小学校の図画工作教科書コンテンツ「受けつがれてきた文様」に協力いたしました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

小学校の図画工作教科書コンテンツ「受けつがれてきた文様」に協力いたしました。

肥前磁器作家・藤吉憲典が陶芸家として独立して以来の野望!?のひとつに「学校の教科書に載る」があって、どうやらその第一弾が実現するかも、という話を書いたのは約1年前のことでした。ようやく詳細情報解禁です。

ダンナはかねがね「学校の教科書(それも、図工や美術ではなく、社会や世界史)に載るようなキャリアを残す」と言っていました。息子が小学校に上がる頃には「お父さんそのうち教科書に載るから」と、具体的な根拠はまったく無いのに言っていました。

このたび、小学校の図画工作の教科書ではありますが、どうやらその妄想が実現の形を見せました。2021年初回放送であった 『美の壺 File543 「青と白の粋 染付の器」』のなかの映像を二次使用する形で、日本文教出版株式会社が作る2024年度版小学校図画工作教科書に連動した「教科書QRコンテンツ」に入っています。

実際に使われるサンプル映像が届きました。コンテンツは「受けつがれてきた文様」というタイトル。5分ほどのなかで、着物や日本庭園や日本建築などに見られる伝統文様の解説があり、そのなかのひとつとして藤吉憲典の磁器作品がいくつか顔を出しています。青海波の蕎麦猪口、牡丹唐草の蕎麦猪口、牡丹唐草の陶箱など、が前半・中盤・後半で映ります。作家の顔は出ませんが、クレジットには、取材協力として「肥前磁器作家 藤吉憲典」と名前が入りました。

今どきの小学生の図工の時間は、紙媒体である教科書と、それを具体的なヴィジュアルイメージで確認することのできるメディアを駆使した時間になるのですね。コンテンツ制作をしたNHKエデュケーショナルのご担当者さんによれば、「児童の学びが深まるとともに、現場の教員の指導も行いやすくなります」ということでした。

子どもたちへの美術教育にほんの少しでも関わることが出来て、とても嬉しい機会となっています。教科書の、学校現場での利用は2024年度以降となります。

今年もじわじわ梅仕事。

おはようございます。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

今年もじわじわ梅仕事。

先月梅の様子を見てきたら、あと1-2週先かな、というところでしたので、6月に入ってから収穫することにしていたのでした。

今年は、わたしが収穫のスケジュールに合わなかったので、ダンナとその友人に梅摘みをお任せしました。いつも梅摘みを楽しんでくれる友人たちに心より感謝です。

桜切る馬鹿、梅切らぬバカ

という言葉がありますが、その「梅切らぬバカ」である我々の梅の木の1本は、もうずいぶんと高く伸びてしまい、いよいよ手が届かなくなってきたようです。見上げればはるか高いところに、いい感じに熟した見事な梅がたくさんついていたようですが、お手上げだったということで、手の届く高さの梅を収穫して来てくれました。木に登って怪我でもされたら困りますので、手の届く範囲で十分です。

手の届く範囲だけでも、次充分たくさんの収穫です。梅干にちょうど良いサイズの梅が、たくさん採れていました。手伝ってくれたお友だちに好きなだけ持って行ってもらい、それでも我が家用に梅干2樽は漬けれそうな量が残りましたので、大満足。

近々天気が晴れたら、仕込みようの瓶やら樽やらを一斉に洗ってお日さまに干し、梅干の仕込みをいたします。今年は梅干のみと決めているので、用意するものもシンプルでらくちん。毎年の梅仕事は、楽しいけれどそれなりに時間も手間もかかるので、手抜きできるところは手抜きします(笑)。そんなわたしの強い味方は、もう10年以上『梅ぢから』一冊です。土用干しを簡略化した「ビン干し」梅干しのつくり方をはじめ、基本的な梅仕事がひと通り載っています。

『梅ぢから』

四年ぶりのごりょんさん出動-津屋崎祇園山笠。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

四年ぶりのごりょんさん出動-津屋崎祇園山笠。

6月最初の日曜日は、山笠の「初寄り」でした。津屋崎に越してきて以来、年中行事となっていたものが、コロナ禍下で延期になってから、丸四年。ようやく「通常通りのスケジュール」での開催が決まりました。

