読書『ハプスブルグの宝剣 上・下』(文藝春秋)藤本ひとみ

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『ハプスブルグの宝剣 上・下』(文藝春秋)藤本ひとみ

一人で勝手に「藤本ひとみ祭り」継続中です。『皇妃エリザベート』『王妃マリー・アントワネット<青春の光と影>』『王妃マリー・アントワネット<華やかな悲劇のすべて>』『アンジェリク』に続く、ハプスブルグ家周りのストーリー。時系列順に本を読んでいるわけではないうえ、歴史の流れが頭に入っていないので、ハプスブルグ家の家系図と、ヨーロッパ地図を横に置きつつ読んでいます。

今回は男性が主人公である点が、既読の本とは異なっていました。藤本ひとみさんの著書を読むたびに、「長所も短所もひっくるめてとてつもなく魅力的な女性」が登場することが、惹きつけられる一番の理由だとずっと思っていました。が、女性だけではありませんでした。本書で描かれる男性陣の魅力的なこと。

家系図や地図を横に置いてはいたものの、実のところ、お話自体の面白さに引っ張られて、歴史的なものの見方はほとんど顔を出しませんでした。背景をきちんと理解していた方が、より感情移入できるのかもと思いつつも、「よく知らない時代の、よく知らない国の出来事」でも、十分に満喫できる小説のすばらしさ。

上下巻あります。

わたしが読んだのはブログタイトルの通り、図書館で借りてきた「文藝春秋版」でしたが、アマゾンではキンドル版になっていました。もう廃版なのかもしれませんね。文春文庫版の中古は出ていました。上のリンクはキンドル版です。

今回は反省点も一つ。仕事が混んでいるときに、こういう本を借りてきてはいけませんね。続きを読みたくなって気が散ってしまいます。そして、気が散るぐらいなら読み終わってしまおう!ということで、睡眠時間が…。でも、こんなふうに小説世界に没頭する時間が持てることも、とても贅沢なことだと思うのです。

九州EC勉強会「GOOGLEマイビジネス を学ぼう」に参加しました。

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九州EC勉強会「GOOGLEマイビジネス を学ぼう」に参加しました。

九州ECの久しぶりの勉強会は、Zoom開催でした。九州EC=九州ECミーティングは、EC(イーコマース)事業者が集い、事業運営に役立つ情報交換・提供を行う会で、2005年1月にEC事業に関する情報過疎地であった九州でも東京並みの情報が得られる場を作ることが目的で結成されました。自ら経営者でありECに取り組む方々が幹事となり、ボランティアで続けてきている勉強会組織です。

今回のテーマは、Googleマイビジネスとインスタグラムの活用について。講師の先生は、株式会社モアモスト 取締役の河野忍さん。とっても可愛らしい雰囲気をまといつつ、小学生の時からホームページ制作をなさっていたという、筋金入りのIT専門家でいらっしゃいました。やさしい語り口ながら、ズバズバと「やるべきこと」「見込める成果」について、実践結果を見せながらレクチャーしてくださいました。

以下、備忘


  • テレビ、雑誌、新聞、本などによる情報=認知を増やすための情報。
  • ネット検索による情報=行動欲求に結び付いている情報。
  • 認知を増やす→行動欲求。(だから、どちらも大事。)
  • Googleマイビジネスチューニングの目的は「見込客に魅力を正しく伝える」こと。(=誤解を減らし、間違って来てしまう人を防ぐ役にも立つ」。)
  • 写真200枚。
  • 説明文や投稿は、選んだキーワードで5w1hで作文。
  • 投稿は具体的なお客さまを思い浮かべて、その人に向かって。
  • メッセージ機能をうまく使おう。オンライン予約の方法として使えるかも。
  • 口コミには必ず返信。
  • どのメディアにも言えることだが「まず運用方針を決める!」。
  • インスタ初期設定を見直す。
  • #を決める。
  • #は30まで入れる。
  • 目的に合う#の探し方。
  • 2語以上の組み合わせ#。
  • インスタをカタログ化して「更新しない」という手もあり。

九州EC勉強会「GOOGLEマイビジネス を学ぼう」株式会社モアモスト 取締役河野忍氏より


これだけ明確に語られると、もう「話を聞いたのに実践しなかった」は許されない感じがしました(笑)。九州ECは自ら経営者でありECに取り組む方々が幹事となり、ボランティアで続けてきている勉強会組織なので、「今ほんとうに学びたいこと・学ぶべきこと」が学べます。今回もたいへんお世話になりました。ありがとうございました!

