今年もお雛さま登場♪

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

今年もお雛さま登場♪

毎年恒例、我が家のおひなさま、藤吉憲典の「金襴手雛香合(きんらんでひなこうごう)」。立春過ぎから、出そう出そうと思いながら、今になりました。

藤吉憲典 雛香合

香合サイズのお雛様は、場所を取らず手軽に持ち運び出来、設置も片付けもあっという間なので、今どきの生活空間にぴったりだと思います。手のひらサイズの小ささながら、金彩を施した雅やかな絵付で、存在感はばっちり。長年の定番になってきたので愛着が強くなる一方で、そろそろ新しいお雛様の顔も見てみたいかも、とも思います。たくさんのオブジェを生み出してきた「現在の藤吉憲典」が作ったら、どんな雛香合になるか、考えるとワクワクします。

さておきお雛様シーズンといえば、ご近所登録有形文化財の古民家・藍の家でのお雛様展示は、楽しみな恒例行事です。近辺の旧家から譲り受けるものも毎年少なからずあるということで、新しい顔ぶれも。こちらも展示が待ち遠しい今日この頃です。

読書『豆』(家の光協会)有元葉子著

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読書『豆』(家の光協会)有元葉子著

図書館で本を借りるとき、一度にだいたい5~6冊借りるのですが、たまにそのなかに料理本が1冊入ります。今回目に留まったのが『豆』。ちょうど前日に、畑をしている友人からきれいな大豆を頂いていたので、アンテナが向いていたのでしょうね。

なんとなく表紙に既視感…と思ったら、以前に、同じ「家の光協会」から出ている有元葉子さんの『乾物』を借りていたのでした。表紙タイトルの右側に「有元葉子の和の食材」と書いてあるシリーズもの。本書では、サブタイトル的に「大豆、黒豆、白いんげん豆、白花豆、うずら豆、とら豆、青えんどう豆、そら豆、小豆、ささげ」と文字が並んでいます。

我が家でふだん料理で使う豆類の筆頭は、やはり大豆。それから黒豆、ひよこ豆、という感じです。そういえば小豆は餡子になっているものを購入するようになり、家で茹でることがすっかりなくなりました。缶詰や真空パックになった「茹でた豆」が気軽に手に入る時代、最近の個人的ヒットは「大豆・金時豆・青大豆・黒大豆」の4色を茹でて冷凍したもの。冷凍庫に常備して、手軽に豆を料理に使っています。

本書では、豆を使った料理レシピがたくさん紹介されていますが、一番最初に大豆の下ごしらえの方法が載っているのが嬉しいです。このところ「適当に水に浸けて、適当に茹でる」ことが増えていましたので、久しぶりに下茹での方法を確認することができました。「大豆はしっかり茹でないと!」と思い込んでいましたが、じゅうぶんに水に浸けておけば、茹で時間は1時間ほどでも大丈夫のようです。

素晴らしいと思ったのは、レシピだけでなく、豆についての、文字通り豆知識がちりばめてあることと、食材としての豆に対する想いが、著者の言葉で綴られていることです。大豆のページでは、「日本の代表的な豆が大豆です」とし、「もしも大豆がなかったら、おいしい和食は食べられないでしょう。」「大豆のえらさに気づいて、外国産に頼らず安心な国産大豆がもっとできることを願っています。」(『豆』(家の光協会)より)と続きます。我が家は1年に30キロ近くの味噌を作って食べる大豆立国ならぬ大豆立家なので、有元さんの言葉はとても響きました。

『豆』(家の光協会)有元葉子著

『炎芸術』153号に掲載されました。

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『炎芸術』153号に掲載されました。

2023年2月1日阿部出版さんから発刊の『炎芸術』153号 特集「染付 憧れの青」に、染付作家の一人として、藤吉憲典も取り上げていただきました。

『炎芸術』といえば、陶芸業界の有名誌。前回取り上げていただいたのは2018年冬でしたので、おおよそ4年ぶりです。長年藤吉憲典を追ってくださっている編集担当者さんに、心より感謝です。ありがとうございます。

今回の特集号、面白いな、と思ったのは、もともとは染付をやっていなかった作家さん、土ものの作家さんとして知られていた方などのお名前が、「染付作家」として何人も上がっていたこと。それはつまり「染付」そのものが、今、注目を浴びているということなのかもしれませんね。今回の特集では、実にさまざまな在り方の染付を拝見することが出来ます。わたしはふだん業界(同業者)情報をほとんど入れず、藤吉の作風もまた世間の流れとは全く関係のないところにあるため、誌面から漂うある種「ブーム」的な雰囲気に、新鮮な驚きを感じました。

