福岡商工会議所「女性起業塾」を終えて、備忘メモ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

福岡商工会議所「女性起業塾」を終えて、備忘メモ。

2月から3月の二カ月計17時間のZoom講座からの、備忘。


  • プロに任せるところは、身銭を切る。
  • 「自分のため」以外の目的をもって事業をする人は、周りの協力を得やすい。
  • 人格と思考は別のもの。議論の論点と人格は別という認識。
  • 生活様式の変化キーワード:在宅、リモート、オンライン、お取り寄せ、健康意識、個室化。
  • 経営キーワード:ホンモノ、コラボレーション(同業・異業)、一点集中、複業化。
  • 事業ドメインはたくさん書き出す。
  • 大きくイメージを広げてから、考えを集約していく。
  • なぜわたしは起業するのか?
  • 日本で一番多いのは「単独世帯」。人口は減っているが、世帯数は増えている。福岡も同様。
  • to B。
  • LINE、YouTube、note、Instagram。
  • SNSをLPと意識して作る、増やす。
  • 自分の年齢プラスマイナス10歳が顧客になりやすい。

今回お世話になったのは、福岡商工会議所。わたしは通常、地元の福津市商工会にお世話になっていますが、福岡商工会議所が開催するセミナーや商談会などにお世話になることも年に数回あります。そのたびに、実務を担当するスタッフの方々の熱意やフォロー体制の厚さに感心すること多々。こういう場所が近くにあることは、とてもありがたいです。

お茶のお稽古再開。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

お茶のお稽古再開。

まるっと2年ぶりの初釜の喜びの後、福岡県内に「まん延防止措置…」のコロナ対策が発令されたため、またもやお茶室に通うことが出来ずにおりました。先日ようやく解除されて、お茶のお稽古も晴れて再開です。

この2年の間に「感染防止対策をとりながらお稽古をする方法」を模索してくださった先生方のおかげで、安心して参加できる環境となっていました。いつもの四畳半のお茶室ではなく広間でのお稽古になったり、すべてご自服でいただくことになったり、いくつかの変更はありましたが、とにかく円覚寺に足を運んでお稽古ができることの幸せ。

作法あれこれをすっかり失念しており、まずはウォーミングアップで薄茶のお点前から再開しました。ひとつひとつ、基本の所作を確認しながらゆっくりペース。作法を忘れてしまっているのは仕方がないとして、せめて立ち居振る舞いだけでも丁寧にと、ご挨拶、襖の開け閉め、歩き方、立ち方座り方、道具の扱い方に気持ちを向けました。

南方流の茶道訓には七つの教えがあり、そのなかに「茶式(ちゃしき)論ずべからず」「茶礼(されい)守るべし」というものがあります。お点前の決まり事通りにきちんとできなくても、礼を尽くしたふるまいを心がけることはできる。できることをきちんとしていくことの大切さです。

ほかの方のお稽古を拝見し、自分でもやってみて、手を動かすうちに、少しづつ少しづつ、感覚が戻っていくのを味わいました。それにしても、久しぶりのお茶室でもリラックスして稽古に臨むことが出来るのは、先生方の寛容で余裕のあるお姿があればこそ。幸せな環境だなぁ、とつくづく思います。

とはいえ、初伝免状所持者としては、もう少し自覚を持たねばならないかもしれません。頑張ろう。

読書『弓を引く人』(KADOKAWA)パウロ・コエーリョ著、山川紘矢+山川亜希子訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『弓を引く人』(KADOKAWA)パウロ・コエーリョ著、山川紘矢+山川亜希子訳

パウロ・コエーリョと言えば『アルケミスト』、ちょうど1年ほど前に読んでいました。『アルケミスト』同様に本作『弓を引く人』も、哲学的な受け取り方、自己啓発的な受け取り方、スピリチュアル的な受け取り方、読む人によりそれぞれだろうという感じです。

実は『アルケミスト』を読んだ後、もうパウロ・コエーリョは(読まなくて)いいかな、という感じがしていました。前言撤回で手に取ったのは、本書が刊行される半年ほど前に「息子が弓道をはじめた」というわかりやすい動機によるもの。もしかしたら弓道の世界を垣間見ることが出来るかも、との期待を持っていました。

