大学の美術館。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

大学の美術館。

1月にこのブログで、今年観に行きたい美術展の情報を上げておりましたが、そこに追加したい情報です。

今日から新年度ですね。上の写真は、福岡市にある九州産業大学美術館2020年度展覧会予定。今年度最初の展覧会「家具をつくる」は、スタート日が変更になっていますので、お出かけの前にご確認くださいね。

大学美術館の良いところは、その大学や、学校のある地域に縁のある作家や作品が集められていることと、展示に大学での研究成果を反映させることができるところにあるのではないでしょうか。それを大学関係者だけのものとせず、一般の人々にオープンになっているところが少なくありません。

ここ数年、学芸員技術研修などでお世話になっている九州産業大学の美術館は「コレクションを本学の芸術教育研究に役立てるとともに、学外にも公開して地域の方々の楽しみと学習に資するため、2002年4月に開館しました」(九州産業大学美術館ウェブサイトより)というもので、積極的に地域からの観覧受け入れをしています。

今年大学創立60周年ということで、今年の企画展には特に力が入っているようです。なかでも個人的に「行くぞ!」と思っている展覧会を二つご紹介。

〇第29回九州産業大学美術館所蔵品展「絵画と語らう―風景・動物・人をめぐる旅―(2020年9月11日-10月11日)

鑑賞教育にぴったり合いそうな展覧会タイトル!と思ったら、既に地域の小学校からの訪問予定が何件も入っているということでした。初めての絵画鑑賞にも向いていそうです。

〇九州産業大学創立60周年記念特別展「酒井田柿右衛門×九州産業大学=MIRAI」(2020年10月17日-11月15日)

学内にある伝統みらいセンター所蔵の古陶磁も観覧できるということで、楽しみな展覧会です。

九州産業大学美術館の2020年度すべての展覧会予定(PDF)

↑こちらで予定表をご覧になることができます^^

呑んべえの器。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

呑んべえの器。

ダンナ・磁器作家藤吉憲典は、このところ食器づくりに勤しんでいます。アート作品と、用途美の器。この両翼があることが、創造・制作に好い刺激になっていることを、傍で見ていて感じます。アートが器から学ぶこともあれば、器がアートから学ぶこともあるのだなぁ、と。

久しぶりに食器ばかり作っているわけですが、その出来上がりを見ていると、ちゃんと「食べる」「飲む」「手に取って使う」への心配りが、なされていて安心します。そんなのは当たり前!の筈とはいえ、作家ものでもそのイメージが出来ていないと感じられる器は少なくありません。

器を見ると、そのつくり手が、ふだんから家で自分の器や、他の作家さんの器を使っているかどうかがわかります。それは、そもそもつくり手自身が「いい器で、食べたり、飲んだりする時間を楽しみたい!」と思っているかどうか、にも通じるように思います。

そういう意味では、一番わかりやすいのは、酒器かもしれません。本人が酒を愛する呑んべえかどうかで、出来上がりがかなり違ってくるのを感じます。実際に我が家にあるぐい呑みコレクションを眺めてみると、作家さんは、皆さん呑んべえ(笑)

そして、たいていの呑んべえは「食べる」ことも好きで、男女問わず自らお料理をする方も少なくありません。すると、やっぱり食器の作り方も違ってくるのです。意図せずとも、「家呑み」の効用がつくりに反映されるのですね。

そんなわけで、わたしは呑んべえのつくる器をお勧めします^^

小皿の新作。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

小皿の新作。

先週末に「新作が生まれるワクワク感。」なるタイトルでブログを書いておりました。今朝、赤絵窯が上がって、出てきた新作が上の写真の面々。

六角の亀甲型に三つ足の高台。ものすごく丁寧な作りです。カタチが出来上がった時点で「いいねぇ、どんな絵がつくのか、出来上がりが楽しみだねぇ」と言っていた六角小皿。ようやく完成形で目の前に現れました。

サンプルの段階なので、同じ形にいろいろな絵が載っています。実際にこうして出来上がりを見てみてから、定番化するものと、そうでないものとが出てきます。

つくり手のイメージ通り、イメージ以上にあがってくるものがある一方で、そうでないものも出てくるのが、新作制作の常。20年以上のキャリアを積んだ昨今は、イメージから大きく外れることは少なくなってきているようですが、それでも「窯を開けてみないとわからない」のです。