というわけで、今年はごりょんさんも出動。初寄りにはおでんを出すということで、久しぶりに「山笠用の大鍋」を引っ張り出しました。目安は、ひとつの鍋で20杯。大鍋4つ分のおでんを用意しました。

初寄りは、ごりょんさん仕事の顔合わせと打ち合わせの日でもあり。皆近所に住んでいるとはいえ、久しぶりに顔を見るメンバーもあり、気がつけばおしゃべりに興じていました。山笠前日と当日の仕出しの準備と手順を確認。感染症対策は各山に任せられているということで、例年以上に安全・衛生管理に気を配ります。

2023年の津屋崎祇園山笠の行事日程は次の通り。

  • 7月1日(土)台おろし
  • 7月2日(日)棒がらめ
  • 7月9日(日)飾りつけ
  • 7月15日(土)くじとり、裸まいり(御宮入り6時10分から)
  • 7月16日(日)追い山(追い山開始午前9時)

7月に入ると毎週末行事があり、追い山当日に向かって気分は盛り上がります。

宮地嶽神社で、菖蒲と紫陽花♪

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宮地嶽神社で、菖蒲と紫陽花♪

昨今すっかり「光の道」でメジャーになった、福津市の宮地嶽神社。四季折々いつ行っても何かしら見どころがあります。先日ダンナが「菖蒲園はそろそろ八分咲きだよ」というので、行って参りました。青・紫・白・緑。

宮地嶽神社で、菖蒲と紫陽花

宮地嶽神社で、菖蒲と紫陽花

宮地嶽神社で、菖蒲と紫陽花

宮地嶽神社で、菖蒲と紫陽花

宮地嶽神社で、菖蒲と紫陽花

宮地嶽神社で、菖蒲と紫陽花

宮地嶽神社で、菖蒲と紫陽花

宮地嶽神社で、菖蒲と紫陽花

宮地嶽神社で、菖蒲と紫陽花

宮地嶽神社で、菖蒲と紫陽花

良いお散歩になりました。商売の神様である宮地嶽神社さんは、自らそれを実践する、とってもアグレッシブな神社。おかげさまで季節の楽しみがたくさんあり、車なら5分、自転車で15分かからず、なんなら歩いても行ける距離にあることは、嬉しく有難いことなのです。

藤吉憲典、6月は桃居さんで個展です。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

藤吉憲典、6月は桃居さんで個展です。

藤吉憲典2023年度最初の個展は、6月の桃居さんです。現在、制作も追い込み段階。窯から上がってずらっと並んだぐい呑・盃をみていると、ワクワクします。今回のテーマは「酒器100」と「書画」です。上の写真は、桃居さんが作ってくださった、個展案内状の写真。ご希望の方へのハガキDMでのご案内は、6月に入ってからになります。


藤吉憲典 陶展

桃居
2023年6月21日(水)~6月26日(月)
11:00~18:00 (最終日は17:00まで)
東京都港区西麻布2-25-13
TEL03-3797-4494

「毎回個展では新しいものを表現したいと考えています。
今回は長年嗜んでいる絵や書を、作品としてご覧いただきたいと思いました。
同じく長年作り続けている酒の器は、個展のたびに発表していますが、
今回は酒器だけで100個以上を並べようと思いつきました。
酒器と書画、楽しんでいただけると幸いです。」藤吉憲典より


桃居さんでの個展は、今年も現地会場とオンラインショップ、両方での開催となりますが、今年は現地会場でのスタートが先になります。ぜひ会場で、実物を手に取ってご覧いただけると嬉しいです。皆さまのご来場をお待ちいたしております。

藍の家で開催中の「五月人形展」を覗いてきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

藍の家で開催中の「五月人形展」を覗いてきました。

ご近所の登録有形文化財「藍の家」で毎年恒例の季節の行事を見るのは、ご近所散歩の楽しみのひとつです。四月末に前を通りかかったら、ちょうど鯉のぼりが入り口に飾られたところでした。少し前、三月のお雛様の展示も素晴らしかったです。

