南青山・百福さんのオンラインショップで、藤吉憲典の器を掲載中です。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

南青山・百福さんのオンラインショップで、藤吉憲典の器を掲載中です。

南青山・百福さんでの藤吉憲典展は、11月15日(金)無事最終日を迎えました。

初日・二日目と在廊したダンナ・藤吉憲典。今回もたくさんのお客さまにお会いできたと、喜んでおりました。個展期間中ご来場・お買い上げくださいました皆さま、ほんとうにありがとうございました。

そして、個展終了後の現在、百福さんのオンラインショップでは、藤吉憲典の作品を一部ご紹介中です。11月末までの掲載予定です。

百福オンラインショップ

個展に足を運べなかった、という皆さま、ぜひこの機会にご覧くださいませ。

九響の演奏会「名曲・午後のオーケストラ」を聴きに行ってきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

九響の演奏会「名曲・午後のオーケストラ」を聴きに行ってきました。

勤労感謝の日は、アクロス福岡シンフォニーホールでの九州交響楽団(九響)のコンサートへ。上の写真は、つい先日登山報告をした「アクロス山」。シンフォニーホールの裏側にあたります。九州交響楽団の演奏会「名曲・午後のオーケストラ」は、休日の午後にあるので、ゆっくりした気持ちで足を運べます。ホールに入る前に、またアクロス山に登るのもいいな、などと思いつつ。

…のはずが、時間に余裕をもって駅に行くと、どこかでの踏切事故の影響で電車のダイヤが大きく乱れておりました。えー!と思いつつも、次に来た電車にとりあえず飛び乗り。早めに出ててよかったと思いつつ、これならバス移動でも開演に間に合う!という時間に無事博多駅に到着。ところがバス停に並んでいたら、今度はなかなかバスが来ません。あれ?と思って到着予定を示すパネを見たら、1時間以上前に出発しているはずのバスが、発車前の状態で表示されていました。イライラし始めたお客さんが係員さんに問いただすと、どこかで事故などがあったわけではなく、週末の道路混雑が理由だということで。

これはタクシー使うべきかしらどうしようかしらと悩みつつも、列を離れられず、腹を括ることに。やっと到着したバスに乗る頃には、すでに開演時間を過ぎていました。「こんなことならお金かかっても最初からタクシー使うんだった…」とも思いましたが、仕方ありません。こういう時の判断は、なかなか難しいですね。

会場に到着すると、すぐに係員の方が寄ってきて「演奏が始まっているので、次は3曲目が終わったときにしか、中に入れません。今2曲目なのですが、2曲目終わったらすぐ3曲目がはじまるので。入るタイミングにはわたしがご一緒しますので、それまでこちらでご覧になりますか?」と、演奏の様子をリアルタイムで映している大きなモニター前にご案内くださいました。

なるほど、演奏会の様子はこうして生中継?されて、ロビーで観れるようになっているのねと、初めて知りました。しばらくモニターを眺めてから、席が三階なので早めに上に移動する旨を係員の方に伝えると、にこやかに案内してくださいました。扉の外のロビーに腰かけて待つ間も、ずっと音はきれいに聞こえていて、それも初めて知ったことでした。これはありがたい。

3曲目が終わるタイミングで、係員の方がサッとホールに続く外扉と中扉を開け「どうぞ!」と促してくださいました。あわてて係員の方の足を踏んでしまいながら「ごめんなさい!ありがとうございます!」と頭を下げてホールに入り、無事席に着くことができて一安心。ふと見下ろすと、1階の席にも、このタイミングで駆け込んだ遅刻組の方がいらっしゃいました。観たくてチケットを買うのですから、遅刻したお客さんは(わたしも含め)自身が一番「痛恨!」なわけで、その気持ちを組んでくださるような係員の方々の対応に救われました。その後の約1時間半、ゆっくりと演奏を堪能することが出来ました。