貿易実務セミナー「成功する国際ビジネス交渉の基本ルールと注意点」(日本商事仲裁協会主催)

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貿易実務セミナー「成功する国際ビジネス交渉の基本ルールと注意点」(日本商事仲裁協会主催)

久しぶりにビジネス系のセミナーに参加いたしました。Zoom開催です。JCAA(日本商事仲裁協会)さんには、無料のセミナーや相談窓口があり、これまでにも、わからないことや確認したいことがあるときに何度かお世話になっております。

講師の亀田尚己先生は、同志社大学商学部商学研究科で30年以上教鞭をとっておられるということで、お話がとても面白く分かりやすく聞きやすく。またそのお話のベースは、中小製造業の社長として輸出の仕事を長年なさってきた豊富な経験に裏付けられたもので、とても納得できるものでした。

以下、備忘。


  • 念入りなコミュニケーション。
  • 「言わなくてもわかるだろう」を捨てる。
  • パトス(感情)65%、ロゴス(人柄)25%、エトス(証明)10%(アリストテレス『弁術論』より)。
  • 日本語表現の特徴(小前提論拠が抜ける/察してくれることを期待する/はっきり言わない)を捨てる。
  • 聞き上手と質問上手。
  • 自分のこととして話ができるくらいにウェブサイトを徹底的に読み込んでから交渉に臨む。
  • Seazon’s greetingsは有効。
  • 自分が正しく理解できるまで質問を繰り返す(いくら質問してもOK)。
  • 使用される言葉の定義の確認を怠らない。
  • 伝えるだけでなく相手の考えを引き出す(What+How、Why+How)。
  • 商談後は必ず「その時の言語(英語)」で商談録を作成する。
  • 「どちらか」でうまくいかない(納得できない)ときは、第3、4、5…の方法を考える。
  • 商談がうまく進まないときは、視点と視野を変える、回答を持ち越す、交渉のパイを拡張する。
  • 第一に大切なのは人間関係の構築、交渉はお取引全体のなかの一部分(部分集合)。

<理解できるまで繰り返す質問例>

  • Could you please say that again?
  • You said … As I understand, you mean…?
  • Could you please give me some examples?
  • … Is that correct?
  • Am I right in understanding that … ?
  • Please let me see if I am clear about what you said. Do you mean … ?
  • May I sum up our discussion as follows … ?

貿易実務セミナー「成功する国際ビジネス交渉の基本ルールと注意点」(日本商事仲裁協会主催)同志社大学亀田尚己先生のお話より


それにしても、居ながらにしてこのような内容のセミナーを受講することができることに、地方在住者として純粋に喜んでいます。機会を提供してくださったJCAA(日本商事仲裁協会)さんに、心より感謝いたします。セミナー告知からすぐに全国から参加申し込みが入り、定員に達するのが思いがけず早かったとおっしゃっていました。

実際に足を運ぶことで得られるものには勝らないのは承知の上でも、以前なら「足を運べないから」と逃していた機会を、オンラインによって掴めるようになったのは、とてもありがたいこと。こうして距離の物理的壁を乗り越えられるようになったことは、昨年からの一年間で「よくなったこと」のひとつですね。

読書『LONDON’S SECRETS MUSEUM & GALLERIES』(Survival Books)

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読書『LONDON’S SECRETS MUSEUM & GALLERIES』(Survival Books)

ときどき我が家の本棚を見直すと、思いがけず「今ちょうど気になっていたテーマの本」を見つけることができます。それはつまり、我が家の本棚の顔ぶれのなかに「忘れてしまっていた本」がたくさんあることを示すのでもありますが(笑)。ともあれ「買いに行かなくても、ここにあった!」本を見つけると嬉しいもので、本書もそんな一冊です。

2015年にロンドンに行ったときに、お土産物屋さんでゲットしたのでした。「LONDON’S SECRETS」とついたシリーズが数冊あり、ほかには「PLACES」「PUB & BARS」「PARKS & GARDENS」など。

今頃この本が気になったのは、昨年来続いていたロンドンのロックダウンが、この4月からようやく緩和されつつあるというニュースをあちらこちらで目にしているからでしょう。ちょうど今朝(2021/5/7)も、西日本新聞文化面にロンドン在住のブレイディみかこさんの書いた記事がありました。ようやくパブがオープンした喜びと、この1年で閉店に追い込まれたお店がたくさんあったこと。閉じたお店の多くは、チェーン展開しているような資本の大きなお店ではなく、地域に根付いた小さなPUBであったこと。