連休に入り、五月人形の展示がはじまりましたので、観に行って参りました。展示数こそ、それほど多くはありませんが、五月人形の展示を見る機会は、実はお雛様に比べるとずっと少ないので、貴重な機会です。

お雛様の時もそうなのですが、どうしても「道具類」に目が向きます。太鼓や弓、槍(やり)、幟(のぼり)、などの前に鎮座する粽(ちまき)と柏餅のお供えに思わずニヤリ。こういうミニチュアがたまりません。

藍の家 五月人形展

↓居並ぶ兜飾りに混じって、こんな面白いものも見つけました。これ着て、写真でも撮っていたのでしょうね。

藍の家 五月人形展

五月が来るたびに小さな鯉のぼりを嬉々として飾っていた頃を懐かしく思い出しつつ、楽しんでまいりました。

展示期間は5月1日(月)~5月10日(水)まで。津屋崎方面散策の際は、藍の家訪問おススメです。

藤吉憲典の墨絵の龍を額装してみました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

藤吉憲典の墨絵の龍を額装してみました。

写真は、藤吉憲典画の昇龍。

数年前から、額装の面白さを楽しんでいます。きっかけは、藤吉憲典が陶板作品を制作しはじめたこと。陶板作品が増えるほどに、額装の可能性を考え始め、数点試みておりました。

今年度から藤吉憲典が本格的に「作品」として発表する書画。これまでのメインである三次元(立体)の磁器作品が、ある意味それ自体で完成しているのに対し、二次元(平面)である書画作品は、飾るにあたり表装や額装を施すことが大前提となります。

額縁屋さんであーだこーだと時間を費やした甲斐あって、イメージ通り、イメージ以上の仕上がりです。作品のサイズに対して、もう少し額縁が太い方が良いだろうか、というのは、発注する段階でかなり悩んだところでしたが、この作品ではこの細さでよかったと思いました。

額装の仕方で見え方が変わるマジックは、これまでにも体感してきましたが、何度やっても面白いですね。特に書画は、今まで長年あたりまえに目にしてきた藤吉憲典の字や画に、他所行きの服を着せるというか、ドレスアップさせる楽しさがあります。あなた、きちんとした格好をしたら、こんなに見映えるのね、というような。

面白すぎて、どんどん額装したくなりました。額装や表装を含めての書画オーダーも承りますので、ぜひご相談くださいませ。会社のオフィス装飾や、移転祝い、ご自宅の引越し記念などなどなど、飾る場所に合わせて、藤吉憲典の書画と組み合わせたご提案をいたします。もちろん、ご自身で額装したい、というのもおススメです。楽しいですよ~!

南坊忌献茶会でした。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

南坊忌献茶会でした。

今年も無事、「南方流遠祖南坊宗啓禅師献茶会」に参加することが出来ました。南方流の祖である南坊宗啓禅師にあらためて感謝する機会であり、献茶のお点前を拝見できる貴重な機会であり、和尚さんから直々に『南方録』の一節をご教授いただく嬉しい機会でもあります。

コロナ禍以降、広間での薄茶だけであったお茶席は、4年ぶりに四畳半のお茶室「無声庵」を開き、お濃茶もいただくという、嬉しい回帰となりました。お濃茶は、回し飲みはまだできず、一服づつ点てられました。久しぶりの四畳半は、まず躙(にじ)り口で帯があたり「こんなに狭かったかしら!?」からスタート。草履を整え、床の間を拝見し、お道具を拝見し、席につこうと毛氈(もうせん)にきっちり並びぶと「そうそう!そうだった!」と、懐かしい密着具合。今回は9名での席でしたが、そういえばコロナ前は11名とかで入っていたなぁ、と思い出しつつ。同じ席のお正客さまが和尚様でしたので、お点前の間やお茶を頂く間にも、道具のことなどを、直々に教えていただくことが出来ました。

