続・酷暑の夏は夕方散歩―夕焼けの色が海に映ってとってもきれいなのです。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・酷暑の夏は夕方散歩―夕焼けの色が海に映ってとってもきれいなのです。

夕方散歩でカブトガニ発見!と騒いでいたのは、つい1週間ほど前のことでした。その後この写真を見たお友だちが、「これ、カブトガニにも見えるけど、エイにも見えるよね!?」ということで、エイ疑惑が(笑)。そういわれてみると、なんとなくカブトガニにしては尾っぽが長いよね、などと細部が気になりだし。海洋生物に詳しいお友だちがいますので、確認してもらうことになりました。それにしても指摘されるまでは「カブトガニ!」と信じ切っていましたので、己の思い込みの強さに驚くやらおかしいやら。

ともあれ、引き続き夕方散歩です。日に日に日没が早くなっているので、夕食後、うっかり食休みでゆっくりしていると「あ、散歩行きそびれた…」ということになりがちな今日この頃。日中は暑いので、暗くなる前の隙間時間にいかに外に出るか、というところです。早朝歩けばよいのでしょうけれど、ね。

津屋崎浜の夕方散歩

お日さまはとうに沈み、雲に映った夕陽の色が海面にも映って、なんとも幻想的になります。

津屋崎浜の夕方散歩

波が穏やかなので、鏡の海と呼ばれるのですが、その鏡が一面薄紅色になる一瞬。贅沢な眺めです。これから秋になると、近所の宮地嶽神社や浜辺は「夕陽シーズン」でにぎわってきますが、晩夏の今の景色もなかなかのものです。

読書『犯人に告ぐ2』(双葉社)雫井脩介著

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読書『犯人に告ぐ2』(双葉社)雫井脩介著

ブログタイトルは『犯人に告ぐ2』ですが、その少し前に『犯人に告ぐ』を読んでいて、本書の後に『犯人に告ぐ3』も読みましたので、『犯人に告ぐ』シリーズの読書記録ということで。

今年6月にいつものカメリアステージ図書館新刊棚で発見してしまった、雫井脩介さん。そこからまだ2か月ほどしか経っていないのですが、このブログに上げているものも上げていないものも含めて、まあ、ハマっております。

あまりに読んでしまうので、意図的に「雫井脩介断ち」をしていました(笑)が、お盆休みの読書用にと、『犯人に告ぐ』の続編に手を出しました。なんとなく、元から構想にあったというよりは、人気が高かったためにできた続編なのかなぁと感じました。『犯人に告ぐ』と『…2』では登場する警察側の主人公をはじめとした顔ぶれが引き継がれ、『…2』から『…3』では、警察側だけでなく犯人側の登場人物もゆるやかに引き継がれています。さらに『3』では思いがけず最初のストーリーへのつながりが示され、ほう、そうきたか!という感じで楽しめました。

個人的に『犯人に告ぐ』がとても面白かったので、続編はどうなのだろう?と思ったのですが、連日読書の一気読み。読みごたえがありました。一番最初のストーリーでは、警察側の描写が強く印象に残りましたが、『…2』『…3』と、あとになるにつれて犯人側の描写がより細かくなっていると感じました。その結果、犯人側に感情移入しがちに。「オレオレ詐欺」をはじめとした現代的な詐欺犯罪が描かれ、なるほどそんな仕組みになっているのかと、興味深くもありました。

『犯人に告ぐ』シリーズ(双葉社)雫井脩介著

雫井脩介さん、まだ読んでいない既刊本がたくさんありますので、まだまだ楽しみは続きます。

朋有遠方より来る、またよろこばしからずや。

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朋有遠方より来る、またよろこばしからずや。

これまでに何度かこの論語の一節を、ブログタイトルに付けているような気がします。お友だちが遠くから来てくれたら嬉しくて、条件反射的に頭に浮かんできます。この夏は、お盆にお参りに出かけたほかは旅行などの予定がありませんでしたが、逆に旅行先としてうちに来てくれる人があるというのはワクワクするものです。

大学を卒業して、社会人になったときのお友だちですので、かれこれ30年以上前!からの縁。当時からの友人が今も多く、時々東京での個展のときに会うことが出来たり、こうして訪ねて来てくれるというのが、ほんとうにありがたいなぁと思います。

