11月は福岡アジア美術館で展覧会。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

11月は福岡アジア美術館で展覧会。

気が付けば会期初日までに2か月を切っていて、ちょっと焦っています。というのも、11月の福岡アジア美術館での展覧会は、初めての花祭窯の自主開催なのです。写真は、急ピッチで制作に取り掛かっている、告知ツールのひとつ。

そもそものはじまりは、昨年のこと。コロナ禍でいろいろなことが見通し難くなりました。花祭窯として独立以来これまでも、2011年東日本での地震、2016年熊本での地震など、己の無力を突き付けられるニュースがあるたびに、「わたしたちは、日々自分たちのするべき仕事をコツコツと続けていくしかない」という想いに至っていました。

昨年の春、最初の自粛生活がスタートし「先が見通し難くなった」ときにも、その先に進むために、「今、自分たちのするべき仕事」は何かを突き詰めて考えました。その結果「一度おさらいをする」ことにたどりついたのでした。ちょうど来年は創業から25周年ということもあり、これまでの仕事を並べ直してみることに。

藤吉憲典の仕事を並べ直すことは、そのまま、肥前磁器(古伊万里)の歴史をおさらいし、今度の展開を考えていくことにつながります。そこで「肥前磁器の歴史を、藤吉憲典の『写し』でご覧いただく」という形をとることにしました。公開することで、ずっとお世話になっている「肥前磁器」の歴史や仕事、やきもの(磁器)そのものに、興味を持ってくださる人が増えたら、少しは恩返しになるかもしれない、という想いもあり。

通常、藤吉憲典の展覧会は、ギャラリー(コマーシャルギャラリー)さんが主催してくださる、販売がメインの展覧会です。その機会をいただくおかげで、生業としての陶芸家が成り立っています。それに対して今回は、まったくの非営利での自主開催。開催には少なからぬ金額が掛かります。入場料は無料ですので、売上はありません。これをコストではなく投資として昇華できるものにしなければなりません。

古伊万里の変遷と未来 古典からアートへ
磁器作家 藤吉憲典の挑戦

スタートは昨年の春ですが、その後はふだんの仕事をしながら、どう組み立てたらよいかを隙間で考えてきました。気が付けば会期まで2か月弱。やっとこさ中心に据えて取り組みはじめています。初日は1の並びが縁起の良い11月11日。ここに向かって全力投球です。

古伊万里の変遷と未来 古典からアートへ磁器作家藤吉憲典の挑戦

出荷完了!藤吉憲典《古典とアート》展。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

出荷完了!藤吉憲典《古典とアート》展。

岡山・和気のギャラリー栂さんでの展覧会・藤吉憲典《古典とアート》展は9月20日(月祝)が初日です。本日、作品の出荷が完了し、ホッとしたところです。

毎回個展の際は、余裕をもって発送!と思いながらも、ギリギリまで一点でも多く良いものをお届けしたいという作り手の気持ちもよくわかります。どこまででお終いにするかというのは悩みどころですが、今回は文字通り余裕をもって発送ができました。

タイトル《古典とアート》の文字通り、古典の写しを中心とした器の数々と、アート作品の最新作をお送りしています。個展初日は9月20日は敬老の日で祝日、翌21日は中秋の名月、そして23日の秋分の日と、暦的にも秋満載。食欲の秋、芸術の秋のスタートにぜひ足を運んでいただけると嬉しいです。

藤吉憲典の作るぐい呑み、盃、酒器いろいろ。

明日以降、実際に個展会場でご覧いただけるもののなかから、少しづつご紹介いたします。

ギャラリー栂 (とが)
〒709-0431 岡山県和気郡和気町清水288-1
電話0869-92-9817

磁器作家 藤吉憲典《古典とアート》展

会期:2021年9月20日(月祝)-10月3日(日)
※9月27日(月)休み
営業時間:11時~17時

藤吉憲典《古典とアート》展
ギャラリー栂 磁器作家 藤吉憲典《古典とアート》展

齋正弘先生の『大きな羊の見つけ方 「使える」美術の話』(仙台文庫)個人的要約、その4。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

齋正弘先生の『大きな羊の見つけ方 「使える」美術の話』(仙台文庫)個人的要約、その4。

アートエデュケーターとしてのわたしの原点となる本です。ことあるごとに読み直しています。個人的に「ここ大切」な部分を、あらためて要約(基本的には本書より抜粋、部分的に言葉遣いをわかりやすいよう変更、ごく稀に括弧で内容補足)。


