続・表装の楽しみ、ますますワクワク。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・表装の楽しみ、ますますワクワク。

表装の楽しみがひとつ形になって、ますますワクワクしていると投稿したのは、つい1カ月前のことでした。

展示した状態のビジュアルイメージがもたらす「わかりやすさ」が嬉しくて、もうひとつ、パターンを増やしました。手はじめに縦長作品・横長作品を表装しましたので、次は「全紙」です。この三種類があれば、壁面に飾ったときのサイズ感、見え方が、おおよそイメージできるのではないかと思います。頭ではわかっていたつもりのことですが、全紙を表装するとかなり大きくなりますね。やはり作品本体がポンと置いてあるのに比べると、「ここに飾ったらどんな感じになるか」が各段にイメージしやすくなります。これは額装にした場合もまったく同じことが言えますが、表装の良いところは、丸めて持ち歩けること。

藤吉憲典 円相龍図

額装にはじまり表装が続きと、このところ立て続けにお世話になっている大崎周水堂さん。スタッフの方々にも、なんとなくわたしの人となりというか、オーダーの「癖」のようなものを、少しづつ理解していただきつつあると感じます。生地の選びかた、切り替えの仕方など、あまりにもシンプルで、「掛軸の常識」から離れていることもあるので、ベテランのスタッフさんや表装職人さんからは、その都度「一般的にはこのようにするのがほとんどで、藤吉さんの希望するようにすると、このように見える可能性がありますが、ほんとうに大丈夫ですか?」の確認が入ります。ときには、作業に入る直前で電話確認が入ることも。こちらはもともと素人です。その相手に面倒がらずにひとつひとつ説明し確認してくださることを、とてもありがたく感謝しています。

アドバイスを取り入れる部分と、我流を貫く部分。掛軸という伝統的なスタイルを、現代の藤吉憲典の書画作品を見せる方法として、どのように生かせるか。今回は大物でしたので、大崎周水堂さんの店先で出来上がりを確認する際、スタッフの方が二人がかりで広げてくださいました。「こんな生地があったんですね」「初めてのことで心配しましたが、良い感じに上がりましたね」などなど、感想をつぶやいてくださるスタッフの方と一緒に出来上がりの確認ができるのは、嬉しい瞬間でもあります。

長く立体を扱ってきておりますので、平面の面白さ・わかりやすさが、とても新鮮です。展示機会に皆さんにご覧いただけるのが楽しみです。

香椎宮献茶式と報恩寺の野点茶会、2023。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

香椎宮献茶式と報恩寺の野点茶会、2023。

前日の準備とお掃除は、雨で思うように進まず「出来るところまで」で散会でした。「明日は止むといいですね」と心配された当日は朝から雨もなく、予定通りに報恩寺のお庭で野点が出来ました。

まずは香椎宮での献茶式。わたしは今年はお点前が良く見える場所に座ることが出来て、所作のひとつひとつを拝見しながら献茶式を体験することが出来ました。香椎宮での献茶は76年目ということで、来年が人の人生に例えれば喜寿(77歳)にあたるという宮司さんのお話。なるほどそのように例えると、その年月の長さをあらためて感じさせられるなぁと拝聴しました。南方流茶道はもちろんそれ以前から続いているのですが、「献茶式」という儀式があることで、後に続く人たちがその歴史を知る機会となるのだと思いました。

献茶式が終わり、お弁当を食べたら、いよいよ野点です。今年は50名ほどの参加者があり、25名づつの2席で開催。3年ぶりに再開された昨年は、当日が雨でお堂内でのお茶でしたので、実質的には4年ぶりの野点でした。

久しぶりにお庭でいただくお茶は、開放感を感じるとても良い時間となりました。枯れ葉が頭上から降ってくるし、御座の上を歩く蟻は気になるし、土のうえに座るので人もお茶碗も不安定にならないよう気を配る必要もあります。けれども、そんなことすべてを含めて、外ならではの風情がとても面白く有難く、貴重な機会となりました。

