続・自分の過ごす空間を快適に。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・自分の過ごす空間を快適に。

先日、「自分の過ごす空間を快適に。」のタイトルで、料理研究家・成宮なみさんのブログをご紹介したところでしたが、同じタイミングでもうひとつ、気になる記事を見つけました。

インポートインテリア・ドーノの上田桐子さんの「オンラインでのインテリアのご相談強化中」の記事が目に留まりました。上の写真は、ドーノさんのショールームにおじゃました際に、光と立体の影と花の色にひかれて思わず撮った一枚。

“在宅時間が長くなり「今までやれなかった整理整頓。そして…家のインテリアが気になる」「ずっと家にいるので、アートなど目で楽しめる癒しがほしい」などのご相談が一気に増えている”(インポートインテリア・ドーノさんのブログより)ということです。たとえば、部屋に飾るちょっとしたオブジェを探すにしても、自分の過ごす空間についてインテリアのプロに相談できるのは、最高に贅沢なことですね。

花祭窯の展示スペースも、この機会に少し模様替えをいたしました。大きめの展示棚をひとつ撤去して、もう一つの展示棚は片面にまとめ…などなど。棚がひとつ減ったら、とってもスッキリ。光の入り方が変わって、これまでより明るさが出ました。

スペースができると、そのスペースをどう生かそうかと頭が動きます。掛けていた書の位置を変えたら、絵を飾りたくなる壁面が発生。一方で押し入れを整理していたら、ちょうど良いサイズの額縁が二つ三つ出てきましたでの、久しぶりにダンナに絵を描いてもらって飾ることに。今発注したところなので、出来上がりはいつになるかわかりませんが、楽しみです^^

次は、どうしたら床の間空間がよりすっきり格好良くなるかしらと、眺めています。お客さまがいらしたときに、風通しのよさと空間の広がりを感じながら器や作品をじっくりご覧いただけるといいな、と妄想しながら。

根津美術館からのメルマガ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

根津美術館からのメルマガ。

先日、九州国立博物館からのメルマガをご紹介したところでしたが、今朝は根津美術館からメールマガジンが届いていたので、こちらをご紹介。

毎年ゴールデンウィークが近づくと、東京青山にある根津美術館が気になります。根津美術館といえば、燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)。毎年公開される展覧会に、いつかはこのタイミングで観に行きたいと思いつつ、なかなか行けずにおります。現在(2020年4月)、根津美術館も臨時休業中で、今年はその特別展も中止です。

根津美術館は、お取引先ギャラリーである西麻布の桃居さんからお散歩がてら10分かからない距離にあり、桃居さんでの個展のタイミングで訪問することが多いです。朝一番にでかけると、ギャラリーのオープンまで約1時間、楽しむことができます。

まだ燕子花の季節に出かけたことはありませんが、自然豊かな庭園を歩いていると、そこが都心のど真ん中であることを、しばし忘れてしまいます。メルマガ最新号は、その庭園の今の様子をウェブサイトで楽しんでもらおうというご案内でした。

根津美術館ホームページ「庭園」

↑このページには庭園マップがあり、マップ上のカメラマークをクリックすると、360℃パノラマビューの風景を見ることができます。これは、見ていてなかなか気持ちがいいです。わたしは根津美術館に行っても、館内の展示を見ずに庭だけ散策して帰ることもあります。「都会のオアシス」という言葉が文字通りの場所だと思います。

自分の過ごす空間を快適に。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

自分の過ごす空間を快適に。

料理研究家の宮成なみさんのブログに「コロナ自粛と自宅療養は似ている。ご機嫌に過ごす方法。」というタイトルがアップされていました。曰く「できるだけ自分の過ごす空間を快適に過ごせるように作り込む。(中略)小さいことで良いので、自分がご機嫌に過ごせる癒しをいっぱい作ってくださいね。」と。難病で長い自宅療養期間を経験し、乗り越えてこられた宮成さんのことばには、説得力があります。身の周りにお気に入りがあることの大切さ。

有事の時にいつも我が家・花祭窯で確認するのは、わたしたちの仕事は、衣食住のなかで最優先される生活必需品ではないということ。けれども、必要とされるとき・場所が必ずある、誰かにとってかけがえのないものになるときがある。だからこそ、求められた時に最大の力を発揮できるように、淡々と、常に全力で、良いものを作り続けるだけ、なのです。

