108のぐい呑・盃=西麻布・桃居さんでの藤吉憲典陶展。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

108のぐい呑・盃=西麻布・桃居さんでの藤吉憲典陶展。

藤吉憲典、6月は桃居さんで個展です。今回のテーマは「酒器100」と「書画」としていたのですが、ぐい呑・盃だけで108客を並べることが出来そうです。会期スタートまであと1週間少しあるのですが、酒器の並ぶさまがあまりにも面白いので、こちらでちょっぴりご紹介。

藤吉憲典 陶展 桃居2023 染付 酒器

藤吉憲典 陶展 桃居2023 染付 酒器

藤吉憲典 陶展

藤吉憲典 陶展 桃居2023

桃居
2023年6月21日(水)~6月26日(月)
11:00~18:00 (最終日は17:00まで)
東京都港区西麻布2-25-13
TEL03-3797-4494

ぐい呑・盃ですので、一つ一つのサイズは小さいですが、108並べたらさぞかし見応えがあるだろうと思います。全種見たいという方は、ぜひ初日お早めにお越しくださいね。

藤吉憲典、6月は桃居さんで個展です。

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藤吉憲典、6月は桃居さんで個展です。

藤吉憲典2023年度最初の個展は、6月の桃居さんです。現在、制作も追い込み段階。窯から上がってずらっと並んだぐい呑・盃をみていると、ワクワクします。今回のテーマは「酒器100」と「書画」です。上の写真は、桃居さんが作ってくださった、個展案内状の写真。ご希望の方へのハガキDMでのご案内は、6月に入ってからになります。


藤吉憲典 陶展

桃居
2023年6月21日(水)~6月26日(月)
11:00~18:00 (最終日は17:00まで)
東京都港区西麻布2-25-13
TEL03-3797-4494

「毎回個展では新しいものを表現したいと考えています。
今回は長年嗜んでいる絵や書を、作品としてご覧いただきたいと思いました。
同じく長年作り続けている酒の器は、個展のたびに発表していますが、
今回は酒器だけで100個以上を並べようと思いつきました。
酒器と書画、楽しんでいただけると幸いです。」藤吉憲典より


桃居さんでの個展は、今年も現地会場とオンラインショップ、両方での開催となりますが、今年は現地会場でのスタートが先になります。ぜひ会場で、実物を手に取ってご覧いただけると嬉しいです。皆さまのご来場をお待ちいたしております。

古代エジプト美術館展@福岡アジア美術館、観てきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

古代エジプト美術館展@福岡アジア美術館、観てきました。

今年初めに挙げていた「2023年度に観に行きたい美術展」のひとつです。「これは観たい!」のわたし的ベスト5に入れていました。上半期のうちに、1位の木米展(サントリー美術館)と3位の本展を観ることが出来たのは、とても嬉しいことです。

さて古代エジプト美術館展。素晴らしかったです。なかでも動物神信仰のなかで生まれた護符や神像は、とてもユニークで豊かな想像力が形になっており、見ごたえたっぷりでした。造形も絵や文様も、いくら眺めていても飽きません。平日昼間の訪問で、来場者数はまあまあありましたが、混みあうというほどでもありませんでしたので、気に入ったもののところに何度も戻って見て参りました。

約200点の展示内容は、多くは小品ではありましたが、大満足の展示内容でした。大きいものは大英博物館で見ればよいのです(笑)。良い意味で、日本のコレクションらしい魅力にあふれていました。小さいながら丁寧で繊細に作られた作品のなかに、生命力とでもいうようなパワーを感じました。ミュージアムショップで、展示のなかでも特に気に入った3点を絵葉書で見つけ、連れて帰りました。そういえば、連れて帰りたいという衝動が働いたのは久しぶりだったかもしれません。

渋谷にあるという古代エジプト美術館。いずれ上京のタイミングで、足を運びたいです。

春の福岡は美術展が熱い!

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春の福岡は美術展が熱い!

