読書『素敵な時間を楽しむ カフェのある美術館』(世界文化社)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『素敵な時間を楽しむ カフェのある美術館』(世界文化社)(青い日記帳監修)

SNS上で、いつものカメリア図書館から『本de 美術館巡り』のお誘いがあるのを発見して、嬉しくなりました。


【カメリアステージ図書館】『本de 美術館巡り』

図書館の奥へ進むと、
7番コーナー「芸術」で
“美術館”の特集展示
長いコロナ禍が続き外出自粛で、美術館や博物館なども行けずに我慢されている方もいらっしゃるんではないでしょうか?

(福津市複合文化センター カメリアステージより)


なんと、そのような素敵な特集展示をしているとは!つい先日も足を運んだばかりなのに、芸術コーナーに足を伸ばしておらず、気づいていませんでした。というわけで、既読本を返却がてら図書館へ。このゴールデンウィークに入ってから、ほぼ毎日足を運んでいます(笑)。

さて『本de 美術館巡り』コーナーで見つけた本書『カフェのある美術館』、ワクワクしながら開きました。2017年の発刊でしたので、最新データではありませんでしたが、ほとんどのデータは現在もそのまま使えそうです。足を運んだことのある場所もいくつかあり、また行きたいなぁ、の思いも新たです。上の写真は、本書の一番最初に取り上げられている「三菱一号館美術館」。わたしが前回訪問したのは、偶然にもちょうど2年前の今日でした!

婦人誌で特集が組まれそうな内容…と思ったら『家庭画報』でお馴染み世界文化社さんから出ていました。もとは「青い日記帳」さんのアートブログとのこと。「はじめに」に寄せられた文章を読んで、美術鑑賞後の余韻に浸るためにカフェが果たす役割の大きさを、あらためて思いました。足がくたくたになるまで鑑賞してまわり、カフェでホッと一息、甘いものでも食べながら余韻に浸り、体力回復したらミュージアムショップをぶらぶら…至福の時間ですね。

これをご縁に「青い日記帳」さんのブログ拝見。すごい情報量のアートブログです。本書の監修者紹介でも「月20件以上の展覧会を鑑賞」「ブログ毎日更新」と書いてありましたが、その「毎日更新」の記事の内容がまた素晴らしくて脱帽です。きれいな写真、わかりやすい情報掲示、情報源へのリンク…熱量が伝わってきました。

そういえば昨年の今頃は、国内外問わず美術館博物館は休館を余儀なくされていたのでした。各館から届いていたメールマガジンには、休館中も楽しめる「オンライン美術館」の工夫がたくさん紹介されていて、世界中の美術館をオンライン訪問する機会にもなりました。今年は本を通じて、そしてその本で知ったアートファンが綴るブログを通じて、美術を楽しむゴールデンウィークです。

磁器作家・藤吉憲典の器が買えるネットショップ(オンラインショップ)。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

磁器作家・藤吉憲典の器が買えるネットショップ(オンラインショップ)。

1997年の花祭窯創業当初から、近くに取り扱いギャラリーさんが無い方々にも、藤吉憲典の器をぜひご覧いただきたい、使っていただきたいとの思いを強く持っていました。その方法として、ネットショップをスタートしたのは2000年。EC業界ではネット黎明期といわれる頃で、わりと早いタイミングだったと思います。

少しづつ形を変えながらも、オンラインショップ「花祭窯・蕎麦猪口倶楽部」として、現在進行形です。が、最近はここでご紹介できる在庫がなかなか補充できない状況であります。ネットでのお買い物を楽しみにしていただいている皆さまには、長くお待たせしてしまい、ほんとうに申し訳ありません。

藤吉憲典は全工程を一人で制作しており、つくりも絵付もすべて自らの手を動かしています。創業以来このスタンスを貫いており、手伝ってくれるお弟子さんなどもありませんので、一度にたくさんの量を作ることができません。そして、まずお取引先のギャラリーさんやお店からのご注文分や、個展で発表する作品を優先的に制作しています。そのため、どうしても自ら運営するネットショップでの販売分の在庫が薄くなってしまっています。

