いよいよ師走に入りました―この期に及んで、干し柿追加(笑)。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

いよいよ師走に入りました―この期に及んで、干し柿追加(笑)。

ダンナがお友だちからたくさん渋柿をいただいてきたので、干し柿。と書いていたのは、つい10日ほど前のことでした。それとは別に、すぐ近所にある柿の木が、見事に鈴なりになっているのを「今年は豊作だね~」と眺めていたのですが、ご近所さんから「藤吉さん、干し柿作るんなら採らんね?」とお声がけいただき、収穫させていただくことになりました。ありがとうございます^^

再びダンナが収穫してきたたくさんの柿を見て、つい「この気忙しいときに」という文言が頭に浮かびましたが(笑)、手を動かすうちに、黙々と柿の皮を剥き紐に吊下げていく作業は、頭のなかを空っぽにしてリセットするのに最適だということに気が付きました。いろいろと考えることが多いときにこそ、単純作業の繰り返しが効くような気がします。そのうえ成果も大きいし。

というわけで、たくさんの柿が軒先にぶら下がっております。上の写真を見ると、先に干した分と、今回干した分との違いがわかりますね。あとはお天気と時間に任せて待つばかり。楽しみです♪

ひと足早く、今年のお茶のお稽古納めでした~来年も精進いたします!

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ひと足早く、今年のお茶のお稽古納めでした~来年も精進いたします!

月に2回のお茶のお稽古。まだ11月ですが、12月のお稽古日が、外せない仕事と重なりましたので、皆さんより一足早く今月でお稽古納めとして参りました。わたしが現在お稽古をつけていただいているのは、「天目(てんもく)」と呼ばれる奥点前。通しでお稽古をしたら、1時間近くかかるものです。実際にお茶席でこの点前を披露する機会は、まず無いであろうといわれていますが、南方流のお点前として学ぶべきひとつとして、一年以上かかって教えていただいています。

そもそもひとつのお点前も、季節ごとに設えが変わればお作法が少しづつ変わってまいります。そんなわけで、わたしの場合、一年通してお稽古をしていても、設えが変わるごとにまったく新しいお点前をするような気持になって、動きがバラバラになる、ということが繰り返されます。少しは身についたかな、と思ったら、また一からやり直し、という感じ。それでも、まったくのゼロになるわけではなく、先生方も「誰でもそうよ」と励ましてくださるので、めげずに続いています。

年納めのお稽古は、わたしにしては珍しく、とてもスムーズに運びました。いくつかの「うっかり」はありましたが、全体の流れはバタバタすることなく心地良くおさまり、自分でもびっくり。なにが理由かはわかりませんが、心身の状態がうまくいっているときは、こんな感じになるのかもしれません。「頭で考えず、自然と身体が動くように」を理想形に掲げていますので(…頭で理解し覚えるのを諦めたとも言えますが(笑))、このような感触のお稽古をひとつでも増やしていけるといいな、と思いました。

道のりはまだまだ遠く。来年も精進いたします!

読書『住まいの昭和図鑑』(エクスナレッジ)小泉和子編著/小野吉彦写真

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『住まいの昭和図鑑』(エクスナレッジ)小泉和子編著/小野吉彦写真

いつものカメリアステージ図書館新刊棚から、表紙&タイトル借り。タイトル全文は『住まいの昭和図鑑-昭和レトロ住宅のゆたかな暮らし-』です。花祭窯の工房兼ギャラリーは、昭和元年建築の古民家。同じ津屋崎千軒内にある古民家では、豊村酒造さん、藍の家、玉乃井旅館などが文化財指定されています。それらは明治時代に建ったものですが、元号に寄らず考えるならば「津屋崎千軒エリアが栄えていた時期」のことであり、同時期の建築物。というわけで、この時代の建造物には興味があります。

さて『住まいの昭和図鑑』。もともとはNHK BSで放送された『美の壺』の、昭和建築特集に端を発していたようです。この回の人気が高く何度も再放送された、ということで、書籍としての刊行につながったようです。昭和百年の記念、というのもありそうですね。エクスナレッジ公式サイトの紹介文にもありますが、「著名な建築家の作品だけでなく、文豪が暮らした家や、小規模な庶民の住宅、同潤会の建物、団地などの集合住宅、共同住宅まで幅広く取り上げ」ているのが特徴的です。個人的には『「集合住宅」の時代』として、公団が建てた団地の初期の姿を見ることができたのが、とても興味深かったです。

