郷育カレッジ「中高年者運動機能リターントレーニング」に参加しました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

郷育カレッジ「中高年者運動機能リターントレーニング」に参加しました。

連日の「郷育」投稿となりました(笑)。

わたしは郷育カレッジの運営委員の一人として講座を運営する側でもありますが、実は一受講者として講座に参加していることが必須条件。受講者の目線を持ち続けることで気づくこともたくさんあるので、とても大切なことだと思っています。という理由もあり、ただどちらかといえば単純に受講したい内容があるからというのが一番なのですが、わたしも毎年いくつかの講座を受講しています。

本日参加してきた「中高年者運動機能リターントレーニング」は、長年続いている人気講座のひとつ。わたしは今回が初めての参加となりました。まず上の写真にあるように、案内ハガキには、当日の「持ち物」がずらり。どんなトレーニングをするのだろう!?と期待が膨らみました。

講師の内田さんは、アスレチックトレーナーの肩書をお持ちです。最初の自己紹介で、運動機能マヒからのリハビリ指導をなさっていたりということがわかり、70代以上が中心の受講者の皆さんに対しても、安心してトレーニングをお任せできると感じました。まず指導してくださる方がどんな方なのか、安心するところから講座をスタートするというのは、とても大切なことですね。

各種の道具を使ってのトレーニングは、ワイワイと楽しくにぎやかに進みました。思うように上手く行かなくても、笑い飛ばしながら皆で取り組む時間は、とても和やか。講師の先生がまた褒め上手で、やる気を上手に引き出してくださいました。「トレーニングジムに通わなくても、お家でじゅうぶんな運動をすることができる」という実践指導は、決して難しいものではなく、すぐにできるものばかりで、とてもためになりました。

終了後は皆さん晴れ晴れとした表情でお帰りになったのが印象的でした。皆で体を動かすの、いいですね^^

福津市民のための生涯学習の仕組み「郷育カレッジ」来年度のカリキュラム検討がスタートしました。

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福津市民のための生涯学習の仕組み「郷育カレッジ」来年度のカリキュラム検討がスタートしました。

福津市民のための生涯学習の仕組み「郷育カレッジ」。福津の「ひと、もの、こと」を題材に、ふるさと、健康福祉、環境、生きがいなど、さまざまな分野の講座を開催します。令和6年度も7月の開講式からスタートし、令和7年3月までに100講座の開催を予定しています。現在、ほぼ半分のカリキュラムが終了したところです。上の写真は、近年の講座のなかでも人気の「ふくつ散歩」シリーズに参加したときのもの。

福津市公式サイトの郷育カレッジ紹介ページ

そして、来年度に向けてのカリキュラムの検討が、そろそろスタートです。講座では毎回簡単なアンケートを受講者の方にお願いしていて、そのアンケート結果や、郷育カレッジの運営委員と福津市郷育推進課の担当スタッフが実際に講座に出た実感、その時にチェックした受講者の方々の印象や実際におっしゃっていた言葉、講師の方からのフィードバックなどを反映させつつ、来年度以降の講座をどうすべきか検討していきます。

来年度の講座スタート時期から考えると半年以上も前からの検討になりますが、実際にカリキュラムが決定してパンフレットとして刷り上がるには、遅くとも今年度内には大枠が決定していなければなりません。毎年の仕事ですが、秋になり会議がスタートすると「いよいよスタート」という感じがいたします。

市民の皆さんに喜んでいただけるもの、ぜひ知って欲しいこと、そして一番大切なのは、郷育カレッジでやる意味のあること、を講座として構成することです。巷には市民向けの文化講座を展開する事業者さんもたくさんありますので、なぜ「公」の郷育カレッジでやるべきなのかは、とても大切な要素となります。より有意義な学びの機会を提供できるように、しっかり検討して参ります。

弁護士さんに契約書作成の肝を教わる―またまた中小機構九州本部の専門家相談にお世話になりました。

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弁護士さんに契約書作成の肝を教わる―またまた中小機構九州本部の専門家相談にお世話になりました。

