郷育カレッジ講座「知識要らずの美術鑑賞@福岡市美術館」を開催しました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

郷育カレッジ講座「知識要らずの美術鑑賞@福岡市美術館」を開催しました。

福津市民のための生涯学習システム「郷育カレッジ」。今年も福岡市美術館さんのご協力を得て、「知識要らずの美術鑑賞」講座を開催いたしました。美術鑑賞講座自体は2021年からスタートして5年目ですが、福岡市美術館(以下、市美)へ足を運んでの開催は2023年からですので、3年目です。今年もたくさんのご応募をいただき、参加者は抽選での受講決定となりました。現地で美術鑑賞のナビをしてくださるのは、福岡市美術館の教育普及プログラム担当の学芸員さんと、美術館ボランティアガイドの方々。

市美までは、福津市の集合場所から公用バスで1時間ちょっと。その時間を使って、バスのなかでは、昨今の美術・美術館の役割や、美術館の活用法、「鑑賞」の目の訓練方法などを、簡単にレクチャー致しました。到着後は4名づつのグループに分かれて、各グループにボランティアガイドさんが一人付き、「対話型鑑賞」のスタートです。ガイドさんがそれぞれに選んだ3点の作品に対して、グループ内で対話をしながら鑑賞していきます。

講座で利用するコレクション展示室は、近現代美術がある2階の展示室と古美術がある1階の展示室の二カ所です。1階の古美術の企画展示室では、「仙厓展」が始まったところで、見ごたえのある掛け軸がずらりと並んでいました。鑑賞用の作品をどう選ぶかは、ガイドさんによって異なりますが、題材として使いやすいものは重複している傾向があります。グループ内で意見を活発に出してもらうためには、どのような「問いかけ」をするかも肝であり、ガイドさんの力量にゆだねられます。各グループとも参加者の皆さんが積極的に発言しているご様子を見ることができたのが、良かったです。

「美術館」を持たない福津市。できれば市内でこのようなツアーができると良いのですが、近隣市町村に足を運ぶことで見えてくるものもあります。草の根的に美術の教育普及を続けていくことで、いつか「福津市に美術館」の動きになったりしたら面白いな、と思いつつ。ともあれ今年も無事講座を終えることができました。

参加者の皆さん、福岡市美術館教育普及担当学芸員さん、ボランティアガイドの皆さんに心より感謝です^^

インプットツアー in 小倉-リバーウォーク北九州が素晴らしい―その2。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

インプットツアー in 小倉-リバーウォーク北九州が素晴らしい―その2。

その1では、北九州芸術劇場での九響定期演奏会をレポートしました。同じ日に、念願だった「ZENRIN MUSEUM(ゼンリンミュージアム)」に足を運ぶことができました。かつてサラリーマン時代に法人営業職でたいへんお世話になった道路地図・住宅地図のイメージから、現在ではカーナビの基幹を支える地図情報など、「地図といえばゼンリンさん」です。衛生陶器のTOTOさん、ロボットの安川電機さん、プラントの高田工業所さんなどなど、北九州市は創造力豊かな企業が育つエリアとして、京都市と似た雰囲気あると感じていますが、ゼンリンさんもその筆頭の一社だと思います。

リバーウォーク北九州の4階に受付と映写室があり、展示室はエレベーターで昇った14階にありました。14階に上がり、まず目に飛び込んできたのが雰囲気の良いカフェコーナーと、広い窓からの景色。美術館のチケットが無いと入れないカフェです。おお~!と思いつつ、まずは展示を見に回ります。

いやぁ、圧巻の資料の数々でした。ほとんどは複製資料でしたが、それは地図の役割と、材質(ほとんどが紙)であることを考えれば当然です。そのうえで、これだけの資料が揃っていることに、地図を事業とする会社の誇りと信念を感じました。なにより地図の数々を眺めていると、その地図が作られた時代背景などにも思いが至り、想像力を掻き立てられます。地図ばかりこんなにたくさん並んでいるのを見たのは初めてでしたが、期待以上の面白さでした。1600年代頃からの、諸外国が作った日本地図の数々を眺めていると、その背後にあったであろう「日本に対する意図」が透けて見えたように思いました。

そして、日本国内で地図といえば=伊能忠敬のコーナーももちろん充実していました。下の写真は、撮影OKの伊能図。

ZENRIN MUSEUM(ゼンリンミュージアム)