そこで今回は、お取引先のギャラリーさんが運営するネットショップをご紹介いたします!コロナ禍でお出かけし難い今日この頃、ぜひネットショップを訪問してみてはいかがでしょうか。

東京町田・ももふくさんのオンラインショップ

ももふくさんはオンラインショップにも、早くから力を入れておられます。スタイリッシュで見やすいつくりで、お買い物しやすいです。藤吉憲典の器は一点ものなどもあり、ももふくさんだけでお求めいただけるものも。定番品については7月頃に追加納品予定です。

☆大阪阿倍野・暮らし用品さんのオンラインショップ

暮らし用品さんも、実店舗とオンラインショップの運営を長く続けておられます。藤吉作品は、現在「Sold out」が増えていますが、こちらも定番の器を7月頃に追加納品予定にしています。

☆5月21日(金)スタートの、東京西麻布・桃居さんの藤吉憲典陶展は、初のオンライン開催となります。藤吉にとっては初めての試みですが、ネットでの個展開催の仕組みを昨年来整えてこられた桃居さんですので、とても楽しみです。

☆東京銀座・黒田陶苑さんでは、現代作家の作品を紹介するオンラインショップをご準備中とのこと。主に物故作家の作品を扱う美術品のオンラインショップはすでにスタートなさっており、これに現代ものが加わると、見る楽しみ選ぶ楽しみが広がりますね。

これらお取引先のギャラリーさんが運営されるネットショップは、いざとなれば実店舗で手に取って確認することができる安心感もあり、おすすめです。藤吉憲典の器についても、各ギャラリーさんに遠慮なく問い合わせていただければ幸いです。

Sladmore Gallery での展覧会。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

Sladmore Gallery での展覧会。

英国イングランド地方では、4月に入ってロックダウンが緩和されています。昨年来、藤吉憲典の契約ギャラリーSladmore contemporaryと、近代彫刻を扱うSladmore Galleryとで「Antique to Contemporary」の展覧会がいくつも企画されていますが、少しづつ、ギャラリー現地で展覧会をご覧いただける状況に戻りつつあるようです。

昨年からのロックダウンの繰り返しで、当初スケジュール通りには運ばないことの方が多かったようです。でもそこは柔軟に日程を変えたり、クライアントへの対応方法を変えたりしながら、人々にアートを届けるために動き続けている様子が、メールでのやり取りを通じて伝わってきていました。またこういう時こそアートの果たす役割・ギャラリーの果たす役割があると、機会・テーマを模索し提供し続ける姿勢に、ロンドンの老舗ギャラリーの使命感と責任感を見ました。

2021年藤吉憲典展覧会予定でもご紹介していますが、今年はロンドンで3つの展覧会に作品参加する予定です。いずれの展覧会も「Antique to Contemporary」。Sladmore Galleryの所蔵する近代を代表する彫刻家の作品に加え、Sladmore Contemporary所属の現代アーティストがつくる動物彫刻の最新作を一堂に見ることができる、贅沢な機会です。そのひとつめが、もうすぐオープンになる「Sporting animals」をテーマにした展覧会です。

隼陶箱 藤吉憲典

上の写真は、「Sporting animals」に出している藤吉憲典の最新作のひとつ。展示会がオープンになりましたら、また様子をお伝えできればと思います。

ちなみに、2020年末に開催されたDogs, Cats and Other Best Friends – A Selection of Animal Sculptureの様子は、下のリンクからご覧いただくことができます。プロモーション動画では、1分50秒頃からちょっとだけ、藤吉憲典の作品紹介も入っています^^

桃居さんから藤吉憲典陶展のDMが届きました!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

桃居さんから藤吉憲典陶展のDMが届きました!

