一生懸命のところに感動が生まれる。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

もうすぐ春休み。今年度の息子の担任の先生は、とっても熱い先生でした。その先生が終業式1週間前に保護者に向けて書いた手紙の内容が、これでした。

一生懸命のところに感動が生まれる。

その数日後に行われる卒業式で、在校生が卒業生に合唱をプレゼントすることになっていました。練習やリハーサルの特訓を通して、先生が子どもたちに一番伝えたかったことがお手紙に書いてありました。「このくらいでいいや、そう思って手を抜いてしまえば楽です。でもそこには何の価値も生まれません。一生懸命だからこそ、素晴らしい価値が生まれます。」

思春期にかかる子どもたちに「あつくるしい、うざい」と言われながら熱血指導を貫いた先生。その結果、卒業式前の最終リハーサル、卒業式本番と、素晴らしい合唱を披露し、先生方も涙していたということでした。

「歌う側」であった息子にも話を聞いてみると、一生懸命歌ったら、歌いながら涙が出てきたと恥ずかしそうに言いました。「ちょっとおかしいんやけど」というので、「全然おかしいことじゃないよ。よかったね、先生が熱血指導してくれたおかげだね」と話をしました。

 

先日、セミプロを名乗る音楽家の演奏を聴く機会がありました。そのとき、明らかな手抜きというか、まったく気が集中していない演奏であったのが、素人の自分でもわかるように伝わってきて、とても残念でした。生演奏を聴きながら苦々しい気持ちになったのは久しぶりのことでした。

心を動かすのは小手先のテクニックではなく、一生懸命さだと、しみじみと感じた二つのできごとでした。

 

 

 

手帳選びが楽になったワケ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

数年前まで、11月ごろになると気になりはじめ、本屋さんをハシゴしたりネットで探したり、お気に入りを見つけるまでにかなり時間がかかっていた「来年の手帳選び」。

今年は12月半ばのつい先日、さくっと2017年版が決定。たまたま立ち寄った本屋さんで手帳コーナーを見つけ、「そうえばまだだった」と思い出し、15分もかからずに決まりました。

手帳選びが楽になったワケは、
革の手帳カバー。

数年前にオーダーで革の手帳カバーを作ってから、手帳選びが断然楽になりました。あたりまえですが、この手帳に合う中身だけを探せばよいのです。外側は気に入ったけれども中身が気に入らない、あるいはその逆、ということがありません。

年々「中身だけ(リフィルと言ったらいいのかな?)」を出すところも増えてきているように思います。身近なところでは無印良品やコクヨCampusなどの定番ノートがあります。わたしが見た限り、今のところB版よりもA版サイズの方が「中身だけ」はバリエーションが豊富です。でもバッグへの入れやすさ、手にとっての扱いやすさを考えて、B6でつくりました。

さてよく聞かれるのが

手帳カバーをオーダーでつくったら、高くありませんか?

わたしの場合は、手帳カバーをつくるまえに比べて毎年の手帳への出費が格段に減ったので・・なにしろ中身だけ買えばよいので・・長期的に見てコストパフォーマンス抜群。そのうえ「使い込んだ革の手帳カバー」というだけで、なんだか「ちょっと仕事のできる人」に見えるような気がして勝手に嬉しくなるという…(笑)

「良いものを長く使いたい」という嗜好のある方にはおススメです。

この手帳カバーをはじめ、革小物のオーダーをお願いするのは、津屋崎千軒内にあるcokecoさん。そんなお店が近所にあるというのがまた、ありがたいことですね。
手作り靴と革小物のお店cokeco 

中学生職場体験@花祭窯

こんにちは!ふじゆりです。

花祭窯では、普段「陶芸体験」なるものは一切受け入れていませんが
毎年1週間(実質5日間)の中学生の職場体験を受け入れています。

津屋崎中学生職場体験@花祭窯
初めての年はすべてのことが試行錯誤でした。

今年は3年目。
1年目、2年目と経験してわかってきたことを反映しながらの取り組みです。

中学生が来てくれている時間を無駄にしないよう、
いろんな仕事があるのだと知ってもらうことが出来るよう、
そして、出来れば陶芸の仕事のおもしろさを感じてもらえるよう。

