読書!?『丸善ジュンク堂書店 美術書カタログ2024 defrag3』(株)丸善ジュンク堂書店発行

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書!?『丸善ジュンク堂書店 美術書カタログ2024 defrag3』(株)丸善ジュンク堂書店発行

先日「選書ツアー」で出かけた博多丸善さんで、本書を見つけました。

魅力的なタイトルと、表紙に踊る「take free」の文字に釣られて迷わずゲットしました。ページを開いてびっくり、美術好き&本好きにはたまらない一冊です。こんな素敵なカタログがあったのですねぇ。知りませんでした。

丸善ジュンク堂さんのサイトによれば、この美術書カタログ「defrag3」では、全国27店舗から49名の書店員さんが本気で選んだ203冊を紹介しているとのこと。その記念すべき第一号は2013年の刊行で、5年後の2018年に「defrag2」、そして今回の「defrag3」は6年ぶりの刊行だそうです。丸善ジュンク堂の全国の店舗で無料配布しているとのことですが、これはすぐになくなってしまいそうです。その1冊をここ福岡で手に入れることができたラッキーに感謝。

本の紹介だけでなく、寄稿文や書店員さんのコラムも面白く、63ページとコンパクトなボリュームながらも読みごたえのある内容です。それに、紙も印刷も、良いです^^ 全体的には近年発刊のものが多く紹介されていますが、なかには10年前20年前に発刊されたものもあります。自分が持っている本を紹介している書店員さんがいるのを見つけると、「あ、これわたしも持ってる!」って、なんとなく嬉しくなりますね。でも圧倒的に知らなかった本の方が多いですから、欲しい本=次に買う候補本がたくさんになりました。嬉しいやら悩ましいやら(笑)

興味のある方、ぜひお近くの店舗で探してみてくださいませ♪

『丸善ジュンク堂書店 美術書カタログ2024 defrag3』(株)丸善ジュンク堂書店発行

祝・カメリアステージ図書館の選書ツアー2024は、応募者が定員を超えました♪

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祝・カメリアステージ図書館の選書ツアー2024は、応募者が定員を超えました♪

いつものカメリアステージ図書館、毎年恒例の選書ツアーは、例年8月に開催されていました。

素晴らしいイベントなのに、なかなか参加者が増えず、図書館スタッフの方々が毎年悩んでいらっしゃいました。「今年は時期を変えて5月に開催してみます!」というお話を伺ったのは、数カ月前のことでしたが、つい先日「今年はついに希望者多数のため、参加者抽選です!」と喜びの声を聞くことが出来ました。

さて当日、選書ツアーの会場は、今年も引き続き博多駅上にある丸善博多店さん。上の写真は、丸善さんの店内マップです。1時間から1時間半ほどで、参加者がそれぞれ10冊程度の候補本を選びます。選書ツアーは「自分が読みたい本」以上に「図書館に来る人に読んで欲しい本」を基準に選ぶものですが、いろいろな方が選ぶことで、視界が大きく広がります。広い店内、できるだけ他の方がいらっしゃらないジャンルの棚を、と思いながら本を探し歩きました。

途中、日本の古典文学が並んだ棚を眺めていると、「わたし、和歌や俳句が好きで、詠むんですけど、そういう本も選んでいいでしょうかね」と、参加者のお一人に声をかけられました。振り向くと、わたしが見ていた棚の背後には、和歌や短歌や俳句の本がずらり。同じ列にもかかわらず、まったく目に入っていませんでしたので、「ぜひぜひ!」とお返事。これだから、いろんな人の目が必要なのです。

本を選ぶ時間は楽しいですね。あっという間の1時間が過ぎて、今年も無事選書ツアー完了。あとは、司書さんがさらに選書して、選書者一人当たり2冊程度の本が図書館に納入される予定です。自分が選んだ本のなかから、司書さんのお眼鏡にかなうのはどの本なのか、その結果待ちもまた楽しみなのです。来年もまた、選書ツアー参加にたくさんの応募者があることを願いつつ。

福津市の図書館が開催する各種イベントは、随時図書館カウンターなどにチラシがおかれますし、公式サイトの「お知らせ」でも確認することが出来ます。対象は福津市の図書館カードを持っている方で、その都度イベント内容により募集対象の設定等もありますが、興味のある方はぜひ図書館で問い合わせてみてくださいね。

カメリアステージ図書館

読書『バッタを倒すぜアフリカで』(光文社新書)前野ウルド浩太郎著

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読書『バッタを倒すぜアフリカで』(光文社新書)前野ウルド浩太郎著