わたしが今年鑑賞した演奏会のなかで、今回は唯一声楽が入っていました。ソプラノの高野百合絵さんの歌声に感動しまくり、すぐに演奏に没入。席に着くまでのドタバタを吹っ飛ばしてくれる、すばらしい時間を過ごすことが出来ました。遅刻のおかげで、演奏会運営の一側面を拝見することができたことも、貴重な経験でした。

博物館学芸員研修「オンライン語り場」―「不登校児童生徒を支える博物館活動」に参加しました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

博物館学芸員研修「オンライン語り場」―「不登校児童生徒を支える博物館活動」に参加しました。

2016年からお世話になっている、九州産業大学の緒方先生が責任者を務める博物館学芸員のための技術研修会。令和6年度も文化庁「大学における文化芸術推進事業」連続講座・オンライン語り場が開催されています。今年度のテーマは「地域の子ども、若者を支えるミュージアム活動」。今回は、福岡県北九州市にある「いのちのたび博物館」さんからの報告でした。いのちのたび博物館というのは通称で、正式名は北九州市立自然史歴史博物館。北九州市は、美術館も博物館も動物園も充実しています。もともと製鉄で栄えた一大産業地ではあるものの、斜陽となったのちも、文化的な社会教育施設が維持され機能している、その理由が垣間見えるような報告でした。

以下、備忘。


  • MT(ミュージアムティーチャー)と学芸員の協働。
  • MTは、来館者や学校と、博物館をつなぐ役割を受け持つ。
  • 北九州市教育委員会が提唱するセカンドスクール事業。
  • 「博物館は第二の学校」
  • 学校では得られない知識習得や体験活動。
  • 「未来へのとびらオンライン授業」
  • 教育委員会主導→博物館施設への依頼。
  • 博物館からオンライン授業を中継して、学習への興味を。
  • 展示解説+クイズ+質問コーナー。
  • チャット(匿名性・発語ではなく入力による会話)の良さ。
  • オンライン=自分が安心して居られる場所から参加できる安心感の確保。
  • 博物館授業に参加することによる新たな発見・知的好奇心の高まり・探求心や意欲の向上→外界への意識の高まり・「行ってみたい」行動の喚起。
  • 事後アンケートにより児童・生徒の振り返りを促す:質問項目の作り方への工夫。

以上、北九州市自然史歴史博物館「不登校児童生徒を支える博物館活動」より

  • 教育委員会との連携、学校との連携、横のつながり。
  • 声をかけてもらえるような関係づくり、取り組みのアピール。
  • 学校教育のなかでは埋もれてしまう子どもたちが、安心して居れる場所・活躍できる場でありたい。
  • 社会包摂。
  • 多様な窓口、多様な切り口を作る→発信。
  • 図書館に続け!

以上、語り場(ルーム6)より


今回も学びの大きい90分でした。ご一緒させていただいた皆さま、ありがとうございました!

読書:『嫉妬』『ある女』『シンプルな情熱』―勝手に「アニー・エルノー祭り」開催中。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書:『嫉妬』『ある女』『シンプルな情熱』―勝手に「アニー・エルノー祭り」開催中。。

先日、ノーベル文学賞受賞作家とも知らずに、いつものカメリアステージ図書館新刊棚から、表紙の雰囲気に惹かれて借りてきた、フランスの作家アニー・エルノーさんの本。

自伝的小説というのは、ややもすれば著者の思い入れの強さやくどさが読み辛さにつながったりする感じがあるのですが、それらも含めて面白さを感じるのが、アニー・エルノー著の魅力なのだと思います。というわけで、さっそく図書館で著者名検索。早川書房から出ている既刊を、さかのぼって借りて参りました。

早川書房サイト:アニー・エルノー

読書:アニー・エルノー

どれもこれも、著者の「女性として」の自意識が強く感じられました。ただ、それがあまりにも淡々とした文体であるので、感情の入る余地が無いというか、ドロドロしているはずなのに乾いた感じというか、なんとも不思議な読後感なのです。最初の本を読んだ時に感じた「執筆作業はきっと痛みを伴うのだろうな、血を流しながら、痛みを昇華していくのだろうな」という感想はそのままにあるのですが、自らの体験をつづった文章にしてはあまりにも客観的とでもいいましょうか。