2月に参加した九州産業大学国際シンポジウムで、英国の美術館やギャラリーでも、この一年に閉館になってしまったところが少なからずあったことが報告されていました。ロックダウンになってすぐに、救済のための社会的な動きがスタートしたものの、小さな私設のミュージアムなどで、継続できなかったところがあったようです。そんな情報を目にするたびに、気になっていたのでした。

さて『LONDON’S SECRETS MUSEUM & GALLERIES』。5年以上前のガイド本にはなりますが、次回ロンドンへの渡英時には携帯して、小さなミュージアムをできる限り訪問したいと思っています。訪問することが、最大の応援になると思うので。

読書『自由への手紙』(講談社)語り:オードリー・タン

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読書『自由への手紙』(講談社)語り:オードリー・タン

オードリー・タン関連読書の3冊目は、ご本人の語り(クーリエ・ジャポンのインタビュー)による本書『自由への手紙』。わたしの読んだ1冊目は本国台湾で刊行されたものの日本語訳2冊目が台湾在住の日本人ライターさんによるものでした。今回はご本人の語りでしたので、同じ人物に関する本でも、バランスよく視点を変えて読むことができました。

1冊目、2冊目を読んだ時もそうだったのですが、本書も読み終わってから温かい気持ちになりました。もちろん読みながら日本の政治の先行きに対する不安もたくさん湧いてくるのですが、それ以上に、未来への希望や安心を感じさせてくれます。オードリー・タンの発する言葉はエビデンスに基づいた確信に満ちていること、そして彼女自身の行動が愛に満ちていることが、その理由なのだと思います。

以下、備忘。


  • ポジティブ・フリーダム。
  • アンチ・ソーシャルメディア。
  • 自分にたくさん質問する。自分自身に立ち返ること、それが社会変革につながる第一歩。
  • 次に広げる=ソーシャルにする。
  • 学びもまた年齢に関係なく、生涯続いていくもの。
  • 現実は常にアップデートされる。
  • 透明性が創造を促す。
  • 敵ではなく味方を見つける。
  • 誰かが決めた「正しさ」はいらない。
  • 境目というものは、実はどこにも存在しない。
  • 速やかに、オープンに、公平に楽しくやる。
  • 安全な居場所から思いやりは生まれる。
  • どんなことにも、光が差し込む「切れ間」がある。
  • たくさんの言語ができるということは、たくさんの文化を取り入れられるということ。
  • グローカル化=思考はグローバルに、行動はローカルに。
  • 自分の価値観をどこに置くか。
  • カラフルな文化をお手本にする。
  • SDGsの17番目(パートナーシップで目標を達成しよう)。

『自由への手紙』(講談社)語り:オードリー・タン より


あたりまえかもしれませんが、3冊を通して彼女の言っていることは、終始一貫していました。読む側としては、形を変えて繰り返し読むことで、その思想をより深く理解できるように思いました。

読書『オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと』(ブックマン社)近藤弥生子

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読書『オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと』(ブックマン社)近藤弥生子

『オードリー・タン 天才IT相7つの顔』(文藝春秋)に続いては、台湾在住の日本人ノンフィクションライターさんによる取材本。300ページを超える本ですが、興味深く、一日で読み終えました。ライターさんが提示した本書のコンセプト(意図)に対して、オードリー・タンさん自身が「ソーシャル・イノベーションがテーマである点が、これまでに日本で発刊されている本と異なる」とおっしゃったと書いてありました。

たしかに先に読んだものとは視点が異なり、結果として両書が相互補完的な役割を果たしていたと感じました。『オードリー・タン 天才IT相7つの顔』では、彼女の幼少期からこれまでの歴史がより詳しく綴られていたので、これを読んでいたために背景をより理解できたと思います。

さて『オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと』。読みながら、とても温かい気持ちになりました。以下、備忘。


  • 自分の中に小さなオードリー・タンを宿す。
  • 構造の問題です。
  • カメラがある場所と無い場所で、人が取る行動は変わる。
  • 「オープン」と「協業」。
  • 素養を身につけること。
  • 「考え方」こそが、主役。
  • fast(速さ) fair(公平さ) fun(楽しさ)。
  • SDGsを共通言語に。
  • 使命感ではなく自分が楽しいことを優先しよう
  • 安定したサポート、安全な場所、制約のない活動、そして新しい世界の見方。
  • 価値観から相手を知る。
  • 自分が面白いと思うことだけをする。
  • たくさん試す。
  • 散歩、読書、睡眠。

『オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと』(ブックマン社)近藤弥生子 より


個人的には、本書のライターさんにも興味がわきました。台湾についての記事をあちらこちらの日本のメディアで書いておられるようです。新書が出たらチェックしたいな、と思いました。この連休中に、もう一冊「オードリー・タン本」を読む予定です^^

読書『お寺のどうぶつ図鑑』(二見書房)

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読書『お寺のどうぶつ図鑑』(二見書房)

「お寺」「動物」と聞いてすぐに思い浮かぶのが、東京の築地本願寺です。境内のあちらこちらに動物像が配置されていると友人が教えてくれて、それらを拝見すべく築地本願寺を訪問したのは3年前のこと。まるで宝探しのようにワクワクしました。上の写真は、その築地本願寺。

築地本願寺のサイトには、ビギナー向けの解説として「本堂正面にある有翼の獅子を筆頭に、牛や獅子、馬、象、孔雀、猿、様々な霊獣など全13種の動物像がお寺の各所に隠れています。これらの像を設置したのは、動物好きで知られる築地本願寺の設計者・伊東忠太博士。でも、各動物がどんな意図で配置されたのかは、いまだ謎のままです。境内を訪れたら、ぜひ動物を探して散策してみてください。」と書いてあります^^

今回ご紹介する『お寺のどうぶつ図鑑』に掲載されている動物は60種類。「陸の生き物」「水辺の生き物」「空の生き物」「霊的な生き物」と、ジャンルが分かれています。霊的な生き物も含めてこれらの「どうぶつ」たちは、肥前磁器の文様として描かれているものも多く、文様の由来を紐解く手引書としても、本書はとても参考になりました。

それぞれのどうぶつを、どこのお寺に行けば見ることができるのか、お寺の案内<寺DATA>も書いてあります。そのデータを見ていると、日本全国各地のお寺にいろいろな動物がいることがわかります。本書を片手に「お寺のどうぶつめぐり」をするのも面白いでしょうね。

既出の姉妹版として『神社のどうぶつ図鑑』があるということで、こちらも要チェックです!

読書『オードリー・タン 天才IT相7つの顔』(文藝春秋)

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読書『オードリー・タン 天才IT相7つの顔』(文藝春秋)

写真は「オードリー=鳳」に敬意を表して、鳳凰文様の珈琲碗皿(藤吉憲典)。

昨年コロナ禍での台湾政府の素早い防疫戦略に関する報道のなかでお名前を知ってから、あちらこちらでその名前とエピソードを目にするようになり、気になっていたオードリー・タンさん。彼女に関する本が図書館の新刊書に入ったと聞いて、「オードリー・タン」とついた書籍に片っ端から貸し出し予約を入れていました。予約からひと月ほどで最初に順番が回ってきたのが本書。

読み進めるほどに、どんどんその人物の魅力に引き込まれていきました。インタビューでの受け答えをはじめとして、彼女の発する「ことば」に内包される視野の広さと温かさ。天才であるだけでなく、精神的な豊かさが基盤にあるからこそ、世の中を動かす行動を実現できるのだろうと感じました。

オードリー・タンその人の凄さもさることながら、そういう人が政府の要員として活躍できる環境のある台湾政府のオープンさが目を引きました。ただ、青く見える隣の芝生は、決して無いものねだりではないと思わせる記述が、希望を感じさせてくれました。


かつて台湾の多くの若者は、(中略)国に失望し、「台湾政治に無関心」になった。次に、政治に関心を示す若者を嘲笑するような時代があった。そして今、若者が政治に参加し、国に関心を示すことは、「最初からそうだった」ように当たり前のことだ。

(『オードリー・タン 天才IT相7つの顔』(文藝春秋)より)


それを実現するカギは「情報の可視化」。どうして情報の可視化が進むと、市民が政治に失望することなく参加できるようになるのか。その重要性を字面だけでなく理解するためにも、市民たるわたしたちが知っておくべきことが、たくさん書いてありました。国・地方自治で政治や教育を担う人たちにも、ぜったいに読んで欲しい本です。

