うっかりパスポートの有効期限を切らしてしまっていたので、取り直し。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

うっかりパスポートの有効期限を切らしてしまっていたので、取り直し。

いや、うっかりしておりました。気が付いたのは、北京個展に先立ち中国渡航ビザを取得しようとしていた頃。コロナ禍が落ち着いて以降、ダンナはロンドン、ミラノ、カッラーラ、北京と海外出張しておりましたが、ふと気がつけばわたしのパスポート、有効期限切れてるじゃん…ということで。前回の海外渡航からずいぶん時間が空きましたので、こういうことがありますね。上の写真は、KLMが福岡空港に就航していた頃ですから、もう8-9年前のもの。

パスポートの申請も取得も、昔に比べたらずいぶんやりやすくなりましたが、発行に1週間ほどかかるのは変わらないので、いざという時に慌てないよう、早め早めに手配です。まずは戸籍謄本。昔は戸籍地の役所まで行かねばならず、学生の頃に親に電話をして取ってもらい、郵送してもらったことを思い出しました。「広域申請」なるものが可能になって、居住地で謄本をゲットできるようになったのは、ありがたいことです。パスポート申請用紙は外務省サイトからダウンロード。あらかじめ記入をしておけるので、これも落ち着いて記入が出来ます。電子申請も可能なのはわかっているのですが、博多への用事ついでに天神にある窓口へ。パスポートセンターの手前にあるお店で証明写真をゲット。毎回「後悔先に立たず」な証明写真ですが、これはもうそういうものだとあきらめれば、さほど気にならなくなります(笑)。

パスポートセンターにはたくさんの方がいました。年齢も格好もさまざまで、あらゆる世代の、いろいろな立場の人が、ふつうに海外渡航する時代なのだなぁと、今更ながらに感じました。たくさんの方がいらっしゃいましたが、受付をしてからは思ったほど待たされることなく、サクサクと進みました。窓口のお姉さんたちの、にこやかでテキパキとした様子はとても安心感がありました。

更新を失念していたのは「しまった!」ではありましたが、最初から申請し直すにあたり、非常時の連絡先の見直しなどが出来たのは、良かったです。うっかりも悪いことばかりではなく(笑)。

肥前磁器作家・藤吉憲典の、2024年秋冬予定。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

肥前磁器作家・藤吉憲典の、2024年秋冬予定。

9月になりましたね。先月末の台風の後、日中はまだ気温が高くなるものの、朝晩だいぶ過ごしやすくなりました。怒涛の夏、おかげさまで藤吉憲典の銀座・博多・北京の個展を無事納めることが出来ました。力を貸してくださった皆さま、個展にご来場くださいました皆さまに、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

つい先日、関連記事『「いつ、どこに行けば(藤吉憲典の)作品を見ることが出来ますか?」へのお返事。』を上げたばかりではありましたが、そこでは具体的な予定を掲載しておりませんでしたので、あらためて展覧会予定等お知らせいたします。

この8月から9月そして10月と、藤吉憲典は制作に集中する時間となっています。ご注文品の制作と、これからの個展用の作品制作と。ご注文品をお待たせしている皆さまには、今まさに制作中で、これから少しづつお届けできる予定ですので、何卒ご了承ください。


藤吉憲典2024秋冬展覧会予定

★11月9日(土)~11月15日(金)百福(東京・南青山)

藤吉憲典の個展を、隔年で開催してくださっている百福さん。町田から南青山に移転なさってから二回目となる今年の個展は、11月の開催です。定番の蕎麦猪口、ご飯茶碗、マグカップなど、ふだん使いの器を中心に、年末年始に嬉しいハレの器も取り揃える予定です。できれば来年の干支・巳の盃も並べることができるといいな、と思っています。

百福(ももふく)

東京都港区南青山2-11-6 1F
TEL:03-6447-0952
営業時間:12:00~18:00
不定休
https://www.momofuku.jp/

★12月4日~ Sladmore Gallery クリスマス・ショウ(英国・ロンドン)

ロンドンSladmoreでのクリスマス・ショウに、今年も参加いたします。人気のAnimal Boxesシリーズの新作を中心に、Kensuke FujiyoshiならではのColored Porcelain Sculpture(彩色磁器彫刻)作品をお届けいたします。

Sladmore

ロンドン セントジェームズ ジャルミンストリート 57
Tel. +44 (0)20 7499 0365
営業時間:月~木 10:00~18:00、金 10:00~17:00
定休日:土・日
https://sladmore.com


展覧会以外の予定としては、9月は地元の中学校二年生の職場体験学習を受け入れたり、10月には長年のお付き合いのある料理人さんの新店舗オープンがあったり。

この秋冬も、どうぞよろしくお願いいたします!