実際に本を開いてみると、それほど厚くない(約150頁)うえに文章の書き方が散文的でページの隙間も多く、あっという間に読み終わりました。当初もくろんだ「弓道の世界を垣間見ることが出来るかも」は、まあまあ達成できたように思います。とても簡単に言ってしまうと、茶道と同じだな、というのがその感想。息子が弓道を習い始めて以来、的を射ることを目的とするのではなく、正しい姿勢・動作を身に着けることが大切なのだと言われ続けている、その意味がよくわかりました。

「女性起業塾」最終日は事業計画書の発表でした。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「女性起業塾」最終日は事業計画書の発表でした。

初心に戻ってお勉強、「女性起業塾」に参加しています。…とアップしてから早一か月。昨日は最終日でした。

参加者21名の事業計画書発表は、一人当たりの持ち時間わずか5分。計17時間のZoom講座を担当してくださった中小企業診断士の先生が「プレゼン時間は短いほど難しい」とおっしゃっていた通り、肝心の要点を第三者にわかりやすく伝える難しさを痛感。前日までに練習はしたものの、フィードバックではダメな部分ばかりが目につき、反省だらけの最終日となりました。

事業形態を決め、自分の強みを棚卸し、創業の(わたしの場合は新規事業進出の)動機・目的を文字にし、事業環境を客観的に把握し、想定する事業ドメインを書き出し、資金計画・収支計画を立てる。これまでの事業運営のなかで、新しいことをするときはいつもある程度頭の中で考えていた(つもりでいた)ことも、こうして「第三者に伝えることを想定して文字にする」ことの意味・効果を、あらためて実感しました。

一方で、20名の皆さんのプレゼンテーションを拝見出来たことは、大きな収穫でした。さまざまな視点・方法があることを学びました。先生も講評でおっしゃっていたのですが、今回の参加者の方々は、起業の動機や目的に社会課題の解決を挙げている方がとても多かったのが印象的でした。それも、いかにも「社会課題解決に取り組みます!」というアプローチではなく、やりたいことが結果としてそこにつながるというパターンが多く、さりげない善意があふれていることを感じました。

起業塾は終わりましたが、新規事業計画書の実行はこれからがスタート。今回の起業塾でご一緒した皆さんに、胸を張ってご報告できるよう、頑張ります。

続・『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)で、彫刻の歴史をざっと学び直し(その5)。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)で、彫刻の歴史をざっと学び直し(その5)。

「その1」では、エジプト・メソポタミア文明からエーゲ・ギリシャ文明まで、「その2」では、エトルリア・ローマから初期キリスト教・ビザンティン、続くロマネスク・ゴシックまで「その3」ではプロト・ルネサンスからルネサンス、マニエリスムまで、前回「その4」ではバロック(17世紀)、ロココ(18世紀)、新古典主義・ロマン主義(18世紀後半~19世紀前半)までを振り返りました。

最終回となる「その5」では、印象派、世紀末芸術、現代美術まで。


印象派(19世紀後半)

  • アカデミズムへの反旗。
  • ジャポニズム:日本美術への傾倒。浮世絵、工芸品の収集。日本美術の持つ造形感覚。
  • アール・ヌーヴォー。
  • オーギュスト・ロダン:アカデミズムの逆。絵画の印象派と象徴主義を彫刻に導入。部分から全体を構成する手法(キュビズム)。
  • エミール・アントワーヌ・ブルーデル:アルカイック彫刻への回帰。円と直線による幾何学的な構築性。
  • コンスタンティン・ブランクーシ:極限まで対象の形態を単純化し、素材そのものの質感を前面に打ち出す抽象主義的な表現。

世紀末芸術(19世紀末~20世紀初頭)

  • 背景:産業革命以降、機械による大量生産。
  • 工業社会への反動→アーツ・アンド・クラフツ運動(家内制手工業と中世的な装飾への回帰)。
  • アール・ヌーヴォー:特に工芸品や建築装飾で流行した様式。中世的な動植物文様や昆虫などの有機的素材を装飾に用いた装飾美術=機械社会に対する反発によるモチーフ選択。
  • 伝統図象と華やかな装飾を融合した新たな美の構築=工芸と絵画を融合する表現=総合芸術(ユーゲントシュティル)。
  • クリムト:装飾工房の設立。職人が主導する分野だった工芸の技術と絵画の融合。
  • アーツ・アンド・クラフツ運動:ウィリアム・モリス。職人の手で一つひとつ作られる工芸品の価値を見直す試み。=中世の手仕事を理想に掲げたデザイン革命。生活と芸術の一体化を目指す。
  • ガラス、鉄などの新しい素材による手工芸。ガラス:エミール・ガレ。
  • アール・デコ:1925年パリ万国装飾美術博覧会。装飾芸術=アール・デコラティブから、アール・デコと呼ばれる。
  • アール・ヌーヴォーが手作り製品を中心としたのに対し、アール・デコは大量生産の工業製品や近代建築にも用いられる。
  • ガウディ:アール・ヌーヴォー、アール・デコの特質を建築分野に適用。有機的で色鮮やかな細部装飾と、曲線を多用したデザイン。