今年のお茶会は、あとは来月11月の実山忌です。こちらも楽しみです。

太鼓の音が聞こえてくる一週間。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

太鼓の音が聞こえてくる一週間。

秋季大祭の続く、ここ津屋崎界隈。9月一番手の金毘羅さんにはじまり、お彼岸の頃には宮地嶽神社のお祭りと花火が盛大に開催され、と、ようやく「いつもの秋」の行事が粛々と復活し、嬉しい今日この頃です。

そして今週末は、地元の波折神社のおくんちです。4年ぶりに子どもたちの太鼓を含めた行列やら、神社境内での子ども相撲が開催されるとあり、ワクワクしています。それはわたしだけでなかったようで、山笠(7月)頃から、ご近所のおじさんたちに「息子さん、太鼓の練習指導に来てくれんかな。忙しいやろうけど、一日でもいいから」と、声をかけられておりました。

そしてこの1週間、日が暮れた頃になると太鼓の音が響いてきています。最初は小さな音がとぎれとぎれに。そのうち力強い太鼓の音が連続的に。練習開始時間より早く来てたたき始める子、学校や部活帰りに急いでやってくる子、何人もの小中学生が集まってきている様子が、音から感じられます。

練習が始まった最初のうちはバラバラとしていた太鼓の音も、日が経つにつれて少しづつまとまりが感じられるようになってきました。何年もその音を聞いてきていたので、わたしもリズムを覚えており、音が間違えたり止まったりすると、その都度「がんばれ!」という思いで笑顔になります。練習が始まる前は「1日でも教えに行けたらいいな」と言っていた息子も、蓋を開けてみればほぼ毎晩、小中学生の指導に出かけています。

思えば、もともとおくんちの太鼓は小学校高学年の子どもから叩けるようになっていたのが、人数が足りなくて低学年の息子に声がかかり、境内でお兄ちゃんたちにやさしく教えてもらったのが10年以上前のこと。当時背が小さい方だった息子に合わせて、おじさんたちが懸命に太鼓の高さを調節してくれていたことなども思い出します。その時親切にしてもらった嬉しい思いが、ずっと残っているのでしょう。

また、中学生の時まで一緒に太鼓をたたいていた同級生数人が、やはり指導に来てくれていて、再開の機会にもなっているようです。近所に住んでいても、学校が離れ離れになると、なかなか顔を合わせないもの。数年ぶりに会って近況を知ることが出来たと、とても嬉しそうでした。地域のお祭りの良さですね。

秋の夜の太鼓の楽しみも、今週末のお祭りでひと段落です。当日みんなが無事に務められますように!

夏休みが明けて久しぶりのお茶のお稽古。

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夏休みが明けて久しぶりのお茶のお稽古。

わたしが入門している茶道南方流は、毎年八月は夏休みです。九月に入るとまず円覚寺のご近所の聖福寺で、日本に「茶」をもたらしたといわれる栄西禅師の命日供養があるので、そのお献茶のお手伝い。このお手伝いで約ひと月ぶりに先生や先輩方にお会いし、翌週から通常のお茶のお稽古が再開されます。

毎年毎回言い訳をしていますが、休み明けに釜の前に座ると、あらゆることが抜け落ちています。そんなわけで、最初の一回目はウォーミングアップと割り切ってお茶室へ。

お点前の手順を思い出すことに気をとられて、一つ一つの所作が雑になるという、自分の弱さを目の当たりにしながらのお稽古でした。袱紗(ふくさ)捌きひとつをとっても、茶巾の扱いひとつをとっても、「もっと丁寧に!」と頭では唱えながらも、次の瞬間には気が散って動きがばらばらになります。長くお稽古を見てくださっていたN先生がこの場にいらっしゃったら、微笑みながら「心ここにあらず」とおっしゃっただろうなぁ、と思いました。自分の心の状態がすっかり出てしまいます。

自分の状態が「動き」になって客観的に見えてしまうということは、なんだか怖いことだとも言えますが、ふだんの生活のなかでそのようなことはなかなかありませんので、ありがたい機会です。誤魔化しのきかない世界だなぁ、と。茶道のそんな厳しさのなかで、いつも温かく指導してくださる先生方、先輩方、同輩の皆さんに心より感謝の一日なのでした。ご自服のお抹茶も久しぶりで、美味しかったです♪

