「陶片ミュージアム」の第一歩となる資料展示棚(箪笥)が到着!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「陶片ミュージアム」の第一歩となる資料展示棚(箪笥)が到着!

陶片ミュージアム@花祭窯始動に向けて…のブログをアップしていたのは、9月末のことでした。それから二カ月ほどたった十一月中旬、大川家具ドットコムさんにお願いしたセミオーダーの収納タンスが、花祭窯に到着いたしました!本来は、着物箪笥として開発された商品とのことで、桐材を用いています。着物=和、のイメージにとらわれず、洋間に置いても決まるデザインを考えたということでした。

陶片ミュージアムの第一歩となる資料展示棚

ショールームでサンプルを拝見した時も素敵だと思いましたが、シンプルながらスタイリッシュな佇まいに、注文してよかったとつくづく嬉しくなりました。あとは、中身を整えていくばかり。間仕切りをどうしようかというのを、ずっと考えていたのですが、頭で考えていても埒が明きませんので、とりあえずはどんな方法が考えられるか、探してみることに。

当初、引き出し整理用の仕切りに使えそうな、透明なプラスチック製品があるかな、と想定していたのですが、自分の考えているようなものはなかなか見つからないことが判明。単純に「仕切り板」と考えたら、プラスチックよりは木の方が合うかも…という考えに至りました。そもそも今回手に入れた箪笥は桐製なので、桐を使うのが一番合うかもしれません。

などと、あれこれ考えつつ決定打が無い状態でしたが、ロンドン出張で訪れたヴィクトリア&アルバート博物館で、いい感じの引き出し型の展示を発見!

ヴィクトリア&アルバート博物館

下地にクッションになる材質を敷き、その上に資料を並べ、資料に応じてテグスのような透明な紐や金具などを用いて、クッションに留めています。これなら、間仕切りは必要ありません。引き出しのなかで動かないように、と考えたときに、とても理に適っていると思いました。クッションとなる下地が滑り止めの役割も果たしますので、テグスで留めなくても、引き出しの開け閉めくらいでは資料が動き回ることはなさそうです。うちの場合は、資料を手に取って見てもらうことを前提としているので、留めずに配置するのが良さそうです。

というわけで、約一カ月ぼんやりと考えていたところに、光明が差しました。方法が決まりましたので、あとはクッション材を確保して、実際に並べていくばかりです。年内に、資料館(資料棚)をご紹介できるよう頑張ります^^

ロンドン出張備忘録 December 2025その4-諸々雑感。

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ロンドン出張備忘録 December 2025その4-諸々雑感。

サポートしてくださった皆さまのおかげで、とても充実したロンドン滞在でした。以下、そのなかで気が付いたり、眼に留まったりしたことを。

寄付もキャッシュレス化。

ロンドンの美術館博物館は、入場料無料でドネーション(寄付)制のところが大きのですが、コロナ禍前まではいくつも設置されていた寄付金を入れるボックスが姿を消し、キャッシュレスで寄付をする方法が主流になっていました。寄付の方法の一つとして、美術館内MAPを購入する方法などがあるのですが、現金での購入は窓口がありはするのですが少なく、ここでもキャッシュレスが推奨されていることがわかりました。

スーパーマーケットのレジのところで募金活動。

日本でも年末は募金活動が活発になる時期ですが、週末にスーパーマーケットのレジのところに、スカウトと思しき子どもたちが、クリスマス装束を身に着けて募金箱を持って立っていました。ただ、スーパーマーケットでも現金で支払う人は少数派となっており、気持ちはあっても現金を持ちあわせていないので募金箱に入れることができない!的なシーンが。今後「募金箱」は無くなっていくのかもしれませんね。

ウェイトローズとセインズベリーはやっぱり強い味方。

ウェイトローズとセインズベリーは英国のスーパーマーケットです。毎回お世話になっているゲストハウスでは、キッチン付きのお部屋を借りて自炊できるようにしているのですが、徒歩3分以内に2つのスーパーマーケットがあるので、とても便利です。それぞれのスーパーのプライベートブランド商品などもあり、外食での物価の高さに比べて、かなりリーズナブル。ご近所さんや友人たちへのお土産も、お菓子・紅茶・調味料などなど、スーパーでばっちり揃いました^^