あまりの面白さに興奮冷めやらぬ状態で、カフェコーナーへ。セミセルフ式のカフェでは、150円からお茶をいただくことができます(2025年8月現在)。せっかくなので辻利茶屋さんの緑茶200円也をいただきながら、窓際の席へ。するとすかさず、スタッフさんが窓からの景色を開設する略地図を持ってきてくださり、窓から見える海向こうの下関(山口県)やら関門海峡の関門橋の位置など、地理関係を説明してくださいました。これは素晴らしいサービスです。眼下には海峡を往来する船と、新幹線と在来線の線路が見え、小倉駅で速度を落としている新幹線をじっくり見ることができました。最高の場所でした。

ゼンリンミュージアム、かなり楽しかったです。小倉方面に用事があるときは、また何度でも足を運びたいと思いました。

インプットツアー in 小倉-リバーウォーク北九州が素晴らしい―その1。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

インプットツアー in 小倉-リバーウォーク北九州が素晴らしい―その1。

1月の九響ニューイヤーコンサート、2月の日本フィル、5月の九響定期演奏会「オペラトスカ」のあと、しばらく間が空きましたが、九響の北九州定期演奏会に足を運んでまいりました。今回の会場は、北九州市小倉にあるJ:COM北九州芸術劇場大ホール。商業施設「リバーウォーク北九州」の中にあります。そういえば2月に日本フィルを聴いた北九州ソレイユホールはここから歩いて15分ほどのところ。北九州市内には、オーケストラの演奏会ができるホールがいくつもあって、市民の文化芸術活動への関心の高さ・培ってきた歴史を感じます。

今年3月までN響のコンサートマスターをお勤めだったという「まろ」こと篠崎史紀氏の指揮とヴァイオリンを初鑑賞できるとあって、ドキドキしながら出かけました。九響のミュージック・アドバイザーも務めておられる篠崎氏、そういえば氏が登場するのは、北九州での定演が多いなぁ、と思っていたら、北九州市のご出身なのですね。クラシック素人のわたし、ほんとうに知らないことばかりです(汗)いわばお膝元である会場は、ほぼ満席でした。驚いたのは、マイクを握った「まろ」氏の気さくさと、サービス精神の旺盛さ。大御所感を全身から放ちながら、ファンサービスをさらっとこなす大人の余裕。すごい人はやっぱりすごい!ですね。

北九州芸術劇場には初めて足を運んだのですが、3階の一番上の席を押さえたところ、これが大当たりでした。というのも、ソリストとしてピアノの谷昴登さんが登場したのですが、高い位置の席から、グランドピアノの蓋を開けた中がとても美しく見えたのです。そして、ピアノを弾く鍵盤の上の手の動きがまたよく見えました。高い位置の席=舞台から一番遠いので、もちろん細かいところは見えませんが、全体をすっぽりと俯瞰で拝見することができて、耳と目とで満喫する、至福の時間となりました。

ピアニスト・谷昴登氏の演奏をお聞きしたのも、初めてでした。ピアノを弾く姿と音の、優雅でありながら入り込んでいる様子に、力を感じました。その谷昴登氏も、北九州市のご出身だということです。北九州のポテンシャル、すごいですね。演奏に感動し、谷さんが出演なさる公演のチラシが目についたのをいいことに、帰りに劇場内のチケット販売窓口に寄ってさっそくゲット。次もまたわたしにとっては「初めまして」のホールになりますが、北九州市内での演奏会になります。今回の成功体験に味を占めて、一番高い位置にある席を取りました♪

これまで何回も足を運んだことのあるリバーウォークでしたが、そのほとんどは夕方から夜にかけてのビジネス系勉強会でしたので、文化施設としてのリバーウォークを楽しむ初体験となりました。「その2」に続きます^^

チャンスをつかむことができるかどうかは、その準備ができているかどうかに依る。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

チャンスをつかむことができるかどうかは、その準備ができているかどうかに依る。

自己啓発本に出てきそうな文言ですね。おそらくわたしも、その手のもので読んだのだと思います。準備ができていないと、チャンスが近づいてきたことにそもそも気付かない、とも言われますね。ほんとうにそうだなぁと思うことが最近ありました。

