思わぬところから、お題。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

思わぬところから、お題。

創作のヒントはどこに転がっているかわからないものですね。ほんとうに、思わぬところから、絶妙なタイミングでお題が降ってきました。

実際のところ、客観的に面白そうと思えるお題が降ってきても、作家本人・藤吉憲典が「面白そう!やってみたい!」と思わなければ決して「かたち」にならないので、これはまさにタイミングです。

昨年から藤吉憲典が積極的に制作をはじめた「陶板レリーフ」。磁器彫塑による半立体に彩色での表現というのは、誰にでもできるものではなく、技術とセンスが最大限に発揮できる土俵です。これまでに、人魚シリーズやシマウマシリーズの作品ができていますが、ここに「歌舞伎」というお題が降ってきました。

上の写真は、さっそくの第一作目。ひとつ作ると「甘いところ=ここをこうすればもっと良くなる」が見えてくるそうで、ここから先の展開が待ち遠しいところです。どうぞお楽しみに!

豆まき!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

豆まき!

2月3日は豆まきの日。ここ津屋崎では、地元の波折神社で毎年節分祭が行われています。曜日に関わらず2月3日開催。必然的に「その時、地元にいる人」が参加者になります。他所から来る人はほとんどなく、見たことのある顔ばかりであるのが嬉しい、地域に根付いたお祭りです。

境内はそれほど広くはないものの、豆を投げるのは人の手によるため遠投には限度があり(笑)必然的に皆が前へ前へと詰め寄せます。毎年、いざ始まると少々危険を感じることもあるので、今年は脇に除けてみたところ、運良く福豆をゲットすることができました。

鬼は外、福は内。神社の節分祭を楽しんだ後は、我が家での豆まき。家の内外が豆だらけになり、翌日の掃除はたいへんですが、これだけは譲れません。何日もあとに、思わぬところから大豆が出てくるのはご愛敬。恵方巻もイワシの丸かじりも無しですが、豆まきで祝う節分です。

アートイベント「買える、若冲」に行って参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

アートイベント「買える、若冲」に行って参りました。

東京青山のB&B Italia Tokyoで開催された、伊藤若冲の水墨画掛け軸特別販売会に足を運んでまいりました。このイベントで販売を担当なさったインポートインテリアDONO(ドーノ)オーナー上田桐子さんからお話を聞き、ぜひ自分の目で見たい!と思っての訪問でした。

アートイベント「買える、若冲」

今回のイベントは、creative design officeの鬼澤孝史さん、DONOの上田桐子さん、場所提供のB&B Italia Tokyoさん、古美術商さんなどの協力により実現したそうです。

「イタリア家具ショールーム」という場所での展示は、「現代の生活空間にアートがどうフィットするか」のイメージを膨らませるのに、とても良かったです。ソファに腰かけ、ふと目線を挙げたときに視界に入る水墨画の高さがちょうどよく、思わずニヤリ。隣の部屋に進む角の踊り場的小スペースに、縦長の掛け軸の存在感を感じ、ニヤリ。

「掛け軸=床の間」の固定観念は、日本人特有のものかもしれません。掛け軸もまたひとつの絵画だと思いだせば、あらゆる壁面が装飾のステージになり得ます。そんな、シンプルで本質的なことを、視覚的・体感的に理解させてくれるアートイベントでした。

桐子さんが提唱する「インテリア・アート」の考え方は、花祭窯創業以来わたしがずっとモヤモヤと思っていたことに重なります。すなわち「必需品ではないけれど、それが側にあることで嬉しくなる(豊かな気持ちになる)もの」の意味。生活のなかにあってこそのアートの意味・価値を楽しむ方々が、どんどん増えたらいいな、と思っています。

今回のイベントを皮切りに「日本文化を日々の暮らしに採り入れる」提案をますます展開して行かれるようです。どんなイベントが飛び出すか、これからもとっても楽しみです。

お茶と着物。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

お茶と着物。

昨日はお茶のお稽古日でした。朝からバタバタと着物を着てお出かけ。今でこそ30分ほどでなんとか着ることができるようになりましたが、最初のころは1時間半かかっておりました。