お昼休みは13時スタートらしい。

「ロンドンのお昼休みスタートは1時からのところが多いので」と、アテンド通訳さんが教えていただいたとおり、お昼12時半に開いていなかったインド料理レストランに、今日はお休みかとたずねると「あと30分ぐらいでオープンするよ」との答え。13時過ぎに再訪問して、美味しくいただくことができました。また、宿近くにあった、地元の方々に大人気の中華料理屋さんは12時オープン。混むかもと思ってきっちりに訪問したら、ほかにお客さんが誰もいなくて、ゆっくりご飯を食べることができ、わたしたちが帰るころにお客様が増えてきました。

物価のこと。

心配していた、ロンドンの物価。外食すると、やはり高かったです。ランチにサンドイッチとコーヒーで二人で5千円くらい!とか、これまたランチに町中華で二人で1万円ほど!とか(涙)。それに比べると、スーパーで買い物をする場合は、(わたしたちが利用したところでは)物価の高騰に目を剥く!という感じはありませんでした。そしてむしろ、外食にしてもスーパーにしても、ロンドンの物価云々というよりは、あまりにも円が安いので出費が膨らむ…という方がぴったりくる感じでした。

電車が楽しい。

ロンドン市内は地下鉄やバスが便利で、わたしたちもほとんどは地下鉄で動きましたが、電車をいくつか使う機会もあり、楽しかったです。時間をゆっくり取れるときがあったら、電車で少し郊外に行くのもおススメと言われました。バスも、路線図の見かたを覚えたら相当楽しくて便利だろうなと思います。どちらも次回以降の宿題。

地元の人も他所から来た人も、すぐに助け舟を出してくれる。

駅の路線図や、街中の地図や標識をダンナと二人で睨んでいると、必ず誰かが声をかけてくれました。「どこ行きたいの?」「なんか困ってる?」「○○ならあっちだよ」。この感じは、前回行った時から変わっていませんでした。一番「おお!」と思ったのは、大学生ぐらいと思しき数人の男子グループが、本人たちも旅行で来ていたようでしたが、路線図をにらんでいるわたしたちに声をかけてくれて、スマホ画面を見せてくれながら丁寧に教えてくれたこと。おかげで、とても温かい気持ちで、あちらこちらに足を運ぶことができました。

スマホのひったくりに注意!

ロンドンの繁華街を歩きながら、アテンド通訳さんが「スマホ注意してくださいね」とおっしゃいました。なんでも、スマホで写真を撮ろうとして手を前に出しているところをひったくっていく、ということが増えているとのことでした。たしかに、写真を撮ろうとしているときの「スマホを持つ手」って、とても無防備ですよね。


という感じです。また追々思い出したことがあれば、追加していこうと思います^^

ロンドン出張備忘録 December 2025その3-美術館・博物館視察。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ロンドン出張備忘録 December 2025その3-美術館・博物館視察。

約1週間の滞在でしたが、今回はクリスマス・ショウのパーティー以外にもアポや視察がいくつかあったもので、美術館博物館にはあまり足を運べないかもしれないなぁ、と思っていたところでした。そこで、あらかじめ「ここに行きたい!」リストを作成し、順に足を運ぶことに。ダンナはわたしよりも回数来ているので、今回はわたしの希望を優先してもらいました^^

TATE BRITAIN

一番上の写真はTATEの入り口です。ずっと気になりながら、実はこれまでに一度も足を運んでいなかったテート・ブリテン。なので今回は絶対に行こうと思っていて、最初に行くことにしました。英国美術の歴史をたどることのできる美術館で、ターナーのコレクションと、ジョン・エヴァレット・ミレーの『オフィーリア』が有名です。

まず、ターナーの作品をこんなにまとめて観たのは初めてでした。たくさんの絵を見ていると、これまでに抱いていたターナーのイメージとはまったく異なった画家の印象が浮かんできて、新鮮でした。そして『オフィーリア』。やっと会うことができました。美しかったです。ちょうどガイドツアーのグループがオフィーリアの前で説明を聞いていたので、一緒に拝聴。グループが異動した後に、間近でじっくり観て参りました。