ともあれ、新作の誕生はワクワクがいっぱい。染付の山水文もいいし、赤絵万暦もいいなぁ、と、感想を述べるばかりのわたしは呑気なものです(笑)

新作が生まれるワクワク感。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

新作が生まれるワクワク感。

年明けからこちら、ご注文品の制作が続いている藤吉憲典。ご注文いただいた定番の器を確実に仕上げていく一方、窯を焚くタイミングで、隙間に一つ二つと新作の生地を入れるのも、楽しみです。

写真は先日素焼き窯からあがった豆皿いろいろ。素焼焼成→絵付(染付)→本窯焼成→赤絵付→赤絵窯という順番で、ひとつの新作が出来上がるにも、赤絵まで含めると少なくとも三回窯が入ります。

藤吉憲典は、新作をつくるときに完成形のデザインを紙に書き起こすことがほとんどありません。素焼き窯から上がってきた生地を見て、どんな文様が載るかが決まります。染付の絵付を入れるタイミングで、完成デザインをイメージしていても、本窯焼成から上がったものを見た段階で、赤絵の入れ方が変わることもあり。

つまり、最後の赤絵窯から上がってくるまで、最終形がどのようなものになるのかはわかりません。だからこそ、工程の所々で進み具合を見ながら完成形をイメージするのは面白く、ワクワクは大きくなっていきます。

もうすぐ、豆皿の新作がいくつか上がります。新作誕生のワクワクを、一番最初に味わえる役得と贅沢です。

noteはじめました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

noteはじめました。

さて何を書くか。これもまた「自分が読みたいから書く」のには違いないのですが、ブログと同じでは意味がありません。かといって「noteに合うものを」というほどには、まだnoteの仕組みがきちんとわかっているわけでもなく。とりあえず書きはじめました。

まずは、『陶芸家の妻ですが、なにか?』シリーズ

エピソードは無尽蔵。ブログ「ふじゆりスタイル」が表だとすると、noteでの連載は裏とでもいいましょうか(笑)興味のある方は、のぞいてみてくださいね。アホな夫婦と笑ってもらたら、これ幸いです。

読書:まだまだ続く、シャーロック・ホームズ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書:まだまだ続く、シャーロック・ホームズ。

図書館が臨時休館する前に駆け込みで借りてきたなかに、シャーロックホームズがいました。創元推理文庫「シャーロック・ホームズ全集」から『シャーロック・ホームズの冒険』と『シャーロック・ホームズの復活』。ともにアーサー・コナン・ドイル著、深町眞理子訳。

短編集なので、隙間時間に読めるのが嬉しいです。ひとつひとつの事件は一話完結。にもかかわらず、すぐに続き(=次の事件簿)を読みたくなり、読みだすと本を閉じるのが難しくなります。

今回、この二冊を読みながら、ストーリーを魅力的にしている大きな要素のひとつが、「筆者」のホームズへの深い敬意と愛情であることに気づきました。ここでややこしいのが、「筆者」は誰かということ。ホームズの事件簿は、友人であり相棒であるドクター・ワトスンが記している、という設定であり、そのワトスンのホームズへの敬意と愛情が、読み手たる自分に伝播しているのを感じました。

正確には筆者はもちろん、コナン・ドイル。なんとも魅力的なキャラクター・ホームズを生みの親ながら、自ら何度も終わらせようとし、そのたびに読者によってくつがえさざるを得ない状況に追い込まれ…(おかげでのちの世の我々が、いくつものホームズ物語を読むことができているのですが)ということが、昨年からのホームズ読書でわかっていました。

でも、ドクター・ワトスンの手を借りてホームズへの愛と尊敬を語っているのは、まぎれもない実在の筆者・ドイル自身であったわけで。「愛憎」という言葉は、こういう関係性に使うのかもしれないな、と思いつつ。愛情を注いで綴られたキャラクターとストーリーだからこそ、ついつい読みたくなるのだろうな、と思いました。