ミュージシャンの星野源さんが「(前略)衣食住はもちろん大事だけど、楽しいとか面白いことがないと人間は死ぬと僕は思います。(後略)」と語ったことを、各種ニュースサイトで拝見しました。「今こそ」の芸能・芸術の役割に言及していると、わたしは解釈しました。とてもストレートな表現で驚きましたが、ご自身の立ち位置がわかっておられるからこそなのでしょうね。

わたしたちも、美しいもの、楽しいもの、技術と情熱をかけてつくりあげたものが、それを見る人・使う人の生きる力をサポートすることを、ずっと信じています。それが実用的なものであっても、無くても。毎日食卓に並ぶ器にも、日常空間を飾るアートにも、そんな力があると思っています。

そして今、もう一歩進めて考えています。それは「淡々と、常に全力で、良いものを作り続けるだけ」ではなく、その過程を発信していくことで、より楽しみ面白がってもらえることも、できるかも!ということ。さっそくチャレンジしています。近いうちにご紹介できるよう頑張ります^^

九州国立博物館からのメルマガ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

九州国立博物館からのメルマガ。

気になる美術館、博物館のメールマガジンをとっています。どこの館のものも、通常は、おススメの展覧会や、展覧会に付随して行われるイベントの紹介が多く、受け取る側もそれが主な目的でもあります。

先日届いた、九国からの最新のメルマガタイトルは「4階文化交流展示室のおすすめの文化財を紹介します!」。このところ、臨時休館やイベント中止の連絡が多かったなか、思わず食いつきました(笑)わたしが九国からのメルマガを読むようになってから数年が経ちますが、こういうアプローチは初めてだと思います。

わたしはもともと「九州国立博物館は、特別展もいいけれど、4階の常設展がおススメ!」で「文化交流展示室推し」。特別展に誘われて観に行っても、文化交流展示室での滞在時間の方が長くなるのですが、そのファン心をくすぐる内容でした。

「4階文化交流展示室のおすすめの文化財を紹介します!」のタイトル通り、おススメの資料が写真付き(HTMLメール)、簡潔な説明付きで紹介されていました。各資料とも九国の収蔵品データベースへのリンク付きで、気になるものは、すぐに九国のサイトで確認することができます。5つの資料が紹介されていましたが、1回のメルマガで見る量としては、ちょうどよかったです。

個人的に最も気になったのは「青貝細工フリーメーソン螺鈿箱」。江戸時代の長崎螺鈿の輸出品です。19世紀という時代は、有田焼においても西洋からのオーダー品に応えて積極的に輸出をしていた時代でもあり、興味深く眺めました。

文化交流展示室は、展示されている資料数も多いので、毎回すべて見ることはできません。そのうえ、定期的に展示替えも行われています。「こんな収蔵品があるよ!」と教えていただけるのはとっても嬉しいことで、次回のメルマガ配信が今から楽しみです。

ほかの美術館、博物館のメルマガも、今こそこういうアプローチをしてくれたら嬉しいな、と思いつつ。

九州国立博物館のメールマガジン登録

仕事中のBGM。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

仕事中のBGM。

仕事中、ラジオを聴くことが多いわたくし。ラジコで地元のFM局を聞いたり、BBCラジオの2チャンネルを聴いたり。ただ、パソコンに向かって仕事をしながら、「音楽流しっぱなし」が欲しくなった時は、最近はユーチューブにお世話になっています。

このところのお気に入りひとつめは、オペラ。

全幕続けると2時間半から3時間になり、午前中一仕事、とかの時間にちょうど良いのです。いろいろありますが、よく聴いているのは、カルメンと椿姫。オペラの名曲を取り集めてミックスリストにしているものもありますが、どちらかというと劇場で演じられたもので聴く方が、しっくりきます。音で聴いているだけでも、臨場感のようなものが伝わってくるのですね。

お気に入り、ふたつめは、ピチカートファイブ。

最近のお気に入りというよりは、過去のお気に入りを引っ張り出してきたわけですが。いつ聞いても新しいピチカートファイブ。延々と気分よく聞いていられるリズムと、耳ざわりの良い野宮真貴の声。小西康陽氏は天才なのだなぁ、とあらためて思います。

そしてみっつめは、Jazz, Blues, Soulといったもの。

ジャズもブルースもソウルも、ちゃんと聞いたことが無く知識ゼロですが、「とても心地が良い」ことが、聞きはじめてわかりました。これも2時間から3時間にまとめられたミックスリストがいくつも見つかるので、いろいろと試している最中ですが、今のところどれを聞いても仕事用BGMとして違和感がありません。

