読書『素敵な時間を楽しむ カフェのある美術館』(世界文化社)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『素敵な時間を楽しむ カフェのある美術館』(世界文化社)(青い日記帳監修)

SNS上で、いつものカメリア図書館から『本de 美術館巡り』のお誘いがあるのを発見して、嬉しくなりました。


【カメリアステージ図書館】『本de 美術館巡り』

図書館の奥へ進むと、
7番コーナー「芸術」で
“美術館”の特集展示
長いコロナ禍が続き外出自粛で、美術館や博物館なども行けずに我慢されている方もいらっしゃるんではないでしょうか?

(福津市複合文化センター カメリアステージより)


なんと、そのような素敵な特集展示をしているとは!つい先日も足を運んだばかりなのに、芸術コーナーに足を伸ばしておらず、気づいていませんでした。というわけで、既読本を返却がてら図書館へ。このゴールデンウィークに入ってから、ほぼ毎日足を運んでいます(笑)。

さて『本de 美術館巡り』コーナーで見つけた本書『カフェのある美術館』、ワクワクしながら開きました。2017年の発刊でしたので、最新データではありませんでしたが、ほとんどのデータは現在もそのまま使えそうです。足を運んだことのある場所もいくつかあり、また行きたいなぁ、の思いも新たです。上の写真は、本書の一番最初に取り上げられている「三菱一号館美術館」。わたしが前回訪問したのは、偶然にもちょうど2年前の今日でした!

婦人誌で特集が組まれそうな内容…と思ったら『家庭画報』でお馴染み世界文化社さんから出ていました。もとは「青い日記帳」さんのアートブログとのこと。「はじめに」に寄せられた文章を読んで、美術鑑賞後の余韻に浸るためにカフェが果たす役割の大きさを、あらためて思いました。足がくたくたになるまで鑑賞してまわり、カフェでホッと一息、甘いものでも食べながら余韻に浸り、体力回復したらミュージアムショップをぶらぶら…至福の時間ですね。

これをご縁に「青い日記帳」さんのブログ拝見。すごい情報量のアートブログです。本書の監修者紹介でも「月20件以上の展覧会を鑑賞」「ブログ毎日更新」と書いてありましたが、その「毎日更新」の記事の内容がまた素晴らしくて脱帽です。きれいな写真、わかりやすい情報掲示、情報源へのリンク…熱量が伝わってきました。

そういえば昨年の今頃は、国内外問わず美術館博物館は休館を余儀なくされていたのでした。各館から届いていたメールマガジンには、休館中も楽しめる「オンライン美術館」の工夫がたくさん紹介されていて、世界中の美術館をオンライン訪問する機会にもなりました。今年は本を通じて、そしてその本で知ったアートファンが綴るブログを通じて、美術を楽しむゴールデンウィークです。

肥前磁器の美:藤吉憲典の器「色絵磁器人形(いろえ じき にんぎょう)“お茶を飲む婦人”」

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

肥前磁器の美:藤吉憲典の器「色絵磁器人形(いろえ じき にんぎょう)“お茶を飲む婦人”」

磁器作家・藤吉憲典がつくる肥前磁器の美しさを伝えるシリーズ。「美しさ」には「用途の美」を含みます。使い勝手の良さも含めて「美しい」と言えるもの。そこにこそ、江戸時代から400年続く肥前磁器の価値があると思っています。

「肥前磁器(ひぜんじき)」という呼び方は、まだあまり一般的ではなく、「有田焼」とか「古伊万里」といった方が、イメージできると思います。肥前磁器とは、有田焼、伊万里、鍋島などと呼ばれる、北部九州地方(肥前地域)で作られてきた磁器の総称です。地域的には現在の佐賀県・長崎県あたり。

今回は「用途」からちょっと離れて、磁器人形をご紹介いたします。磁器人形(porcelain doll / figurine)というと、スペインのリヤドロや、ドイツのマイセンといったヨーロッパの磁器メーカーの名前が思い浮かぶ方も多いかもしれませんね。

それらヨーロッパ磁器のお手本となっていた江戸時代の肥前磁器にも、磁器人形を作る文化はありました。有名なところでは、柿右衛門窯の色絵磁器による人形。たとえばサントリー美術館には、1670年代~1690年代に作られた柿右衛門の手によるとされる色絵女人形があります。

