花祭窯の12月師走(しわす)の庭。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の12月師走(しわす)の庭。

先日ラジオを聞いていて、番組進行をしている若い女性のパーソナリティの「『しわす』って言葉、聞いたことありませんでした!」の発言に驚きました。そうか、そうなのか、と、ジェネレーションギャップにおののきつつ。

先月までツボミだった花たちが、次々に開いてきた12月です。ツワブキの黄色はやっぱり明るくていいですね。

サザンカも、ひとつ咲いたら次々と。これから長く楽しめるはずです。

南天の実もしっかり色づいてきました。この景色を見ると、年内には佐賀に行って、少しは庭の手入れをせねば!と感じます。

津屋崎千軒・藍の家で開催中の「津屋崎人形今昔展 SINCE 1777」を見て参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

津屋崎千軒・藍の家で開催中の「津屋崎人形今昔展 SINCE 1777」を見て参りました。

ご近所の国登録有形文化財・藍の家で開催中の「津屋崎人形今昔展 SINCE 1777 江戸時代から受け継がれた人形たちに会う日」を見に行ってきました。

津屋崎人形は江戸時代からここ津屋崎に伝わる工芸品。つくりとしては博多人形とほぼ同じで、この手の土人形は全国各地にあるようですが、受け継がれてくる中で、土地の風土やそれぞれの人形工房の個性が加わって、津屋崎人形ならではの面白さがにじみ出ている工芸品だと思います。

今では最後の一軒となってしまった「筑前津屋崎人形巧房」さん。当代=7代目の原田誠さんには、ご近所であることもあり、地域活動やら商工会活動やらでも、たいへんお世話になっています。

津屋崎人形今昔展 SINCE 1777

近年は、全国規模のショップとのコラボレーションで、一躍全国区のご活躍。この柔軟性が、継承の秘訣なのだろうなと思います。色を塗る作業はすべて手作業なので、とても時間がかかり、たくさん作るのはたいへんです。MUJI(無印良品)さんとのコラボでは「家族総出でやっても終わらない!」とおっしゃっていました。

津屋崎人形今昔展 SINCE 1777

個人的に一番今回目を引いたのは、このミニチュアドールハウス。素晴らしかったです。一代前は、このような店構えでなさっていたとのこと。

津屋崎人形今昔展 SINCE 1777

上からのぞくと、仕事場には絵具をはじめとした道具類が並んでいるのがわかります。

津屋崎人形今昔展 SINCE 1777

津屋崎千軒・藍の家で開催中の「津屋崎人形今昔展 SINCE 1777」は、2024年12月7日(土)まで。福津・津屋崎方面にお越しの際はぜひご覧くださいませ。

南青山・百福さんのオンラインショップで、藤吉憲典の器を掲載中です。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

南青山・百福さんのオンラインショップで、藤吉憲典の器を掲載中です。

南青山・百福さんでの藤吉憲典展は、11月15日(金)無事最終日を迎えました。

初日・二日目と在廊したダンナ・藤吉憲典。今回もたくさんのお客さまにお会いできたと、喜んでおりました。個展期間中ご来場・お買い上げくださいました皆さま、ほんとうにありがとうございました。

そして、個展終了後の現在、百福さんのオンラインショップでは、藤吉憲典の作品を一部ご紹介中です。11月末までの掲載予定です。

百福オンラインショップ

個展に足を運べなかった、という皆さま、ぜひこの機会にご覧くださいませ。

BASE GALLERY HAKATAがオープン―博多御供所町に素敵なアートギャラリーが登場。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

BASE GALLERY HAKATAがオープン―博多御供所町に素敵なアートギャラリーが登場。

博多御供所町は、最近は「博多旧市街地」と呼ばれて、毎年11月のライトアップイベントでも恒例の人気のエリアとなりつつあります。日本に茶をもたらした栄西禅師が開祖となる日本初の禅寺・聖福寺を中心に、周囲にはたくさんのお寺があります。わたしがお茶を習っている南方流の円覚寺は、聖福寺さんの塔頭であり、毎年九月に行われる栄西禅師の法要には、円覚寺の和尚様が献茶を差し上げています。上の写真は、聖福寺さん。