巻末付録がまた秀逸です。「Q&A 唐鳳召喚 オードリーに聞いてみよう!」とするインタビューと、「特別付録 台湾 新型ウィルスとの戦い」と題したレポートがついていて、それらが実に読み応えのあるものでした。ウィルス防疫戦略が国防のひとつとして重大だという共通認識を持って着々と整備してきた台湾。「中国もWHOも信じない」という言葉には、政府の市民を守る覚悟が感じられました。

Q&Aインタビューでは、ネットに関するオードリーの基本的な見解が心に残りました。いわく、情報をダウンロードするばかりでなく、アップロードすること、そのバランスが大切だということ。情報をアップロードすることは、インターネットへの貢献につながるということ。アップロードするということはすなわちクリエイティブであれ、ということだと。あくまでも「人」が中心にあってのネットだということが、しっかりと伝わってきました。

読書『アンジェリク 緋色の旗』(講談社)藤本ひとみ

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読書『アンジェリク 緋色の旗』(講談社)藤本ひとみ

まだまだ続きます、一人で勝手に「藤本ひとみ祭り」(笑)。『マリリン・モンローという女』『シャネル CHANEL』『皇妃エリザベート』『王妃マリー・アントワネット<青春の光と影>』『王妃マリー・アントワネット<華やかな悲劇のすべて>』に続いては、『アンジェリク』。

フランス革命の時代を「国王側」から描いたのが『マリー・アントワネット』なら、同じ革命を「国王ではないもの」の側から描いたひとつが『アンジェリク』。この国・この時代に対する著者の熱い思い入れが伝わってきます。別の視点から描かれた同時代のストーリーを続けて読むことで、点が線につながる感じとでも言いましょうか、世界史に疎いわたしも、少しは理解が深まったような気がします。

「国王ではないもの」とは、さまざまな階層の貴族であり、経済力をつけたブルジョワジーであり、労働者であり、農民であり、そのどこにも入れない者たちであり。上から目線の『マリー・アントワネット』の物語とは一転して、『アンジェリク』は地を這うような人間臭さのあふれるストーリーでした。

そのなかに秘められた「どう生きるのか」の問いが、この本の主題であったように、わたしには感じられました。主人公アンジェリクがなんども自問する「仕事がなくては食べていけない。食べていけないということは、生きていけないということだった。だが、この仕事でいいのだろうか。これを選んでいいのか。この道を歩いていって本当にいいのだろうか。」の思い。これが中心にあったと感じました。

一人で勝手に「藤本ひとみ祭り」、まだしばらく続きそうです^^

映画『アンナ・カレーニナ』の美術に感動。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

映画『アンナ・カレーニナ』の美術に感動。

「読んでいなかった名作を」シリーズで『アンナ・カレーニナ』を読んだのは、昨年初めのことでした。ずいぶん前に読んだような気がしていましたが、まだ1年ちょっとしか経っていませんでした。古くはグレタ・ガルボ、ヴィヴィアン・リー、ソフィー・マルソー、その他にもいろいろと映像化されていますが、今回私が見たのは2012年の米英合作版。

新潮文庫上・中・下巻で合計2000ページ越えの超大作。どうしたら2時間ほどの映画に収まるのだろうとドキドキしましたが、余計な心配でした(笑)ストーリーに必要な要所をきちんと抑えていたからなのでしょう、無理に端折った感じはせず、引き込まれました。

舞台を思わせる場面展開、美術の使い方、そして美しい映像。ヴィジュアル的に、とても満足感のある映画でした。わたしが特に目を惹かれたのが、機関車の象徴的な使い方と、舞踏会での艶やかなダンスシーン。そういえば、アンナとヴロンスキーの出会いのシーンにはじまり、アンナが自死に至るまで、重要なシーンは機関車とともにあったのだと、映画を見てあらためて思いました。

また舞踏会での社交ダンスシーンが、とても印象的でした。舞踏会のシーンはいろいろな映画で目にしますが、「踊り自体」に釘付けになったのは、初めてだだったような気がします。特に手の動きが、とても不思議で美しい動きでした。そして、このシーンに込められたたくさんの意味。セリフで冗長に語らせなくてもこれだけ伝えることができるのだと、感嘆しました。

さかのぼって過去に映画化されたものを見てみたいと思った半面、本作がとてもよかったので、そのイメージを保つには、別のアンナ・カレーニナは観ない方がいいかもしれませんね。そう思わせるくらいのインパクトでした。映画館で見たかった映画です。