小さなことではありながら、わたしにとっては貴重なチャンスが近づいてくる足音が聞こえてきて、一瞬躊躇したものの、いや、これまでにそれだけの準備はできているはずだからと、つかみに行くことにしました。つかめるかどうかは、もう少し先にならないとわかりませんが、とりあえず、チャンスらしきものに気が付くことはできましたので、あとはさらに準備を整えて天に任せるのみ。

これまでコツコツと積み上げてきたものを、世に問う機会が得られるかどうか。その機会が、積み上げてきたものに対してふさわしい場であるかどうか。機会に恵まれる人とそうでない人との境目がどこにあるのか。こういうことを突き詰めて考えていくと、機会を得るための「How to」に辿り着ける確率は上がるのかもしれません。が、そういうことに時間を費やすよりは、「コツコツ」に時間をかける方に走ってしまう性質なので、効率よくは参りません。これは一見「地道」という好意的な言い方もできますが、裏を返すと「面倒くさがり」ということもできるので、微妙なところです。

そういえば、古巣の創業者の宣った社訓は「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」でした。

ともあれ、自分のしてきたことを信じることができるか。信じることができるまでやろう!ということでもありますね^^

久しぶりに福岡市美術館をウロウロ―常設の「コレクション展」を楽しむ♪

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

久しぶりに福岡市美術館をウロウロ―常設の「コレクション展」を楽しむ♪

9月に開催する郷育カレッジの美術鑑賞講座の打ち合わせのため、福岡市美術館に行ってきました。打ち合わせは午後からでしたので、お昼前に美術館に入って、先にじっくり一周です。

現在、特別展示室では「Hello Kitty展」開催中の福岡市美術館。大濠公園に入ったとたんに、キティちゃんの紙袋を持った人がたくさんで、展覧会の盛況ぶりが伝わってきました。キティちゃんは好きですが、美術館でキティちゃんを見たいとは思わないので、今回は特別展はスルーして、常設展示のコレクション展示室へ。

2階にある近現代美術室のうち、毎年一回大幅な展示替えが行われるエリアがあり、前回訪問時から大きな変化が見られました。まずは展示室のつくり自体が変わっていたこと。これまでなかったところに壁が出現し、広い展示室のなかにいくつかのコーナーができていました。またキャプションボードだけでなく、作品を掲示している壁自体に文字や図を入れて、鑑賞方法をナビゲーションする仕組みも。学芸員さんたちが「鑑賞してもらうための工夫」をいろいろと検討しておられることが、伝わってきました。

その先に進むと、比較的短期でテーマ展示を入れ替えているコーナーです。「懐かしの風景~ニッポンの夏~」のタイトルで、絵画や版画作品が並んでいました。ここに並んでいた、伊藤深水の美人画シリーズの木版画が、見ごたえありました。

福岡市美術館 伊藤深水の美人画木版画
福岡市美術館 伊藤深水の美人画木版画

そして、ここで気が付いたのが、福岡市美術館の展示が、原則として写真OK(フラッシュNG)になっていたこと。監視員のお姉さんに「写真OKになったんですね!」と声をかけたら、ニッコリと「はい!ダメなところだけ、撮影禁止のピクトグラム表示が出ています」のお返事でした。ようやく福岡でもこの流れになってきたのですね、とっても嬉しいです。

昨年度リニューアル工事中で立ち入り禁止エリアになっていたところも、すべてオープンしていて、ホールにも新しい作品が設置されていました。ゆっくり横目に眺めつつ、続いては、1階の古美術のコレクション展示室へ。古美術のコレクション展示は、安定の素晴らしさで、ここに来ると気持ちが落ち着きます。企画展示室では、夏休みということもあり子ども向けに「音楽会」をテーマにした所蔵作品の展示でした。茶道具をメインとした松永記念館室も、夏の茶事をテーマにしており、学芸員さんたちの工夫の跡がうかがえます。このエリアは比較的展示替えが頻繁にあるので、次回訪問の9月には変わっているはずで、これまた楽しみです。

散々眺めた後に、福岡市美術館の教育普及担当学芸員さんと打ち合わせ。そのあとまた、一緒に常設展示室を2階から1階へと回りました。館の学芸員さんと一緒に回ると、展示の裏話などもお聞きできるのが楽しいです。役得で、ありがたいことです。福岡市美術館内をほぼ2周回って、歩数計は5000歩を超えていました。美術館博物館は、体を動かすのにも最適です^^