振り返れば先月は、3つの展覧会に足を運んでいました。アートエデュケーションを仕事にしている者としては、決して多い回数ではありませんが、「ついでに」ではなく、その展覧会を観ることを目的に足を運ぶときは、それなりにエネルギーも必要です。古今東西、作家が自分自身をかけて全力で作った仕事に向き合う、というのは、そういうことだと思います。思いがけずフットワークよく動くことができたので、「わたしもようやくコロナ禍下の行動パターンから意識が抜け出しつつあるのだな」という確認になりました。おかげさまで、良いインプットになりました。

さて新年度。4月スタートの福岡の美術館・博物館での特別展も、熱いです。もちろん個人的な好みはありますが、おそらく大人気だろうな、という展覧会が3つ。ここに記録することで、観に行くぞ!の決意表明です。

古代エジプト美術館展 福岡アジア美術館

年初めに『おとなのOFF 2023年絶対見逃せない美術展』をチェックした際、観に行きたい展覧会ベスト3に入れていたものです。

先ほどあらためて展覧会の特設サイトをチェックしていましたら、展覧会の「学術協力」のところに、近藤二郎氏のお名前発見。この方の著書『古代エジプト解剖図鑑』を図書館で見つけて面白く拝読したのは、ちょうど2年前のことでした。ますます、展覧会への期待が高まります。

ミュシャ展 福岡市美術館 
◆アール・ヌーヴォーのガラス 九州国立博物館

ほぼ同じタイミングで、県内でこの二つの展覧会が開催されることの不思議。どちらも観て「アール・ヌーヴォー」にどっぷりと浸かる、ことを促されていると考えざるを得ません。この時代のデザインに惹かれる日本人は、とても多いですよね。2018年~2019年に開催した福岡ACAD.「世界史を建築家の視点で学ぶ!」の講座でも、アール・ヌーヴォー、アール・デコの時代は、大人気だったのでした。

展覧会の告知チラシを見ただけでも、ワクワクしてきます。福岡市美術館のミュシャ展も、九州国立博物館のアール・ヌーヴォーのガラス展も、全作品写真撮影OK(ただしフラッシュ撮影、動画撮影は禁止)ということで、昨今の流れではあるものの、嬉しい限りです。

福岡にお住まいの方、福岡方面お越しの方、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか^^

久しぶりの久留米市美術館。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

久しぶりの久留米市美術館

お友だちからチケットを頂いたので、久留米市美術館で開催中の展覧会「リアル(写実)のゆくえ-現代の作家たち 生きること、写すこと」を見て参りました。

10年以上ぶりの久留米市美術館。いえ、前回行ったのは、まだ石橋美術館だったころでしたので、そう考えると初訪問です。石橋美術館であったころには存在した収蔵品の数々、特に久留米に縁のある日本の近現代画家の作品が、ほとんど東京のアルティゾン美術館(旧石橋美術館)に引っ越ししてしまったのは残念なことでしたが、2012年に建て替えられたという新しい館は、とても快適な展示空間=鑑賞空間となっていました。

さて展覧会「リアル(写実)のゆくえ-現代の作家たち 生きること、写すこと」。期待以上に面白かったです。まず佐藤洋二さんの「義手」「義足」シリーズに引きつけられました。必要から生まれ、発展した作品群は、これぞリアルでした。素材としてのシリコーンのすごさをまざまざと感じる作品でした。次にいいな、と思ったのは満田晴穂さんの「自在」シリーズ。昆虫を作る金工作家さんです。すべての関節が動くという緻密さは、以前から話には聞いていましたが、今回初めて実物を拝見。その造形のリアルさには昆虫への愛情がにじみ出ていて、眺めながらニヤニヤしてしまいました。

そんななか、わたくし的今回の一番の傑作は、漆器の若宮隆志さんの「曜変天目蒔絵椀」。ご存じやきものの世界では過剰な(笑)脚光を浴びている「曜変天目」ですが、それを漆で再現していました。そのユーモアといいましょうか、皮肉といいましょうか、美術工芸界への批判的な視点が伝わってきて、とても面白く拝見しました。もちろん、見た目の再現性も素晴らしかったです。わたしは、現代アートの求める「メッセージ性」が、言葉で説明しないと伝わらないものには、まったく魅力を感じないのですが、この「曜変天目蒔絵椀」は、言わんとすることが一目瞭然。こういう作品は大好きです。

上の写真の通り、小雨が降るあいにくのお天気ではありましたが、石橋文化センターの庭園では「春の花まつり」がちょうどスタートしたところで、満開の桜と咲きはじめのチューリップ、もうすぐお終いのツバキも楽しむことが出来ました。庭園をぐるりと一周すれば、すっかり華やかな気分に。市街地にこのようなオアシス的空間があるのは素晴らしいですね。

「没後190年 木米」@サントリー美術館、観て参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「没後190年 木米」@サントリー美術館、観て参りました。