たくさんの写真や間取り図が載っているのはもちろん、設備や家具などの設えの変化がわかる解説もついて、面白いです。事例に上がっている家々が、持ち主たちによって現在も継承されているというのが、なんとも心強いです。事例として挙がっているものの多くは文化財指定を受けているということで、確実に遺そうと思えばそういう形になるのだろうな、と、あらためて思いました。古いもの、特に建築物のように大きくて動かしにくいものを遺していくことの難しさは、学芸員課程を学んでいた当時のカリキュラムのなかでも強く印象に残っています。

エクスナレッジさんの本、以前何を読んだかな、と自ブログ検索。『ちょっとイイ家』増田奏 著『ウィリアム・モリスのぬり絵』『世界で一番美しいマンダラ図鑑』正木晃著『くらべてわかる世界の美しい美術と建築』五十嵐太郎 編『古代エジプト解剖図鑑』近藤二郎 著…という感じで出て参りました。建築・アート・デザイン系ですね。これからも、お世話になることが多々ありそうです^^

『住まいの昭和図鑑』(エクスナレッジ)小泉和子編著/小野吉彦写真

花祭窯の十一月(霜月)の露地-小さな庭にも秋の気配到来です。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の十一月(霜月)の露地-小さな庭にも秋の気配到来です。

毎週日曜日は「お掃除の日」です。ふと庭先を見たら、夏の間に青々と茂っていた草の方々がすっかり枯れているのに気が付きました。ぐるりと見まわしたら、ツワブキの黄色い花も第一号が咲いているし、

ツワブキの花

いつの間にか南天の実も赤く色づいているし、

ナンテン

ザクロはすっかり開いているし、

ザクロ

ヤツデの花?もたくさんついているし。

ヤツデの花

これから先のお楽しみとしては、沈丁花のつぼみがたくさんついているのを発見。

ジンチョウゲ

サザンカも準備万端。

サザンカ

スイセンは、いつ咲くかな???

スイセン

という感じです。

冬に向かって、小さいながらも楽しみはいろいろです。

ダンナがお友だちからたくさん渋柿をいただいてきたので、干し柿。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ダンナがお友だちからたくさん渋柿をいただいてきたので、干し柿。

ダンナがお友だちのところから、たくさん柿をいただいて(摘んで)きました。大きな袋いっぱいに入った渋柿。丸々と大きく、濃い橙色が魅惑的です。干し柿は、食べるのは美味しいし、お正月にあると嬉しいけれど、仕込みに手間がかかる…という思い込み(あるいは真実)があり、やらなきゃやらなきゃと思いながら、数日横目に見ておりました。

これ以上置いたら、そのまま熟してしまう!という危機感が迫り、ようやく包丁を手にしました。熟してしまったら、冷凍柿にする、という手もありはしますが、まずは干し柿。皮を剥き始めるまではなんとなく面倒くささが先に立ちつつも、いざ剝き始めると、意外にサクサクと進む干し柿仕事。というのも、わたしが皮を剥く側から、ダンナが紐に括り付けて吊るす、という流れ作業によるものです。食いしん坊による、協働仕事。

吊るした日は、ちょうど寒気が流れ込んだ寒い日でしたので、干し柿日和となったはずです。あまり早くから吊るすと、かびるのが心配というのもありますね。カビを防ぐのに、吊るす前に熱湯に通したり、焼酎を振りかけたり、という方法もありますが、今回はとりあえずはそのままで吊るしました。

これでお正月の一品が仕込み完了。あとは、自然の力にお任せして美味しくなるのを待つばかりです。

十一月は立花実山忌-南方流々祖実山居士献茶式-のお茶会でした。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

十一月は立花実山忌-南方流々祖実山居士献茶式-のお茶会でした。

南方流を継承する博多の円覚寺に伝承される『南方録』。南方流茶道の根本です。南方録研究には諸説あるようですが、先生方に教えていただいて、わたしは熊倉功夫先生解説の『南方録を読む』(淡交社)を、教科書としています。千利休・南坊宗啓・立花実山の三名の存在があって、『南方録』は完成しているのだと解釈しています。その一人、立花実山を祀る茶会が毎秋十一月。