読後に訳者のあとがきを読んで「なるほど」と思ったのは、彼女の本をどう位置づけるか、についての論考でした。「自伝的小説」ではあるのだけれど、フィクションでないのはもちろん、ノンフィクションとも言い切れない、ただの「テキスト」つまり「文」の集合体である、というような理解でした。そしてその著者の姿勢がかたちとなっている文体こそが、読者にとっては魅力なのだというところ。

内容云々というよりは、独特な文体とアプローチこそが、作家としてのユニークな魅力であるということを、実感として味わえる読書でした。例えばカズオ・イシグロなどは、書くたびに意図的に書き方を選び・変えることによって、さまざまなアプローチを試しているような気がしますが、アニー・エルノーの、すべての本を「わたしのやり方はこれ!」と貫いて書く姿勢は、空恐ろしい感じさえします。

ともあれ読み手に取って、そのアプローチには中毒性があります(笑)。

「令和6年度デザイン開発ワークショップ」第2回目に参加いたしました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「令和6年度デザイン開発ワークショップ」第2回目に参加いたしました。

令和6年度デザイン開発ワークショップの2回目でした。第1回目は単なる全体の顔合わせでしたので、各地区に分かれての実質的なワークショップとしては1回目です。

わたしが参加する北九州地区のコーディネーターとアドバイザーは、西日本工業大学の梶谷克彦先生、株式会社GKデザイン総研広島の遠藤大輔さん、株式会社宣研の重松依子さんの三名で、昨年度と同じ顔ぶれ。前回のワークショップを経ての信頼感があります。

以下、備忘。


  • 一番やりたいのは何なのか?
  • どこに、なにを訴求するのか。
  • 狭くても、手堅い市場。
  • 商品に添えるストーリーブック。
  • 機能訴求と情緒訴求。
  • 相反するものを掛け合わせる。
  • 好きなもの、身近なもの。
  • その商品と一緒の、生活シーン。
  • エントリーモデル→ハイエンドモデル。
  • エントリーモデルからハイエンドモデルまでのステップとして、何を提供するか。

「令和6年度デザイン開発ワークショップ」第2回目より。


わたしにとっては、最初から「!」連続のブレストタイムとなりました。一つ明確に方向性が決まり、充実感。まだスタートしたばかりですので、さらに突き詰めていけると思うと、ワクワクします。次回が楽しみです。

第111回九州EC勉強会「I-neに学ぶマーケティングの真髄」に、参加して参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

第111回九州EC勉強会「I-neに学ぶマーケティングの真髄」に、参加して参りました。

九州EC(九州ECミーティング)は、経営者・ECに取り組む方々が幹事となり、事業運営に役立つ情報交換・提供を行う会です。完全ボランティアで続いている、稀有な勉強会組織。毎回、どうやって見つけ、呼ぶことが出来たのかと驚くほどに、充実したテーマと講師による勉強会を博多で開催してくれるので、ほんとうにありがたい存在です。

正式なセミナータイトルは、「『SALONIA』『BOTANIST』『YOLU』を手がけたI-neに学ぶマーケティングの真髄」。「I-ne」の会社名は知らなくても、「BOTANIST(ボタニスト)」のヘアケアブランド名を聞いたことがあるという人はたくさんいらっしゃるでしょう。わたしもそうでした。聞けば、創業から17年と若い企業。人気商品を次々生み出し、P&Gや花王などの大手と競い合うほどのシェアを獲得している、すごい会社です。

以下、備忘。


  • 「半歩先のコンセプト」
  • ミッション・ビジョン→それは、具体的には、どのような状態か?
  • 弱者の戦略。
  • どこかで話題になることによって、入りたい市場に入る。
  • 販売戦略としてのギフティング。
  • 新規性の高いデザインと、圧倒的な製品パフォーマンス。
  • プロ→一般家庭へ。
  • 非計画購買層へのアプローチをどうするか。
  • 見たことのあるもの、聞いたことのあるものに対するスコアは高くなる。
  • パーパス:商品の目的を具現化するイメージの構想。
  • イメージの構想があればこそ、戦術を具体的に検討できる。
  • 何の商品かわかる/便益が明確である/世界観が伝わる
  • パッと見て、買いたいと思うかどうか。
  • 何のブランドなのか。
  • アート×クラフト×サイエンス
  • アート=感性・直感・創造性
  • クラフト=技術・質の高さ、製品パフォーマンス・サービスレベル
  • サイエンス=数値に基づく分析と改善