それまでの人生で着物を着たのは、大学の卒業式で袴をはいたぐらい。茶道を習いはじめなければ、着物にさほど興味もわかず、着る機会なんてほとんどなかったはずですから、不思議なものです。

着付け教室には何回か通ったものの、家で一人で着るとなると、お教室でのようには行かないものですね。わたしにとっては一番の練習は「自分で実際に着て出かける」ことで、恥をかきながら、少しづつ覚えていっています。一人で着るときの強い味方は、YouTubeの着付け動画。帯の締め方動画もいろいろとあって、ありがたい限りです。

わたしが恵まれているのは、お茶会やお稽古に来て行けば、おかしいところを直してくださる先生や仲間が居てくれること。ささっとその場で直してくれたり、次着るときはどこに気を付けたらよいかをアドバイスしてくれて、いつも助けられています。

それでも、習っても習っても亀の歩みです。何回も同じところを直してもらい、汗をかきながら、ちょっとづつはマシになっているはずと自らを励ましつつ…これって、お茶のお点前と一緒です。お茶も着物も、こんなわたしでも呆れずに教えてくださる皆さんに、心より感謝です。

絵描きになりたい!の夢。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

絵描きになりたい!の夢。

昨日のブログでお伝えした、上海での「日本現代陶芸の逸品鑑賞体験会」の続き。現地スタッフさんが、藤吉憲典在廊当日の様子を伝えてくださいました。

作家来場ということで、急遽開催されたアーティストトークや描画のデモンストレーション。事前告知をしていなかったにも関わらず、たくさんのお客さまが集まってくださいました。

アーティストトークでの作品解説。景徳鎮の勉強をしているという学生さんから、熱心な質問があり、大いに盛り上がったとか。

会場の大パネルの前で、記念撮影タイム。「この歳にしてモテ期が来た!」と大笑いしていたそうです。

そして、この写真を見たとき「作家が行った甲斐があったなぁ!」とつくづく思いました。聞けばこの男の子は将来画家になりたいそうで、毎日絵ばかり描いているとか。描画のデモンストレーションのあいだ、ずっと隣に張り付いて見ていたそうです。スタッフの方が「触らないようにね」「もう少し離れてね」と何度言っても、かぶりつき。

現在は陶芸術家の藤吉憲典、幼少期のころから「自分は絵描きになる」と決めていたそうです。そして今、やきものの上に絵を描いているわけですから、そういう大人の姿をこの男の子に見せることができたのは、とても良かったなぁ、と。機会をくださった銀座黒田陶苑さんに感謝です!

日本現代陶芸の逸品鑑賞体験会。

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日本現代陶芸の逸品鑑賞体験会。

いつもお世話になっている銀座黒田陶苑さんによる、初の上海イベント。2019年11月下旬にスタートしていましたが、このたびダンナ・藤吉憲典も顔を出してまいりました。上の写真は、今企画のパンフレット。展示の趣旨と、各作家の特長がとても丁寧に説明されています。

出品している13名の作家さんの作品の顔ぶれを拝見すると、パンフレットの紹介文に「独特の個性と独自風格」とあるとおり、存在感のある器ばかりです。そのなかの一人として藤吉憲典を取り上げていただいたことを、とても嬉しく思います。

作家来場ということで、急遽開催されたアーティストトークや描画のデモンストレーション。事前告知がなかったにも関わらず、たくさんのお客さまが集まってくださって、ダンナ曰く「あんまり人が多いから緊張して胃が痛くなった」と(笑)

上海での展示は個展を含め三回目。今回も、熱心に作家の話に耳を傾け作品をご覧になるお客さまに出会えたと、喜んでおりました。歴史的に中国から多くを学んできた日本のやきもの文化。上海の方々が日本のやきもの文化に興味を持ってくださることは、その担い手としてとても嬉しいことなのです。

「芸術と日常生活の高度な融合」である日本現代陶芸。上海にお住まいの方、訪問の機会のある方は、ぜひのぞいてみませんか。会期は2020年2月16日までです。

2020南方流初釜。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2020南方流初釜。

初釜に出かけると「今年も始まった」という気持ちになります。毎年初釜は、和尚さまが亭主として、入門者を迎えてくださいます。和尚様の美しいお点前を間近に観ることのできる貴重な機会です。