制作しない、しかし美術

(学校教育が苦手とする)個人を自立させる、または個人が自主的に健全な人格を形成できるようにする、という部分を担う。

美術は非日常とか認識の拡大とか、まず確固たる常識と日常が出来上がっていることが、理解の基本に深く関わり、かつ個人の美意識の上に成立する。

美術的な活動=丁寧に、くわしく、深く見る。の場面で使われるのは「美術的な視点」。近代の自立した市民的視点。私たちが、これまでの美術の歴史を通して獲得してきたものは、感性と過去性とかのような曖昧なものを肯定する基礎となるもの。すなわち「一人一人違っていて、一人一人がそこから見ていることを肯定することができる」というもの。

美術作品の鑑賞は、表現教育の大切なひとつ。=見ることを通した自我の形成、美意識の組み立て。=個人の美意識の形成。

個人が(象徴的な意味で)立ち止まって、よく考え、自分で周りを見ながら決める。決めたことを、自分以外の人の見方など気にしないで、自分の責任と覚悟の上で、みんなに見てもらえるよう努力してみる。というような美術・表現の基本的な姿勢。

美術(Fine Art)は哲学的で内省的で専門的で広範囲に各自の人生や世界観に深く関わる部分を含む、総合的でかつ個別な概念である。基本的に美術は、人間の大人のための仕事、活動なのだ。

一人一人の「体験」を、人間としての「経験」に積み重ねる手伝いが美術にはできる。私の感動は私の感動で、その感動は伝えられない。でも感動というものがあるということ、そして、その感覚はこうすれば磨くことができる、は伝えられる。

描けるのは、頭の中に見えるモノだけ、を自覚できる大人になろう。

齋正弘先生の『大きな羊の見つけ方 「使える」美術の話』(仙台文庫)より


藤吉憲典《古典とアート》展。岡山和気のギャラリー栂さんで。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

藤吉憲典《古典とアート》展。岡山和気のギャラリー栂さんで。

9月20日(月祝)が初日です。昨日、栂さんから案内状が届きました。オーナー栂さんの思いが伝わってくるような素敵な案内状で、昨今の状況のなか機会をいただけることに、あらためて作り手ともども感謝している次第です。

今回の展覧会の内容については、栂さんが「器でもアートでも、藤吉さんにお任せします!」とおっしゃってくださいました。せっかくだからどちらもお持ちしようとDM用の作品もいろいろ取り混ぜてお送りしていたところ、このような案内状になりました。

タイトルは「 磁器作家 藤吉憲典《古典とアート》展 」。7月のNHK BSプレミアム『美の壺「青と白の粋 染付の器」』放映後としては、藤吉の最初の個展ということで、栂さんがなにかと心配りしてくださったことがわかります。

ギャラリー栂 (とが)
〒709-0431 岡山県和気郡和気町清水288-1
電話0869-92-9817

磁器作家 藤吉憲典《古典とアート》展

会期:2021年9月20日(月祝)-10月3日(日)
※9月27日(月)休み
営業時間:11時~17時

会期中、9月27日(月)だけお休みが入っています。どうぞお間違いの無いよう、ご注意ください。また、全国的にコロナ禍の感染拡大が続いておりますので、ご来場は無理をなさらないようお願いいたします。ご来場の際には、マスク着用をはじめとした感染防止マナーをお守りくださいね。

齋正弘先生の『大きな羊の見つけ方 「使える」美術の話』(仙台文庫)個人的要約、その3。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

齋正弘先生の『大きな羊の見つけ方 「使える」美術の話』(仙台文庫)個人的要約、その3。

アートエデュケーターとしてのわたしの原点となる本です。ことあるごとに読み直しています。個人的に「ここ大切」な部分を、あらためて要約(基本的には本書より抜粋、部分的に言葉遣いをわかりやすいよう変更、ごく稀に括弧で内容補足)。


美術を使い込んでいくために

美術はもう終わったんではないかと言われたことがあった。でも終わらなかった。
美術は常識を点検し、無理やり世界を広げるのが、仕事。
美術が無くなるとき、それは常識が無くなったのに、それに誰も気付かなくなったときで、それって私たち人間の世界の終わりなんじゃないだろうか。
そうならないために、みんな美術館に行こう。

