今月の書道部。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

今月の書道部。

思いがけず長い春休みとなった息子の一文字は「暇」(笑)写真はお手本用にダンナ藤吉憲典が書いた「暇」。口に出して言う「ひま~」も、漢字にするとなんとなく印象が変わるのが面白く。

書道部だからといって、季節感のある言葉や四文字熟語など、それっぽい字やことばを書かなければならないということはなく、思いついたことを書けばよいのです。気持ちよく文字を書くのが一番。

一方で、実際に筆を握り、半紙に向かい、書いてみると、「あれ、ちょっと違う」ということもあり、そんな時は、書く文字を変えてみる。自分で「この字(あるいはことば)を書きたい」と思って書きはじめたけれど、取り組んでみたところ実はそんな気分ではなかった、ということは結構あるものです。

そんなわたしの今月の文字は、これ。

そろそろヨモギを摘みに出かけたいところです。

いい道具は美しい。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

いい道具は美しい。

尊敬するご近所の金工アーティスト、千場昌克さんAtelier FERのおろしがね。昨年末に注文していたものが、出来上がりました。真鍮(しんちゅう)の本体に、おろす面には錫を引いてあり、持ち手には木がかぶせてあります。

Atelier FERのおろしがね

こちらは裏側。写真では伝えきれない美しさです。こういう時、写真の腕が無いことが悔やまれます。ぜひ実物を見て欲しいです。美しいだけでなく、使い勝手も素晴らしい。握りのカタチと太さ、おろしがね面のカタチと広さ、持った時の軽さ。

使い勝手とデザインを両立する技術と感性を要する仕事。道具づくりは、実際の生活場面でどのように生かされるかをイメージする想像力と、それを形にする創造力が問われます。こういう仕事をできる人は、アーティストとしての作品の完成度も素晴らしく高い方が多いのですが、 Atelier FER 千場さんはその最たる一人だと思います。

数十年ぶりに手に入れた新しいおろしがね。嬉しくて、しばらく大根おろしが食卓に載り続きそうな藤吉家です。

今年も藍の家でお雛様。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

今年も藍の家でお雛様。

毎年楽しみな、藍の家のおひなさま。藍の家は、我が家の近所、津屋崎千軒内にある、登録有形文化財の古民家です。お散歩がてら見に行って参りました。この距離感が、なんともありがたいです。

歴史を感じる立派なお雛様がいくつも。古いものは90年近く前のものとか。ちゃんと残っていることがすごいですね。「もう飾る場所がないから」と寄贈されることも少なくないようです。個人のお宅にあれば、親族以外の多くの人に見てもらう機会は少ないであろうお雛様。こうして公の場に飾られることで、たくさんの人が見ることができるのは、とても嬉しいことですね。あやかってわたしも眼福^^

上は、お座敷正面で出迎えてくれるお雛さま。周りにはたくさんの鞠(まり)が下げられ、華やかな空間になっています。

わたしは、お人形よりも、まず道具に目が行きます。小さくても美しく丁寧に作られた道具の数々。ミニチュアを愛でる楽しさは古今東西変わらないものなのだろうな、とつくづく。

ここに写真で上げていない、素敵なお雛さまがまだまだありました。藍の家の二階には、民俗資料を飾ってあるスペースもあります。お雛様は3月いっぱいは展示してあるようです。津屋崎方面お越しの際は、ぜひお立ち寄りくださいね♪

春の風物詩。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

春の風物詩。

いかなごのくぎ煮。いつのころからか、兵庫県に住む友人が毎年作って送ってくれます。今年もつい先日、届きました。これが届くと、もうそんな季節ね、と思います。

いかなご漁はこのところ厳しいようで、解禁しても不漁で高値とか。年々価格が高騰している様子が伝わってきます。「今年はこれだけしかつくれなかった!」と言いながら、くぎ煮をつくって送ってくれるお友だちの気持ちに感謝。

うん、美味しい。ご飯もお酒も進みます^^

写真で使っているのは、藤吉憲典の染付花鳥文木甲縁小皿

読書『風神雷神 上・下』(PHP研究所)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『風神雷神 上・下』(PHP研究所)原田マハ著