好きな音楽は?と問われると、1970年代から80年代の洋楽、ブリティッシュロックのグループ名が出てきます。ところがBGMとして探してみると、それまでの自分の音楽の好みとはまったく違うものが耳に飛び込んでくるのは、新しい発見。面白いものですね。

海外対応いろいろ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

海外対応いろいろ。

今年は、年初めの時点で海外での個展詳細を詰めていませんでした。そろそろ考えなければ、と思いはじめた頃に中国でのコロナウィルス報道があり、少し様子を見ようと思っている間に、日本そして世界に広がり。今考えると、何も決まっていない状態だったおかげで、心配事が少なくて済んでいます。

Stay at home≒ Stay at studio。花祭窯の場合、もともと通勤の必要がなくスタッフもいませんので、工房で仕事をするうえではそれほど不便もなく、極端な変化もありません。ただ、外に出かけていくことが無くなりましたので、このタイミングで、藤吉憲典は国内外からのご注文品をつくる時間を確保し、ひたすら作っております。

外出制限がかかっているロンドンのギャラリーは、まず三カ月はオープンできないということで、オーナーもスタッフも完全在宅勤務。まったく家から出ることができないそうです。「コレクターも皆喜ぶから、ケンスケが作っている様子の動画を送ってよ」とオーダーが入りました。「きちんとしたものでなくていいから、気軽に!」ということで、これを機会に、手作り動画に再チャレンジです。

上海では、少しづつ外出や営業等の制限が解かれはじめているようです。海外との人の行き来が制限されているので、思うように仕事を進めることができないもどかしさはあるようですが、これは上海-日本間に限ったことではありませんね。ご注文品を手配するこちらとしては、それでも物流が動いていることが救いです。中国向けのEMSは早い時期から止まりましたが、そのほかの物流サービスでは、遅延が発生しているものの今のところ動いています。ほんとうにありがたい限りです。

国内個展の予定も立てられない状態が続いていますが、個展に向けての作品づくりも、いつもにも増して集中することができるように思います。11月下旬予定の町田ももふくさんでの個展には、事態が収束して、お客さまと笑顔でお会いできるといいな、と切に願いつつ。

読書『新・リア王(上・下)』(新潮社)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『新・リア王(上・下)』(新潮社)

高村薫さん。『晴子情歌』を読んだあとで、あのボリュームを自分のなかで消化するのに休憩が必要かと思っていましたが、早く読みたい気持ちが勝ちました。これぞ本の力ですね。現在、上巻を読み終わり、下巻に入ったところです。

描かれているのは『晴子情歌』の登場人物のその後です。が、単純に続きということではなく。このようなかたちで続きを書くことを最初から考えていたわけではなかったと、高村さんもおっしゃっていたようです。

そうなると気になるのは「何が、このようなかたちで続きを書くことを後押ししたのか」です。おそらく、ご本人へのインタビューなどで理由が語られていると思うのですが、現時点でわたしはそれが何かを知らないので、その「何」を自分なりに推測してみるのもいいかな、と思いつつの読書でした。

1970年代から80年代の国政を駆けた地方選出代議士たる父と、禅僧となったその外腹の息子の、対話というか語りで綴られる871ページ。わたし自身にとって、自分が生まれてから成人するまでと重なる、その時代の移り変わりを知る機会となりました。政治家の名前も、政治的キーワードも、聞き覚えのあるものが少なからず、当時は聞き流していたそれぞれの持つ重みが今になって感じられました。

小説の中で語られる舞台となる高度成長期70-80年代。高村薫さんの書く小説が変わったとされるのは、1995年以降。『新・リア王』の出版は2005年。多くの日本人の価値観が変わったと言われた、2011年以降。そして今2020年。地方と中央、政治家・官僚・市民。なにか変わったのか、どう変わるべきなのか、ほんとうに変わり得るのか、考えさせられつつ読み進めています。

ハードカバー版の表紙は、上下巻それぞれにレンブラントによる老人を描いた絵が用いられています。人生の黄昏を感じさせる陰影が、小説タイトルに重なります。

海外美術館の教育普及ツール、その6。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

海外美術館の教育普及ツール、その6。

内容が充実しているといわれる、海外美術館サイトのエデュケーションツール。海外美術館サイトから、実際に自分で試してみたものを、その都度ご紹介して参ります。その第6弾。調べるほどに楽しくなってきました。

さて今回は、ヴィクトリアアンドアルバート博物館(以下、V&A)。膨大な資料数を誇るV&AのコレクションをWeb鑑賞して参りましょう。おもちゃ箱をひっくり返したような楽しさがあります。