8月に入りました―誕生月なので「一人戦略会議」からスタート。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

8月に入りました―誕生月なので「一人戦略会議」からスタート。

今月はワタシのお誕生月でもありますので、長期計画を含めて一人戦略会議からスタートです。というのも、昨年「おかげさまで、55=GOGO!な1年がスタートしました―まずは一人戦略会議から。」で、良い感じにスタートが切れたので。先日「サッシン・ベース」に参加しましたが、そのキックオフ=スタートが8月1日だったというのも、わたしにとっては良かったです。タイミングよく背中を押していただいています。

まずは年初に立てた経営指針書の進捗確認から。月々で随時チェック&書き込みはしていますが、このタイミングで精査します。変更事項がいくつもあるのはもちろん、この半年超で新たに増えているやるべきこと&やりたいことが目にとまり。そういうものを、機を逃さず入れていけるよう、意識してスケジュールに空白・余裕を作っておくことが大切ですね。今年は個展等の展覧会スケジュールを詰めすぎずに調整できましたので、作り手の負担も過剰ではないはず。作る人もまた、納期に追われすぎては良い仕事ができませんので、この辺りは意識してゆかねばなりません。

昨年は「GOGO!な今年からは、アートエデュケーターとしての仕事を、また少しづつ増やしていきたいと考えています」と書いていました。正直に言えば、この1年でそのための具体的積極的なアプローチはできなかったのですが(汗)、思いがけないところからの打診などもあり、これから機会を増やしていけそうです。花祭窯おかみの仕事とアートエデュケーターとしての仕事は、相互に良い影響・効果があります。常にさんざんインプットはしてきていますので、しっかりアウトプットにつなげたいところです。

一人戦略会議の時間を確保できたので、まずは満足。ここから秋冬の個展・展覧会・商談会・新規事業に向かって、しっかり仕事して参ります。

小学校の夏休み学習会に、美術講座(コラージュ制作)で協力参加。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

小学校の夏休み学習会に、美術講座(コラージュ制作)で協力参加。

福津市では「コミュニティ・スクール」なるものを推進しています。小中学校の運営に地域の方々が参画し、「地域に開かれた信頼される学校づくり」「子どもたちが異世代や多様な立場の人と関わる機会の創出」を意図しています。ある小学校で地域住民との交流を交えた「夏休み学習会」を開催するにあたり、イベント的に美術系の講座を希望しているということで相談があり、協力してまいりました。

小学1年生から6年生までの生徒が約50名参加する学習会。夏休み二日間だけでも、こうして学校で受け入れてくれる機会があるというのは、保護者にとっても、子どもたちにとっても、ありがたいことだろうなと思います。運営する学校の先生方、地域の大人たちの愛を感じます。まずは旗振り役の教頭先生にお会いして、小学校の状況や、夏休み学習会の目的などをお伺いし、今回は「コラージュ」を取り入れることにいたしました。

コラージュ

上の写真は説明用サンプルとして、久しぶりに自分の手を動かして作ったコラージュ。いつやっても、やっぱり楽しい作業です。

通常1時間から1時間半かけて行っているコラージュのプログラムを、時間割の関係で30分に組み直し。50名を前後半に分けて25名づつの講座となりました。最初の説明と、後片付けの時間まで含めて30分のプログラムですので、実質作業ができるのは20分ほど。こんなに短い時間で組んだのは初めてでしたが、思いのほか小学生たちが集中力を発揮してくれて、充実した時間となりました。時間も素材も、制限されたなら制限されたなりに、面白い作品が出来上がると証明できる、良い機会となりました^^

久しぶりに子ども相手のコラージュ講座で、とにかく面白かったです。一口に小学生といっても、1年生と6年生とでは成長度合いがまったく異なります。今回はその1年生から6年生まで混成での50名でしたので、まぁその成果物の多様なこと。夏休み学習会のお手伝いにボランティアで来ていた近所の高校生たちにも、せっかくだからとコラージュ制作をしてもらいました。最初は「えー…」と言いつつも、はじまったらものすごく集中して作り上げる姿が見られました。これまたとても面白かったです。

子ども向けの美術講座もそろそろ再開しようかしら、と考える機会になりました。ご興味のある方はお問い合わせくださいね。

ブログ「ふじゆりスタイル」の「投稿者プロフィール」を更新しました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ブログ「ふじゆりスタイル」の「投稿者プロフィール」を更新しました。