受け入れる側のこちらの度量が試される5日間です。

今年はゴールを「箸置きの生地づくり」において
少しづつ、慣れていってもらうことを意識。

お客さま用駐車場の草むしりにはじまり
海散歩で貝殻を拾い、デッサン(平面図)→カタチ(立体)にしていく作業を入れてみたり

中学生職場体験@花祭窯

来年の干支に向けて、図書館で「サル」の資料を集めてもらったり

視覚から平面へ、平面から立体へと
目と手、視覚と触覚(皮膚感覚)をつかっていく練習のよう。

「人に教える」ことの難しさと面白さ。

中学生職場体験@花祭窯

そして、おそらくうちで一番カタチの単純な箸置きの生地をつくってもらいました。

もちろん、ここから多少の手を加えてカタチを修正していかなければ
お客さまにお出しできるものは出来上がりませんが、
かなり頑張ってくれました。

職場体験も本日が最終日。
将来の仕事を考えるきっかけのひとつになると嬉しいな、と思いつつ。

わたしたち自身の5日間のあり方もしっかり省みて
また来年、中学生が来てくれるといいな、と期待しています。

盆踊りが終わって

おはようございます!ふじゆりです。
雨で涼しい朝です。

盆踊りが終わって、子どもたちの夏休みも終わりに近づき
津屋崎の夏もそろそろお仕舞いの気配です。

津屋崎祇園山笠2015

山笠で梅雨が明け、夏のはじまり。

南阿蘇2015

お取引先さまとのご縁で楽しんだ南阿蘇。

南阿蘇2015

伝統行事の楽しみ、自然の雄大さ
たくさんの栄養をいただいた夏休みです。

さて津屋崎の盆踊りは、毎年8月15日。
小さな櫓(やぐら)に三味線、笛、太鼓の生唄生演奏。

生演奏で踊ることの出来る盆踊り。
とっても贅沢です。

津屋崎の盆踊りは、「博多柳町」と「須磨の浦」という二つの唄があります。
この踊りがとてもややこしく、一周が長いことから
なかなか覚えることが出来ません。

毎年お盆前に盆踊りの練習日があり
津屋崎移住1年目から、この練習と本番に欠かさず参加し(笑)
4年目の今年は、ようやく1曲はなんとなく覚えたかなぁ・・・という感じです。

来年の夏こそは1曲マスターするぞ、と決意しつつ。

目の前に海がある贅沢

こんにちは!ふじゆりです。

八月。毎日暑いです。

花祭窯からあるいて1分かからずに海に出ます。
そこから海岸沿いに歩きながら砂浜にでると
すぐに泳ぐことが出来ます。

津屋崎の海

津屋崎浜は遠浅で、膝から腰あたりまでの深さが続くので
子どもを連れて行くには、とても安心です。

この地の利を活かして、このところ夕方からの遊泳がお気に入り。

日中の炎天下にでるのは勇気が要りますが
夕方4時半くらいになると、すこしお日さまもやわらかくなるので
夏休み中の息子と一緒に海に出かけます。

家で水着を着て、自転車に乗って。

夕方にもなると、お日さまで海水も少し温み
長く海に入っていてもそれほど冷えません。

海がきれいなので、生き物もたくさん。
息子が水遊びしている横を魚が飛び跳ねます。

浅くて透明度が高いので
海のなかの様子もよく見えます。目の前を魚の群れが通り過ぎます。

あまりにも近くを泳いでいるので
毎回網を持ってくればよかったと思うほど。

海の楽しさは、泳ぐおもしろさに加え、景色の楽しさ美しさ。
1時間も遊べばリフレッシュして、息子もわたしも満足。
砂だらけで自転車に乗って帰ります。

クラゲが出てくるまでもうしばらく、夕方遊泳楽しみます。

弥生三月、変転の季節。

こんにちは!ふじゆりです。

ここ福岡は数日真冬に戻った後、今日からまた暖かな晴れ。
寒いのが苦手なので、お日さまが出るとホッとします。

このところ、お世話になっている方がお二人続けて異動の挨拶におみえになりました。
お一人は信金の担当者さん。
お一人は商工会の職員さん。

お二人ともそれぞれ
この地ではあまり一般的でない「窯」という業種の仕事に
そして見ようによっては突飛とも思えるわたしたちの事業展望に
理解を示し力を貸してくださったのでした。

何年か後に、もしまた津屋崎に戻ってこられることがあれば
そのとき「お、花祭窯さんも相変わらずがんばってるね!」と誇らしく思ってもらえるような
そんな自分達であることが、一番の恩返しになるはずだと思っています。

宮地嶽神社の早咲きの桜
宮地嶽神社の早咲きの桜。

とはいえ、嬉しいことにお二人ともお住まいは比較的近所。
職場の肩書きを持ってのお付き合いから、個人としての友達付き合いへとステージを変えて
これからもわたしたちにとって大切な存在です。

津屋崎に移転してもうすぐ丸三年。
いつのまにかたくさんの大切な方々に囲まれて過ごしています。
親身にサポートしてくださる方々の存在を、あらためてありがたく思ったのでした。

博多座がある幸福。

こんにちは、ふじゆりです!