そのような、わたしにとって馴染みの深い場所に、この11月アートギャラリーがオープンしたと知り、さっそくお茶のお稽古帰りに寄ってみました。

BASE GALLERY HAKATAさん。タイミングよく、オーナーさんが在廊しておられ、お話を伺うことが出来ました。もともと東京で40年続くギャラリーで、二店目を出すのは必ずこの御供所町と決めておられたそうです。現在は、東京と博多を行ったり来たりしていらっしゃるとか。この地にギャラリーを開いた経緯や、ビル正面に入るお茶やさんとカフェについての情報など、気さくに教えてくださいました。落ち着いた物腰のなかに強い意志が感じられるお話に、ここから博多のアートシーンが動き出すかもしれないと期待が高まりました。

ギャラリーの入っている「グラムビル御供所町」は、道路に面してはお茶とお干菓子のお店「SABOE HAKATA」が入り、その脇を奥に進んでいくと、BASE GALLERY HAKATAの入り口があります。うなぎの寝床=町家の建っていた奥に深い立地を生かしたギャラリー空間は、半地下から一階部分を吹き抜けにした天井の高いつくりになっており、スペースはさほど広くはありませんが、縦に開放的な空間がとても贅沢です。静謐な空気に満ちていました。

自分の行動範囲のエリアに、このような素敵な場所が出来たことが、嬉しくてたまりません。聖福寺さんからすぐの場所=南方流円覚寺からもすぐなので、しょっちゅう足が向きそうです。福岡市内は、天神から向こうの赤坂・大名エリアにアートギャラリーが多いのですが、博多のこの場所に開いてくださったことが、ほんとうにありがたいです。「人間の価値の基礎(ベース)をつくるようなアート」を追及するというギャラリーコンセプトにも深く共感します。

現在、BASE GALLERY HAKATAでは、開廊記念展「静寂の形」を開催中。興味のある方は、ぜひ覗いてみてくださいね!

11月は実山忌の献茶式とお茶会―利休七則を読み直してみました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

11月は実山忌の献茶式とお茶会―利休七則を読み直してみました。

明日が「南方流々祖実山居士献茶式」で、本日はその準備のお掃除でした。南方流を継承する円覚寺に伝承される『南方録』が南方流茶道の根本であり、千利休、南坊宗啓、立花実山の三名の存在があって、『南方録』が出来上がっているのだと解釈しています。その一人、立花実山を祀る茶会は毎秋十一月。

つい先日、来年の手帳を手に入れました。新年の手帳を手に入れてわたしが最初にする作業に、「決まり事」を書き込む作業があります。自分が大切にしていきたいと思うことなどを、手帳の後ろのページに書き込んでおくのです。ことあるごとに、あるいはふと気が向いたときに、読み直すことができるように、という存在です。ときどき役目がお終いになるものや、新たに追加されるものもありますが、内容の多くは長年変わりません。「利休七則」は、ここ10年以上変わらずに手帳に書きこんでいるもののひとつです。

  • 茶は服の良きように点て
  • 炭は湯の沸くように置き
  • 夏は涼しく冬は暖かに
  • 花は野にあるように生け
  • 刻限は早めに
  • 降らずとも雨の用意
  • 相客に心せよ

七則のひとつひとつは、実にシンプル。どれも「さすが利休!」と感嘆する内容というよりは、一見「あたりまえの心がけ」と言えそうです。が、その「あたりまえ」をあたりまえに貫くことが、いかに難しいかを示唆しているところが、さすが利休なのだろうなぁと思います。これらがお茶事に限らず、ふだんの生活や仕事のなかでも、同じように言い換えることができるのも、魅力です。

11月立冬はお茶のお正月―お茶室は風炉から炉へと変わります。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