読書『デヴィッド・ボウイ読本 完全保存版 2017 EDITION』別冊ステレオサウンド

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『デヴィッド・ボウイ読本 完全保存版 2017 EDITION』別冊ステレオサウンド

いつものカメリアステージ図書館、貸出カウンター横の特集コーナー。今回の特集は、どうやら音楽関係。音楽の秋、というところでしょうか。2017年版ですので、7年前のものです。棚を見て真っ先に目に留まり、迷わず手に取りました。横に同発行元による『大瀧詠一読本』も並んでおりましたので、一緒に借りようかとも思いましたが、いっぺんに借りてしまっては棚が寂しくなりますので、まずはデヴィッド・ボウイから。

さてデヴィッド・ボウイ。わたしのスタートは1983年のアルバム「Let’s Dance」でした。そこから70年代に遡り大好きになった、という感じです。新婚旅行でロンドンに行ったときには、マダムタッソーで蝋人形のボウイとツーショットを撮りました(笑)。ずっと私のヒーローで、その死は早すぎました。

本書では、ボウイの歴史を読むことが出来ます。なかでも関係者のインタビューが一番の読みどころでした。トップは写真家の鋤田正義氏。これは当然ですね。鋤田さんのお仕事を、直方谷尾美術館での展覧会で拝見したのは、2018年4月のことでしたので、本書が発刊されたのとほぼ同時期ということになります。ボウイが亡くなったのが2016年でしたので、そのすぐ後に、このような動きがあったのだなぁということが、わかります。

そしてインタビューの二番手を飾っているのは、ファッションデザイナーの山本寛斎氏。これまた深くうなずくところであります。直方谷尾美術館での展覧会でも、KANSAI YAMAMOTOを着たボウイを鋤田正義氏が撮った写真のインパクトは感動的でした。

山本寛斎氏がインタビューの中に、当時のクリエイティブのエネルギーの凄さを物語るものがありました。曰く、

「この時期(1970年代初頭)のボウイにはとても深く関わったけれど、それが当時ビジネスとして成立していたかと言われると返事に窮します(笑)。よく憶えていませんが、採算度外視てやっていたことは確かです。」(『デヴィッド・ボウイ読本 完全保存版 2017 EDITION』より)

一番上の写真はレコードジャケット。このなかに、キース・へリングを発見。先日観に行ったキース・へリングの展覧会のなかでも、音楽・ミュージシャンとの関係が特集された展示がありました。

『デヴィッド・ボウイ読本 完全保存版 2017 EDITION』。「完全保存版」を名乗るだけあって、何度も繰り返し読み、確認したくなる内容がてんこ盛りでした。今更ながら買おうかな。

現代美術家との縁側おしゃべり―美術・芸術を仕事(生業)にして、続けていくことの方法について。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

現代美術家との縁側おしゃべり―美術・芸術を仕事(生業)にして、続けていくことの方法について。

現代美術家の徳重秀樹さんとは、藤吉憲典の10年来のお友だちです。二人が出会ったときは、うちは佐賀、徳重さんは東京で制作活動を行っていて、藤吉が東京で個展をするときには見に来てくださっていました。その後、うちは福岡に移転し、徳重さんも郷里の鹿児島に戻られて、たまにここ津屋崎に遊びにいらっしゃるようになりました。今回は台風一過の晴れの日の訪問でした。

芸術家は(美術家でもアーティストでも陶芸家でも)、名乗ればその日から芸術家、なので、誰でもなれると言えます。ただ、その作品で食べていくとなると、それが出来ているのは、ほんの一握り。芸術の世界だけではありませんが、いいものをつくれば売れるというものではなく、商才と運も必要だというのは、現実問題として立ちはだかってくるところです。いかに作り、いかに発表し、いかに人に見てもらい、いかに生業とする(生活のためのお金に変える)か。

アーティストという括りでは同じですが、藤吉と徳重さんとでは、作品を世に出すアプローチはまったく異なります。それぞれに、それぞれの方法を、キャリアを通じて試行錯誤してきています。だからこそ、お互いの近況を聞き、語るのはとても面白く刺激的な時間です。気づかされることも数多く、今回もいろいろと考えさせられました。

台風への備えは毎回神経を使います―なかなか「これで安心」とはなりませんね。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

台風への備えは毎回神経を使います―なかなか「これで安心」とはなりませんね。

昨日から今日にかけて、北部九州では今年最初の台風でした。おかげさまで、花祭窯の人も工房も大きな被害はなく、無事にしております。ご心配くださった皆さま、ありがとうございました。