2021年藤吉憲典の展覧会は、5月の桃居さんがスタートです。初日までちょうどあと一か月という昨日、桃居さんから個展DMが届きました。毎回、素敵な案内状を作ってくださる桃居さん。ギャラリーさんが作ってくださる案内状には、ギャラリーさんから作り手への期待が込められていると感じます。完成したDMを見て、作り手のやる気はますますアップします。過去の桃居さんでのDMはこちら

2021年の「藤吉憲典展 at 桃居」テーマは「おさらい」。この6月で、花祭窯は創業から25年目に入ります。藤吉憲典が「やきもの」の道に入ってからは、35年。試行錯誤を繰り返し変化しながら進んできた道を、このタイミングで丁寧に見直し(作り直し)、自らの原点を踏まえてこの先にジャンプしていこうというところです。

藤吉憲典陶展 at 桃居 2021/5/21(金)-5/25(火)
藤吉憲典陶展 at 桃居 2021/5/21(金)-5/25(火)

桃居さんでは、昨年来、感染症対策の観点から「オンライン展示」で展覧会を開催しておられます。今回の藤吉憲典陶展も同様で、現時点では、会期後半5月23日(日)から最終日までの三日間がご来店可能日となっています。

時節柄変更の可能性もありますので、ご来場の際は、直前に桃居さんのサイトでご確認いただくか、お電話で桃居さん(TEL03-3797-4494)に問い合わせていただくと確実です。お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします!


藤吉憲典陶展 at 桃居
2021年5/21(金)-5/25(火)会期中無休
11-19時(最終日17時まで)
東京都港区西麻布2-25-13
TEL03-3797-4494
http://www.toukyo.com/exhibition.html

「博物館が、人を育てる。」に参加して。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「博物館が、人を育てる。」に参加して。

九州産業大学美術館から、令和2年度文化庁「大学における文化芸術推進事業」実施報告書と、先日の国際シンポジウムの報告書が届きました。わたしは外部からの一参加者にすぎませんが、毎回丁寧に対応してくださる主催者である先生方のお心遣いに、感謝の気持ちでいっぱいです。いつもありがとうございます。

2016年から「学芸員技術研修会(テクニカルコース)」に参加し、学芸員に必要な技術や最新の知見を、専門分野の先生方から学んできています。同時に「地域社会における博物館の役割」を考えるカリキュラム(セラピーコース)への参加も実現しました。2018年に「博物館と高齢者の健康・幸福感」のテーマでスタートしたセラピーコースでしたが、2020年のコロナ禍によって、より緊急かつ重要な課題として「博物館と健康・幸福感」が差し出されたように、わたしは感じています。

今回手元に届いた報告書では、2020年度に実施された講座内容と、その総括的な位置づけとなる国際シンポジウムの内容が文字になっています。シンポジウムにはオンラインで参加をしましたが、そのときには英語での発表など聞き取れなかった内容もありましたので、振り返り学ぶことができる材料が手元に届いて助かりました。期間限定ではありますが、シンポジウムの様子をYouTubeで見ることもできます。

2021九州産業大学国際シンポジウムの録画【4月30日まで】

「社会教育現場としてのミュージアム」「地域におけるミュージアムの役割」を考えること、「ミュージアム」を「アート(美術)」と置き換えて、「社会教育現場におけるアート」「地域におけるアートの役割」考えることは、すっかりわたしのライフワークになっています。これからもたくさん勉強し、考え、少しづつでも地域社会に還元していきたいと思います。

「2021九州産業大学国際シンポジウム 博物館と医療・福祉のよりよい関係」後半(2021.2.20)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「2021九州産業大学国際シンポジウム 博物館と医療・福祉のよりよい関係」後半(2021.2.20)

博物館学芸員技術研修で毎回お世話になっている、九州産業大学美術館・地域共創学部教授の緒方泉先生率いる「2021国際シンポジウム」に、オンライン参加いたしました。2月13日に開催されたシンポジウムの続きです。今回も英国と米国をつないで、Zoomと同時通訳アプリを活用しての開催でした。

テーマは「withコロナ、afterコロナに向けた高齢者プログラムの取り組みと課題」。九州産業大学美術館・地域共創学部教授の緒方泉先生、英国からはダリッジ・ピクチャーミュージアムさん、米国からはArts &Mindsさんからの発表でした。