今年の初釜は六席。一日に六席の亭主を務めるというのは、並大抵のことではないと思います。それでも毎年続けてくださるありがたさ。せめてわたしたちにできることと言えば、前日準備のお掃除と、当日のお茶席の水屋やお食事の台所仕事を手伝うこと。

当日朝は小雨がぱらついていましたが、お茶席に入るころには上がり、露路からの席入りができました。お正月らしい軸やお花、華美でなく品のあるお道具。お茶をいただきながら拝聴する和尚様のお話。礼を守りながらも寛いだ席で、とても幸せな気持ちになる初釜でした。

毎年初釜でいただく色紙には、今年は「相逢相不識 共語不知名(相逢うて相識らず 共に語りて名を知らず)」とありました。出会った相手を大切にすることを説いた、一期一会に通じる教えです。

今年も一年、禅茶道に精進いたします。

味噌、寒仕込み。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

味噌、寒仕込み。

なんてタイトルにすると、なんだか通っぽいですが、この季節にお味噌を仕込めるのは数年ぶりです。それも「あとは混ぜるだけ」の「味噌仕込みセット」 という強い味方が現れたからこそなせる技。

大豆を茹でるところから、というのは理想ではあるものの、ここ数年はそのための時間と労力を確保するのが、ついつい後回しになっています。麹屋さんが持ってきてくださる材料を、自分の手で樽に詰め替えるだけで「我が家の味」が出来上がるのですから、なんともありがたい限りです。

つい先日、将来の進路についておしゃべりをしていた息子が「一人暮らしを始めたら、味噌と梅干はうちから送ってくれる?」と言いました。梅干もまた、ほぼ毎年我が家で漬けているもの。こうなると、ますます仕込みのモチベーションが上がります。彼としては、自炊にかかる費用を少しでも抑えたいから、という理由でしたが(笑)。

1月から3月頃に仕込むお味噌を「寒仕込み」というそうです。季節が暖かくなるのと一緒に熟成が進み、夏を越したころ食べごろを迎えると。ということは、9月頃。我が家の味噌の減り具合を考えると、どうやらその前に樽の蓋を開けることになりそうです。

2020書き初め。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2020書き初め。

今年のわたしの書き初めは「行雲流水(こううんりゅうすい)」。禅の言葉のひとつです。執着をなくし、空を行く雲のように、川を流れる水のように、淡々と自然に任せること。カタチにとらわれず、自然に任せて柔軟に変化していくこと。

歳を重ねるごとに、自分でコントロールしようとしてもどうにもならないことも少なくないと、わかってきました。また、エネルギーを費やして取り組んだ結果と、自然の成り行きに任せて見守った結果が大差無い、なんてことも往々にあると、経験してきています。

自身を省みたとき、それでもなんとかしようとジタバタしてしまうのは、性格的に仕方の無いこと。でも、「行雲流水」の言葉を心のどこかに留めておいたら、同じ状況にあっても少しは肩の力を抜くことができたり、天命を待つ心境に至ることができるかもしれないな、と思います。

行雲流水のごときしなやかさとは程遠い生き方をしていますが、それもまた良しと認めつつ(笑)

今年の〆の書道部は。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

今年の〆の書道部は。

時節柄、年賀状の文字のお稽古。写真はダンナによるお手本。こんな風にさらっと書けるようになったら、どんなにいいでしょう。でもその裏に膨大な書の稽古時間があったことを思えば、軽々しく「羨ましい」などとは口にできません。

いくつかいろいろ書いてみて、「しんにょう」や「ころもへん」がバランス良くかけないことを再確認。そうすると「賀正」とか「正月」とか「元旦」の文字の方がよさそうね、などと思いつつ、今回は「賀正」を練習。

いつもは筆を持って書いていますが、年賀状に備えて「筆ペン」を使ってみました。筆ペンもまた、持ち慣れないとうまくコントロールすることができません。「手の運動神経」という言葉が頭をよぎります。四苦八苦しながら得た結論は「これからは『マイ筆ペン』を持ち歩こう」ということ。前々から言われていたことなのですが。

さっそく、自分へのクリスマスプレゼントに筆ペンを買ってきます。