第111回九州EC勉強会「I-neに学ぶマーケティングの真髄」株式会社I-ne 執行役員CSO 伊藤翔哉様のお話より。


次回の九州EC勉強会は、年明け2月8日(土)の開催予定。次回も楽しみです。

霜月(しもつき)11月の花祭窯の庭。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

霜月(しもつき)11月の花祭窯の庭。

今年は夏が長くて、つい先日まで半袖Tシャツを着たりしていましたが、ここ数日急に冬っぽい空気になりました。あわてて冬物の洋服を引っ張り出したり、暖かいカーペットをお日さまに干したり、バタバタ冬支度です。

山茶花サザンカ

気が付いたら、山茶花のツボミがたくさんついていました。

零余子の葉っぱ

いつの間にかムカゴの葉っぱが色づいています。

南天

南天はすっかり赤くなりました。

ツワブキ

ツワブキにもたくさんのツボミを発見。黄色い花が楽しみです。

ツワブキやらサザンカやら、これから花が咲こうとしているものがたくさんあって、ワクワクします。

BASE GALLERY HAKATAがオープン―博多御供所町に素敵なアートギャラリーが登場。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

BASE GALLERY HAKATAがオープン―博多御供所町に素敵なアートギャラリーが登場。

博多御供所町は、最近は「博多旧市街地」と呼ばれて、毎年11月のライトアップイベントでも恒例の人気のエリアとなりつつあります。日本に茶をもたらした栄西禅師が開祖となる日本初の禅寺・聖福寺を中心に、周囲にはたくさんのお寺があります。わたしがお茶を習っている南方流の円覚寺は、聖福寺さんの塔頭であり、毎年九月に行われる栄西禅師の法要には、円覚寺の和尚様が献茶を差し上げています。上の写真は、聖福寺さん。

そのような、わたしにとって馴染みの深い場所に、この11月アートギャラリーがオープンしたと知り、さっそくお茶のお稽古帰りに寄ってみました。

BASE GALLERY HAKATAさん。タイミングよく、オーナーさんが在廊しておられ、お話を伺うことが出来ました。もともと東京で40年続くギャラリーで、二店目を出すのは必ずこの御供所町と決めておられたそうです。現在は、東京と博多を行ったり来たりしていらっしゃるとか。この地にギャラリーを開いた経緯や、ビル正面に入るお茶やさんとカフェについての情報など、気さくに教えてくださいました。落ち着いた物腰のなかに強い意志が感じられるお話に、ここから博多のアートシーンが動き出すかもしれないと期待が高まりました。

ギャラリーの入っている「グラムビル御供所町」は、道路に面してはお茶とお干菓子のお店「SABOE HAKATA」が入り、その脇を奥に進んでいくと、BASE GALLERY HAKATAの入り口があります。うなぎの寝床=町家の建っていた奥に深い立地を生かしたギャラリー空間は、半地下から一階部分を吹き抜けにした天井の高いつくりになっており、スペースはさほど広くはありませんが、縦に開放的な空間がとても贅沢です。静謐な空気に満ちていました。

自分の行動範囲のエリアに、このような素敵な場所が出来たことが、嬉しくてたまりません。聖福寺さんからすぐの場所=南方流円覚寺からもすぐなので、しょっちゅう足が向きそうです。福岡市内は、天神から向こうの赤坂・大名エリアにアートギャラリーが多いのですが、博多のこの場所に開いてくださったことが、ほんとうにありがたいです。「人間の価値の基礎(ベース)をつくるようなアート」を追及するというギャラリーコンセプトにも深く共感します。

現在、BASE GALLERY HAKATAでは、開廊記念展「静寂の形」を開催中。興味のある方は、ぜひ覗いてみてくださいね!