「『美の壺』で見た工房におじゃましたいんだけど…」と、冗談っぽく連絡してくれて、初めましての奥さまを伴って遊びに来てくれたお友だち。さりげなくこうしたメディア情報も気にかけてくれているのがわかります。花祭窯の和室でのんびりおしゃべりした後は、お昼ごはんへ。もつ鍋と豚骨ラーメンはもう食べた!というので、漁師さんのご家族が営む、玄界灘の海鮮を頂くことができる来進さんへ。福津名物の鯛茶漬けと海鮮丼を食べてもらうことが出来ました。おみやげには「めんべい」をゲットしたということで、完璧です。

漁師めし 来進(らいじん)

とっても嬉しい一日でした^^

花祭窯の葉月八月の庭―百日紅(サルスベリ)が満開です―

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花祭窯の葉月八月の庭―百日紅(サルスベリ)が満開です―

猛暑日が続き、雨が降らず、植物にとっても過酷な夏です。花祭窯の小さな露地では、カノコユリのあとに続くはずのヤマユリやタカサゴユリが、今年は花をつけきれずにおります。水撒きが足りなかったのだろうな、と反省しつつ。

そんななかでも頑張ってくれているのが、サルスベリ。

百日紅サルスベリ

ピンク色の花が青空に向かって伸びている様子は、見ていてなんだか晴れがましい気分になります。ご近所にも、白いのやら、もっと濃いピンク色やら、さまざまに百日紅が咲いていて、目を楽しませてくれています。花祭窯のサルスベリも、年々花が増えて見応えが増しています。

ミニトマト

この夏を楽しませてくれたミニトマトも、もうそろそろお終いです。おしまいかな、と思ってからついた実は、なんだか得した気分でありがたくお腹のなかへ。まだ黄色い小さな花がいくつか咲いたりもしていますので、もう少し楽しめるかもしれません。

ザクロ

そして、写真のピントが大幅にずれてしまいましたが、ザクロ。今年は早くからたくさんの花がついていましたが、途中で散ってしまったものが多く、実になっているのは、今のところ二つだけ。それでもその二つが、これまでになかったほど大きくなっているので、ワクワク楽しみです。

↓昨年の初月の様子はこちら↓そういえば昨年あれほどに栄えたフレンチマリーゴールドが、今年はひとつも咲いていません。暑さのせいかなぁと思いつつ。

読書『世界で一番美しいマンダラ図鑑』(エクスナレッジ)正木晃著

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読書『世界で一番美しいマンダラ図鑑』(エクスナレッジ)正木晃著

お盆休みの読書用に、仕事の資料としてまとめて借りてきた中の一冊です。

やきもの(肥前磁器)の仕事をしていると、文様の存在が常に側にあり、そうした観点からもマンダラはとても興味深い存在です。やきものに描かれる伝統文様を見たり調べたりしていると、そこには仏教文化の影響や、シルクロード文化の影響が色濃く残っています。わたしは博物館学芸員資格課程を京都の佛教大学で学びました。ふだんの勉強は通信でしたが、資格取得には一週間以上の博物館現地での実習が必要であり、そのときは京都へ。そのなかでどっぷりと仏教文化のシャワーを浴びることができたのは、とても幸せなことでした。

「曼荼羅(マンダラ)」は、ただ見るだけでも、やはりとても魅力的な題材です。そんな曼荼羅の魅力をカラー写真をたっぷり使って解説しているのが、本書です。見ているだけでも楽しい一冊ですが、曼荼羅の基本的な解説がわかりやすく、各章での視点が面白く、文字通り「図鑑」的に使えそうです。なかでも「第3章立体マンダラ・都市マンダラ」の観点は、わたしにとっては新鮮でした。これは手元に置いておきたい一冊です。

『世界で一番美しいマンダラ図鑑』(エクスナレッジ)正木晃著

かつてわたしは文様の面白さを皆さんに伝えたい一心で、『蕎麦猪口の文様小話』なる小冊子を自費出版で制作しました。今確認したら2004年に出していますので、ちょうど20年になります。本書を読んで、そろそろ改訂版を出しても良い頃かな、と思いました。