ともあれ染付の魅力が、作る人、使う人どちらにもどんどん広がっていくことは、とても嬉しいことです。作り手からみれば、染付は数ある陶芸表現技法のなかのひとつ。それぞれの表現方法と考え方とが、興味深く拝見できる誌面でした。そんななか、藤吉憲典が提供したのは、祥瑞の三段重箱に、手付きの酒器(チロリ)。いずれも、古典の文様・カタチを用いながら、そのまま写したものではなく、時代をミックスさせています。なので、実は古典にありそうでなかったもの、なのですね。そのあたりの面白さも感じながらご覧いただけると幸いです。

『炎芸術』153号 特集「染付 憧れの青」 藤吉憲典

『炎芸術』153号 特集「染付 憧れの青」

読書『ヘルンとセツ』(NHK出版)田渕久美子著

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読書『ヘルンとセツ』(NHK出版)田渕久美子著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚。なんとなく手に取りました。ほんとうに、なんとなく。「ヘルンとセツ」と言われてもなにひとつピンとこず、家に帰ってページを開いて、「小泉家」「島根」「ハーン」と単語が目に入ってきてようやく、「小泉八雲」の名前に思い至りました。上の写真は我が家の近所の神社の様子ですが、ヘルン(ラフカディオ・ハーン)もこのような神社のお祭りに感動していたのだろうな、と。

江戸幕府から明治政府への激動期、歴史の表舞台には登場しない、地方の人々の様子が伝わってくる物語でした。なかでも「士農工商」の身分制度崩壊がもたらした悲喜こもごもは、わたしはこれまで深く考えたことがありませんでしたので、少なからず驚きをもって読みました。制度崩壊によって、チャンス到来と頑張る人、生きる気力をなくす人。いつの世も、民が国の政治に振り回されるのは「仕方がない」ことなのかもしれませんが、やはり近現代における「明治維新」と「第二次世界大戦敗戦」による価値観の大転換は、あまりにも厳しい現実だったのでは、という思いをあらたにしました。

それにしても、西欧化に突き進む日本に対する、ハーンの諭すセリフの数々が刺さりました。今の時代に生きる我々に必要な視点が、そこにあると感じました。特に「日本は神道と仏教が喧嘩もせず、仲良く並び立てる国です。一方、欧米はひとつの神だけが正しいのだと言い張る国であり、そこには、個人主義がはびこります。自分さえ良ければいい、自分の国だけが大きくなればいい、そうした考え方を招きます」(『ヘルンとセツ』より)のセリフは、考えさせられました。

実は、読み終わって初めて著者名を確認しました。田渕久美子さんって聞いたことがあるなぁ…と、著者プロフィールを拝見して納得。NHK大河ドラマ『篤姫』『江』をはじめ、脚本家として有名な方でした。著作もたくさんあるのですね。『ヘルンとセツ』面白くてサクッと読了しましたので、ほかの著書も読んでみようかな、と思います。

本書を通して描かれる島根出雲の地が、とても魅力的に思えました。わたしは島根は津和野あたりにしか足を運んだことがありませんが、ずっと行ってみたいと思っている足立美術館もあることですし、ゆっくり滞在の旅を計画したいところです。

ヘルンとセツ』(NHK出版)田渕久美子著

久しぶりのお茶のお稽古で、気分晴々。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

久しぶりのお茶のお稽古で、気分晴々。

約2か月ぶりにお稽古に参加して参りました。12月は外せない仕事のスケジュールが稽古日に重なり、1月は初釜茶会には参加したものの、稽古日は暴風雪により博多に出れずと、すっかりご無沙汰してしまいました。

穏やかなお天気となった昨日は、お稽古の開始時間に合わせてお茶室に入りました。既に何人もの方がお見えになっていたので、まずは皆さんのお点前を拝見。ちょうどわたしと同じお点前をなさっている方がいらっしゃったので、拝見しつつ復習です。

現在わたしがお稽古をしているのは、奥点前のひとつ「盆点て」。ひとつのお点前を1年間通してお稽古することで身に着けていきます。コロナ禍下でのお稽古お休み期間を経て、盆点てのお稽古を再開してから、この春で一年になります。が、未だ「身に付いた」という感覚とは程遠く。進んでは戻り、の繰り返しです。

