本を、最近読んでいたような気がして、セルフブログチェックしたところ、ここ一年ほどは読んでいませんでしたが、その前に、何冊も読んでいました。そのタイトルの並びを見て、なるほどなるほど、思い出しました。著者もジャンルも異なるそれぞれの本に共通しているのは、中毒性を感じさせるような不思議さがあるところ。公式サイトには「ミステリ・SF・ファンタジー・ホラーの専門出版」とあります。

さて『午後』。本書は、ホラーでもSFでもなく、ではミステリかファンタジーかと問われると、どちらにも、そうだとは言い難いけれど、そういう要素もあるかなぁ…という感じです。短編集ですが、すべて語り手は弁護士で作家の「私」なので、つながったもの(中編?長編?)として読むことができました。その「私」が訪れる世界のあちらこちらでの、さまざまな過去を抱える人々との出会いが描かれています。表紙を開いた最初の舞台が台湾でしたので、本書の直前に台湾の作家さんの本「地下鉄駅」を読んでいたわたしとしては、一瞬デジャブ感がありました。

東京創元社さんの公式サイトでの本書紹介文に「ところどころに挿入された歴史上のエピソードによる全26章は、ページを閉じたあとに、深く鮮烈な余韻を残す」とあります。その、さらりと「歴史上のエピソード」が織り込まれているところが、最近小説を通して「自分の知らなかった近現代史」に出合うことに関心が向いているわたしには、とても印象的でした。ストーリー自体は個人的なお話が核でありながら、歴史の影がうっすらと見え隠れしている、とでも言いましょうか。独特の読みごたえを感じたので、さっそく図書館で「フェルディナント・フォン・シーラッハ」を蔵書検索。ありましたありました!さっそく予約しました^^

内容同様に不思議な感じのする表紙は、イラストレーター・版画家のタダジュン氏による装画で、フェルディナント・フォン・シーラッハ著作の装丁にたびたび使われているようです。

『午後』(東京創元社)フェルディナント・フォン・シーラッハ著/酒寄進一 訳