上の写真は、「撮影厳禁」の会場内で唯一のフォトスポット。前回サントリー美術館で観たのは「智積院の名宝」でしたが、その時にチラシを発見し、足を運べたら嬉しいなぁと思っていた「木米展」に来ることが出来ました。

江戸の文人・木米。文人とは、中国から伝わった概念であり、中国文人は「詩書画三絶」つまり「詩」と「書」と「画」において優れていることを理想としたとされています。木米に置き換えてみれば、「陶芸」「書」「画」の三絶ということになるのかしらと、木米展の展示キャプションにあった「詩書画三絶」の文字を、検索してみたところ、以下の解説を見つけました。

詩と書と画に優れることを意味する詩書画三絶は中国文人の理想であった。書画と併称されるように絵画は書と密接な関係があり、書と画は根本的に一致すると考えられてきた。詩文は直接的に画題を絵画に提供する場合もあるが、両者は情景描写という点で共通することから、画を「無声詩」、詩を「有声画」と呼んできた。

(人文論叢 : 三重大学人文学部文化学科研究紀要より 藤田 伸也氏「南宋画院の詩書画 : 三絶の視点から」の一部を引用)

    この通りに理解すれば、画を嗜むことはすなわち詩を嗜むことと同意ともいえそうです。

    ともあれ「陶工であり画家」という木米の生きた道は、今まさに磁器作家・藤吉憲典が突き進もうとしているところであり、たいへん興味深い展覧会でした。木米が書画を本格的に発表し始めたのは50代後半ということで、この辺りの共通点も面白く。

    展覧会の感想としては、陶芸にしても書画にしても、木米の作品から伝わってきたのが、生真面目さと努力の跡であったということです。きっちり一生懸命にやってきたことが伝わってくる作品群をみれば、木米は天才とはとても言えないと思いました。展示作品を見る限り、文人のイメージに漂う浮世離れした感じはまったくなく、書画の線の細さと余白の無さは、生真面目な性格を思わせました。

    会期は残すところあと10日ほど、3月26日(日)まで。ちょうど東京出張に合わせて足を運ぶことが出来、ラッキーでした。

    「没後190年 木米」サントリー美術館

    九州国立博物館メンバーズプレミアムパス。

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    九州国立博物館メンバーズプレミアムパス。

    2022年春に初めて購入してみた、九州国立博物館メンバーズプレミアムパス。おおよそ特別展2回分の料金で購入したパスで、特別展4回の権利と常設展示見放題がついた優れものです。ちょうど有効期限を数日前に控えたところで、四つ目の企画展を観に行くことが出来たのでした。

    九州国立博物館

    入場スタンプは左から「最澄」「北斎」「ポンペイ」「加耶」。特別展4つは決して多い数ではありませんが、ミッションコンプリートの満足感があります。我が家から九州国立博物館までは車で約1時間半の距離。個人的にはちょっぴり「よいしょっ」という感じなので、このパスポートを持っていなかったら年に4回は観に来なかったかもしれない…というのも正直なところです。

    先日の「特別展 加耶」がまさにそうだったのですが、展覧会タイトルからのイメージよりも、実際の展示がものすごくよかった!ということがあります。できるだけ先入観を持たずにいろいろな展覧会に足を運びたいと、理想論的には思いつつ、集めた範囲の情報で判断するのが常。そういう意味でも、パスポートを持っていたからこそ出会うことができた名作が、2022年度はいくつもありました。

    2023年度の九州国立博物館特別展も、観たい!タイトルがたくさん。現在発表されているのは、以下の四つ。この春もパスポートをゲットすることが決定です。

    熊本市現代美術館で「博物館浴」 実証実験のお知らせ。

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    熊本市現代美術館で「博物館浴」 実証実験のお知らせ。

    ここ数年、学芸員としての研修のなかで、美術・美術館が心身の健康に寄与できること、医療や福祉との連携について学んでいます。


    その学びの師で、「森林浴」ならぬ「博物館浴」を提唱する九州産業大学の緒方先生が、熊本市現代美術館で実証実験を行います。一般の方が参加できる貴重な機会です。このテーマに関心があり時間が取れる方は、参加をご検討してみてはいかがでしょうか。下記の熊本市現代美術館のサイトから、直接申し込みが出来ます。(※先着順だそうですので、すでに定員締切となっていたらごめんなさい!)かく言うわたしは、参加できるか否か、現在スケジュール調整中です。


    3月29日(水)熊本市現代美術館で開催中の展覧会に合わせ、「博物館浴」 実証実験開催。
    https://www.camk.jp/exhibition-event/9520/

    美術鑑賞が心身に良い影響を与えるということは、感覚的には頷けても、やはり社会に広く受け入れてもらうには「エビデンス」なるものが必要。その実証実験を、国内各地の館のご協力を仰いで、地道に積み重ねておられます。

    カナダをはじめ、先進的なエリアでは既に始まっていますが、日本でも処方箋に「美術鑑賞」と書かれる社会がすぐ目の前に迫っているような気がします。

    特別展 加耶(かや)@九州国立博物館を観て参りました!