美術は、全ての人間が全部一人一人違うということを基礎に、人間全体の世界観を拡大してゆくということが、存在の意義である。

一人一人違う人間は、一人一人違う生活経験を組み立ててゆく。その生活経験の積み重ねで、その時のその人の世界観(自分を取り巻く状況とのつじつま合わせ)や人生観(自分の内側で起こっていることのつじつま合わせ)が、一人一人個別に、その人の中に出来上がって行く。まずこの状態が肯定的に、社会の基礎として存在しないと私たちが今知っていると感じている美術は始まらない。

なぜなら美術は、その個人の世界観や人生観を表現したものだからである。
そこに表出されたものが、全く違うということこそが、私たちの美術がここまでかけてやっと獲得してきたものであって、私が今ここにいる、ということの証明なのだ。

今ここに私がいる。そして私はこのように私の世界を見ている。
ただそれだけを自覚して真摯に描いて(表現して)いるかどうかだけが、問われる。

そこにあるのは私が知っている世界ではなく、それを描いた人が見ている世界だ。ということを肯定する。

その人が真摯に描いた世界観を、こちらも真摯に見る。ことを通して私たちは自分の世界観と人生観を点検し、修正し、どのような形であれ理解することによって、自分の世界の見方を拡大してゆく。

肯定された「一人一人違う世界の見方」が集まって初めて私たち一人一人の世界観はより豊かに広がっていく。
このことは練習しなければいけないし、いくら練習しても終わることはない。

みんな一人一人違うということを尊重して大切に想う。美術はそのまったく基礎にあるものの見方を訓練するもの。

齋正弘先生の『大きな羊の見つけ方 「使える」美術の話』(仙台文庫)より


齋正弘先生の『大きな羊の見つけ方 「使える」美術の話』(仙台文庫)個人的要約、その2。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

齋正弘先生の『大きな羊の見つけ方 「使える」美術の話』(仙台文庫)個人的要約、その2。

アートエデュケーターとしてのわたしの原点となる本です。ことあるごとに読み直しています。個人的に「ここ大切」な部分を、あらためて要約(基本的には本書より抜粋、部分的に言葉遣いをわかりやすいよう変更、ごく稀に括弧で内容補足)。


小学生と中学生のための「美術って本当のところ、どうなんですか?」

「作ること(描くこと)」は、美術の中の一番大切な部分ではない。上手に描けるとか絵は苦手とかは、美術を楽しんだり考えたりするときには、ほとんど関係ない。

本当は学校でするべき美術って、実は「見ることの楽しみ」を練習すること。

今座っているところから窓が見えるか?そこから外を見る。その窓から外に見える物を5分間で30個「言葉」で書き出してみる。

大きくなるにつれ、生活の体験が増えるにしたがって、どんどん見える物(意識できるもの)が増えてきて、見える物が増えること自体が楽しくなってきて、今の私たちがいる。

自分が知っていることだけが、描ける。頭の中で「見える物」を言葉で書いていくと、その組み合わせで「描ける物」が見える物を超えて増えていく。

言葉で書けるものを「飽きずに丁寧に」を描いていくと、絵は知らないうちに上手に見えてくる。「見える物を書く言葉」を増やす作業/努力をしてこなかった人も、絵を上手く描けない人になってしまうことが多い。

絵を描く作業は運動神経である。だから本当に上手い絵を描きたい人は、運動神経を研ぎ澄まさなければならない。自分の運動神経を隅々まできちんとコントロールしてやるぞ、という想い。自分の中の世界の見え方を、自分自身で意識的に運動神経に変えてみる作業。

「見てるか?」の点検

目で見ているものは、目で見えている映像を、脳が見えていると思っているので、見えている。
見て描く作業の時、実際に描いているときに見ているものはどこにある?