そんなわたしに呆れた顔もせず、淡々と稽古をつけてくださる先生方には、ほんとうに頭が下がる思いです。そして、炉の前に座り、ひとつひとつの所作を確認しながらお点前をしていくと、それが間違えながらではあっても、終わったときにはとてもすっきりとした気持ちになるのですから、ほんとうに不思議です。

思うに、一つ一つの所作に集中するときには、日頃常に頭の片隅にある仕事のこともすっかり吹き飛んでいるのが、良いのだと思います。間違えながらやっていても、「今のこの動作」に集中できているときは、大丈夫なのですね。同じようなミスでも、集中できていないときには、即座に先生から「心ここにあらず」と声が飛んできます。

そんなわけで、久しぶりのお稽古で、頭の中がすっきりとリフレッシュ。やっぱりお茶は良いですね♪

今年も波折神社で豆まき神事♪

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今年も波折神社で豆まき神事♪

節分の豆まきは、年中行事のなかでも特にワクワクするもののひとつ。我が家では毎年家中豆だらけにしています。ここ津屋崎に越してきてからは、我が家での豆まきに加えて、氏神様波折神社での豆まきに参加するのが楽しみな恒例行事。今年も行って参りました!

コロナ禍前までは、近所の保育園の園児たちが集まったり、小学生が地域学習の一環で参加したりと、賑やかでした。今年は保育園や小学校には、神社から出前することにしたそうで、境内はちょっぴり寂しく。来年あたりには、コロナ前のやり方に復活できるといいね、とご近所さんとおしゃべりしつつ、開始を待ちました。

まずは本殿で、年男年女の皆さんにお祓いの祝詞が挙げられました。本殿前のわたしたちにも、神主さんが榊を持ってきてくださいましたので、頭を下げてお祓いを受けます。神事が終わるといよいよ豆まき。今年は集まった人数もちょっと少ないなぁ、と思っていましたが、いざ豆まきがはじまると、境内は一気に活気づきました。

藤吉家代表として参加したので、家族の人数分は頑張って確保せねば!と臨みました。豆を投げるのは神主さんと氏子総代の方々と、年男年女の皆さん。知った顔を見つけては「○○さん!こっちこっち!」と声かけです。遠くに近くに、正面に側面に、まんべんなく撒くのもたいへんそうです。飛んでいるものをキャッチしたり、落下したものを拾ったり、おかげさまでなんとか家族分を確保することが出来ました。

豆まきが終われば立春。気持ちは春に向かいます。

古い片口鉢を花器に、白梅が咲きました。

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古い片口鉢を花器に、白梅が咲きました。

お正月用にと佐賀花祭から採ってきた白梅。お正月飾りはとっくに片付けたのですが、活けた枝ものが元気だったので、そのまま玄関周りに飾っておりました。昨年末に活けたときにはまだ固く緑色だったつぼみが、少しづつ膨らんで白い花弁が見えてきたかと思ったら、ここ数日の寒の緩みで、花開きました。

白梅

花器に使っている唐津の片口鉢は、作り手知らずですが、ぽってりとした姿が愛らしく、口が欠けたからと捨てようとなさっていたご近所さんから譲っていただいたもの。昭和初期辺りのものではないかと思います。計量カップとして活躍したのであろうことがイメージできる姿。姿の良い器は、食器としては使えなくなっても、なかに剣山を仕込めば、花器として大活躍してくれます。

欠けた部分の直しは、食器として使い続けるには、それなりに配慮したもの、やはり本漆できちんと直すのが一番安心です。けれども花器として使うのならば、食器ほどには神経を使わずとも、ホームセンターなどで手に入れることのできる「磁器用の接着剤」を使って補修することも可能です。本格的に直そうと思えば、それなりに費用も手間も時間も掛かりますが、このあたりうまく使い分け、役割を変えることで、お気に入りの器を身近に置いて使い続けることが出来ますね。

蕎麦猪口全種類撮り直し。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

蕎麦猪口全種類撮り直し。

現在、オンラインショップ「花祭窯 蕎麦猪口倶楽部」でご紹介中の蕎麦猪口。1997年に窯を開いてからこれまでにダンナ・藤吉憲典が手がけた文様は170種を超えます。

蕎麦猪口倶楽部 https://hanamatsurigama.com/

昨年から、蕎麦猪口全種類をあらためて見直し、写真に撮り直すプロジェクトを進めています。25年の間に生まれた蕎麦猪口のなかには、途中、作家の考えで「これはもう一度デザインし直そう」となったものも少なからず。そんな変遷も経ての、現在の「藤吉憲典が作る蕎麦猪口」の顔ぶれを一覧できるように「作り、撮る」プロジェクトです。あ、写真はプロにお願いしましたので、正確には「撮ってもらう」ですね。