今年最初の博多座に行ってきました

今回の目的は「レディ・ベス」。
博多座レディベス

舞台が素晴らしかったのはもちろん
「博多座」という空間でゆっくりと時間を過ごせる贅沢を満喫。

歌舞伎もミュージカルも
休憩時間をはさんでおおよそ3~4時間。

この間、他のことにまったく気を散らさず非日常に没頭する。
わたしにとって、とてもすごいことで、貴重な時間です。

それにしても、ここ津屋崎から博多座までの距離感も素晴らしい。
近すぎず、けれども思い立てば気軽に行ける距離。

感謝!

懐石茶会。

こんにちは!ふじゆりです。

昨日は入門している南方流茶道会の懐石茶会でした。

毎回お茶会の前日は、準備のお手伝いに入ります。
境内内の掃除、設えなど。
準備を手伝うこと自体にたくさんの学びがあります。
今回はさらに、懐石料理の下ごしらえの様子を拝見することができました。

南方流茶道の懐石茶会で供されるお料理は
すべて茶道会員による手づくり。
丁寧に作られたお料理が朱色の膳に並ぶのを想像するだけでもわくわくします。

お茶会当日は、茶室の水屋はもちろん、お給仕も大切な役目です。
先生方の指導に従い、ひとつひとつ覚えていきます。

さて、懐石茶会。
客としても裏方としても、初体験のワタクシ。
先生方に「長丁場になるから、がんばろうね」と言われておりました。

果たしてその実態は
一席が四時間に及ぶ贅沢な茶席の体験となりました。

炭手前にはじまり
別室で懐石料理をゆるりといただき
あらためて茶室に通されれば
そこには見事に炭が熾り
濃茶、淡茶と美しい手さばきのお手前に感動。

四時間というと長そうですが
客としてその場におりますと
まったく長く感じられません。

目の前で行われていること一つ一つに集中する贅沢。
すべて終わり時計を見て
あら、いつのまにか四時間も経っていたのね!
というのが正直なところでした。

それでも視点を転じてみれば
亭主をつとめあげる方の集中力に
ただただ敬意がこみあげます。

このように贅沢に時間を使ってのお茶会は
南方流独自のもので
代々受け継がれてきたものだということです。

そんな和尚さまのお話に
あらためてここにご縁をいただいた幸運を深く感じた一日でした。

好きだから、やっている。

こんにちは!ふじゆりです。

久しぶりに青い空、青い海です。風は冷たいですが、着々と春の気配。

事業をやっているお友達が多く
日ごろいろんな人と何気なくおしゃべりをするなかで
自分はなぜ今ここにいるのかを考えることがよくあります。

答えはいつも明確で、
自分で選んでここにいて、今がある、ということです。

自分自身でいくつかの選択肢のなかから選んで
今に至っています。

仕事だって、「やりたくて起業し、好きでやっている」。

うちは一代で勝手に起こした仕事なので
代を継いでいる方々のように背負うものもありません。

いろんな要因はあるかもしれないけれど
最終的には自分で選んでいることを知れば
誰かや何かのせいにすることはひとつもありません。

そんなことを考える春です。

陶人形 お茶を飲む婦人

説明の要らない美しさ

こんにちは!ふじゆりです。

ここ数日、朝日が昇る前の美しい空を眺めていて思うこと。

この景色の美しさを伝えるのに
説明は要らないな、ということです。

有明海から望む朝日。

それは言葉で説明するものではなく
見て・空気に触れて感じるものであって

しかも、おそらく、どんな国の人
どんな文化的な背景を持った人でも、なにかを心に感じる
普遍的なものなのではないかな、と。

よく「芸術がわからない」と言う方がおられますが、
わかる=頭で理解するものではなく
思う=心で感じるものだと思うのです。

他者の評価に左右されるものではなく、
自分が心から良いな、好きだなと思うものが
自分にとって良いもの、なのだと思います。

説明を求められたときに
その「モノ」や「作品」について
美術的・芸術的・歴史的文脈から解釈・説明できることは
つくるひとや、それを橋渡しするプロにとっては必要かもしれませんが

それを受け取る側の人にとって、
心から感動し、愉しむことのできるものには
そんな説明は不要だし、あとからついてくるものだと思うのです。

自然の描き出す美しさは、まさに説明の要らない美しさ。
なーんてことを、朝焼けを見ながら考えたのでした(^^)