現代美術(20世紀~)

  • ダダイズム:伝統的な芸術様式や既成の秩序に対する否定や破壊を目的とした芸術思潮。マルセル・デュシャン「泉」。レディ・メイド。
  • バウハウス:近代デザイン思想の基礎。新たな技術や機械を積極的に取り込み、新たな美的価値を創出して人間の側に近づけようとする動き。中世の工房がモデル。
  • 戦時のプロパガンダ:古典的な表現への逆戻り。
  • 第二次世界大戦後:科学技術の飛躍的な進歩・加速度的な変化→美術の広大化、細分化と混迷。

『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)より


現代美術は今なお継続中ということになりますが、ずっと先の未来にどのように分類され説明されるのか、気になるところです。個人的には、サロン=アカデミズムの広がりと、その後のアーツ・アンド・クラフツ運動が、彫刻=立体にとっての大きな転換点に思えました。現代美術の説明で必ず登場するデュシャンの「泉」は、コメディとしては面白いと思いますが、これを崇める風潮は理解出来ないというのが正直なところ。ともあれ、5回にわたる「彫刻の歴史をざっと学び直し」は、思った以上に自分の考察を深める役に立ちました。

続・『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)で、彫刻の歴史をざっと学び直し(その4)。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)で、彫刻の歴史をざっと学び直し(その4)。

「その1」では、エジプト・メソポタミア文明からエーゲ・ギリシャ文明まで、「その2」では、エトルリア・ローマから初期キリスト教・ビザンティン、続くロマネスク・ゴシックまで「その3」ではプロト・ルネサンスからルネサンス、マニエリスムまでをまとめました。

「その4」ではバロック(17世紀)、ロココ(18世紀)、新古典主義・ロマン主義(18世紀後半~19世紀前半)まで。


バロック(17世紀)

  • 宗教のメディアとしての美術。
  • ドラマチックな演出で感情移入を促す:劇的な動き・凝った装飾・過剰な壮大さ。
  • バロック建築:楕円・曲線・派手な内部装飾。
  • ベルニーニ(イタリア・バロックの体現者):彫刻と建築が一体化した空間をプロデュース。サン・ピエトロ広場(ヴァチカン)、「アポロンとダフネ」、「聖テレサの法悦」。
  • 神秘体験を可視化。劇場舞台のような作り。

ロココ(18世紀)

  • サロン(官展)の誕生。貴族趣味。
  • 建築・家具・食器・ファッションなどの工芸・服飾にもロココの影響(流行)。

新古典主義・ロマン主義(18世紀後半~19世紀前半)

  • ポンペイ遺跡の発掘。古代美術ブーム。
  • 古代遺跡・ルネサンス作品への文化的尊敬。
  • 政治のプロパガンダとしての芸術。
  • ギルド社会における徒弟制度による実践重視から、アカデミズムによる美術理論重視へ。

『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)より


「彫刻」視点でまとめているため、上には入れていないものの、わたしの好きな画家カラヴァッジオはこの時代(バロック)の寵児。ヴィジョン(幻視)による感情移入はまさに「ドラマチックな演出」そのものです。こうして振り返ると、サロン(アカデミー)誕生による、実践重視から美術理論重視への変化こそが、美術における絵画(平面)偏重を招いたとあらためて感じます。

次回「その5」は、印象派から近現代まで。ついに完結できそうです。

続・『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)で、彫刻の歴史をざっと学び直し(その3)。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)で、彫刻の歴史をざっと学び直し(その3)。

「その1」では、エジプト・メソポタミア文明からエーゲ・ギリシャ文明まで、「その2」では、エトルリア・ローマから初期キリスト教・ビザンティン、続くロマネスク・ゴシックまでをまとめました。