今年の実山忌は、わたしが入門した時からずっとご一緒にお稽古をさせていただいている方が、「お献茶」を奉納なさるとあって、特に嬉しい日でした。南方流での、お稽古の進み具合を確認する節目には大きく三つあり、「お献茶」は「懐石」に続く二つ目のタイミングとなります。お献茶することが決まってからの、稽古に勤しんでおられる姿も拝見していましたので、無事に終えられた安堵の表情に、こちらまで嬉しくなりました。

献茶式が終わると、こちらも恒例となった、和尚さんによる南方流を読み解くお話があります。本を読んでも、なかなか頭に入ってこないことも、和尚さんに読み聞かせていただくと、少しは理解できるような気がするから不思議なものです。南方録は分量がありますので、毎回少しづつ。それが終わると、お昼のお弁当をいただいて、濃茶・薄茶の拝服です。今回はお茶席の組み合わせなどを決める係を仰せつかっていましたので、とても緊張しましたが、どのお席からも楽しそうな談笑の様子が伝わってきて、ホッと致しました。

おかげさまで、今年の実山忌も、とても充実した一日となりました。ありがとうございました。

12月は、ご近所の国宝・豊村酒造さんで「藤吉憲典個展-酒の器、祝の器」。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

12月は、ご近所の国宝・豊村酒造さんで「藤吉憲典個展-酒の器、祝の器」。

花祭窯がある津屋崎千軒のご近所には、歴史的な建造物がいくつか遺っています。豊村酒造さんの旧醸造場施設が国の重要文化財に指定されたのは、2024年1月のこと。国宝に認定されると、保存の義務が生じるとともに、近年では活用の義務も大きくなってきているようで、その一環としてお声がけいただきました。

重文豊村酒造活用事業 藤吉憲典個展―酒の器、祝の器-特設サイト

展示での活用は今回が初めてということで、その一発目になるということで、とてもありがたいことです。酒蔵ですから、酒器との組み合わせが最適。最初にお話をいただいたときから、展示イメージが沸いてきました。今回、控えの間と奥座敷を使わせていただけるということで、とてもワクワクしています。


重文豊村酒造活用事業 藤吉憲典個展―酒の器、祝の器-

会期:2025年12月19日(金) – 12月21日(日)
時間:10時 -16時
場所:豊村酒造 福岡県福津市津屋崎4-14-18

重文豊村酒造活用事業 藤吉憲典個展―酒の器、祝の器-

重文豊村酒造活用事業 藤吉憲典個展―酒の器、祝の器-特設サイト

12月下旬の週末三日間。皆さまご多忙とは存じますが、豊村酒造さんの奥座敷まで入ることができる貴重な機会です。ぜひお立ち寄りくださいませ。

新たなチャレンジはイメージ通りに進むばかりではないけれど、イメージのズレから生まれるものもある。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

新たなチャレンジはイメージ通りに進むばかりではないけれど、イメージのズレから生まれるものもある。

思えば昨年2024年11月、イタリアに出張したダンナ・藤吉憲典がミラノのギャラリーから「ケンの書画作品を、より気軽に楽しめる普及版があるともっといいのだけれど」という提案をもらって帰ってきたのが、事のはじまりでした。

運よく熱意あるシルクスクリーン職人さんと出会うことができ、書画作品から最初のふたつをイメージ通りにシルクスクリーン作品に仕上げることができたのは、ほんとうにラッキーでした。スタート時にこの小さな成功体験があったからこそ「GO!」と突き進めることができたと思います。

そこから福岡デザインワークショップでのブレストや、シルクスクリーン職人さんとの対話を通じて、台紙(和紙)の選定や「見せ方」の検討、どのようにブランディングしていくかなどを考え続けてきたこの一年。ほんとうにまる一年かかったなぁという思いです。が、一年でここまで構想が進み、具体化に至っているというのは、案外早かったのかもしれません。年明け早々に、いつもお世話になっている信金さんから誘われて、初めての「地元BtoB展示商談会」なるものへの参加を決めたのも、新規事業お披露目のタイミングを決める契機になりました。