ところでエクスナレッジさんからは、「世界で一番美しい図鑑」シリーズが出ているということがわかりました。「世界で一番」と言い切ってしまう強さが素晴らしい。

エクスナレッジ「世界で一番美しい」を含む書籍一覧

読書『約束』(早川書房)デイモン・ガルガット著/宇佐川晶子訳

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読書『約束』(早川書房)デイモン・ガルガット著/宇佐川晶子訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚。洋書で目に留まるものの多くが「早川書房」から出ているということに、なんとなく気が付いてはいたのですが、これもそんな一冊でした。

舞台は南アフリカ。この地のこともまた、わたしは「南ア=アパルトヘイト」的な世界史の記号として覚えているだけで、まったくわかっておりませんでした。アパルトヘイト以前から、以後の、移り行く時代を生きたある家族の物語。宗教、制度、戦争…価値観が大きく変わるなかでの生きづらさが、閉塞感を感じさせる一冊でした。

主人公の小さな女の子が少女となり、大人になり、その過程で彼女を取り巻く環境は大きく変わり、それでも彼女の持つ信念の1点はまったく揺るがず、最後には希望とも言い切れないような希望が灯って終わります。彼女がこだわり続けたものは、いったい何を象徴するものだったのか、わたしにはまだ理解しきれていないという思いが残る読書でした。

『約束』(早川書房)デイモン・ガルガット著/宇佐川晶子訳

それにしても早川書房さん、今年に入って読んだ本で、このブログで紹介したものだけでも、かなり濃い顔ぶれです。ありがたいことです。

↓こちらは洋書ではありませんが、洋書的雰囲気満載の一冊でした↓

↓わたしのフランス文学のイメージを変えた一冊↓

↓古典ミステリーの新版もありました↓

↓離婚した元夫婦の関係性が面白く描かれた名作↓

↓現代イタリアが舞台ながら普遍的なストーリーが心に刺さりました↓

酷暑の夏は夕方散歩―久しぶりにカブトガニを発見して一人大騒ぎ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

酷暑の夏は夕方散歩―久しぶりにカブトガニを発見して一人大騒ぎ。

あまりの暑さにサボり気味のお散歩。我が家は夕食が早いので、最近は夕食後に少し食休みをしたのちに散歩に出るようにしています。まだ日も長いしと思いながら油断していると、気が付いたら暗くなりかけていたりするので、暗いなかは歩きたくないので要注意です。もう立秋も過ぎましたしね。

さて先日も夕食後、ぶらぶらと海の方へお散歩に出ました。お日さまが沈んだ後から暗くなるまでの少しの時間。海水浴客や釣り客はそろそろ帰り支度をして人が減ってくる時間帯ですが、地元の人たちはこれから海に浸かる人もあり、犬の散歩に出る人も多く。いい感じに潮風が吹いて気持ちが良い時間帯です。

堤防沿いに横目で魚でも見えないかと海を見ながら歩いていると、わたしの進行方向と同じ方向に向かって動く影を発見。魚ではないなぁと思いながら近づいてみると、見覚えのある形がスーッと動いています。下の写真、クリックで大きくするとよく見えると思いますが、カブトガニです。まだ小さく、幼生と言われるサイズかな、と。大人サイズはもっと大きいので、これから何回も脱皮を重ねていくはずの個体です。

津屋崎浜のカブトガニ

ずっと天気が良く波が静かな日が続いているので、海水の透明度が高くて、よく見えます。もう少し近づいてみると、こんな感じ↓。

津屋崎浜のカブトガニ

しばらく並んで歩いて(カブトガニは泳いで)おりました。向こうは気が付いていなかったと思いますが。津屋崎浜の干潟は、カブトガニの産卵地になっているので、専門家である友人が長いこと個体数の調査などを行っていました。年々幼生の個体数が減っていたのは、干潟が荒れてきているからと懸念して、取り組んでいました。そのことを知っているので、カブトガニの幼生との出会いは、とっても嬉しく。こういうサプライズギフトがあるから、お散歩は楽しいですね。

お盆前の三連休、掃除道具「古布でハタキを作る」にチャレンジ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

お盆前の三連休、掃除道具「古布でハタキを作る」にチャレンジ。

先日読んだ本に「ハタキ」の作り方が載っていて、興味深く比較的簡単に作れそうだったのと、

日々の掃除が大切だということを考えたら、ハタキは必須だ!と思ったのとで、

つくるぞ!と決意したものの、ようやく実際の作業をすることが出来たのは、本を最初に読んでからそろそろ二か月経とうかという今、なのですが…ともあれ、作りました!