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    特別展 加耶(かや)@九州国立博物館を観て参りました!

    上の写真は、馬型埴輪が集まった牧場の展示。この展示方法を提案した学芸員さんすごい!と思わずうなった場面でした。加耶展は会場内撮影OKでしたので、このような展示がさらに魅力を増していたと思います。

    加耶展、素晴らしかったです。ほとんどの史料が4~6世紀古墳時代のもの。これは、ご近所の世界遺産である「新原奴山古墳群」とほぼ同時代のものであり、新原奴山からの出土品と同じようなものがいくつもありました。こういうのを見ると、やっぱり朝鮮半島から渡ってきていたのだなぁ、という思いが新たになります。

    サブタイトルに「鉄の国」の文字が入っていた通り、鉄製の遺物、金細工の飾りなど、「金属」の加工技術・文化に目が奪われました。いくつもの鎧や馬冑などの武具が、よくこのまま残っていたなぁと感心する状態で展示されていました。特に目を奪われたのは、剣の、日本刀でいえば柄(つか)に近い部分の細工の凝りようでした。

    出品目録で273点の資料の数々は、全体的に良いもので埋め尽くされていた印象でした。これはすごいことです。個人的な考えですが、特別展は展示規模が大きいだけに、「これはどうかな」という展示が入っていることがよくあります。今回の加耶展ではそのような展示が無く、すべての章(テーマ)に見どころがありました。

    会期が残り1週間というタイミングで観に行くことが出来ました。日曜日でもありましたので、混雑しているかな、と思ったのですがそれほどでもなく。それは鑑賞環境としてはラッキーでしたが、こんなに素晴らしい展覧会なのにもったいない!の思いが強く残りました。「加耶」という耳馴染みの無いタイトルが前面に出ていたので、集客が伸びなかったのかなぁ、と。もっとキャッチーなタイトルをつけることが出来たら、もっと集客できたかもしれません。

    特別展 加耶(かや)@九州国立博物館は、今週末3月19日(日)まで。おススメです!

    特別展 加耶(かや)@九州国立博物館

    津屋崎千軒お雛さま巡り。

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    津屋崎千軒お雛さま巡り。

    三月三日は雛祭り。津屋崎千軒でお雛さまといえば、登録有形文化財である古民家「藍の家」。毎年この季節になると、広いお座敷に古いお雛さまが所狭しと並びます。そして今年は、津屋崎千軒なごみでも、豪勢な七段飾りのお雛さまが二つ飾られています。上の写真は、なごみのお雛様。藍の家、なごみともに、3月3日を前に飾り付けが完了したとの報を受け、さっそく見に行って参りました。

    まずはなごみ。空間がパッと華やいでいました。ともに七段・フルスペックの立派なお雛様。雛段飾りのなかでも、個人的におススメの見どころは、なんといってもミニチュアのお道具です。わたしはどうしても、お人形よりも道具に目が行きます。おままごと遊びの源流はここにあるのでしょうね。なごみのお雛様のなかでは、可愛らしくも豪勢な牛車が特に目に留まりました。

    なごみのお雛様
    なごみのお雛様

    つづいては、恒例の藍の家。今年も古いものから近年のものまでさまざまなお雛様が並びます。手作りの「下げもん」が華やかに空間を飾るのも、例年通り。毎年見て、毎年思うのは、飾り付けが大変だっただろうな、ということ。

    藍の家のお雛さま

    金の色どりが華やかなお雛様。揃衣装の五人囃子の存在感が大きいです。

    藍の家のお雛さま

    本殿が凝った作りのお雛様。手前の御膳セットも素敵でした。

    藍の家のお雛さま

    展示の面白さ。ユーモアが感じられます。

    藍の家のお雛さま

    背景の屏風に映えて、重みを感じるお雛様。

    おかげさまで眼福のひとときでした。なごみから藍の家まで、お散歩がてら「お雛さま詣で」おススメです♪