わたしの「公的サービス使い倒し術」のなかでも、活用度の高い方に入る中小機構九州本部の専門家相談。2013年から、ことあるごとに相談に行っていますので、それぞれの相談は単発とはいえ、10年以上お世話になっていることになります。

今回は、新しくサービスリリースを考えている「アート作品の貸し出し事業」の規約や契約書をどう作成すべきかについて、弁護士さんにアドバイスをいただきました。

いつもは博多にある中小機構さんに伺うのですが、今回はZoomで。相談日の前に、あらかじめこちらで想定して作成した規約や契約書のひな型を中小機構の担当者さんにお送りし、そこから弁護士の先生に転送して、あらかじめ内容をチェックしていただくことが出来ました。

おかげさまで、1時間の面談のなかではピンポイントで的確なアドバイスをいただくことができ、すっきりクリアになりました。面談の前にこちらが提出した文書の内容チェックなどをしてくださったことを考えると、1時間の専門家相談といいながら、それ以上の時間を割いてくださったことになります。弁護士さんに個別に相談を頼んだら、1時間いくらかかるのか…ということを考えたら、ほんとうに頭が下がります。ありがたいサービスです。

中小機構九州本部の支援サービス

おかげさまで、「アート作品の貸し出し事業」年内にリリースできそうな感じがしています。リリースの暁には、こちらでもご案内いたします!

ロンドンSLADMOREのクリスマス・ショウに向かう顔ぶれが揃いました♪

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ロンドンSLADMOREのクリスマス・ショウに向かう顔ぶれが揃いました♪

Unique sculpture by Edouard Martinet and Kensuke Fujiyoshi

12月のロンドンSLADMOREでのクリスマス・ショウ。今回はフランスのエドワード・マルチネ氏との二人展です。

12月4日スタートのクリスマス・ショウですが、ギャラリーでの写真撮影と展覧会カタログ(電子カタログ)作成のために、1カ月以上早くロンドンに届ける必要があります。ギャラリーでの写真撮影に間に合うように、作品が揃いました。嬉しいので、そのほんの一部だけご紹介。わたしのスマホ撮影の写真ですので、実物の魅力を十分にお伝え出来ませんが、今回もいろいろと楽しいものが出来上がっています。

animal boxes KENSUKE FUJIYOSHI

animal boxes KENSUKE FUJIYOSHI

このあとは、まずこちらでもプロのカメラマンさん(いつものabc pictures 赤司憲壕さん)に写真撮影をお願いして、梱包・発送作業に入ります。発送が完了してしまうまでは、緊張が続きます。そして発送が完了したら、今度は無事に先方に届きますように!祈るばかり。なんどやってもドキドキです。


Unique sculpture by Edouard Martinet and Kensuke Fujiyoshi

4 December 2024 – 20 December 2024

Our Christmas season exhibition showcases Edouard Martinet’s new unique sculptures of insects, animals and birds, all remarkable and witty creations, and Japanese master ceramicist Kensuke Fujiyoshi with his new collection of exquisite porcelain animal boxes.

Catalogues will be available soon.

展覧会カタログは電子カタログで配布されます。展覧会に登場する作品の最新情報をいち早くゲットしたい方は、SLADMOREの公式サイトから、ニュースレター(メールマガジン)を申し込むのが、一番早いです。興味のある方は、ぜひSLADMOREのサイトにアクセスしてみてくださいね。

DM到着―11月は東京南青山の百福 momofukuさんで「藤吉憲典 展」です。

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DM到着―11月は東京南青山の百福 momofukuさんで「藤吉憲典 展」です。

11月は東京南青山の百福さんで個展です。ダンナ・藤吉憲典は、ただいま制作ラストスパート中。


百福 momofuku

藤吉憲典展(磁)

2024年11月9日(土)-11月15日(金)※会期中無休

12:00-18:00(最終日は17:00まで)

東京都港区南青山2-11-6-1F

TEL03-6447-0952

https://www.momofuku.jp

南青山百福 藤吉憲典展

南青山百福 藤吉憲典展

百福さんでの個展では、ご飯茶碗などふだん使いの器を中心にご覧いただける予定です。どうぞお楽しみに!