From The Collections

↑「SPACES」「PERIODS AND STYLES」「PEOPLE」「FEATURED」「MATERIALS AND TECHNIQUES」「PLACES」 と6つのカテゴリーから、コレクションにアプローチすることができます。

どこから行けばよいか迷う!というときは、V&Aの特色から探す「FEATURED」から見てみましょう。「ウェディングドレス」「衣装」「メガネ」「オペラ」「靴」「家具」「壁紙」「額装」「帽子」などなど…の分類から、所蔵品を観に行くことができます。

カテゴリーを簡単に日本語にすると、「SPACES」は、V&A館内の場所による分類、「PERIODS AND STYLES」は作品の時代や流派による分類、「PEOPLE」は人物による分類、「MATERIALS AND TECHNIQUES」は素材や技法による分類、「PLACES」はその資料のルーツのあるエリアによる分類です。

実際に館を訪問してもそうなのですが、なにしろ芸術・デザイン全般ですので、守備範囲が広く、一日や二日で回れるものではありません。そんな大量の資料を、どう分類すればWeb上で探しやすいか、かなり工夫されていると思います。

海外美術館の教育普及ツール、その5。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

海外美術館の教育普及ツール、その5。

内容が充実しているといわれる、海外美術館サイトのエデュケーションツール。そのなかから、実際に自分で試してみたものを、その都度ご紹介して参ります。その第5弾。

昨日に引き続き、ロンドンのコートールド・ギャラリー(The Courtauld Institute of Art)のサイトからご紹介します。写真は、コートールド・ギャラリーのある建物サマセットハウス。ここから建物をぐるりと回った反対側に、ギャラリーへの入り口があります。

The Courtauld Collection

↑コートールド・ギャラリーの所蔵品を見ることができる「コレクション」へのアクセスページです。

「Highlights of The Collection」では、館がおススメする21作品が取り上げられています。何から見ようか迷ったときは、ここから順番に参りましょう。モネ、ゴッホ、ゴーギャン…とお馴染みの名前が並ぶのも、とっつきやすくて嬉しいですね。

「Paintings」「Prints and Drawings」「Sculptures and Decorative Arts」と、分野別のページもあるので、見たいものがはっきりしている人は、こちらから入っていっても好いと思います。紹介されている所蔵品すべてを見ようとすれば膨大な時間がかかりますから、「どこから入って何を見るか」は、サイト上でも悩ましいところです。

コレクションページでは、その作品写真だけでなく、その作品や作者にまつわる文字情報も一緒に載っています。が、文字情報(知識)に頼らず、自分の感性で作品そのものをじっくり眺めるのも、わたし個人的にはおススメです。

海外美術館の教育普及ツール、その4。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

海外美術館の教育普及ツール、その4。

内容が充実しているといわれる、海外美術館サイトのエデュケーションツール。そのなかから、実際に自分で試してみたものを、その都度ご紹介して参ります。その第4弾。

本日取り上げるのは、ロンドンのコートールド・ギャラリー(The Courtauld Institute of Art)のサイト。「コートールド美術館展」は、2019年秋から今年2020年にかけて、東京・愛知・神戸と巡回しているところでしたが、神戸がまだ開幕未定の状態です。

コートールド研究所は、芸術と建築の歴史・保存を研究する専修大学で、ロンドン大学の付属研究機関とされています。その研究所に付属した美術館は、それほど広くはありませんが、特に印象派の作品をじっくり見ることができるとあって人気です。建物もとっても素敵です。

コートールドギャラリー

そもそもコート―ルド研究所が学術機関であり教育機関ですので、ウェブサイトで紹介されているラーニングツールも非常に充実しています。豊富で充実したコンテンツのなかから、より簡単に楽しめそうなものをご紹介。

Explore The Courtauld

↑直訳すると「コート―ルド探検」。鑑賞教育の第一歩は「美術館探検」から始まります。そのままのタイトルで、思わず嬉しくなりました。

このなかでも、バーチャルなビジュアルツアーを体験できる「Explore the Gallery」コーナー、コートールドギャラリー館内の説明や所蔵絵画についての解説など豊富な動画が揃った「Watch our films」(YouTubeチャンネル)が、特におすすめです。Watch our filmsにアップされている動画は、すべて英語解説ではありますが、ほとんどに英語字幕がついていますので、比較的意味を拾いやすいです。

神戸での展覧会の開幕を楽しみにしつつ、ご覧になってはいかがでしょうか。