「その3」ではプロト・ルネサンス(13世紀~14世紀)からルネサンス(14世紀末~16世紀)、マニエリスム(16世紀半~17世紀前半)まで。


プロト・ルネサンス(13世紀~14世紀)

  • プロト・ルネサンス:13-14世紀イタリアの美術様式。
  • 宗教観の変化によりキリスト磔刑像に写実的・彫刻的な立体表現
  • 人体把握・空間性・感情表現。
  • 大聖堂の内部装飾。

ルネサンス(14世紀末~16世紀)

  • 古代ギリシャ・ローマの文化・思想・芸術の再生・復興。
  • 芸術作品を注文する2大パトロン「君主」「協会」に第3のパトロン「ギルド」が登場。
  • 「お守り」としての彫像・壁画・絵画。
  • 初期ルネサンス:ブルネッレスキ(建築)、マザッチョ(絵画)、ドナテッロ(彫刻)。
  • 盛期ルネサンス:レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ。
  • ミケランジェロ「私は彫刻家であって画家ではない」。
  • 古代彫刻の模作→マニエリスム様式の起点。

マニエリスム(16世紀半~17世紀前半)

  • マニエリスム:洗練された手法や技巧を意味する「マニエラ」に由来し、滑らかな肌感や優美な線、人為的な色彩を重視。自然を模倣しつつ、自然を凌駕する人工の美しさを追及。
  • セルペンティナータ:蛇がとぐろを巻いたような。多方向から見られることを意識した螺旋状の構図。それまでの彫刻には必ず「正面」があった。
  • 1506年ローマで「ラオコーン(紀元前40~紀元前30年頃)」発掘。→マニエリスム的な構図への契機。
  • ジャンボローニャ「サビーニの女たちの略奪」、ミケランジェロ「勝利」。

『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)より


ダヴィンチ、ミケランジェロがたくさんの作品を残しているこの時代が、西洋美術史的には彫刻のピークであったのかもしれません。この先時代を進むにつれて、建築・彫刻という立体から、絵画(平面)へと美術の主役が移動するように感じます。

ともあれ近代が近づいてきました。「その4」ではバロック、ロココと進みます。ここから先もまた楽しみです。

続・『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)で、彫刻の歴史をざっと学び直し(その2)。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)で、彫刻の歴史をざっと学び直し(その2)。

「その1」では、エジプト・メソポタミア文明からエーゲ・ギリシャ文明までをまとめました。

「その2」では、エトルリア・ローマから初期キリスト教・ビザンティン、続くロマネスク・ゴシックまで。上の写真はゴシック建築。


エトルリア美術・ローマ美術(紀元前10世紀頃~紀元後4世紀頃)

  • エトルリア=墳墓美術:墳墓の建築、彫刻、絵画。
  • ローマ美術=ギリシャ美術+神話体系に基づく独自美術への発展。
  • 彫刻群:騎馬像・皇帝像などが増える。より高度な写実性。
  • ネクロポリス(死の街)=死後の世界を彩る壁画・彫刻の発展。
  • エトルリアでは大理石が採れない→テラコッタ(粘土の素焼き)による彫刻作品。
  • 巨大建築とアーチ。
  • ギリシャ彫刻ブーム→ブロンズ(戦争時に溶かして失われた)、大理石によるコピー作品。
  • ポンペイの壁画群:フレスコ画。

初期キリスト教・ビザンティン(3世紀~15世紀半ば)

  • 偶像崇拝禁止時代のキリスト教美術=イコンによる板絵形式の聖像やモザイク壁画。
  • ビザンティン美術=ローマ(政治)、ギリシャ(地理)、ヘレニズム美術(文化)の影響+イスラム文化。
  • ケルト美術=鉄器文明の初期普及段階を担ったケルト民族。古来の自然崇拝を土壌とする動植物文様や一筆書き状の組紐や無限に続くかのような渦巻き文様による高い装飾性:写本装飾、金属工芸。
  • 聖堂建築のはじまり。
  • ラヴェンナのモザイク画:表面の凹凸と色彩による表現。

ロマネスク・ゴシック(10世紀~14世紀)