まだまだ先だと思っていたその展示商談会はいよいよ来週。商談会で発表予定の作品ができあがったということで、シルクスクリーン職人さんの元へ出かけてきました。新たに出来上がった作品群は、原画の墨の濃淡のニュアンス表現の難しさ、台紙となる和紙の取り扱いの難しさを技術でカバーし、かなりの完成度で仕上がっていました。が、頭のなかにあった出来上がりイメージとは少々ずれているところも。その裏には、シルクスクリーン技術に関しては素人のわたしたち自身はもちろん、大量の作品制作経験を積んでいる職人さんでも予期できなかった難しさもあったようです。

そうした「難しさ」を踏まえて、ではどうするか。そこからが、アーティスト・藤吉憲典の創造力の見せ所であり、作品の魅力をアップするアイデアにつながるのですから、面白いところです。難しいからこそ、ほかの人にはできない(あるいはやろうと思わない)ことができるわけで、独自の表現になります。おかげで、最初のイメージからさらにナナメ上をいくような作品群を作り出せそうです。

藤吉憲典シルクスクリーン作品

京都の老舗・朝日堂さんで、藤吉憲典のアート作品をご覧いただくことができます。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

京都の老舗・朝日堂さんで、藤吉憲典のアート作品をご覧いただくことができます。

「国内ではアート作品はどこで見ることができますか?」のお問い合わせに、ようやく安定的なお返事が出来そうです。京都・清水寺の門前にお店を構える朝日堂さんに、藤吉憲典の陶板シリーズや陶箱シリーズを、少しづつお届けしています。今回、ロンドンSLADMOREでのクリスマス・ショウで発表する作品制作と同時進行で、朝日堂さんからご希望のあった陶箱を、ようやく制作・納品することができました。

朝日堂さんは1870年創業。京焼の取り扱いからスタートし、現在は全国各地の工芸品を幅広く扱う老舗です。5代目である現社長・淺井さんは、日本の伝統工芸文化を守り振興していくことを使命として、国内外で幅広く活動しておられます。初めてお会いした時に、その造詣の深さ、見識の広さに頭が下がりました。「鳥が好き」とおっしゃる淺井さんのご期待に応えるべく、藤吉憲典渾身のカワセミ陶箱を京都にお届け。これを第一弾として、鳥シリーズはこれからじわじわと増えていきそうです。

国内でご覧いただけるところがなかなかありませんでしたので、こうしてご紹介できるのがとても嬉しいです。朝日堂さんは、京都本店をはじめ、関西・関東エリアにいくつものギャラリースペースをお持ちです。藤吉作品をご覧になりたいときは、今どこで何が展示されているかをお電話で確認してから訪問なさると確実です^^


朝日堂 https://www.asahido.co.jp

京都市東山区清水1丁目280番地
TEL:075-531-2181
営業時間:9:30 – 18:00
年中無休

京都 朝日堂さん

大阪・阿倍野の暮らし用品さんでの「藤吉憲典 陶展」は11月1日から会期後半です♪

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

大阪・阿倍野の暮らし用品さんでの「藤吉憲典 陶展」は11月1日から会期後半です♪

10月25日に初日を迎えた、暮らし用品さんでの個展。初日、二日目と在廊した作家・藤吉憲典は、たくさんのお客様とお話することができたようで、喜んでおりました。ご来場・お買い上げくださいました皆さま、誠にありがとうございました。

木・金曜日のお休みをはさんで、11月1日(土)から11月5日(水)まで会期後半となります。初日・二日目でほぼ売り切れてしまった蕎麦猪口を、この間に追加発送いたしました。蕎麦猪口をご所望の客さまは、ぜひこの機会に足を運んでいただけると嬉しいです。

暮らし用品さんでは、ギャラリーでの個展期間終了後、オンラインショップでの販売も予定してくださっています。遠方で足を運ぶことができない、というお客さまは、こちらの機会を楽しみにしていただけると幸いです。


藤吉憲典 陶展

暮らし用品

場所:大阪市阿倍野区阪南町1-45-15
電話:06-6628-2606
会期:2025年10月25日(土)~11月5日(水)11時~18時
※木・金曜はお休み。

10月は大阪です―阿倍野の暮らし用品さんで「藤吉憲典 陶展」。