念願の続編を、このゴールデンウィークに読破することが出来ました。前作をはじめて読んだのは、2018年(発刊は2017年)。

少し前に新聞(だったと思います)の書評欄で続編が出ることを知り、これは買わねば!と思いながら忘れておりました。ゴールデンウィークの初めに近所の本屋さんに行ったら、バッタのコスプレ表紙が目に飛び込んできて、そうだった!と、迷わず手に取りました。まずはその新書らしからぬ分厚さにびっくり。600ページ越えです。

バッタ博士の、10年以上にわたる探求と研究と成長の物語。今回は学術的な成果についても書くことが出来たという、著者会心の一冊なのだと思いますが、読者側からすると、学術書というよりは冒険物語。とにかく文章が面白くて、読ませます。前作もニヤニヤしながら読みましたが、今作はまたさらにスケールアップしています。電車の中で読んでいて思わず吹き出しそうになり、堪えるのがたいへんでした。

600ページ越えですので、サクッと読む、とは参りませんが、夢中になって読むことのできる一冊です。ぜひ、中高生、大学生あたりに読んで欲しいな、と思える本。まったく本の内容の紹介になっていませんが、興味のある方はぜひ手に取ってみてください。面白いです。

『バッタを倒すぜアフリカで』(光文社新書)前野ウルド浩太郎著

読書『鳥人王』(光文社)額賀澪著

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読書『鳥人王』(光文社)額賀澪著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚から、初めましての著者さんです。ゴールデンウィーク中にたくさん本を借りてきましたので、ほかにも「初めまして」がありましたが、個人的に一番のヒットが本書でした。

30歳を超えて芽の出ないお笑い芸人が、「アスリート芸人」としての仕事をこなしていくなかで自問する迷いと葛藤。テレビ欄を埋め尽くすバラエティ番組の数々は、たくさんの芸人さんに支えられている(と視聴側であるわたしからは見える)けれど、その裏側というか、出演している芸人さんたちの心の中はこんなふうに吹き荒れているのかもしれないな、と思わせられるものでした。

最初は主人公とは対照的な登場人物として現れたかに見えた「オリンピックを目指す爽やかイケメン大学生アスリート」はじめ、登場人物それぞれが持つ「ちょっとした闇」や「ちょっとした傷」や「ちょっとした葛藤」が、きっと多くの読者にも心あたるのだよなと感じました。自分と、経験や考え方がぴったり重なる登場人物はいなくても、要素要素がところどころ重なるのよね、という感じ。

なかでも「いるんだよなあ。友達のままの方が関係良好だったカップル、仕事仲間にならない方が良かった友達、仕事にしない方が楽しかった趣味、その他諸々」というセリフは、沁みました。何歳までなら夢を追っていいのか、何を選ぶのが合っているのか、誰とならうまく行くのか。きっと決まった正解は無いし、どこで見切ったらいいのかなんて、誰にもわかりません。あきらめないから掴めるものもあれば、あきらめたからこそ掴めるものもあるわけで。なんてことをぼんやり考えさせられました。

同じ光文社から著者の『競歩王』なる本が出ておりました。「鳥人」が棒高跳びで、「競歩」はそのまま競歩。このシリーズはスポーツ小説とでもいう分野になるのかなぁ、と思いつつ、『鳥人王』が面白くてサクッと読めましたので、こちらも読んでみたいと思います^^

『鳥人王』(光文社)額賀澪著

通常運転でお仕事と言いつつ、連休中に読みたい本を図書館で大量に借りて参りました。

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通常運転でお仕事と言いつつ、連休中に読みたい本を図書館で大量に借りて参りました。

いつものカメリアステージ図書館。ふだんは運動不足解消を兼ねて、徒歩か自転車で足を運びます。徒歩で15分、自転車で6-7分といったところでしょうか。今回は車で出たついでに寄りました。車で行った=重さやかさばり具合を考えることなく本を借りてくることができる、ということで、爆買いならぬ爆借り。ちなみにダンナは毎回、分厚かったり大きいサイズだったりする資料系の書籍を借りることが多いため、近所の図書館にも車で行くことがほとんどです。

今回の内訳は、最近気になっている「水煮缶」関係の料理本を数冊と、『告白』で読者デビューした湊かなえさんの著書を遡って文庫で数冊と、いつもの新刊棚から目に留まったもの(結果的に海外作家さんの小説多め)を数冊。料理本はパラパラとめくるので借りてきたその日にすべて目を通してしまい、湊かなえさんの著作は本を閉じることが出来ずにまず一冊一気読みし、と、連休二日目にして既に借りてきた三分の一が読了しております。まあ、もし早々にすべて読み終わってしまったら、また図書館に向かえばよいことですね。ちなみに上の写真は数年前にやはり図書館で「爆借り」してきた時のもの(笑)