露地にはツツジが満開でした。青い紅葉の葉っぱもすがすがしく。午後から雨の予報でしたが、お日さまが顔を出し、帰りまでお天気が持ちました。今年も南坊忌に参加できたことに感謝です。

あと0.5秒ゆっくり。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

あと0.5秒ゆっくり。

昨日はお茶のお稽古でした。月に2回のお稽古は、自分の心身の状態に向き合う時間でもあります。前回のお稽古から、一足早く風炉になりました。季節により設えが変わり、設えが変わることにより作法が少々変わります。稽古をする者としては、作法のひとつひとつを習得しきれないままに変わってしまうことが悩ましい半面、この変化があるからこそ楽しいのだとも思います。

現在わたしがお稽古しているのは、奥点前のひとつ「袋茶碗」。基本の作法は濃茶ですが、仕覆(しふく)からお茶碗を出したり、仕覆を拝見に出したりと、付随する所作が相応に増えます。この次はこれ、その次はこれ、と、忙しい気持ちが動きに現れていたのでしょう、ひと通りのお稽古を終えた後に、見てくださっていた先生から言われたのが「あと0.5秒ゆっくり」でした。

「全体にはとっても良くできていますから、あとは、一つ一つの所作に、あと0.5秒ゆっくりかける気持ちでやってごらんなさい。そうしたら、もっとお点前が落ち着いてきれいに見えますよ」と。

とてもありがたいご助言でした。せっかちで大雑把な性格が所作に出ますね…と反省の弁を申しますと、「お茶のお稽古の時だけでなく、ふだんの生活から、一つ一つの動きに0.5秒余分に時間をかけてごらんなさい。そうすると動きが優雅になりますよ」と。お茶室でだけ意識をしても、結局は常日頃の動き方(生き方)が所作に現れるということですね。お稽古をしていていつも思うことであり、先生方から助言をいただくたびに心あたることでもあり。

50年以上生きてきての、動きや思考の癖ですから、一朝一夕には変えることはできないでしょう。ここから50年かけて、「0.5秒ゆっくり」が習慣になり、自然と所作に現れるよう、まずは意識していきたいと思います。

上の写真は、昨年のお茶会のときのもの。床の間で季節を感じるのも、お茶の楽しみのひとつです。筍シーズンですね。

足したり、引いたり。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

足したり、引いたり。

花祭窯の建物は、昭和元年(1926年)に建てられた商家。もうすぐ築100年というところです。当時栄えていた津屋崎千軒のなかにあって、商いをしているお宅ゆえの粋がちりばめられた建物です。堅実なつくりで、建築士さんが「これだけ時間が経っているのに、歪みが少ないのがすごい」とおっしゃっていました。わたしたちがここに入った11年前には、途中で入った方々が住みやすいようにリフォームした跡があちらこちらに残っていましたので、できる限り古い状態に戻す方向で「引き算」の修繕を施したのでした。

入居の際の「やや大規模な修繕」から10年以上が経ちましたが、古民家にはその維持がテーマとしてついてくるもので、常に「ここはそろそろ直さねば」のメンテナンス箇所との追いかけっこです。むやみに近代化することなく、古い状態(材料)をできる限りそのまま生かすことを心がけて…というと格好いいですが、実際には、ぜんぶ完璧に修繕するのには莫大なお金がかかる…という側面があるのも確かです。花祭窯の佐賀時代も築80年を超える古民家でしたので、「古い木造日本家屋」の不便さには慣れていて、不便だからこその良さも楽しんでいます。

ちょっとした不具合は、手先の器用なダンナが治せることもあります。なかでも一番多いのは、建具の不具合。その修正作業を見ていると、基本は表からは見えない部分での「足したり、引いたり」の微調整で解決しているようです。もちろん、根本的な解決にはならないことも多いのですが、上手に付き合っていくことが肝要かな、と。

そうはいいつつ、ご近所の古民家住まいのお友だちと会えば、日々どんな困りごとがあるか、どうやって維持する方向に考えるか、修理をどこの大工さんに頼んだか等々、おしゃべり&情報交換に花が咲く今日この頃。ご近所にそのように雑談できる人があるというのもまた、ありがたいことですね。