毎年来るものだと思っていても、いざ台風が発生すると、気持ちがざわざわします。早め早めに備えようということで、食料や水の確保、防災リュックの中身のチェックなどはあらかじめできるのですが、例えば窓の保護などは、あまり早くしてしまうと仕事や生活に支障が出るので、やはり直前になることが多いです。

初めて市が用意してくれた「避難所」を使ったのは、2020年の台風の時のことでした。

「避難所」初体験の印象は「おかげさまでとても助かった!」で、その後は「今回は不安だな」と思ったときには、避難所にお世話になることを早めに検討しています。「避難所に行く」を大前提とした準備になると、なお「早めの準備」が必要になり、結果、台風への備えから、過ぎたあとの後片付けまで、丸二日間以上が「台風対策」に費やされます。

非効率なところも多々あるだろうなと思いつつ、万一被害が出たときに「もっとああすればよかった」と悔やむことが、出来るだけ少ないようにと思うのです。うちは磁器作品=ワレモノが仕事ですので、桐箱のあるものはすべて桐箱に入れたり、展示棚の一番上=屋根が無い棚に並んでいるものは下の段に並べ直すなどの仕事も発生します。

今回の台風もそうですが、年々規模が大きくなっているような気がします。台風が来ると分かったときからの短期的な防災準備だけでなく、長期的に考える防災計画も必要だな、と思う今日この頃。例えば「雨戸」を全面作り直すなど、より根本的な解決を検討することも必要ですね。

9月は久しぶりに「中学生職場体験学習」の受け入れ―3日間のプログラムを考え中です。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

9月は久しぶりに「中学生職場体験学習」の受け入れ―3日間のプログラムを考え中です。

2013年からスタートした、花祭窯での「中学生職場体験学習」の受け入れ。津屋崎に工房を移転したのが2012年でしたので、その翌年から受け入れていたのですね。コロナ禍で学校側が体験学習を止めていたので、中断になりました。昨年から再開され、花祭窯は昨年は日程が合わなかったので受け入れ事業所の名乗りを上げませんでしたが、今年は久しぶりに中学生を受け入れることに。

以前は5日間あった職場体験期間が、3日間に短縮されていました。さてその3日間をどう有意義に過ごしてもらおうか、思案のしどころです。先日、中学校の職場体験担当の先生が挨拶にお見えになり、いろいろとお話をしました。窯元での職場体験というと、例えば「ロクロを引く」など、職場体験ならぬ「陶芸体験」を期待する向きがでてきます。これは毎回、先生にも生徒にも共通して言えることなので、まずはそこにくぎを刺すところから(笑)。数日の経験で「つくる」ことに手を出すことができるほど、甘い仕事ではないことを理解していただいたうえで、お話が出来ます。

そうはいっても、陶芸の仕事に興味を持ってもらうことは嬉しいことですし、大切なことなので、毎回最終日には絵付け体験などの「お楽しみ時間」は作ります。そこは作り手であるダンナに丸投げでお任せです。わたしとしては「つくる以外の仕事」にどのようなものがあるのかを知ってもらい、そこを手伝ってもらうべくカリキュラムを組まねばなりません。お楽しみ時間に1日あてると考えると、実質的には2日間。さて何をしてもらおうか、なかなか決まりませんが、お互いにとって有意義な時間になるように、頭をひねっているところです。

「いつ、どこに行けば(藤吉憲典の)作品を見ることが出来ますか?」へのお返事。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「いつ、どこに行けば(藤吉憲典の)作品を見ることが出来ますか?」へのお返事。

ここ津屋崎の花祭窯へのご来訪には「必ず事前にアポイントを取ってくださいね」とあちらこちらでお願いをしています。皆さんが電話で事前に確認をしてくださるようになり、おかげさまで「せっかく足を運んだのに、欲しいと思っていたものを見ることが出来なかった」という事態を、少しづつ防げるようになってきています。

藤吉憲典はすべて一人で制作しているため、制作数が他の作家さんや窯元さんに比べるとずっと少ないです。そのため、ご覧いただける機会も、比較的少ないと思います。花祭窯まで足を運べば、たくさん見ることができるだろうとお考えの方も少なからずいらっしゃるのですが、在庫がとても少ない(タイミングによってはほとんどないこともある)ので、ご覧いただけるとは限らないのが現状です。