わたしが勝手に「ブログの師」と仰いでいる、「せっちゃん」こと展示活用アドバイザーの大島節子さん。まったく業界は異なりますが、彼女のブログ「展活Times」には、個人が自分の名前で仕事をしていく上での示唆があふれています。というわけで、自分の仕事に取り込めるところは、積極的に真似をさせていただいています^^

そんなせっちゃんが、ブログ「展活Times」で『生成AI時代のサイト集客「LLMO」とは?』(2025年7月8日)のタイトルで記した内容に、今回も学ばせていただきました。ブログを書く際に、読んでくださる人に価値ある情報を誠実に情報を届けようとしたときに、「今日からでも意識できる、基本的な考え方」です。なかでも『「一次情報」と「専門性」を突き詰める』『(記事を書いているのは)「何者か」を明確にする』の2点は、まさに「今日からできる」ことでしたので、さっそく取り入れることに。

記事を書いているのは「何者か」を明確にするために、せっちゃんの言う「この記事は、○○の専門家である△△が、□□という経験に基づいて書いています」(展示活用アドバイザーの大島節子さんのブログ「展活Times」より)を意識して、ブログのキャッチコピーと投稿者プロフィールを練り直しました。


<ふじゆりブログ キャッチコピー>

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。美術をもっとふつうに楽しむ。「仕事≒暮らし」な趣味的日常を記します。

<ふじゆりブログ 投稿者プロフィール>

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。


プロフィールがずいぶん長文になってしまいましたので、もう少しスマートにできたらいいな、と思っています。とりあえず現時点では上記のものを載せていますが、引き続き練り直し、その都度更新していこうと思います。なので、次にご覧になったときには、微妙に文面がブラッシュアップされているかもしれません^^。ともあれキャッチコピーもプロフィールも、ずいぶん前に書いたままで、放置状態に近かったことを反省。更新のきっかけと助言をくださったせっちゃんに、心より感謝です。

展示活用アドバイザーの大島節子さんのブログ「展活Times」

令和7年度(2025年度)郷育カレッジ、無事開講式を迎えました!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

令和7年度(2025年度)郷育カレッジ、無事開講式を迎えました!

福津市民のための生涯学習システム「郷育カレッジ」。福津の「ひと、もの、こと」を題材に、ふるさと、健康福祉、環境、生きがいなど、さまざまな分野の講座を開催します。7月5日(土)に2025年度の開講式を開催いたしました。

これまで10年ほど、わたしは開講式では受付を担当していましたが、今年は裏方のステージ担当へ。受付は式典がスタートしたら持ち場を離れることができませんでしたので、開講式でのオープニングイベントや公開講座を聴講することができないでいたのですが、今回は舞台裏からすべてのプログラムを見ることができて、個人的にとても嬉しい開講式となりました。

朝9時前から集合して会場設営を整え、リハーサルをして午後からの式典に備えます。受付は受付でそれなりに神経を使う仕事でしたが、ステージ側の仕事は初めてでもあり、また違った緊張感がありました。皆さんに教えていただきながら、自分の役割を確認。11時にはオープニングイベントで、「獅子楽」を舞ってくれる小学生が到着し、演舞のリハーサル。太鼓の移動場所、マイクを渡すタイミングなどを確認しつつ、リハーサルを見ている段階ですでに感動です(笑)。

小学生の獅子楽演舞の本番では、子どもたちの緊張が伝わってきて、こちらまでドキドキ。そろいの衣装も可愛らしく、舞台袖から近距離で見ることができたのは、役得でした。その後の公開講座では、ここ数年、放送大学とのコラボ講座を開催しています。今年は九州大学名誉教授の小山内康人先生が「九州・福岡の活断層と地震」のタイトルで、講演してくださいました。

このところずっとトカラ列島の地震が続いていたり、7月5日の災害予言が取りざたされていたりという影響があったのでしょうか、予想以上にたくさんの皆さんがご来場くださいました。地質学・岩石学を専門とする小山内先生による、地震発生のメカニズムの解説はとても分かりやすく、現在どのように研究が進められているのか知ることができたのは、とても良いことでした。そして、講座のなかで何度も強調しておられた「自然現象を止めることはできないが、対策によって災害を防いだり減災することはできる」というお話が、とても心に残りました。