さて、用意した材料は古布と輪ゴムと麻紐と、はたきの柄になる棒。棒は、ちょうどトマトの鉢植えの支柱に切ってきていた細い竹が残っていましたので、それを活用。すべて「今、家にあるもの」で揃いました。これも嬉しいポイントです。道具としては、古布を切るのに「ギザギザハサミ(ピンキング鋏)」を使うと「ほつれ」を気にしなくて良いというので、裁縫箱からギザギザハサミを引っ張り出しました。

なんの自慢にもならないのですが、わたしはほんとうに手先が不器用で、性格も大雑把なので、この手の「ものをつくる」仕事は自分用には良くても、人様に見せられるものではありません。が、作ったよ!の証拠を上げておくことにいたします(笑)。お世辞にも見栄えが良いとは言えません。ダンナに見せたところ「神主さんが持ってるやつみたいね」と。「祓いたまえ清めたまえ」のときにお持ちのあれですね。なるほど、ピンキング鋏のギザギザがそれっぽいかしら…ともあれそう見えるなら、ある意味成功かもしれません。

自作のハタキ

肝心の「使い勝手」は、いや、悪くないんじゃないかな、というところ。まあ、正直申しますと「改良の余地、おおいにあり」でもあるのですが。もっと布がワサワサしていた方が良かったかな、と思ったり、柄の長いタイプと短いタイプと両方あった方が使い分けできて良さそうだな、と思ったり。布のワサワサ感が物足りなく感じるのは、布の切り方が太かったからだと分かっているのですが…もう少し細く切れば良かったかな、と。ですが、それでもなんだか嬉しいのは、自分で作った道具だからという自己満足。まあ、しばらく使ってみることにいたします。

このところ「実用書読書→実際に活用」が出来ていて、1冊から1つぐらいの頻度ではあるものの、なんだか嬉しいです。実用書を読んだときは「これいい!やろう!」と思っても、本を閉じるとその時の意欲というか情熱がしゅーっとしぼんでしまい、そのままになっている、ということがままありますので(汗)。ちょっとしたことでも、外からのアイデアを借りることで生活が楽しくなったり便利になったりするのは、嬉しいもの。先日上げた「雨水タンク」の話題もそのひとつです。

単純に楽しいので、最近の図書館通いでは、アンテナに引っかかる実用書を1冊以上借りることにしています。そこからたま~にでも、実生活に役立つもの・ことを取り入れることが出来たなら、嬉しいな、と思いつつ。

北京喜水ギャラリーさんでの「藤吉憲典 個人作品展」無事終了いたしました―ありがとうございました!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

北京喜水ギャラリーさんでの「藤吉憲典 個人作品展」無事終了いたしました―ありがとうございました!

北京の喜水ギャラリーさんからe-DMが届きました!と言っていたのはつい先日のことのように思っておりましたが、

おかげさまで初北京訪問のダンナも無事に帰って参りまして、9日間の会期が終了いたしました。中国渡航に際し、お世話になりました皆さまに心よりお礼申し上げます。

北京喜水ギャラリー 藤吉憲典作品展

初日は、中国茶の専門家がいらっしゃって、ギャラリーでお茶会を開いてくださいました。参加者は定員いっぱいで、お茶もお茶菓子もとても美味しかったと、ダンナも喜んでおりました。またコロナ前の上海での個展のときにも感じていたことですが、若いお客様が多く、やきものについて熱心に質問をしてこられる方が多かったとのこと。もともと藤吉憲典は、技法等についてもまったく秘密なく、聞かれたことは何でも教えますよ、というオープンな姿勢ですので、そんなところもご来場の皆さまに喜んでいただけたようです。

北京喜水ギャラリー 藤吉憲典作品展

今回は初めてだったこともあり「ミニ個展」という位置付けでしたが、来年は「本個展」を予定しています。その内容について、オーナーさんとしっかり打合せも出来たようで、とても充実した北京滞在となったようです。来年が楽しみです。

北京喜水ギャラリー 藤吉憲典作品展

北京喜水ギャラリー 藤吉憲典作品展

北京喜水ギャラリー 藤吉憲典作品展

続・まるっと一日、福岡市美術館デー:美術館使い倒しのススメ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・まるっと一日、福岡市美術館デー:美術館使い倒しのススメ。