私たちはよく「見た」「ちゃんと見た」という。でも本当に見えているのは、目の外側にあるものでは無く、目で見て、脳に記憶してあると信じている物だったりする。

私たちが普通見ていると思っている物は、目の外側ではなく目の内側にあるものであることに気づこう。

絵を見ることは、それを描いた人の内側をのぞきこむことなのだということがわかると、自分以外の人が描いた絵を見る楽しみ、そしてあなたがあなたの絵を描く楽しみは一気に広がらないか?そうか、自分の頭の中に、こういう風に写っていたんだ、と。

どう見て良いのかわからない絵を見るときには、絵を「よく」見るしかない。何が見える?自分が既に分かっている/知っていることを使って「見て分かること」を増やす。

見えることだけで、頭の中にお話が湧いてきて、続いていく。
今、頭の中でおこっていることが、本当の「鑑賞」。作者の想いを読みとるのではない。作品を使って、あなたの世界が広がっていくのが鑑賞。それができるのが良い絵。

描いた人の気持なんか、あまり気にしなくても良いから、もし自分がこれを描くとしたら、何をどうやってどうするか、実際の気持ちになって見直してみよう。

美術作品を見ることが感動と結びついている活動だというならば、美術館はもっとうるさい所になって良い。
感動したら声を出してみる。
上手かろうが下手だろうが、感動するのであれば、実はどっちでもいい。

私たちは、自分で考えて、何がかっこいいのかを、皆が各自考えなければいけない世界に生きている。
かっこいいはみんな違う。同じ人でも10代のときと50歳のときとでは違う。でも私たちは、みんな一緒に生きている。

美術館には、好きな絵嫌いな絵、いろんな絵が飾ってある。飾ってある絵が全部違うことが大切。全部違うものを全部大切にとってある/とっておけることが大切。

いろんな考え方のいろんな世界を見る。本当のところ、美術館をみんなで作る楽しみは、そこにある。

齋正弘先生の『大きな羊の見つけ方 「使える」美術の話』(仙台文庫)より


その1はこちら

アートフェアアジア福岡2021のポスターが到着。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

アートフェアアジア福岡2021のポスターが到着。

さっそく、花祭窯にもポスターを貼って宣伝。チラシもありますので、興味のある方は、お声掛けくださいね。アートフェアアジア福岡2021(以下、AFAF)の関係者でも何でもありませんが、福岡でこのようなアートイベントがあることは、文化芸術関係の仕事をしている一人として、とっても嬉しく、応援していきたいと思っています。

昨年はコロナ禍で開催が見送られた「アートフェアアジア福岡」。2019年以来、2年ぶりの開催となります。時節柄、一昨年のような「今が旬のアート関係者」によるトークなどのイベントは予定されていないようです。それは残念ではありますが、仕方がないですね。代わりにと言いましょうか、一昨年よりも、一般の人が入りやすい形になっていると思います。

まず、会期が9月22日(水)~9月26日(日)と5日間あります。前回は一般公開は2日間だけでしたので、5日間あると、忙しい人でも足を運びやすくなると思います。次に、入場料が無料です。アートフェアは通常入場料をとることがほとんどで、AFAFも2019年は1日券1500円フリーパス3000円でしたから、「入場無料」は大きいと思います。無料なら「ちょっと見てみようか?」と足が向きやすくなりますよね。場所も博多阪急の7階8階とまとまっています。

出展ギャラリーは45軒。顔ぶれを拝見して思ったのは、年々、地元であるはずの九州内のギャラリーの割合が減っているのではないかということ。逆に言えば、全国から参加してくれるようになった(それだけの価値を認めてもらえるようになった)とも言え、AFAFが育ってきた証ともいえるのかもしれませんが。どう考えるべきか、ちょっと複雑な気もします。

ただ一般客としては、ふだんなかなか足を運ぶことのできない、全国各地のギャラリーさんのブースを見ることができるというのは、嬉しいことですね。今年も、たったひとつでも「お!」と響くものを発見できるといいな、と期待しているところです。

福岡では、30年間続いたアジアフォーカス・福岡国際映画祭が、2020年の開催を最後に、残念ながら実行委員会を解散してしまいました。わたしは身近な場所で参加できる芸術体験の機会をひとつでも多く持ち続けることが、その地域の活力につながると思っています。このアートフェアが、博多でいうなら山笠やドンタク祭りのように、季節の顔となってずっと続くイベントになったらとても嬉しいな、と思っています。

七月、山笠シーズン。津屋崎祇園山笠は来年夏まで延期になりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

七月、山笠シーズン。津屋崎祇園山笠は来年夏まで延期になりました。

今日から七月。七月といえば山笠!ということで、花祭窯の土間の飾り棚には、毎年恒例山笠の飾り皿を出しました。残念ながら山笠は来年まで延期となりましたが、雰囲気だけでも楽しみたいものです。