NATIONAL PORTLAIT GALLERY

こちらも、これまでに何度も行きそびれていた場所。ナショナルギャラリーに隣接しており、ついついナショナルギャラリーを先に観てしまうと、お腹いっぱいになって、ポートレートギャラリーまでたどり着かない!となっていました。そこで今回はナショナルギャラリーは後回しでこちらへ。

ロンドンNATIONAL PORTLAIT GALLERY

王室関係をはじめとした歴代主要人物の肖像画の数々。実に見ごたえありました。小学生と思しき集団があちこちにいて、自国の歴史を学ぶのにこういう場所があるのは素晴らしいなぁと、しみじみ感じました。

Victoria and Albert Museum

隙間時間ができたので、ダンナに「どこ行きたい?」と聞いたところ、即座に「ヴィクトリア&アルバート」との応え。ここは1度や2度では到底回り切れず、何度行っても新しい発見があり、時間が足りない場所です。

ヴィクトリアアンドアルバート博物館ロンドンにて

今回も眼福でお腹いっぱいになりました。展示物はもちろん、展示方法にも観るべきところがたくさんなのです。そんな大量のお宝のなかから、わたしにとって一番のお土産が、この写真。花祭窯で構想中の陶片ミュージアムの、お手本にできそうな展示をいくつも観ることができました^^

TATE MODERN

アポイントの待ち合わせ場所として、アテンド&通訳さんに指定されたのが、ここの1階にあるミュージアムショップでした。テートモダンは今回はリストに入れていませんでしたが、これ幸い、約束の時間より早めに到着してざっと観覧することができました。

テートモダン、ロンドン

元は火力発電所という、テートモダンのスケールの大きさに、毎回圧倒されます。そしてこの建物の外観に掲げられた「TATE MODERN - FREE AND OPEN TO ALL」の文字を見ると、胸が熱くなるのです。「OPEN TO ALL」すべての美術館博物館はかくあるべし、ですね。

NATIONAL GALLERY

ロンドン最終日の隙間時間に、ダンナに「どこ行きたい?」と尋ねたところ、「ナショナルギャラリーのダ・ヴィンチの部屋」と、ピンポイントの返事がありましたので、迷わずそちらへ。館内では迷いそうになりましたので(笑)、監視スタッフさんに聞いて目的の場所に辿り着きました。

ロンドンナショナルギャラリー

ダンナが「この絵を見ると、毎回とても励まされる」という、ダ・ヴィンチの作品を観ることができました。美術館の周りはクリスマス・マーケットでお店が立ち並び、このシーズンならではの景色を楽しむこともできました。


上から訪問順です。上2館はしっかり時間を確保して行きましたが、あとの3館は、隙間時間での訪問でした。短時間でも足を運ぼうと思えるのは、その内容の素晴らしさと、「Free」の気軽さゆえ。いずれも公の美術館であり、入場料は無料でドネーション(寄付)方式です。広く市民に向けて敷居が低く開かれていて、いつ行っても、老若男女・多様な人たちの姿があります。幼稚園生と思しき子どもたちから高校生と思しき若者たちまで、授業の一環として来場している集団があちらこちらにいるのも、素敵な景色。わたしが「ロンドン素晴らしい!」と思う一番のポイントです。

というわけで振り返ってみれば、結局ヴィクトリア&アルバートにも、ナショナルギャラリーにも足を運ぶことができた充実度合い。大満足です^^

大丸福岡天神店に新たなアートフロアが誕生したというので、足を運んできました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