読書:季刊誌『AXIS 2024.7 summer』株式会社アクシス

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書:季刊誌『AXIS 2024.7 summer』株式会社アクシス

いつものカメリアステージ図書館の「雑誌スポンサー」になりました!と書いたのは、先月のことでした。

せっかく雑誌スポンサーになるなら、自分たちが読みたいと思うもの、一人でも多くの人がこの分野に興味を持ってくださるきっかけになったら嬉しいなと思うもの、を提供したいと考えて、選んだのが『AXIS』でした。AXISは、1981年にデザイン発信拠点「AXIS」を発足するととともに創刊されたデザイン誌。1981年創刊ですから、40年以上の歴史ある雑誌ということになります。1980年代は、デザイン、カルチャー系の情報発信が積極的になされた時代という印象がありますが、当時は紙媒体が主流。現在まで続いているというのは、すごいことだと思います。

デザイン誌『AXIS』

たまたま雑誌スポンサー制度に申し込むタイミングが、2024年7月号になったのですが、ちょうどこの7月号から、編集長が変わってのリニューアル第一号だったということで、期せずして絶妙なタイミングとなっていました。

図書館に提供した本誌を、図書館で読もうと思っていたのですが、なかなか腰を据えて図書館で読書する時間を作れず、気が付いたら次号が出ていたので、借りてきました。多くの図書館がそうしていると思いますが、雑誌類の最新刊は図書館内での利用に限定されるので、バックナンバーになってから貸し出し可能な棚に移動してきます。

で、読みはじめてすぐに思ったのが「これ、うちにも欲しい」でした。パラパラと読むだけならば、図書館に置いておいてよいのですが、その内容があまりにも濃いので「自分の」が欲しくなりました(笑)。ダンナに聞いてみたところ、ダンナも同じ意見。取り上げているテーマが興味深いのが第一番ですが、さらにそれぞれの記事が日本語だけでなく英語でも書かれているのが魅力的です(バイリンガル編集、と呼ぶようです)。これは英語の勉強にもなるではないか!しかもデザイン系の単語が頻出しますから、わたしにとってはまさにピンポイントです。

「デザイン誌」のワードに違わず、写真も美しいし、誌面レイアウトも美しい。広告ページまで美しい。紙質も贅沢です。と、褒めまくっておりますが。さっそく年間購読誌にすることが決定いたしました^^

デザイン誌『AXIS』

読書『ガチョウの本』(河出書房新社)イーユン・リー著/篠森ゆりこ訳

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読書『ガチョウの本』(河出書房新社)イーユン・リー著/篠森ゆりこ訳

上の写真の鳥が「ガチョウ」なのかは定かではありませんが(笑)。いつものカメリアステージ図書館新刊棚より、タイトルと表紙に惹かれて借りてきました。中国出身のアメリカ人作家による、フランス人の主人公の、フランスとイギリスを舞台とした小説です。と、このように書くとずいぶんと国際的な雰囲気があるのですが、華やかでも無ければ冒険的でもない、すぐそこにあると感じられるストーリーでした。

主人公はフランスの田舎に住む13歳の少女。あとがきで著者が、12歳から14歳の女の子の、特有な時期の話が書きたかった、というようなこと書いていました。そんな時期を過ごしたことのある大人は皆、本書を読めば著者の言わんとすることがわかるのではないかと思います。子どもでもなく大人でもない。現実と空想の境目がまだ少し入り混じっているけれども、そろそろそれがお終いになるような時代。わたしの実感としては、11歳から14歳という感じでしょうか。思い出せば、自分自身の取り扱いも、女の子同士の友情というか関係性も、なんとも面倒くさい年頃だったと思います。