11月立冬はお茶のお正月―お茶室は風炉から炉へと変わります。

昨日はお茶のお稽古でした。お茶室に入るや、ん?何か景色が違うぞ…と感じました。その正体は、釜の位置。11月はお茶のお正月とも言われ、風炉から炉へと変わります。今年は秋になっても気温の高い日が続きましたので、ああ、もうそんな季節かと思いつつ。設えが変わると、なんとなく背筋も伸びるので、不思議です。

引き続き、奥点前の「天目」をお稽古しています。釜の位置が変わり、棚の種類が変わり、また一からのお稽古です。基本的な動きは同じといわれても、やはり戸惑ってしまい、恐る恐るのお点前になるのが、我ながら滑稽で可笑しく。「自然と体が動く」の境地には程遠いことを、毎度突き付けられます。

14時からスタートしたお稽古、わたしと同じ天目の奥点前をなさる同門の友人のお稽古を拝見し、続いては自分のお稽古です。這う這うの体でお稽古をつけていただいた後は、先生がまた同じお点前を目の前で見せてくださいました。見て予習し、実践して学び、また見て復習し、という、贅沢なお稽古。三人のお点前が終わったときには、間もなく17時というところでした。一席に1時間近くをかけているということですね。

何年もお稽古を続けていて今更ではありますが、あらためて、一服のお茶を差し上げるのに、お片付けを含めてとはいえ一時間かけるというのは、なんと贅沢なことだろうと思いました。ふだんの生活や仕事のなかで、こんなにゆっくりと一つのことに時間をかける機会は、そうそう無いように思います。変化のスピードの速い現代だからこそ、このゆっくり流れる時間は貴重だなぁと、あらためて思ったお稽古でした。

花祭窯でお抹茶

南青山・百福さんでの藤吉憲典展、スタートしました!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

南青山・百福さんでの藤吉憲典展、スタートしました!

11月9日初日を迎えました、百福さんでの藤吉憲典展。初日、二日目と作家在廊で、ダンナ・藤吉憲典は百福さんにおじゃましておりました。たくさんのお客さまにお会いすることが出来たようで、たいへん喜んでおりました。ご来場・お買い上げくださいました皆さま、誠にありがとうございました。

百福さんのオーナー・田辺さんは、写真や動画を撮るのがとても上手でいらっしゃいます。Instagramで個展会場の様子を拝見しながら「おおー!」と思わず声が出ました。

百福さんの公式インスタグラム

2日目時点で、蕎麦猪口は早くも残り少なくなっていたようですが、酒器や大鉢、お正月に最適の赤絵の器など、まだご覧いただくことが出来そうです。

会期は11月15日(金)まで。ぜひご高覧下さい!


百福 momofuku

藤吉憲典展(磁)

2024年11月9日(土)-11月15日(金)※会期中無休

12:00-18:00(最終日は17:00まで)

東京都港区南青山2-11-6-1F

TEL03-6447-0952

https://www.momofuku.jp

南青山百福 藤吉憲典展
南青山百福 藤吉憲典展

キンモクセイが香ってきました―花祭窯の10月神無月(かんなづき)の庭。

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キンモクセイが香ってきました―花祭窯の10月神無月(かんなづき)の庭。

先月のヒガンバナもそうでしたが、今年の秋は、季節の移り変わりが少しゆっくりめのようです。

いつもは10月中旬頃のキンモクセイも、下旬になって香ってきました。香りで開花を知らせてくれるのが、毎年の楽しみです。木に近づいてみたら、花は少なかったものの、可愛らしく咲いておりました。

キンモクセイ

南天の実はそろそろ色づいてきました。こちらは例年通りかもしれません。

南天

紫のつぶつぶは、先月より色が濃くなって、実も増えてきました。

花祭窯の庭

ミズヒキソウも庭のあちらこちらから伸びてきています。紅白あったはずが、いつのまにか紅だけになってしまいましたが、可愛らしく。

ミズヒキソウ

そして見応えのあるザクロ、今年はずいぶん大きく育ってきました。そろそろ割れそうです。

柘榴

なかなか楽しい彩の庭です^^

DM到着―11月は東京南青山の百福 momofukuさんで「藤吉憲典 展」です。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