郷育カレッジ講座『「切り貼り絵(コラージュ)」作りで自分発見』を開講してきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

郷育カレッジ講座『「切り貼り絵(コラージュ)」作りで自分発見』を開講してきました。

福津市民のための生涯学習システム「郷育カレッジ」で、今年も「コラージュ」の講座を開催いたしました。タイトルは『「切り貼り絵」作りで自分発見』。令和6年度の郷育カレッジの特集テーマは「郷育カレッジでパワーアップ~新しい自分を見つけませんか~」で、わたしのコラージュ講座もそのなかのひとつです。

郷育カレッジで担当している美術鑑賞の講座とともに、美術分野の講座ですが、同時に「心身の健康」を目指した内容にしています。コラージュ制作を通じて、自分の内側を可視化し、客観的に受け入れていくことで、心のリフレッシュを図る。わたしはこのワークショップを「Meet Me at コラージュ(=コラージュ制作を通じて自分に出会う)」と名付けています。

ここ数年続けていて感じることは、同じ「郷育カレッジ」という枠のなかであっても、参加なさる方々によって、その講座の雰囲気がずいぶんと異なる面白さです。今年は作業開始からすぐに、活発な雰囲気が会場内に広がるのを感じました。

コラージュ作品をつくるにあたり、皆さんがいかに自由に取り組むことができるか、そこを促すのが講師としてのわたしの一番の仕事だと思っています。参加者の皆さんがさまざまな発想をして取り組んでおられるのを見て、とても嬉しくなりました。出来上がった作品は、どれもそれぞれに個性がにじみ出ていて、拝見して楽しいものばかり。1時間足らずの作業時間でも、しっかりと表現が形になっていて、素晴らしかったです。

そして今回は、出来上がった作品についての想いや感想を共有する「分かち合い」のグループワークが、各グループともとても盛り上がっていたのがまた良かったです。どのテーブルでも、会話をしては深くうなずき合う皆さんの様子が見えて、嬉しかったです。

参加者の皆さんが、今回のコラージュ制作を通じて少しでもすっきりした気分になっていたらいいな、と思いつつ。いつも講座準備をサポートしてくださる福津市郷育推進課の職員さんにも、心より感謝です。

11月は実山忌の献茶式とお茶会―利休七則を読み直してみました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

11月は実山忌の献茶式とお茶会―利休七則を読み直してみました。

明日が「南方流々祖実山居士献茶式」で、本日はその準備のお掃除でした。南方流を継承する円覚寺に伝承される『南方録』が南方流茶道の根本であり、千利休、南坊宗啓、立花実山の三名の存在があって、『南方録』が出来上がっているのだと解釈しています。その一人、立花実山を祀る茶会は毎秋十一月。

つい先日、来年の手帳を手に入れました。新年の手帳を手に入れてわたしが最初にする作業に、「決まり事」を書き込む作業があります。自分が大切にしていきたいと思うことなどを、手帳の後ろのページに書き込んでおくのです。ことあるごとに、あるいはふと気が向いたときに、読み直すことができるように、という存在です。ときどき役目がお終いになるものや、新たに追加されるものもありますが、内容の多くは長年変わりません。「利休七則」は、ここ10年以上変わらずに手帳に書きこんでいるもののひとつです。

  • 茶は服の良きように点て
  • 炭は湯の沸くように置き
  • 夏は涼しく冬は暖かに
  • 花は野にあるように生け
  • 刻限は早めに
  • 降らずとも雨の用意
  • 相客に心せよ

七則のひとつひとつは、実にシンプル。どれも「さすが利休!」と感嘆する内容というよりは、一見「あたりまえの心がけ」と言えそうです。が、その「あたりまえ」をあたりまえに貫くことが、いかに難しいかを示唆しているところが、さすが利休なのだろうなぁと思います。これらがお茶事に限らず、ふだんの生活や仕事のなかでも、同じように言い換えることができるのも、魅力です。