以下、備忘。


  • (国・文化・機関・立場を超えた)共通項、共通言語を見出す→連携
  • 教育機関・福祉機関・医療機関の関係団体と連携して様々な社会的課題を解決する場としての役割(文化審議会「文化芸術推進基本計画(第1期)について(答申)」(2018年)より)
  • 処方箋に「博物館」と書く。
  • エビデンス。
  • フレイル予防の場としての博物館。
  • Museums Change Lives
  • You can find yourself in the gallery.
  • All ages and backgrounds
  • Together for Museums
  • デジタル格差
  • Holistic and integrated creative programs
  • The importance of green space
  • オンライン、郵便、電話
  • Art Dialogue、Art Conversation、Art and Movement
  • オンライン→生活の場において参加できる利点=外出時の地理的障壁・課題の解消
  • More programs for More places
  • Social、Local、Community
  • Person centered care
  • One to one communication
  • Keep in touch
  • エデュケーションだけでなく、ゆったりする、くつろぐ場としてのミュージアム
  • Gallery and Garden
  • 感情の表出を後押しする
  • 瞑想、ヨガ

2018年度に参加した学芸員連続講座「2025年問題に向けた高齢者の健康と博物館の役割」から、博物館学芸員資格取得者として福祉・医療との連携を考える機会がスタートしたのでした。博物館が地域で果たす役割について、各館・各学芸員がそれぞれの地域でどのような案を見出し、どうすれば実現できるのか。第1回目「コラージュ第2回目「園芸療法第4回目「回想法第5回目「音楽療法」と、さまざまな視点から学んできたことを、今回のシンポジウムでさらに深める機会となりました。

わたしは博物館学芸員資格を取得しているとはいえ「館」に所属したことはなく、フリーで学芸員活動(アートエデュケーター)をしています。そのような立場の者に対しても、情報を提供してくださり、学びの場をオープンにして受け入れてくださる緒方先生をはじめ事務局の皆さまに、心より感謝申し上げます。

九州産業大学美術館・地域共創学部教授の緒方泉先生の発表内容の詳細は、書籍で発刊されることになっています。興味のある方は、ぜひ手に取ってみてくださいね。

「2021九州産業大学国際シンポジウム 博物館と医療・福祉のよりよい関係」前半(2021.2.13)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2021九州産業大学国際シンポジウム 博物館と医療・福祉のよりよい関係」前半(2021.2.13)

博物館学芸員技術研修で毎回お世話になっている、九州産業大学美術館・地域共創学部教授の緒方泉先生率いる「2021国際シンポジウム」に、オンライン参加いたしました。2019年に初めて参加した九州産業大学国際シンポジウム。昨年2020年はコロナ感染症が広がり始めたところでしたので、残念ながら参加を自粛していましたが、今年2021年はZoomでの開催と発表されたので、嬉々として申し込みました。ありがたいです。

今年は2月13日と2月20日の二部に分けての開催です。英国と米国をつないでのZoom開催。時差への配慮とオンラインでの集中力の持続を考えての二部編成。前半テーマは「withコロナにおいて、どのような感染対策をして、博物館活動を継続していましたか?」。日本からは、福岡市美術館さん、北九州市立自然史・歴史博物館(通称:いのちのたび博物館)さん、海の中道海洋生体科学館(通称:マリンワールド海の中道)の学芸員さんからの3件の発表。英国からはダリッジ・ピクチャーミュージアムさん、米国からはArts &Mindsさんからの発表。それぞれに特徴ある取り組みを聞くことができる、貴重な機会となりました。

以下備忘。


  • HOPE SPRINGS ETERNAL(希望の泉は枯れず)
  • Health & Wealth
  • 国(各国)のガイドラインに沿った対策。
  • 文化庁芸術振興費補助金を活用した感染症対策(空調等大がかりなものも)。
  • 予約システムの導入、曜日・時間帯等による来館者規定。
  • コミュニティ(地域社会)、コミュニケーションへの配慮と、美術館の役割意識。
  • Create responses
  • Here for Culture
  • Social justiceの問題 ※特に米国内の社会問題として
  • Every museum has their own Mission, Process, Outcomes and Lessons
  • Crisis(危機)→Anxiety(心配・懸念)→Introspection(内省)→Innovation(革新・刷新)
  • 2021 Museum Innovation