DM到着―11月は東京南青山の百福 momofukuさんで「藤吉憲典 展」です。

11月は東京南青山の百福さんで個展です。ダンナ・藤吉憲典は、ただいま制作ラストスパート中。


百福 momofuku

藤吉憲典展(磁)

2024年11月9日(土)-11月15日(金)※会期中無休

12:00-18:00(最終日は17:00まで)

東京都港区南青山2-11-6-1F

TEL03-6447-0952

https://www.momofuku.jp

南青山百福 藤吉憲典展

南青山百福 藤吉憲典展

百福さんでの個展では、ご飯茶碗などふだん使いの器を中心にご覧いただける予定です。どうぞお楽しみに!

今年も無事に参加、精進して参りました―香椎宮での献茶式と報恩寺での野点茶会。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

今年も無事に参加、精進して参りました―香椎宮での献茶式と報恩寺での野点茶会。

人の人生に例えれば喜寿(77歳)すなわち77回目を迎えたという今年の香椎宮での献茶式。前日の準備から、楽しく充実した二日間となりました。お茶会当日がとても暑かったので、着物を着ての動きがたいへんでしたが、心配した雨には降られることなく、良かったです。

茶道南方流のお茶会は、お茶会前日の準備から始まります。準備への参加は任意で、そのとき時間を取れる人が、出来る範囲で準備をお手伝いする、というのが大原則です。お仕事やらさまざまな用事で準備に参加できなくても、お互い様ですので、まったく問題ありません。わたしができる限り準備から参加したいと思うのは、準備のなかで学ぶことがとても大きいから。お稽古の曜日や時間帯が異なって、なかなか顔を合わせることのない皆さまもいらっしゃいますので、お茶会と前日準備は、そうした方々にお会いできる貴重な機会でもあります。

入門以来ずっと年に5回お茶会があるので、わたしのなかで毎年の決まりごとのようになっています。毎年10月の香椎宮献茶式と報恩寺での野点茶会は、「お茶会の場を作るとこから始まる」という意味で、特に学びの大きい機会です。例えば、野点用の釜を吊り下げるための竹を山から切り出し、炉として地面に穴を掘るところから行う。そんなことを毎年やっている流派は、なかなか他には無いのではないでしょうか。

今回わたしは、前日準備でまず午前中は、お献茶のお点前に使う「棚」を磨く仕事を仰せつかりました。無垢の白木を乾いた布で黙々と磨き続けると、なんとなくツヤが出てきたかしら?という状態になります。これらの仕事の難しさは、「ここまでやったらゴール」の到達点がわかりにくいこと。先生に「上等上等、そろそろいいでしょう」とおっしゃっていただいて、なんとなく安心できるのですが、ほんとうにこれで良いのかしらという感じがあります。庭掃除なども似たところがありますが。

午後からは切り出された青竹を洗う作業。たわしでゴシゴシと洗います。これもまた、明らかな泥汚れなどが落ちたあとは、どこまで洗ったら良いのか、見た目の判断のしにくいところ。節の部分についた黒いシミのようなものをキレイに取り去ることをひとつの目安として、取り組みました。こちらも先輩に「もう大丈夫でしょう」とおっしゃっていただいて、お終いにすることが出来ました。

お茶会当日は、朝から会場の最終的な設定と、道具運びなど。無事献茶式が終わったら、野点茶会です。自分が席入りするとき以外は、水屋仕事を手伝います。今年も1席20名以上の、合計50名近い出席者での大きなお茶会となりました。これだけの人数がいると、終了後の片付けは早いものです。先生方・先輩方の指示に従い、一斉にあちらこちらでお片付けがはじまると、1時間もしないうちにほとんどが片付いておりました。こういう時の機動力というか、あうんの呼吸で皆さんが無駄なく動く感じが、何年やっていても、やっぱりすごいなぁと思います。

帰りは、いつもお世話になっている先生と途中までご一緒で、駅までの道中と乗り換えの駅まで、たくさんおしゃべりすることが出来ました。とっても楽しい一日でした^^