下の写真は、藤吉憲典による色絵磁器人形「お茶を飲む婦人」。藤吉憲典の所属するロンドンのギャラリーでは、藤吉は「ceramicist(陶芸家)」と呼ばれたり「ceramic sculptor(磁器彫刻家)」と呼ばれたりしています。それはまさに、このようなポーセリンドール(porcelain doll)(フィギュリン figurineとも呼ばれます)を制作するから。磁器を素材とする彫刻家ということです。

色絵磁器人形 藤吉憲典
藤吉憲典の器「色絵磁器人形(いろえ じき にんぎょう)“お茶を飲む婦人”
藤吉憲典の器「色絵磁器人形(いろえ じき にんぎょう)“お茶を飲む婦人”

現代の肥前磁器の産地で、このように丁寧に美しい人形を作る技量を持った職人さんは、もうほとんどおられないかもしれません。「肥前磁器=食器」だけではないことを、形で残していくのも、藤吉憲典の現代肥前磁器作家としての大切な使命です。

読書『鳩居堂のはがき花暦』(小学館)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『鳩居堂のはがき花暦』(小学館)鳩居堂監修

常々手帳にはがきを入れていて、書きたいときにすぐ書けるようにしています。大阪でサラリーマンをしていたころからですから、これが習慣になってほぼ四半世紀(笑)。ひところずっとお世話になっていたのが、まさに鳩居堂さんの絵ハガキでした。

四季の花々が絶妙に配置されたバランスの美しさと、少し厚手の紙と、シルクスクリーン印刷の、なんともいえない質感が大好きで、見かけるたびに何枚も買い込んでいました。季節ごとに売り場に並ぶ絵柄が変わるのも魅力でした。その時に使いたいものを、その都度選ぶ贅沢。

その絵柄を一挙公開してくれているのが、本書です。絵葉書の発売から30年以上経ち、二百種以上の絵柄があるといいます。よく使っていた大好きな絵柄もあれば、初めて見る絵柄もあり。ついつい欲しい絵柄に〇をつけてしまいます。そして鳩居堂さんに出かけたくなります。東京なら銀座の東京鳩居堂、福岡なら天神のTOHJIJULIET’s LETTERSで手に入りますが、やっぱり京都の鳩居堂本店にも足を運びたいですね。

絵柄についての解説だけでなく、鳩居堂さんの歴史や、はがき文化の気軽な楽しみ方も書かれています。この本を読んで(見て)、誰かにハガキを出したくなる人が増えると嬉しいな、と思います。

続・読書『観光再生』(プレジデント社)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・読書『観光再生』(プレジデント社)村山慶輔 著

先日ご紹介したばかりですが、自分のための備忘メモ。


  • 観光による負の側面
  • 「地域住民の暮らしを豊かにする」という視点
  • インバウンドはあくまで「手段」であって「目的」ではない
  • 旅行者側にその地域に住む人々の文化や環境を尊重する配慮を求める取り組み
  • 住んでよし、訪れてよし
  • 「環境をよくする」という考え方
  • シビックプライドを醸成する「地域教育」
  • “かっこいい大人”との出会いの重要性
  • コミュニティ・ツーリズム
  • 観光客による収入が(地域社会に)分配される仕組み
  • 復元力
  • 公共空間の質を低下させてはいけない
  • BCP(事業継続計画)の策定
  • “最短”や“最速”ではなく、“最適”
  • 旅行のハードルが高いゲストの受け皿
  • 「人」にファンがつく
  • 「品質の担保」「環境の保全」「安全性の確保」
  • プライベートツアー
  • 長期滞在型旅行者
  • 生き方・働き方における工夫が生産性の向上に資する
  • 観光客に責任ある行動を促す
  • ツーリズム・ラーニング
  • それが「本物」であるかどうか
  • 世界の水準を知ろう
  • 「生き方」「ライフスタイルデザイン」そして「自己実現」
  • パーソナライズされた人間との接触
  • 「顧客台帳」
  • 収益構造の分散
  • コア人材
  • リカレント教育
  • 世界から受講者が呼べるような訴求力のあるプログラム
  • 無意識の偏見

以上『観光再生』(プレジデント社)村山慶輔 著より