大丸福岡天神店に新たなアートフロアが誕生したというので、足を運んできました。

大丸福岡天神店の東館エルガーラ5階に、新たにアートフロアが誕生したと、話には聞いて気になっていました。ちょうど天神界隈に出る予定があり、ついでに足を運ぶことに。これまでは大丸福岡天神店の本館にあった美術画廊スペースが、東館5階に移動してアートギャラリーになり、その隣にあらたにgallery UGさんが入っていました。東京天王洲の寺田倉庫さんのエリアに本店を持つgallery UGさんは、2拠点目の大丸梅田店に続く3店目として九州初出店だそうです。

gallery UGさんの展示スペースに隣接してアート&コーヒーなカフェがあり、コーヒーを飲みながら作品を楽しむことができる空間になっていました。展示中の写真作品を見ていたら、ちょうどその作家さんが在廊中で、いろいろとお話を伺うことができました。もともとは東京本拠のギャラリーさんですが、福岡店では、在福岡・在九州の地元にゆかりのあるアーティストも積極的に扱うことを意識しておられるようです。ギャラリーに来たお客さんと、作家との距離が近いことを生かせそうな空間だなぁ、と感じました。

さて大丸さんのアートギャラリーでは、『アンティーク工芸展』として、ガレ、ルネ・ラリック、ドームなどのガラス作品が並んでいました。オールドバカラも数点、そして古いマイセンもありました。展示情報をまったくチェックせずに足を運んだのでしたが、アール・ヌーヴォー、アール・デコ期のアンティークを拝見することができて、ラッキーでした。1週間ごとの展示入れ替えということでしたので、グッドタイミングです。

ちなみに次回は10月8日(水)から1週間、『レオナール・フジタとエコール・ド・パリの作家たち』のタイトルで、藤田嗣治作品を中心に、ピカソやシャガールの作品も観ることができるようです。わたしが足を運んだのは平日の午後ということで、時間帯のせいもあるかもしれませんが、お客さまがとても少なく、せっかくの展示がもったいないなぁと思いました。新しいアートフロアは8月29日にオープンしたということで、まだあまり知られていないのかもしれませんね。

ギャラリーは美術館と違って基本的に入場料を取られませんし、展示作品との距離が近くじっくり見ることができますので、おススメです。展示イベントの予定をチェックして、興味のあるテーマのときには、気軽に足を運びたいですね。

陶片ミュージアム@花祭窯、始動に向かってまずは展示資料陳列棚の検討から。

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陶片ミュージアム@花祭窯、始動に向かってまずは展示資料陳列棚の検討から。

そろそろ有言実行で、陶片ミュージアムを整備したいと思います。とはいっても、花祭窯のギャラリースペースの一角に「いつでもすぐにご覧いただけるよう、展示用の陳列棚を設置する」程度ですので、「ミュージアムを整備」という字面は少々大袈裟(笑)。畳一畳ほどの美術館からスタート!とでも言いましょうか。それでもわたしにとっては嬉しい一大事業の第一歩です^^

形から入る、というのは案外良いことなのかもしれません。容れ物が決まることが推進力になるのは確かです。花祭窯の什器でたびたびお世話になっている大川家具ドットコムさんに、今回もお世話になることは早々に決めました。どういうものを作っていただくのが良いか検討した結果、今回はオーダーメイドではなく、既存の「着物箪笥」を流用して陶片の展示棚として使うことを決定。アドバイスをいただいていくつかの候補を挙げたところ、大川家具ドットコムさんのアテンドで、メーカーさんのショールームを見学できることになりました。ありがたいことで、感謝感謝です。

いざ、福岡県大川市にあるメーカーさんのショールーム「カグハウス」さんへ。花祭窯のあるここ津屋崎からは高速道路を使って約1時間半のドライブです。足を運んで実物を拝見しに伺う理由は、頭のなかにある「陶片展示棚」のイメージがはっきりしているので、そこに当てはまるかどうか、というところです。事前のやり取りでほぼ間違いないだろうという確信はありましたので、念のための確認というところでしょうか。

大川家具ドットコムの代表堤さんのアテンドで、カグハウスさんの営業担当さんから説明をお聞きすることができました。現物は、やはりとっても素敵でした。嬉しくなって引き出しを何度も開け閉め。そしてなんと、既製品として紹介しているものの、メーカーさんだから箪笥の引き出しの数や深さを希望に合わせて作り変えるセミオーダーが可能!ということで、思いがけず活用イメージの幅が広がりました。もちろんオーダー分は有料でプラスですが、これはとても魅力的です。

というわけで、この箪笥にすることは、ショールームに入って5分もしないうちに即決。あとはどのようにアレンジしていただくか、あるいはアレンジなしでそのまま使ってみるのか、決めるだけとなりました。やはり現物を見ると早いですね。メーカーさんに直接お話を伺うことができたのも、良かったです。