ところで福津市のカメリアステージ図書館では、図書館カードだけでなく、交通系カードやお財布機能のあるスマホでも、貸し出し登録ができるようになっています。図書館の新機能はできるだけ体験しておきたいワタクシ、さっそく年明けに交通系カードを図書館カードとして登録したところ、これがまあ、予想していた以上に便利です。というのも、これまでは図書館カウンターで毎度ガサゴソとカード入れを取り出していたのが、交通系カードだけはふだんからすぐに出せるようにしているからなのですが。ちょっとしたことも、快適につながりますね。

連休明けには、毎年恒例「選書ツアー」があります。これまでは夏休みに催行していたのが、今年は気候の良い時期にということで、5月に設定してみたということです。4月30日現在、参加者を絶賛募集中のようですので、福津市図書館利用カードをお持ちの方は、ぜひご検討ください♪

福津市カメリアステージ図書館の選書ツアー募集中。

読書『あきらめる』(小学館)山崎ナオコーラ著

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読書『あきらめる』(小学館)山崎ナオコーラ著

山崎ナオコーラさんといえば『人のセックスを笑うな』と、タイトルがすぐに出てきますが、実はわたしは本書が初めましてでした。『人の…』も読んだことはありません。にもかかわらず、お名前に対して親近感があるのは、ペンネームの妙ゆえですね。これって、さりげなくすごいことだと思います。

さて『あきらめる』。小学館のサイトでの紹介文冒頭にあるのが、本書内から引用されている下の文言です。

登山で頂上まで行く? 途中で降りられる?
「『あきらめる』って言葉、古語ではいい意味だったんですってね。『明らかにする』が語源らしいんです」

小学館『あきらめる』https://www.shogakukan.co.jp/books/09380129

火星移住がはじまった近未来が舞台のSFチックな小説とはいいながら、物語の展開自体は、とても身近な家族の問題、個人の生き方の問題として、心あたるところ多々で、頷きながら読みました。最後に登場人物はめいめい「自分の嫌なところ」をあきらめて受け入れる、そんな境地に辿り着きます。その考えはなるほどと思えるのですが、そのように開き直るには、まずは「自分の嫌なところ、ダメなところ」を、自覚して認めないといけません。それが「(自分自身に対して)明らかにする」ということですね。たぶん、それが難しいのだな、と。

最後の方で、途中で降りることが出来た自分が誇らしい、というようなセリフが出てきます。上へ上へとてっぺんを目指して登っていくばかりがすべてではないことに、そろそろ気づくべき時が来ていると、そんなことがストレートに、あたたかく伝わってくる本でした。

『あきらめる』(小学館)山崎ナオコーラ著

読書『家庭用安心坑夫』(講談社)小砂川チト著

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読書『家庭用安心坑夫』(講談社)小砂川チト著

先日読んだ『猿の戴冠式』がツボにはまったので、図書館で著者名検索。蔵書にありましたので、すぐに手に取ることが出来ました。ありがたいですね、図書館。本書は群像新人文学賞受賞作だそうです。

さて『家庭用安心坑夫』。『猿の戴冠式』もずいぶん不思議で独特な世界でしたが、ファンタジーっぽくもSFっぽくも解釈できるものでした。ところがこの『家庭用安心坑夫』は、とても現実味があって、それゆえに狂気的な怖さを感じました。

主人公の行動と、主人公の記憶にある母親の行動やセリフは、ちょっと視点をずらせば大笑いできそうなコメディ的要素がありながら決してそうはならず、ジワジワと切迫感が押し寄せてきます。一気に読み上げたあとは、本書のタイトルの秀逸さに、ため息が出ました。小砂川チトさん、これからも読んでいきたいと思います。

上の写真は講談社bookのサイトから。『家庭用安心坑夫』も『猿の戴冠式』も、独特の表紙絵のインパクトが大きかったので、少しネットで調べてみました。装画は榎本マリコさん、装幀が岡本歌織さんという、どうやら今とても人気のあるクリエイターさんのようです。「顔の無い人物」の画は、いろいろな想像を掻き立てるテーマ性を感じますね。

『家庭用安心坑夫』(講談社)小砂川チト著

今年の南坊忌献茶式&お茶会は、芦屋釜の勉強もあって盛沢山でした。

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今年の南坊忌献茶式&お茶会は、芦屋釜の勉強もあって盛沢山でした。

毎年四月に開催される「南方流遠祖南坊宗啓禅師献茶会」。南方流の祖である南坊宗啓禅師にあらためて感謝する機会であり、献茶のお点前を拝見できる貴重な機会であり、和尚さんから直々に『南方録』の一節をご教授いただく嬉しい機会でもあります。今年は、南方録の勉強の代わりに、芦屋釜の勉強がありました。