毎年、放送大学側にコラボ講座でお願いしたい内容についてテーマを決めるときに運営委員が心がけているのは、学術的な内容でも、来場する市民の皆さんが「自分ごと」として聴きたくなる内容をお願いする、ということです。今年のこの集客状況をみて、皆さんの関心の高さをうかがい知ることができたのは、大きな収穫でした。

当日のアンケートをもとに、また来年の開講式に向けて準備がはじまります。講座もいよいよスタート。今年度も早々に「満員御礼」となった講座がたくさんあり、とてもありがたいことです。が、まだ参加できる講座もあります。興味のある福津市民の皆様には、ぜひ一つでも多くの講座に足を運んでいただけると嬉しいです。

郷育カレッジについてのお問い合わせは、福津市郷育推進課へどうぞ^^

カメリアステージ図書館イベント「発掘調査のあゆみ方」に参加してまいりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

カメリアステージ図書館イベント「発掘調査のあゆみ方」に参加してまいりました。

イベントの正式タイトルは

「発掘調査のあゆみ方~発掘調査最前線 整理作業編~」

講師は福津市教育委員会文化財課・史跡整備係の崎野祐太朗氏。会場となったカメリアステージ図書館の多目的室は、定員10名程度のこじんまりとした空間です。カメリアステージ図書館は2階にあるのですが、その1階が歴史資料館になっていて、この手の勉強会が企画されるのにはうってつけの環境です。まぁまぁマニアックなテーマだけに、参加者少ないかしら…と心配しながら出かけたところ、なんのなんの、募集人数越えの参加で知った顔もちらほら。ともあれ文化財発掘調査に関心を持つ同志!?が、地域に一定数居ることがわかって、嬉しいかぎりです。

今回は「整理作業編」ということで、現場での発掘作業が終わった後から調査報告書作成・発行に至るまでの流れのお話でした。「現場編」は昨年開催したとのことで、わたしとしたことが参加しておりませんでした…痛恨です。が、昨年の現場編の資料も「ご自由にお取りください」と用意してあり、その準備の良さに感嘆。ありがたくいただいてまいりました。

以下、備忘。



  • 遺跡の報告が一番重要=「文化財調査報告書」を作るために発掘調査をしているようなもの。
  • 遺跡は「国民共有の財産」である。
  • 「似たようなもの」はあっても、二つとして同じものは無い。
  • 現場での発掘作業(記録作業)→室内での整理作業(成果検討)→報告書刊行(文化財の公開)
  • 文化財調査報告書を刊行するまでが発掘調査!!
  • 位置と環境=遺跡の上に大地無し→大地があって、遺跡がある→だからこそ、位置・環境・背景を語ることが大切。
  • 「客観的事実に基づいて述べる」ことが大事!
  • 調査報告書の発行を経て、ようやく展示公開することができる。
  • 人類の代表として記録保存。
  • 発掘調査のあゆみ方とは、人類史を守り伝えるためのあゆみ方。

「発掘調査のあゆみ方~発掘調査最前線 整理作業編~」福津市教育委員会文化財課・史跡整備係の崎野祐太朗氏より


最近の発掘調査で、福津市内で縄文時代の遺跡が見つかっていたり、「奈良三彩」の破片が見つかっていたり、という成果があったと聞き、テンションが上がりました。今回の講座でお話しくださった文化財課の職員さんは、わたしは「初めまして」の若い職員さんでしたが、熱く語る姿に仕事への誇りと愛情が感じられ、福津市の文化財課の前途が明るいことを確信しました。「人類の代表として記録保存」「発掘調査のあゆみ方とは、人類史を守り伝えるためのあゆみ方」というフレーズに、グッときました。

実は一時期、趣味が高じて福津市の「発掘作業員」に登録していたことがあるワタクシ。その時に携わった発掘調査は、江戸時代の塩田跡でした。時代的には新しくて、古墳時代を掘り慣れているベテランの皆様は「こんな最近のもの…」とおっしゃっていましたが(笑)、それでも十分にロマンを感じたものです。今回のお話を聞いて、また発掘に行きたいなぁという気持ちが沸きあがってきました。いえ、行きたい気持ちはずっとあったのです。そこに時間を割くことができるかどうか。真剣に考えている自分が可笑しいです。

素晴らしいイベントを企画してくださった図書館の皆様と、講座を担当してくださった文化財課職員さんに心より感謝です^^