  • ロマネスク・ゴシック=教会建築、祭壇画、ステンドグラス、装飾写本。
  • 聖遺物容器:それ自体が崇敬の対象となる特殊な工芸品。
  • ロマネスク教会:柱頭、半円形壁面(ティンパヌム、タンパン)が、説話的場面を彫り込むレリーフ(浮彫)の表現場に。
  • ロマネスク彫刻=教会彫刻の隆盛:柱頭彫刻とタンパンがレリーフ(浮彫)用の大画面(壁面)。
  • ゴシック教会=尖頭アーチと交差ヴォールト、ステンドグラス。
  • 装飾写本美術とタペストリー:一般的な絵画(壁画とタブロー)以外の絵画表現。

『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)より


こうして文字に書き出すと、頭の中の整理になりますね。続き「その3」では、ルネッサンスに入ります。

『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)で、彫刻の歴史をざっと学び直し。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)で、彫刻の歴史をざっと学び直し。

ダンナ・藤吉憲典のロンドン個展が決まると、とたんにわたしも「アート探求脳」になるような気がします。つい先日、藤吉憲典の作品(Animal Boxesシリーズ)に新展開、の記事を上げたところでしたが、この前後から「美術史本・美術関連本の読み直し」が続いています。上の写真は、福岡市美術館に昨年設置された「ウィンド・スカルプチャー」。

アート作品を送り出す立場として、「これまでの美術史の文脈からこの作品を説明」しようとするクセが、少しづつ身についてきたのかもしれません。これは美術に携わる者として、求められる視点のひとつ。喜ばしい傾向です。新しい作品が出来上がるたびに、ぼんやりと自分のなかで「どういう解釈で説明できるか/どういう解釈を使うと伝わりやすいか」の要素をピックアップしはじめているのがわかります。

そして、文章にしようとしたときに、自分自身の知識・理解・語彙が足りないと思ったら、これまでに読んできた本の数々に助けを求めます。実際のところ、足りないことばかり(笑)。いまのところ出番が多いのが『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)と、『英語でアート』(マール社)の2冊です。ざっくりと流れを確認するのに最適の『いちばん親切な西洋美術史』と、英語学習の本でありながらアートの専門書に匹敵する知識がちりばめられている『英語でアート』は、最強の味方です。

思いがけず長くなってしまいましたので、主題の「『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)で、彫刻の歴史をざっと学び直し。」は、次の回に。

「磁器婚式に記念の品を」のご相談。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「磁器婚式に記念の品を」のご相談。

わたしが磁器婚式なるものがあることを知ったのは5-6年前のこと。それまで知りませんでした(汗)。当時、ちょうど自分たち夫婦の20年とも重なっていて「へぇ~!」と思い、「結婚20年のお祝いは磁器婚式」とブログにアップしたのでした。

昨日のこと、親しい友人が「今年磁器婚式なので、祈念に何かと思って。相談にのってもらえますか」と訪ねてきてくれました。お祝いの品のお手伝いができるのは、とても嬉しいことです。何がいいかなぁ、と一緒に考えることに。最近のご夫婦の共通の楽しみとして、日本酒の美味しさに目覚め、家での晩酌が好い時間になっているご様子。ならば藤吉憲典のお得意の酒器がいいでしょうと、片口とぐい呑みのセットをつくることになりました。ある程度のご希望を聞いたうえで、「作り手にお任せ」で承りました。

これまでにも藤吉の器をお求めになり使ってくださっていますので、どのようなものをお好みで、どのように使ってくださっているかがわかっています。そういうお客さまの場合には、このような半オーダー的な制作もご相談にのることが出来ます。記念日は数カ月先ということで、つくる側としても、出来上がりが楽しみなご注文となりました。

ところで「なぜ『磁器』なのだろう」というところで、自分なりに考え(あるいはこじつけ)てみました。

磁器婚式=結婚20年記念にふさわしい「磁器の特性」

  • 白い生地=ウェディングカラー。このうえに染付のブルーや赤絵のさまざまな華やかな色が映えるのです。
  • 結びつきが強い。磁器は、原料となる陶石(磁土)の性質と高温での焼成により、粒子がしっかりと結びついています。土もの(陶器)に比べて割れにくいのは、この硬度の強さによるもの。
  • 何百年何千年と長持ち。割れものでもあるけれども、大切にすれば色あせず長く受け継ぐこともできます。

こんなところでしょうか。金婚式・銀婚式に比べると知名度の低い磁器婚式。これから少しづつ定着していくと嬉しいです♪