嬉しいのは、これまでその場その場の必要に応じて自力で撮ってきた蕎麦猪口の商品写真を、まとめて撮り直していただいていること。蕎麦猪口のご紹介をスタートしたころは、何枚撮ってもうまくいかず、ものすごく時間がかかっていたのでした。そして、時間をかけたからといって、完璧な写真が撮れたわけではなく。今回ようやくすべての顔ぶれを、プロの手による揃った美しい画像でご覧いただけるようになることは、わたしにとってひとつの夢が叶う喜びそのものです。

すべての蕎麦猪口の写真を差し替えるには、また少し時間がかかりますが、アップ完了次第、あらためてお知らせいたします。蕎麦猪口ファンの皆さま、どうぞお楽しみになさってくださいね。

企画展『新原・奴山古墳群と集落』を観てきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

企画展『新原・奴山古墳群と集落』を観てきました。

福津市のカメリアステージ歴史資料館には、世界遺産登録された新原奴山古墳群に関する展示室があります。コンパクトながら重要な遺物等を展示するための基準を満たす特別展示室がふたつ、その周りに回廊になっている展示スペース、そして机と椅子が備わり閲覧可能な書籍資料の部屋。図書館が2階にあるので、その行き帰りに覗くのに最適です。

展示スペースは広くはないけれど、所蔵している資料はたくさんあり、ときどきこのような企画展で展示解説をしてくださいます。

↓こちらは昨年度の「新原・奴山古墳群」関連の企画展↓

今回の展示では、「住」に焦点を当てられていました。個人的に気になったのは「カマド」。住居内にカマド跡がある「カマド付き竪穴住居」は、5世紀ごろに朝鮮半島からの渡来人によって、ここ宗像エリアに伝わったとされています。住居内に台所があって、そこで煮炊きしたものを食べる…一気に当時の生活が身近に感じられてきます。

可愛らしい「手づくね土器」の数々も目に留まりました。祭祀用に作られたと考えられるミニチュア土器。徳利とぐい呑でしょう、手で粘土をこねて作った感じがダイレクトに伝わってくる土器の姿は、素朴でほのぼのとしていました。古来、酒器は祭祀に欠かせない大切な道具であったことが、あらためて伝わってきます。

それにしても、古墳と集落の分布図を見るたびに、この地域にどれだけたくさんの人々が生活していたのだろうと、なんだか壮大な気持ちになります。須恵器の窯跡が、確認されているだけでも60基以上あるというのも、あらためて興味深く。

こうして企画展を拝見することで、自分たちの住む地域の歴史を振り返る機会があることは、とても嬉しいことです。遠方の博物館等にわざわざ足を運ぶというのではなく、住んでいる場所で、生活の一部になっている文化施設で、観ることが出来るのは、ほんとうにありがたいことです。

令和4年度福津市複合文化センター歴史資料館 企画展『新原・奴山古墳群と集落』は、令和5年1月5日(木)~2月27日(月)(火曜日・最終水曜日は休館)です。

津屋崎古墳群。
495号線沿いに現れる、津屋崎古墳群。

卯年睦月の花祭窯の庭。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

卯年睦月の花祭窯の庭。

このところ曇りがちの日が続いていましたので、少しでもお日さまがのぞくとすっかり嬉しくなります。花祭窯の小さな露地には、メジロやヒヨドリが騒がしく飛んでくる季節となりました。この季節、庭に色を添えてくれるのはサザンカの濃いピンク色。そろそろ散り始めでもあり、地面もまた華やかです。

サザンカ

先月に比べると、やや色艶が落ち着いてきた感のあるサザンカ。それでもさすがの存在感です。

ひと月前にはまだ色のついていなかった蕾が色づいてきたジンチョウゲ。

お友だちからいただいたパンジーは、これからが楽しみです。

南天の赤い実も、残すところこの一枝。

スノーフレークの新芽がどんどん伸びてきました。

寒さはこれから本番を迎えますが、草花に励まされつつ春待ちの今日この頃です。