お客さまの「いつ、どこに行けば(藤吉憲典の)作品を見ることが出来ますか?」に対する、現在の状況をまとめることにいたしました。


★作品をまとめてご覧いただけるのは、各地での個展の機会です。

作品制作のスケジュールは、個展・企画展などの展覧会に合わせています。そのため、展覧会機会に向かって制作数・在庫数も増えて参ります。出来上がったものはそのまま個展会場へ送ることがほとんどですので、数をまとめてご覧になりたい場合は、個展にお越しいただくのが一番です。

国内で継続的に個展を開催してくださっているギャラリーさんは次の通りです。ギャラリーさんに直接お尋ねくださっても大丈夫です。

桃居(東京西麻布)、百福(東京南青山)、銀座黒田陶苑(東京銀座)、ギャラリー栂(岡山和気)、暮らし用品(大阪阿倍野)

    ★個展・企画展によって、並ぶ作品が異なります。

    基本的には「そのときに自分の作りたいものを作る」のが藤吉憲典の大原則ですが、制作ジャンルが幅広いので、展覧会を開催してくださるギャラリーさんの意向や、その先におられるお客さまのことを考えながら、展覧会に出すもの(=その展覧会に合わせて制作するもの)の傾向を変えています。そのため、個展にいらっしゃったときに「目当てにしていたものが無かった!」ということもございます。

    ★欲しいもの、見たいものが決まっているときはお問い合せ下さい。

    作る側としては「今、力を入れて作ったものをご覧いただきたい」という気持ちで展覧会に作品を送りますので、そうしてご覧になったもののなかに気に入ったものが見つかると、「作品との出会い」の楽しさになるのではないかという気持ちもございます。ただ、明確に「蕎麦猪口が欲しい」「マグカップが欲しい」というようなご要望がある場合は、近々それらを見ることのできる機会があるかどうかを、お問い合わせいただくのが確実だと思います。花祭窯へお電話いただくか、花祭窯蕎麦猪口倶楽部のお問合せフォームをご利用ください。

    ★アート作品をまとめてご覧いただける機会は、現在のところ海外のみです。

    現在アート作品は、花祭窯のギャラリースペースに数点置いていることがございますが、制作後すぐにロンドンのSladmoreギャラリーに送ることが多いです。またSladmoreでは、展覧会の際に常連のお客さまに先に作品を紹介するため、ご覧いただくことが出来ても、売約済みになっていることも少なくありません。国内でもご覧になりたいとのお声をいただくようになっていますので、最近は個展の際に数点お持ちするようにしています。今後まとめてご覧いただける機会を持てるよう、検討中です。

    ★花祭窯にいらしても、作品がほとんどない場合がございますので、何卒ご承知ください。

    最初に書きましたように、藤吉憲典は手持ちの在庫数があまり多い方ではありません。花祭窯にいらっしゃるタイミングによって、ご覧いただける場合もございますが、例えば個展会期中などは、ほとんど在庫が無い状況になることもあります。「せっかく足を運んだのに、何もなかった!」という事態を防ぐためにも、お越しになる前に必ずお電話でご確認いただけると幸いです。


    今、思いつく限りのことを書いてみました。ご参考になれば幸いです。また状況が変わることがありましたら、このような記事でご紹介して参ります。

    今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

    読書『ビジネス小説 もしも徳川家康が総理大臣になったら』(サンマーク出版)眞邊明人著

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    読書『ビジネス小説 もしも徳川家康が総理大臣になったら』(サンマーク出版)眞邊明人著

    先日映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』を観て、少々物足りませんでしたので、原作を読むべし!と手に取りました。

    本、良かったです。おかげで、映画のあとに感じた残念さが払拭されました。ありがちな感想ではありますが、これを映画化して、ああなったのは、まあ仕方がないのかなと。ただひとつ驚いたのが、映画のなかで個人的にヒットだった「聖徳太子」が原作にはおらず、映画用の登場人物だったということ。「紫式部」も映画のみの登場で、まあこれは時節柄の登用だと考えられます。こういうことがあるのが、面白さでもありますね。

    ラストに、徳川家康による演説シーンがあるのは、本も映画も同じなのですが、話している状況と内容はかなり異なります。そして、映画では説教臭くて鼻白む感じがあったそのシーンも原作本のなかでは、なるほどそれが言いたかったかとうなずける感じでした。映画だけを見てがっかりしていた方には、ぜひこの原作本を読んで欲しいです。

    ところで「ビジネス小説」とわざわざタイトルに書いてあるのがなんとなく気になっていたのですが、出版元のサンマークさんのサイトによると、それもまた意図したものだとか。歴史小説でもあり政治小説でもありミステリー要素もある、というところですが、どのジャンルにあてはまるのかは、読者に委ねられているようです。