南方流の先生のなかに、芦屋釜の先生がいらっしゃいます。福岡県芦屋町にある「芦屋釜の里」では、1997年から町の事業として芦屋釜製作技術の継承・鋳物師の養成を行ってきています。その鋳物師養成の指導をなさってきた遠藤先生。ふだんはお茶会でごあいさつできるぐらいで、運よく一緒の席に入れたときに、少しお話をお伺いできるくらいでした。今回、南方流に伝わる「古芦屋釜」の復元にあたり、専門的なお話を聞くことが出来たのは、とてもありがたいことでした。

芦屋釜の里

芦屋釜が歴史の中で一度途絶えてしまったのは、なぜだったのか。「釜」がお茶道具のなかで、どのような存在・位置付けものであるのか。修理修復・復元を検討する際に現れた課題と、それを紐解くための文献資料等についてのお話など、とても興味深く拝聴いたしました。九州国立博物館の協力を得ての古釜の解析、そこから復元工程の地図を描き、制作・完成に至るには1年半ほどを要しておられ、その道のりのたいへんさをうかがい知ることが出来ました。

お勉強のあとは、お弁当をいただき、濃茶薄茶の残茶拝服。あいにくの雨で、露地からの席入りはできませんでしたが、雨音と新緑を感じながら、おいしくお茶をいただきました。今年も贅沢な一日でした。

読書『地球の歩き方 北九州市』(Gakken)地球の歩き方編集室

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読書『地球の歩き方 北九州市』(Gakken)地球の歩き方編集室

4月の初めに小倉(北九州市)に出かけたときのこと。

小倉駅近くの本屋さんに立ち寄りましたら、入ってすぐ一番目立つところに、本書が大量に平積みされていました。若かりし頃、海外旅行ガイドといえば『地球の歩き方』でした。その国内版の第一弾として刊行されたのが、この『地球の歩き方 北九州市』なのだとか。今年から北九州方面にご縁が増えそうな予感がしていたところにこの平積みを目にして、迷わず一冊手に取りレジに向かいました。

368ページ。『地球の歩き方』は、特集エリアによって厚さがかなり異なりますが、市町村規模のガイドとしては、そこそこ(かなり!?)厚い方なのではないでしょうか。記事を読むと、編集室の皆さんが楽しみながら、面白がりながら記事を作り上げていった感じがとても伝わってきました。そして、これがとても売れているのだそうです(笑)

総務省サイトによると、2024年4月19日現在の「本日の市町村数」は、1718市町村(北方領土除く)なのだそうです。そんなにたくさんの自治体があるなかで、北九州市が最初の一冊というのが、一福岡県民としてはなんとも面白く、「なぜ!?」という感じが無きにしも非ずも、「よくぞ!」と編集室を称える気持ちが沸き上がってきました。

読書『地球の歩き方 北九州市』(Gakken)地球の歩き方編集室

上の写真はわたしが買ったものですが、2024年2月13日の初版第1刷に対して、既に2024年3月25日第3刷。第1刷の部数が少なかったのかもしれませんが、ひと月あまりの間に第3刷って、すごいですよね。廃刊に追い込まれる紙の媒体誌のニュースが多い昨今で、これはすごいことだと思いました。

と思っていたら、なんとタイムリーに西日本新聞に特集記事が。

読書『地球の歩き方 北九州市』(Gakken)地球の歩き方編集室

やはり「大ヒット」といえる現象のようです。

行こうと思ったらすぐに出かけられる距離感の、ふだんならまず買わないガイドブック。ですが、わたしにとっても大ヒットの一冊でした^^

『地球の歩き方 北九州市』(Gakken)地球の歩き方編集室

読書『猿の戴冠式』(講談社)小砂川チト著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『猿の戴冠式』(講談社)小砂川チト著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より。タイトルの不思議さと、インパクトのある表紙に手が伸びました。第170回芥川龍之介賞候補作だったそうですが、わたし個人的には、小砂川チトさん、初めましての本でした。

不思議な物語でした。最後の最後まで読まないと、ほんとうのところが見えてこない。いえ、最後まで読み切っても、どこまでが実際に起こったことで、どこからが脳内(妄想)で起こったことなのか、確信を持つことはできませんでした。わたしはとても好きですが、受け取る印象(好きか嫌いか)が読む人によってはっきり分かれるかもしれません。

悲痛な叫び声が聞こえてくるようであり、かといって主人公の彼女たちは、決して弱弱しいだけの存在ではなく。講談社サイトでの紹介文最初にある一文が、本書内からの引用なのですが、きっとこの本のテーマなのだろうな、と思いました。「思いました」と書いたのは、全部読み終わってもなお、著者の意図に確信が持てないからです。

「いい子のかんむりは/ヒトにもらうものでなく/自分で/自分に/さずけるもの。」

独特の雰囲気がツボにはまりましたので、図書館検索で著作を探してみました。群像新人文学賞受賞作という本を発見・予約完了。読むのが楽しみです。

『猿の戴冠式』(講談社)小砂川チト著