創元推理文庫「シャーロック・ホームズ全集」 には、まだ読んでいないものが何冊も。まだまだわたしの「シャーロック・ホームズ追っかけ」は続きそうです。

花祭窯の春の庭。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の春の庭。

このところ、いつもにも増して、毎朝の花チェックが楽しみです。一番の理由は、花桃が見頃を迎えたこと。一本の木なのに、色の異なる花がついて、目を楽しませてくれています。

↓3月から4月にかけて開く水仙。我が家の今シーズンラストの水仙です。

↓年々株が増えていく、生命力あふれるスノードロップ。白い可憐な花が嬉しいです。

↓白と桃色の八重。美味しそうに見えるのはわたしだけでしょうか。

↓白い花弁の先の緑色の点々が秀逸な自然のデザイン。

↓芍薬の新芽。赤い新芽が土から顔を出すと、ワクワクします。今年はいくつ咲いてくれるかな。

↓移植して翌春は二つ三つの花だけだったのが、九年目になるこの春はたくさん咲いてくれています。

花桃

↓グランドカバーの緑も、新しい葉っぱがどんどん出てきています。ドクダミ草も元気。

ご近所で社会科見学。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ご近所で社会科見学。

ここ津屋崎千軒に工房兼住居を移転してきて、もうすぐ丸八年です。江戸末期から昭和初期にかけて、塩田と港による交易で隆盛したといわれる津屋崎千軒には、往時の面影がしのばれるスポットが点在しています。

お天気の良い週末、そんなご近所をあらためてじっくり拝見する機会をいただきました。国登録有形文化財である藍の家と、そのお隣の豊村酒蔵。写真は豊村酒蔵さんの、今はもう使われていない煙突を見上げたところ。

ふだんからしょっちゅう前を通っていても、やはり見応えがありますし、説明を伺えば新しい発見もたくさんあります。古いものが残ってきた歴史には、その時々のエピソードが伴うものですね。「ちょっとそこまで」の感覚で、このような社会科見学ができる贅沢に感謝です。

そうそう、福岡界隈にお住まいの方にはご存知、地域情報誌の『シティ情報ふくおか』2020年4月号には、福津市内のスポットを紹介する「福津市観光ブックレット」がついています。よかったら、手に取ってみてくださいね♪

春のお彼岸だったので、

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

春のお彼岸だったので、

ぼた餅つくろう!と最初は思ったのですが、ヨモギ餅が食べたいな、とヨモギを準備。にもかかわらず投入しそびれて、結局ふつうのあんこ餅になりました。こうなると、まったく「春のお彼岸」っぽくは無いのですが(笑)

まずは朝から自転車で餡やさんへ。まだほんのり温かい、出来たての粒あんをゲット。最近マイブームの「ホームベーカリーでお餅」です。もち米4合分が1時間ほどでつきあがる手軽さが、気に入っています。

もち米4合で、丸餅が約20個出来上がります。大きさ・カタチがまちまちなのはご愛敬。何の理由も無くてもあんこ餅をつくってよいのはもちろんだけれど、理由がある方が「つくろう!」というモチベーションが上がります。和の暦は「つくる理由」の強い味方。

「ヨモギを入れそびれた!」と気づいたのは、お餅がつきあがる10分前。今から入れても、ちゃんと混ざらないよなぁ…と思い断念しました。ともあれ、出来たてのあんこ餅を頬張るしあわせ。まだヨモギの季節は続くので、次のお楽しみです^^

妄想力全開で。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

妄想力全開で。

写真は、図書館が臨時休館する前に借りてきたガイドブックいろいろ。海外渡航が各地で制限されてきましたね。今年は年初の時点で海外個展の詳細が固まっていませんでしたので、かえって慌てずに済んでいる状態で、今思えば運が良かったのだと思います。状況を見守りつつ、今後へ向けて無理のない計画を立てていきたいと思います。

こういうときは「次」へのウォーミングアップ!気になっている地域のガイドブックを眺めつつ、読みつつ、イメージを膨らませていくのは、とっても楽しい作業です。それが仕事の話であっても、情報をいろいろ集めて、どう動くかシミュレーションしていくのは、旅行の計画を立てているときの楽しさと一緒ではないかしら、と思います。

物理的に動けないときは、イメージのなかで動く。いかに具体的にイメージできるか、妄想力に磨きをかけたい今日この頃です。