上の写真は『小学館ギャラリー 新編 名宝日本の美術23「光悦・宗達」』より、俵屋宗達筆『風神雷神図』屏風の一部分。

原田マハさんのアート小説最新刊。『楽園のカンヴァス』にはじまり、毎回わたしが夢中になる理由は、作家・作品とその時代の歴史を重ねてストーリーを追っていくのが、とても楽しいからです。

『風神雷神』。読む前に「無理やり感がある」という書評も目にしましたが、ドキドキするストーリー展開に、上下巻合わせて650ページ一気に引き込まれました。確かに、俵屋宗達やカラヴァッジョを引っ張り出さなくても、天正遣欧使節団の冒険物語だけでもじゅうぶん面白かったかもしれません。ただ、俵屋宗達やカラヴァッジョを登場させたからこそ「絵」や「絵師」に寄せたストーリーになったのでもあり。

彼らの足あとをストーリーで追いつつ、フィレンツェ・ローマ・バチカンにゆっくり行かねば!とあらためて思いました。自分の足でその街を歩き、絵画・彫刻・建築をこの目で見たい!そんな思いが増幅してくる本でした。

エピローグにある一文が、本書に限らず原田マハさんがアート小説を書く際にもっとも言いたいことのひとつなのだろうな、と思うと同時に、とても共感しました。


「美術(アート)は、歴史という大河が過去から現在へと運んでくれたタイムカプセルのようなものだ ― 。」

『風神雷神 下』原田マハ(PHP研究所)より


そうなのです。だからこそ、現代に生きるわたしたちも、数百年後、数千年後も引き継がれ愛されるアートを生み出し、遺していく使命があるのです。

I LOVE 図書館。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

I LOVE 図書館。

近所の図書館でも3週間近く臨時休館することが決まった、というニュースが流れ、思わず図書館へダッシュした昨日でした。

すっかり顔見知りの司書さんとは、1週間ほど前に「来館者少ないですね」(わたし)「でも、理由がわかっているから、こればかりは仕方がないです」(司書さん)という会話を交わしたばかりでした。

貸し出しカウンターで司書さんと視線が合うなり、二人して「ねー!」と思わず声が出てしまいました。別のスタッフさんが驚いて「えっ!なんの『ねー!』ですか?」。思わず苦笑い。

わたしとしては、仕方がないこととはいえ、残念ですね、なんだか悔しいですね…という気持ちのこもった「ねー!」でした。あるいはこういう時だからこそ、図書館にできることもあったのでは、という気持ちもあったかもしれません。

図書館はその目的により「貸出型」と「滞在型」があり、どちらをより重視するかで、館のつくりも運営の仕方も評価の物差しも変わってきます。福津市にある二つの図書館のうち「カメリアステージ図書館」は、どちらかといえば滞在型。でも人が集えないときは、貸出型の機能で役割を果たすしかありません。

というわけで、本をたくさん借りてきました。こんな時こそ本を読もう!です^^

ブログふじゆりスタイル7周年。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ブログふじゆりスタイル7周年。

先日、ひょんなことからこのブログをスタートした日を調べたところ、「2013年3月5日」が最初の記事であったことが判明。津屋崎に移転してきたのが2012年春ですから、約1年後にスタートしたということです。上の写真もそのころのものかも!?

記事数は995本。7年間2557日のうちの995本ということは、約2.57日に1本書いていたということですね。現在10に分けている分野(カテゴリー)別にみると、記事本数の多いのは次の通りです。ちなみにひとつの記事が、複数のカテゴリーに属しています。

  1. 日本の文化を楽しむ
  2. 花祭窯おかみの仕事
  3. 本・映画・勉強会など
  4. ギャラリー・美術館・博物館
  5. 磁器作家・藤吉憲典情報

「お知らせ」カテゴリーの記事数が意外に少なく、あまり「誰かに役に立つ情報発信」にはなっていなかったこと、自分のための趣味的内容が多いことがわかります。でも、継続のコツはここ=「自分が読みたいことを書く」にあるのだとも思います。これからもこのスタンスで綴ってまいります。ご一緒に楽しんでくださる方があれば幸いです^^

『家庭画報』4月号(2020年2月29日発売)記事からのお問合せ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