<以下、オンラインプログラムへのシフトに関連して>

  • オンラインをきっかけとした「新たな顧客」との出会い。
  • 物理的に来館が困難な方(遠方の人、障がいや病気で移動が難しい人)への機会。
  • 代替策としてのオンラインから、両立させるべき手法としてのオンラインへ。
  • 美術館の裏側紹介-いつも見れていたものが見えないときに、いつもは見れないものを見せる。
  • 材料の事前送付を含めた事前応募制による在宅ワークショップ。
  • オンラインでのギャラリートークも質問が出しやすいよう少人数で。
  • 各学芸員による、博物館活動、展示、研究分野等に関する動画制作・公開。
  • 動画再生回数等データ分析と、その後のコンテンツへの分析結果の反映。
  • 小中学校の休校→オンラインでのスクールプログラムの増加・充実。※特に米国ではプログラムの多言語化(英語+スペイン語など)が進んだ。
  • アウトリーチ(美術館教材貸し出し)活用の宣伝と普及。
  • 今後急務の課題として、タブレット利用を前提としたスクールプログラムの検討。
  • 一方で、デジタル活用ができない人への対応・フォローの必要性。
  • Physical and Virtual are different
  • Change our approach to digital programs to be more immediately responsive
  • 共通言語を探す(共通言語の必要性)、デジタルアクセス(つながる)

2月20日の後半も楽しみです!

ロンドンのギャラリーから打診される展覧会テーマに、世の中を見る目が広がる。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ロンドンのギャラリーから打診される展覧会テーマに、世の中を見る目が広がる。

つい先日、このブログでも2021年藤吉憲典の展覧会予定をご紹介したところでした。

2021年藤吉憲典の展覧会予定

磁器作家・藤吉憲典のロンドンの契約ギャラリーSladmore Contemporaryと、系列のSladmore Galleryは、「動物の彫刻(animal sculpture)」を専門にするギャラリーです。昨年からのコロナ禍で、ロンドンはたびたびロックダウンとなり、ギャラリーのオープンが限定され、エキシビジョン開催も予定が立ちにくい状態が続きました。

先行きが読めない状況のなか、Sladmore チームから、ひとつのテーマを近代彫刻のマスターピースから現代彫刻の最新作品まで、時代を超えてご覧いただく展覧会へのオファーをいただきました。2021年の一年間を通して企画されています。アンティークからコンテンポラリーまで、動物彫刻を専門に極めてきた老舗だからこそ実現できる内容です。

この流れは、昨年末11-12月開催された展覧会「Dogs, Cats and Other Best Friends」から始まっていました。折しも「人と人の接触を避ける」ことが求められるなかでの、このテーマ。古来から友人・パートナーとして人に寄り添ってきた動物たちに、わたしたちがいかに癒され助けられてきたかを、深く感じる機会となりました。

本年7月には‘Endangered animals A-Z’ Sladmore Gallery(London)が開催されます。Endangered animalsとは「絶滅危惧種」のこと。国連の提唱するSDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)の17の目標のなかには、「14.海洋資源」「15.陸上資源」が入っており、「生態系の保護回復」「生物多様性の損失阻止」などがうたわれています。「共存共生」もまた、コロナ禍でクローズアップされた概念のひとつですね。

「アートは常に社会とともにある」ことがダイレクトに、それでいて自然体で伝わってくるテーマ設定に、芸術先進エリア・ロンドンの老舗ギャラリーの矜持を見ました。オファーを受けたアーティストは皆、その空間に作品参加できることを誇らしく感じているに違いありません。これらの展覧会に向けての、藤吉憲典の新作にも、どうぞご期待ください。作品の最新情報は、インスタグラムやフェイスブックの公式ページでご確認いただくことができます。

藤吉憲典公式FBページ https://www.facebook.com/KensukeFujiyoshi

藤吉憲典公式インスタグラムhttps://www.instagram.com/ceramicartist_kensukefujiyoshi/

読書『雑煮365日 お椀ひとつで一汁一菜』(NHK出版)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『雑煮365日 お椀ひとつで一汁一菜』(NHK出版)松本栄文 著