そうした少女の特有の時期を扱ったお話ですから、国がどこであろうと関係ないのですね。日本人だけじゃないのだと、こんなところに普遍性があるのだと、気づかされました。著者をして「中国出身のアメリカ人である自分がフランス人のお話を書ける」と言わしめる本書に登場する少女たちの姿は、日本人読者たるわたしにも、じゅうぶんに理解できるものでした。だからこそ、翻訳されて各国で出版されるのですね。

文章から、著者のやさしさが滲み出ているような感じがする本でした。本著者の本を、もっと読んでみたいと思いました。

『ガチョウの本』(河出書房新社)イーユン・リー著/篠森ゆりこ訳

ずっと捨てられずにいた、昔使っていたバッグの革が、アップサイクルでいい感じに復活―その1。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ずっと捨てられずにいた、昔使っていたバッグの革が、アップサイクルでいい感じに復活―その1。

なんでも長々と使う性質です。壊れるまで使う、壊れたら修理して使う。靴やバッグをはじめとした革製品はその最たるものかもしれません。ブーツのひとつなどは、もう何回「かかと(ヒール)」を付け直したことか、積み重ねた「かかと修理代」が、購入時の本体価格を上回っているかもしれません。

本日の話題の「バッグ」はワタシがサラリーマン時代(かれこれ30年以上前)に購入したなかで、一番気に入っていたものです。気に入っていたからこそ、当時法人営業職で外回りをしていたわたしは雨の日も風の日も持ち歩き、文字通り「使い倒し」ました。日々の手入れはクリームをつけて塗るぐらいで、仕事を辞めてから革のクリーニングに出したりしましたが、本体はキズやひび割れやシミがたくさんできてしまい、ちょっと使い物にならない状態に。ところが内側のポケットに使われていた革は、とてもきれいな状態でしたので、これは!と、取り外してとっておいたのでした。

お友だちの革職人さんが、ランドセルのアップサイクルをなさっていると聞き、ランドセルじゃなくてもやってもらえるかどうか尋ねたところ、「できますよー!」と快いお返事をいただき、託すことにいたしました。実はずっと、くるくる巻くタイプのペンケースが欲しかったのです。

アップサイクルペンケース

アップサイクルペンケース

出来上がったのは、シンプルで扱いやすいペンケース。ふだん持ち歩くものの本数と径を確認してポケットを作ってくださいました。これで、バッグのなかでペン類が迷子になることは無いはず!です。

とっても嬉しかったので、調子に乗って第二弾をお願いすることに。そう、同じバッグの革が、もう一枚あったのです。次のオーダーは「キーケース」。どのように出来上がるか、とても楽しみです。

新しいことをしようとすると、自分の知らない仕事がたくさんあることが、実感としてわかる。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

新しいことをしようとすると、自分の知らない仕事がたくさんあることが、実感としてわかる。

最近仕事の相談で、興味深いプロの方とお会いしました。印刷やさんと、スキャニングやさん。どちらも福岡市内にある事業者さんです。自分が詳しくない分野の話を知りたいときは、足を運んでプロの仕事場に伺い、顔をあわせてお話を伺うのが一番ですね。抱えていた課題に対し、的確な方法にスムーズに辿り着きました。移動時間を考慮しても、足を運ぶことで早い解決につながったと思います。

まずは印刷やさん。ふだんの名刺印刷や簡単な冊子印刷やはがき印刷の類は、オンラインでいつもお世話になる事業者さんが決まっています。が、先日訪問した印刷屋さんでは、一言に印刷やさんといっても、仕事の種類・仕事への関わり方はさまざまで、会社や人によって事業の範囲やレベルが大きく異なるのだという側面を、垣間見せていただきました。まずは初めましてのご挨拶、と思って訪問したところが、そのまま具体的に話が進み、仕事をお願いすることになりました。誰かからの紹介(すなわちお墨付き)ということでもなかったので、あまりにスムーズな展開に、少々驚きました。テンポよく行くときはこんなふうですね。