『家庭画報』4月号(2020年2月29日発売)記事からのお問合せ。

『名店の「昼膳」』特集で、お客さまのお店が紹介されたということで、「おお!よかったね!」と思っておりましたら、その記事からのお問い合わせが増えております。撮影用に使った器の作家名を入れてくださったご様子。ありがとうございます。

※書籍の画像をクリックするとAmazonの商品紹介ページに飛びます。

なかでも「盛り付けていない器を見たいのだけれど」「色はひとつだけなの?」というお問合せが重なったので、二つのご質問に答える資料を速攻で作りました。

藤吉憲典 鮑型向付

ご紹介してくださったのは、福岡博多のお料理古川さん。古川さんとは、彼が大阪の味吉兆で修業なさっていたころからのお付き合いです。オープンから2年。既に、なかなか予約の取れない博多の名店となっています。

器を使ってくださっている皆さんが頑張っておられるのを、 いろいろなメディアを通して拝見するのは、わたしたちにとっても大きな喜びであり、つくり手の制作意欲に直結しています。嬉しいニュースをありがとうございます♪

ちなみに、現在花祭窯に、この鮑型向付の在庫はありません。ご注文をいただいてから4か月~お待ちいただいている状況です。お急ぎでご入用のお客さまは、銀座黒田陶苑さんにいくつかあるかもしれませんので、お問合せしてみてくださいませ。

今年もお雛さま。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

今年もお雛さま。

2020年桃の節句は、ゆっくりと家で寛いでいる人も多いかもしれませんね。我が家の中学生も、思いがけず長い春休みがスタートし、早くも暇を持て余し気味。それを横目に、自営業の我が家では淡々と仕事を進めています。

いつもと違うことや不確実な要素が多いときほど、「いつもの」を大切にすることが「マイペース」の維持につながると感じています。というわけで、写真はいつもの花祭窯の金襴手雛香合。檜扇を持たせそびれたが故に販売自粛した雛香合ですが、おかげで毎年、花祭窯の三月の主役として彩りを添えてくれています。

香合ですから、手に収まるサイズで動かしやすいです。雛段や付属のお飾りがありませんので、出すのも仕舞うのも簡単。今年は木目の美しい平台に載っていただきました。気軽に飾れるからこそ、面倒くさがりのわたしでも、毎年引っ張り出すことができます。家で楽しむ季節のアートこそ、「展示しやすさ」が問われるなぁ、などと学芸員目線で思いつつ。

小さくて、飾りやすくて、存在感のある金襴手雛香合。子どものころ家には雛飾りが無く、お友だちを羨ましく思ったりもしていましたが、大人になって最高のお雛様が毎年側に居てくれる嬉しさを味わっています。

インスタで在庫確認!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

インスタで在庫確認!

つい先日、藤吉憲典の公式ピンタレストを始めました!と書いたところでしたが、フェイスブックインスタグラムでも引き続き情報発信しています。

一昨日のこと、窯からあがったばかりの染付飯碗をインスタグラムでご紹介したところ、いつものお客さまから「こんなん欲しいです」とコメント。さっそく在庫状況をお知らせし、実物をご覧いただけるよう、ギャラリーさんに手配。グッドタイミングでお客さまのお手元にお届けできそうです。

SNSへの投稿も含めて、わたしはスマホよりもパソコンで仕事をすることが多いのですが、インスタグラムはスマホがメイン。花祭窯の展示スペースに並んでいるものや、窯からあがったばかりのものを、その場で撮ってアップするのは、知らず知らずのうちにスマホ&インスタでの仕事になっていました。

今回お客さまからコメントをいただいたおかげで、わたしの場合 「今あるものをご紹介する即効性」では、インスタグラムが一番タイムリーに情報発信できているのだと、今さらながらに気づいたところでした。不特定多数の方々に向けての発信ツールである一方で、実はいつものお客さまへのパーソナルな情報提供ツールとして役に立っていました。

通常ご注文をいただいてから、制作期間として3か月以上お待たせすることが多いのですが、わたしがインスタグラムで発信しているものは「今、在庫がある」ものである可能性が比較的高いと言えそう。そんなことを客観的に思った出来事でした。