    『ビジネス小説 もしも徳川家康が総理大臣になったら』(サンマーク出版)眞邊明人著

    郷育カレッジ講座「楽しい健口(けんこう)ボイストレーニング」に参加して参りました。

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    郷育カレッジ講座「楽しい健口(けんこう)ボイストレーニング」に参加して参りました。

    7月初旬の開講式を経てスタートした、2024年度郷育カレッジ。

    今年のわたしの受講一発目は「楽しい健口(けんこう)ボイストレーニング」。講師は、口腔機能向上ボイストレーナーであり歯科衛生士である一世ひろみさんです。ゴスペルグループを率いる一世さんは、ボイストレーニングの方法論を取り入れた「歌トレ」による口腔ケアを提唱なさっています。楽しく学べる健康講座とあって、郷育でも毎年人気が高く、長年講師を務めてくださっています。わたし自身、今回で3回目の参加でした。

    こちらは一昨年に参加したときのレポート。このときは「早口言葉」を中心としたトレーニングを楽しみました。

    毎年の講座で、毎回新しい取り組みをしてくださるからこそ人気が高く、一度参加した人が「また次回も」と思うのですね。

    今年もまずは口腔機能についての座学解説と歯磨きの仕方(=歯ブラシの使い方)からスタート。その後は身体をゆっくり動かす準備運動から、反射テスト、関節回し、リズムストレッチ、発声・ボイストレーニングと続きました。QUEENの名曲「We Will Rock You」を使ったリズムストレッチでは、手をたたき足を踏み鳴らし声を出して大盛り上がり。最後はゴスペルの手話歌にも皆で挑戦しました。

    一世さんの専門知識と実践経験に基づいた指導の素晴らしさはもちろん、参加者を引き付けるユーモアあふれる語り口や心遣いに、今回も脱帽です。初めて聴く曲でも時間内に皆で盛り上がるところまで運んでいけるのは、選曲から伝え方までしっかり考えられておられるからこそで、すごいことだと思いました。講座が終わって帰るときには皆さん笑顔。とっても楽しくためになる講座でした。

    お客さまの熱意に、まだまだ「知ってもらうための努力」が足りないことを知る。

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    お客さまの熱意に、まだまだ「知ってもらうための努力」が足りないことを知る。

    先日、少し遠方から新幹線で津屋崎の花祭窯までいらっしゃった、はじめましてのお客さまがありました。『美の壺』で藤吉憲典のことを初めて知り、その後、ネットの情報やギャラリーの情報を調べたとおっしゃって、足を運んでくださいました。開口一番「『美の壺』を見てびっくりした。こんなにすごいものを作る人がいるなんて。どうして自分は今まで藤吉さんの存在を知らなかったんだろう!?」と。

    聞けば熱心な陶芸コレクターさんで、自分の気に入ったものはとことん集めるとのこと。コレクションには有名作家さんのお名前が並んでおりましたが、藤吉の作品を気に入ったとおっしゃるあたり、どうやら有名無名で判断しているのではなさそうです。藤吉憲典の公式サイトで過去作品もかなり熱心にご覧になっていて、たくさん情報を集めておいででした。

    このお客さまをはじめ、やはりコレクターとなられる方は、懇意にしておられるギャラリーからの情報をメインに作家・作品を探しておられることを、あらためて感じました。つまり、オフラインであり、ギャラリーオーナーとの信頼関係による情報が一番というところ。藤吉作品を扱うロンドンのSladmoreギャラリーのお客さまも、やはりそうなので、これは日本に限ったことではありません。

    そう考えると、今回は『美の壺』というテレビ番組がギャラリー的な役割を果たしてくれた、ということ。そこからはご自身でインターネット上の藤吉憲典に関する情報を拾い集めてくださった、という順番で、花祭窯へのご来店につながっています。「藤吉憲典という作家のこと、作品のことを知りたい」と思っていただければ、そのための情報は公式サイトやSNSを通して発信していますので、辿り着いていただくことが出来ます。その前、一番最初のきっかけのところを、じゅうぶんに提供できていないのですね。

    お客さまの「どうして自分は今まで藤吉さんの存在を知らなかったんだろう!?」の言葉を思い返すほどに、「ギャラリー」や「美の壺」にあたる部分をもっと強化することが、良い作品を待ち望んでいらっしゃる方々に喜んでいただけることにつながると確信。常々頭にあることではありますが、まだまだ「知ってもらうための努力」が足りませんでした。「こんな作品を探していたんだ!」とおっしゃってくださるお客さまの前に、きちんと情報を提供できるようにすることが大切であり、長期的な課題なのだということを、あらためて考えています。