おかげさまで、今年内にはまず陶片ミュージアムの第一弾展示ケースを完成させることができそうな道筋が見えてきました。嬉しいです。頑張ります♪

仕掛品ならぬ仕掛仕事が増えて混沌となりつつあるので、机の上を整理整頓。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

仕掛品ならぬ仕掛仕事が増えて混沌となりつつあるので、机の上を整理整頓。

ここ津屋崎も、先週ぐらいから秋っぽい空気を感じるようになっています。天気予報を見れば最高気温は30度前後だったりするので、冷静に考えたら「夏日」ということではあるのですが、それでも朝晩は涼しい日も多くなりましたし、連日35度前後であった日々を考えれば、かなり過ごしやすく。

涼しくなってくると、なにかと意欲が旺盛になるのは、動物としての本能なのでしょうか。読書の秋、芸術の秋、スポーツの秋、食欲の秋…「○○の秋」とは言い換えれば「○○」に対する欲求。個人的には、どうやら「仕事の秋」とでもいう状態に突入しているようで、「今手掛けていること」と「これから手掛けていきたいこと」に関する情報が、やたらと目につくようになっている今日この頃です。来年以降の話がちらほら増えてきたのも、季節を感じるひとつ。

こういう状態になると、同時並行的に複数事案についての情報が、目に耳に入ってきます。とりあえず、それぞれの情報やメモをクリアファイルに挟んで目の前の棚に立てたり、机の上に積んだりしているのですが、これらが増えてくると、当然混沌とした状態になってきます。同じテーマのファイルがいつのまにか複数できていたり、あるとわかっているのに「必要な時にサッと取り出す」ことが出来なかったり。

というわけで、本日はちゃんと時間をとって、整理整頓。情報をとった時系列でファイルを並べるようにしているのですが、まずは同じ事案についての情報を時系列の一番新しいファイルにまとめてひとつにしていきます。これだけでも、現状把握ができると同時に、「空いたクリアファイル」がいくつも出てきます。

「そんなのスマホ(オンライン)で管理したらいいのに」という声が聞こえてきそうですが、そういうことに関してはスマホをまったく使えていません(笑)。ただ、手を動かして「整理整頓」の物理的な作業を行うことが、わたしにとっては記憶の定着にもつながるので、それでよいと思っています。一緒に仕事をするスタッフがいたり、外注でお願いするパートナーさんと共有すべきことがあればまた別の話になりますが。

ともあれまずは整理整頓。仕事が思うようにはかどらないな、とか、何かを探している時間が増えたなと感じたら、立ち上がって手を動かして整理整頓です^^

九産大特任教授の緒方先生から、「博物館浴(RT)」の説明リーフレットが届きました。

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九産大特任教授の緒方先生から、「博物館浴(RT)」の説明リーフレットが届きました。

※本文中(RT)は商標登録済みであることを示しています。

九州産業大学美術館を中核館とする、『「健康社会」実現を目指した、国際的「博物館浴(RT)」ネットワークによる社会課題解決事業実行委員会』から、博物館浴の解説リーフレットが届きました。A4サイズの4ページ構成。簡潔にまとまっていて、初めましての方にも「博物館浴とはどういうものか」がわかるようになっています^^

わたしが2013年に博物館学芸員資格課程を修了したあと、2016年から文化庁「ふくおか博物館人材育成事業」の学芸員技術研修会に参加したのが、九州産業大学特任教授・緒方泉先生との出会いでした。以来ほぼ毎年、緒方先生が束ねる学芸員の研修会に、館に所属しないフリーランスの立場ながら参加させていただいています。2018年からは文化庁「大学における文化芸術推進事業」博物館マネジメント人材育成事業の研修会に参加し、2021年以降は「博物館リンクワーカー人材養成講座」参加するなかで、「美術は(美術館・博物館は)地域でどのような役割を担うことができるか」を、考える機会をいただいてきました。「アート・エデュケーター」としての仕事や使命をじっくり考える機会です。