昨年、津屋崎に越してきて以来初めての「山笠の無い夏」を経験しました。週末ごとに駆り出され、大汗を書きながら大人数の食事を作る「ごりょんさん仕事」が無い夏は、実に寂しいものでした。来年こそ!と楽しみにしていましたが、今年も延期。「密」を避けての山笠などイメージできないので、致し方ありませんね。2022年の夏には、遠慮なく山笠を盛り上げることができる世の中になっていますように。

津屋崎祇園山笠

津屋崎千軒内では「津屋崎千軒民俗館 藍の家」「津屋崎千軒なごみ」で、「津屋崎祇園山笠今昔展」がはじまっています。会期中7月19日までの週末(土・日)には、津屋崎千軒の散策を楽しめる「山笠スタンプラリー」も開催されます。スタンプラリー参加店舗のゲストハウスみんなの縁側・王丸屋には、ラムネなど冷たい飲料も売っていますので、熱中症対策をしながら、津屋崎千軒をお楽しみください。

In the Summertime – Sladmore Contemporary / Sladmore Gallery

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

In the Summertime – Sladmore Contemporary / Sladmore Gallery

6月17日(木)から7月16日(金)までの一か月間、ロンドンのSladmore ContemporarySladmore Galleryで、新しい展覧会を開催しています。二つの会場を使い、ひとつのテーマで近代彫刻と現代彫刻の両方を楽しんでいただくことができる、Sladmoreならではの贅沢な展覧会です。

In the Summertime
Country life / wildlife / sporting life

「Sporting Animals」のテーマで制作の相談が来たのは今年初めのことでした。日本語にすると「狩猟で活躍する動物」とでもいうところです。今回の展覧会の電子カタログでは、藤吉憲典の作品は二つ掲載されています。

コンテンポラリーでは、所属アーティストの最新作を見ることが出来ます。毎回の展覧会オープンに合わせて電子カタログを公開するようになったのは、コロナ禍で展覧会会場にお客さまが来場ができるかどうか不確定な状態が続いた昨年から。会期中にロックダウンに入っても、ウェブ上で公開されるカタログは、どなたでも見ることができます。

もちろん購入も可能です。興味のある作品を見つけられましたら、ぜひSladmore Contemporaryにメールでお問合せくださいませ。

シロクマ、ジャガー、ペンギン、ヒクイドリ、カバ…どんどん新作。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

シロクマ、ジャガー、ペンギン、ヒクイドリ、カバ…どんどん新作。

ロンドンのSladmore Contemporaryでは、展覧会「Beyond Bronze」開催中です。今、ロンドンでは、London Gallery Weekendが毎週末開催されています。2021年3月18日からスタートしたこの動きは、ロンドンでのロックダウン緩和・解除に伴うもの。各ギャラリーがそれぞれに展覧会を企画し、週末ごとに楽しむことのできる企画をウェブ上でマップに載せて紹介していくもの。コロナ禍で疲弊した人々をアートで励ます取り組みです。

もともとロンドンには、市内のギャラリーやアート関係者が協力し合って作り上げるイベントがいくつもあり、アートの力を人々に届けようとする使命感と結束力にはいつも頭が下がる思いです。そういえば藤吉憲典のロンドンデビューも、そんなイベントのひとつ、London Craft Weekでした。

さて、藤吉憲典は西麻布桃居さんでの食器をメインとした個展が無事終わり、さっそく次はアート制作に入っています。Sladmore Contemporaryからいただいたテーマ「Endangered animals(絶滅危惧種)」。ギャラリーからテーマを与えられることは、作家の制作の自由を狭めることにはならず、むしろ視野を広げることになるのだと、いつも思います。作家側がそのように感じることができるのは、ひとえにギャラリーオーナーのアーティストへの愛情と信頼ゆえですね。

というわけで、現在制作中のものをチラ見せ。

藤吉憲典 アートピース ヒクイドリ

藤吉憲典 アートピース

ジャガー 藤吉憲典

いずれも「素焼き」が終わったところ。これから形がさらに磨き上げられ、絵が付き、本窯、赤絵窯へと進みます。まだまだいくつもの工程が控えています。毎度のことながら完成が楽しみです。