週末農業をしているお友だちが、もち米を届けてくれました。我が家の年末の餅つきは「餅つき機」が大活躍。人手が必要なのは、お餅を丸める作業ぐらいですので、楽ちんです。今年はいつもよりたくさんお餅を作ろうかな、と思っていたところに、図書館で発見したのが、本書。

料理研究家の土井善晴さんが『一汁一菜でよいという提案』で「ご飯を炊いて、お味噌汁さえ作ればOK」と説いて、世の台所を安心させてくれたのは、もう4-5年前のこと。具沢山のお味噌汁はそれだけで立派におかずを兼ねるという考え方は、経験的に「そのとおり!」と思っていても、「手抜き」の反論を恐れれば口に出しにくいものでもありました(笑)。そこに「料理研究家の土井善晴」氏のお墨付きが付いたのですから、万々歳。

さて本書『雑煮365日』は、言ってみれば「おかずを兼ねる具沢山の味噌汁(汁物)に、さらに餅が入る」という提案です。お餅はいわば「ご飯」ですから、「ごはん・味噌汁・おかず」が「一椀」で完了する優れものということ。これは確かに魅力的ですね。さっそく中を見てみますと、春夏秋冬の旬の食材を使ったメニュー紹介に始まり、一月から十二月まで、各月一日から末日までの雑煮献立がほんとうに載っています。これはすごい。

個人的に「これは絶対作って食べてみよう!」と思ったのは、「鍋焼き」「かき玉」(春)、「鶏つみれ」「鰻とかいわれ大根」(夏)、「みぞれいくら」「薄揚げと九条ねぎの南蛮」(秋)、「豚汁」「白菜と牛しゃぶ」(冬)。

お餅をついたら、さっそくチャレンジしてみようと思います^^

読書『時空旅人 英国王と騎士の物語』2021年1月号

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『時空旅人 英国王と騎士の物語』2021年1月号

雑誌ですが、とても読みごたえがあったので、読書扱い^^。現在、上野の森美術館で開催中の「ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵 KING&QUEEN展」にちなんだ特集です。

「KING &QUEEN展-名画で読み解く 英国王室物語-」をもっと楽しく!

現QUEENであるエリザベス女王が、藤吉憲典のエクスクルーシブギャラリーSLADMOREの顧客でいらっしゃるので、勝手に英国王室に親近感を持っている藤吉家。残念ながら今回のKING&QUEEN展に足を運ぶことはできませんが、雑誌や関連サイトを使って、家で楽しむことにしました。わたしは美術館ではキャプション等の「文字」を読まずに作品を観ることに集中するので、こうして在宅時間に予備知識を読むスタイルが合っています。

本展覧会の公式サイトも力が入っていて、「イントロダクション」ページには、関連資料がいろいろと紹介されています。ここに挙がっている映画を見るだけでも、かなり各作品の背後にある「物語」を垣間見ることができるはずです。さらに、展覧会の公式参考図書として、「怖い絵画」シリーズでお馴染み中野京子さんの「名画で読み解く イギリス王家12の物語」(光文社新書)が紹介されています。

『時空旅人 英国王と騎士の物語』では、いくつかの連載記事を除き、ほぼ丸ごと特集誌面。このテーマの絞り込み方はすごいな、と思いました。「アーサー王や騎士道、ケルトといった英国を織りなす多文化の魅力を掘り下げる」と書いてあった通り、とても読み応えがありました。

ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリーは、ロンドンナショナルギャラリーの別館であり隣接しています。上の写真は、ナショナルギャラリーの正面。向かって左側に進んでいくと、ポートレートギャラリーに到着します。ロンドンに行くたびに「ナショナルギャラリーの後に、ポートレートギャラリーに行こう!」と思うのですが、ナショナルギャラリーを回った後はお腹いっぱいになっていて、「ポートレートギャラリーは次回にしよう」となってしまっていました。今回の日本での展覧会を機会に、背景の物語を読み込んだうえで、次回ロンドン訪問の際には必ず足を運ぶことにいたします。まだまだ海外に気軽に渡航できる状況ではありませんが、その日が楽しみです。

「ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵 KING&QUEEN展」は、上野の森美術館で、2021年1月11日までとなっています。日時指定販売券をゲットしての訪問が確実だと思います。