今回配布されたリーフレットでは、日本と世界の「博物館と健康・ウェルビーイング」の取り組みが、ここ10年ほどでどのように進んでいるか、その必要性・価値がわかりやすく紹介されています。緒方先生が2020年からスタートし、継続中の実証実験で証明されつつあることも、簡潔に示されています。実際に「リラックス効果」が生理的な数値の測定結果として現れていることは、これらを根拠として美術が活用される機会が増えることを示唆しています。個人的には、世の中に「役に立つ」ことだけがすべてではなく、美術は一見役に立たないものの代表格であり、それで(実利的でないという位置づけで)よいのだ、というスタンスこそが大切だと思っていますが、実用的価値への関心をきっかけとして美術愛好家が増えるなら、それはそれで歓迎すべきことかもしれません。

「博物館浴」を取り巻く今後の取り組みと、実証実験結果に、これからも注目してまいります^^

「私は誰か」「私は何を知っているか」「私は誰を知っているか」。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「私は誰か」「私は何を知っているか」「私は誰を知っているか」。

今年四月に読んだ本『Effectuation エフェクチュエーション』。つい先日、友人とやりとりしていて、あの本のタイトルは「エフェクチュエーション」のあとに『優れた起業家が実践する「5つの原則」』と続くけれど、起業家とかビジネス分野に限らず、ふつうに個人の生き方・考え方に置き換えても、当てはまるところがあるよね、という話になりました。

「エフェクチュエーション」という耳慣れない名前で「5つの原則」をまとめて差し出してくださったから、なんだか新しい考え方のように見えましたが、そこに書いてあることは、実はずっとなんとなく「心当たりがある」ものでした。道理で、最初に読んだ時から「腑に落ちることだらけ」という感覚が付いて回ったのですね。

なかでも、ひとつ目の原則として挙げられている「手中の鳥の原則」は、たとえば「(自分資産の)棚卸し」と言い変えたら「ああ!それならやったことある!」という人も多いのではないでしょうか。おそらくビジネスパーソンには馴染みのある考え方かな、と。かくいうわたしも、花祭窯を創業する際に、自分たち(ダンナとわたし)について、まずこれを書きだす作業を何度もしたなぁと、思い出しました。本日のブログタイトル「私は誰か(Who I am)」「私は何を知っているか(What I know)」「私は誰を知っているか(Whom I know)」です。「私」は場合によって「私たち」にもなります^^

日々の仕事のなかで、わたしたちはおそらく無意識に「手中の鳥の原則」を使いまわしているのだと思います。が、きちんと意識して書きだすことは、ここ何年もしていない!ということに気が付きました。というわけで、久々にさっそくやってみることに。年齢を重ねている=経験・体験を積んできた分、書き出せる内容はずいぶん増えています。もちろん、なかには失ったものもあります。取り掛かったは良いけれど、思いがけず膨大な作業になりつつあり、内心ちょっぴり「しまった!」という気もしないではありません(笑)。ともあれ、どんな鳥が何羽ほどいるのか、楽しみながら見つけたいと思います。

『Effectuation エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』(ダイヤモンド社)吉田満梨・中村龍太著

郷育カレッジ講座「知識要らずの美術鑑賞@福岡市美術館」を開催しました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

郷育カレッジ講座「知識要らずの美術鑑賞@福岡市美術館」を開催しました。

福津市民のための生涯学習システム「郷育カレッジ」。今年も福岡市美術館さんのご協力を得て、「知識要らずの美術鑑賞」講座を開催いたしました。美術鑑賞講座自体は2021年からスタートして5年目ですが、福岡市美術館(以下、市美)へ足を運んでの開催は2023年からですので、3年目です。今年もたくさんのご応募をいただき、参加者は抽選での受講決定となりました。現地で美術鑑賞のナビをしてくださるのは、福岡市美術館の教育普及プログラム担当の学芸員さんと、美術館ボランティアガイドの方々。

市美までは、福津市の集合場所から公用バスで1時間ちょっと。その時間を使って、バスのなかでは、昨今の美術・美術館の役割や、美術館の活用法、「鑑賞」の目の訓練方法などを、簡単にレクチャー致しました。到着後は4名づつのグループに分かれて、各グループにボランティアガイドさんが一人付き、「対話型鑑賞」のスタートです。ガイドさんがそれぞれに選んだ3点の作品に対して、グループ内で対話をしながら鑑賞していきます。