どうやってその印刷やさんを発見したかというと、インスタです。自分たちのやりたいことに合った提案をしてくださる技術と感性を持った方が福岡にいないかと、インスタで探していてヒット。自分たちの考えていることを具現化してもらえそうだと感じてアポを取り、訪ねて行ったのでした。「自分たちの考えていることを具現化してもらえそうだと感じて」というのは、もっぱら直感(笑)。ただその直感を支えるものとして、インスタにアップされている画像、書かれているテキストの内容、誰がフォローしているか、という情報がありました。最近の若い子はインスタ上で検索をかけるという話を前々から聞いていましたが、なるほどこういう感じなのかな、と思いつつ。

そしてその仕事を進めていただく上で必要な外注先として、紹介していただいたのが、スキャニングやさんでした。コピーやスキャンをしてくださる会社です。例えばキンコーズなどもそうですね、そのもっとプロフェッショナル版とでもいいましょうか。スキャニングやさんとの出会いは、印刷やさんでの打ち合わせ中。「この部分は外注した方がいい」という仕事をできるところを探すのに、印刷やさんがその場でいくつか電話をかけ、ネットで情報を確認し、あっという間に外注の手配まで道筋をつけてくださいました。善は急げでそのままそのスキャニングやさんへ足を延ばし、課題が一つ解決。スキャニングやさんとのおしゃべりのなかで、今後の仕事でもサポートしていただける場面がありそうだということもわかりました。

そんな素敵な方々との仕事の第一弾がどのような形で現れるのか、わたしたち自身が一番ワクワクしています。こちらでもご報告できるのを楽しみにしています。

読書『関心領域』(早川書房)マーティン・エイミス著/北田絵里子訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『関心領域』(早川書房)マーティン・エイミス著/北田絵里子訳

このところすっかりわたしのなかで鉄板となりつつある、いつものカメリアステージ図書館新刊棚、そして翻訳本といえば早川書房、の組み合わせです。といっても、早川書房を狙って選んでいるわけではなく、読み終わってから確認するとそうだった、という感じです。本書もまったく予備知識無く手に取った一冊。ただ、なんとなくタイトルに既視感があるなぁと思っていたら、映画化されていて今年の5月に日本でも封切られていたということですので、どこかでポスターか何かを見かけたのかもしれません。

さて物語は、ヒトラー政権下のナチスドイツ。加害者側であるナチス・ドイツの軍人とその家族を中心とした登場人物を、アウシュヴィッツ強制収容所を舞台に描いています。景色、数字、色、においの淡々とした描写で、常軌を逸した残酷さが延々と語られていました。なぜそのようなことになってしまったのか、という疑問が物語の底辺に流れているのを感じつつも、このようなことがどこででも起こり得るということ、現に起こってきたということを、突き付けられる読書でした。

巻末のあとがきに、映画は(多くのものがそうであるように)原作とはまた異なるものに仕上がっているということが書かれていましたが、それでも、それぞれに読み・観るべきものとして紹介されていました。第76回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞、そして2024年のアカデミー賞で〈国際長編映画賞〉〈音響賞〉を受賞し、「今世紀最も重要な映画」と評されたそうです。わたしは、本書を読み終わったばかりの現時点では、これを映像で見るのは避けたいという心持ですが。

先日読んだ『女の子たち風船爆弾をつくる』を読んだ時も感じたのですが、今、こうした過去の戦争本が新刊でどんどん出てきているのは、やはり時代の空気への危機感があるように思います。本書を読みながら『女の子たち風船爆弾をつくる』と『戦争は女の顔をしていない』を思い出していました。

本書の著者の書くものに興味を惹かれましたが、残念ながら日本語訳が刊行されている本は、今のところ少ないようです。あとがきで武田将明氏が(東京大学教授)、本書を契機に、マーティン・エイミス著作がもっと日本語訳で出てくることを期待していると書いておられましたが、わたしも一読者として楽しみにしておきたいと思います。

『関心領域』(早川書房)マーティン・エイミス著/北田絵里子訳