開催中の「キース・へリング展」を見て参りました、と書いたのは昨日のことでした。

「クールシェアスポット」という言葉がだんだんと広まってきましたね。環境省のサイトによると、「公園や図書館などの公共施設を利用することで涼をシェアする、など1人あたりのエアコン使用を見直すことがクールシェアの考え方」だそうです。ということは、美術館・博物館も、そのシェアスポットとして最適な空間ですね。クールシェアを意図したわけではありませんが、わたしの「まるっと一日、福岡市美術館デー」は、まさに酷暑のこの夏にぴったりの行動だったのかもしれません。

福岡市美術館は9時半開館。福津市にある花祭窯を朝8時過ぎに出て、電車とバスを乗り継ぎ、9時半過ぎに美術館に到着しました。博多駅からは、地下鉄または西鉄バスを使うことになります。わかりやすいのは地下鉄です。地下鉄大濠公園駅で降りたら、大濠公園内を歩いて15分ほど。お堀の周りをぐるりと約半周で、気候が良いときは最高のお散歩コースです。博多からバスを使う場合は、福岡市美術館への最寄りバス停は、路線により「福岡市美術館東口」「赤坂三丁目」「福岡城・NHK放送センター入り口」と三つあります。初めはややこしく感じるかもしれませんが、慣れるととても使い勝手が良く、バス停から美術館への距離も徒歩3~5分なので、できるだけ歩きたくない場合は、バスがおススメです。

到着したらまずは、特別展のキース・へリング展へ。人気の高い特別展も、平日の朝一番に入ると比較的混みあわず、見やすいことが多いです。キース・へリング展も、人が増えてくる前に、三往復することが出来ました。特別展を出たら、所蔵品を展示する常設展示室、まずは2階にある近現代美術の「コレクションハイライト」へ。6月に展示替えが行われたということで、前回観たときとはまた少し顔ぶれが変わっていました。美術館というと特別展が注目されやすいですが、常設展示も見どころがたくさんありますので、見逃せません。

ここまで見終わったら時計はもうすぐで12時というところ。混みだす前に、お昼ご飯にすることに。福岡市美術館のなかには、レストランとカフェが入っています。今回はゆっくりしっかりご飯を食べたかったので、レストランへ。ニューオータニ博多が運営するレストランは、お値段もそれなりですが、まずその場所が美術館内で最も眺望の良い場所にあり、贅沢な気分を味わうことが出来ます。緑豊かな景色を眺めながらいただくランチは、とっても美味しかったです。ここは予約もできますので、特に週末など混みあいそうなときは、あらかじめ予約をしておくと安心ですね。

ゆっくり時間をかけてお昼を頂いたあとは、1階にある古美術の常設展示室へ。「松永記念館室」では「表具のキホン」のタイトルで書画の名品を観て学び、企画展示室では「田中丸コレクション 華やかなる九州の桃山茶陶」のタイトルで、土ものの名品を拝むことが出来ました。松永記念館室も、企画展示室も、定期的に入れ替えがあるので、訪れるたびに見応えがあります。東光院仏教美術室ではいつもの「阿吽」を見上げ、十二神将像を愛で、こちらも大満足。

そのあとは二階にある「美術情報コーナー」で書籍や雑誌を物色。気になる記事を読み、調べることが出来ました。このような図書や資料のコーナーの規模や使いやすさで言うと、同じく福岡市が運営する福岡アジア美術館の充実ぶりに俄然軍配が上がりますが、いずれにしても、「美術館で図書サービス」は活用したいおススメサービスです。

最後は、ミュージアムショップへ。何かを買いたいというわけではありませんが、どのようなものが並んでいるのかを見るだけで、美術を取り巻く世の中の動きが見えたり、その美術館が持っている特徴や「押し」が見えてきたりするのは、面白いことです。美術関連の本が並んでいるのも楽しいですね。わたしが出かけた当日は、海外からのお客さまが多くミュージアムショップにもおられたので、その方々がどのようなグッズに興味を示すのかが伝わってきて、なるほどと思いました。

さて美術館を満喫して気がつけば、時刻はもうすぐ16時というところでした。ほんとうに一日よく遊びました(笑)。