講座で利用するコレクション展示室は、近現代美術がある2階の展示室と古美術がある1階の展示室の二カ所です。1階の古美術の企画展示室では、「仙厓展」が始まったところで、見ごたえのある掛け軸がずらりと並んでいました。鑑賞用の作品をどう選ぶかは、ガイドさんによって異なりますが、題材として使いやすいものは重複している傾向があります。グループ内で意見を活発に出してもらうためには、どのような「問いかけ」をするかも肝であり、ガイドさんの力量にゆだねられます。各グループとも参加者の皆さんが積極的に発言しているご様子を見ることができたのが、良かったです。

「美術館」を持たない福津市。できれば市内でこのようなツアーができると良いのですが、近隣市町村に足を運ぶことで見えてくるものもあります。草の根的に美術の教育普及を続けていくことで、いつか「福津市に美術館」の動きになったりしたら面白いな、と思いつつ。ともあれ今年も無事講座を終えることができました。

参加者の皆さん、福岡市美術館教育普及担当学芸員さん、ボランティアガイドの皆さんに心より感謝です^^

インプットツアー in 小倉-リバーウォーク北九州が素晴らしい―その2。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

インプットツアー in 小倉-リバーウォーク北九州が素晴らしい―その2。

その1では、北九州芸術劇場での九響定期演奏会をレポートしました。同じ日に、念願だった「ZENRIN MUSEUM(ゼンリンミュージアム)」に足を運ぶことができました。かつてサラリーマン時代に法人営業職でたいへんお世話になった道路地図・住宅地図のイメージから、現在ではカーナビの基幹を支える地図情報など、「地図といえばゼンリンさん」です。衛生陶器のTOTOさん、ロボットの安川電機さん、プラントの高田工業所さんなどなど、北九州市は創造力豊かな企業が育つエリアとして、京都市と似た雰囲気あると感じていますが、ゼンリンさんもその筆頭の一社だと思います。

リバーウォーク北九州の4階に受付と映写室があり、展示室はエレベーターで昇った14階にありました。14階に上がり、まず目に飛び込んできたのが雰囲気の良いカフェコーナーと、広い窓からの景色。美術館のチケットが無いと入れないカフェです。おお~!と思いつつ、まずは展示を見に回ります。

いやぁ、圧巻の資料の数々でした。ほとんどは複製資料でしたが、それは地図の役割と、材質(ほとんどが紙)であることを考えれば当然です。そのうえで、これだけの資料が揃っていることに、地図を事業とする会社の誇りと信念を感じました。なにより地図の数々を眺めていると、その地図が作られた時代背景などにも思いが至り、想像力を掻き立てられます。地図ばかりこんなにたくさん並んでいるのを見たのは初めてでしたが、期待以上の面白さでした。1600年代頃からの、諸外国が作った日本地図の数々を眺めていると、その背後にあったであろう「日本に対する意図」が透けて見えたように思いました。

そして、日本国内で地図といえば=伊能忠敬のコーナーももちろん充実していました。下の写真は、撮影OKの伊能図。

ZENRIN MUSEUM(ゼンリンミュージアム)

あまりの面白さに興奮冷めやらぬ状態で、カフェコーナーへ。セミセルフ式のカフェでは、150円からお茶をいただくことができます(2025年8月現在)。せっかくなので辻利茶屋さんの緑茶200円也をいただきながら、窓際の席へ。するとすかさず、スタッフさんが窓からの景色を開設する略地図を持ってきてくださり、窓から見える海向こうの下関(山口県)やら関門海峡の関門橋の位置など、地理関係を説明してくださいました。これは素晴らしいサービスです。眼下には海峡を往来する船と、新幹線と在来線の線路が見え、小倉駅で速度を落としている新幹線をじっくり見ることができました。最高の場所でした。

ゼンリンミュージアム、かなり楽しかったです。小倉方面に用事があるときは、また何度でも足を運びたいと思いました。