週末は波折神社の遷座八百年祭でした。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

週末は波折神社の遷座八百年祭でした。

波折神社御遷座八百年奉祝祭。コロナ禍を経てようやく開催の記念行事とあって、朝10時から午後3時まで、さまざまな催しが神社境内で行われていました。朝、町内放送でお祭りの告知がこれでもかというほど行われ(笑)、そういえばまだ戻していない古いお札があったから、お散歩がてらどこかのタイミングで出かけようと思いました。

そうこうしているうちに、遠くから吹奏楽の演奏が聞えてきました。お祭りのオープニングは地元津屋崎中学校の吹奏楽部の演奏。波折神社から花祭窯までは徒歩で3分ほどの距離ですので、風向きによって、演奏の音がよく聞こえたり遠くなったり。ああ、始まったなぁ、と、なんだかワクワクします。

11時ごろから境内で餅まきをするとなっていましたので、その混雑を避けるつもりで昼前に神社へ。ところが餅まきのあとは、地元の青年有志「笑福会」による「うどんとカキ氷のふるまい」があるとあって、親子連れが行列をなしていました。行列を横目に、本殿へと進むと、お祓いや奉納の儀式は一通り終わった後で、本殿前は空いていました。

古いお札を返し、お礼のお参りをしたところで、ご近所の知人友人にあちこちから声をかけられました。これぞ津屋崎コミュニティ、嬉しいですね。いつもお世話になっている方から「今来たの?」と問われて、「はい、お参りだけ」と返したところ、社務所前に連れていかれ「ほら、持っていきなさい!」と手渡されたのは、餅まき用に準備していたのであろう紅白のお餅。「家族分持って帰りなさい!」と、家族の人数分どころか両手いっぱいに持たせてくださいました。おかげさまですっかり温かい気持ちになりました。

波折神社に親子連れ、特に子どもたちの姿があるのを見ると、やはりとても嬉しくなります。今回の八百年祭は単発行事ですが、来月10月8日には、毎年恒例の秋季大祭が開催されます。コロナ禍下では子どもたちの太鼓の行列が出来なかった秋季大祭ですが、今年はコロナ禍前のような体制に戻してのお祭りになりそうです。こちらも楽しみです。

花祭窯の長月の庭、2023。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の長月の庭、2023。

暑さ寒さも彼岸まで、とは言うものの、今年は9月に入ってからも連日最高気温30度越えでした。そんななかでも、やはりヒガンバナはお彼岸に花を咲かせてくれました。毎年のことながら、偉いなぁ、と思います。それまでは他の草木の陰に隠れて見えていなかったヒガンバナの茎が、「そろそろかな」と思う頃になると、あっという間にぐんぐん伸びてきて、気がつけば蕾がたくさんつき、そして開花する。自然の力に感心する恒例行事のようになっています。

花祭窯の長月の庭 ヒガンバナ

花祭窯の長月の庭

花祭窯の長月の庭

花祭窯の長月の庭 ヒガンバナ

花祭窯の長月の庭

花祭窯の長月の庭 ミズヒキソウ

↑これはミズヒキソウをアップで撮ったのですが、わかりますでしょうか。なかなか、目の前で見るようには写真には撮れませんね。クリックしてサイズを大きくしていただくと、わかりやすいかもしれません。花祭窯の小さな露地も、秋の色が射して参りました^^

表装の楽しみがひとつ形になって、ますますワクワク。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

表装の楽しみがひとつ形になって、ますますワクワク。

この夏前頃から具体的に検討し始めた、書画の見せ方のひとつとしての表装・掛軸。

この分野はまったくの素人でしたので、まずは!と、本も10冊ほど読んで少しは勉強しましたが、

やはり一番勉強になるのは、手がけてくださるお店の方とお話をすることですね。

額装でもお世話になりました博多中洲川端にある老舗・大崎周水堂さんに、今回もご相談しました。表装やさんに直接頼むという手もあるのだと思いますが、まずはこれまでの額縁制作で信頼のある大崎さんへ。スタッフの方となんどもお話をしてわかったことは、わたしたちが「こうしたい」と思っている表装の仕方は、伝統的な軸装から考えると、物足りなさがあるようだということでした。途中、軸装のプロ目線でのさまざまな装飾のご提案もいただき、なるほどいろいろな方法・暗黙の決まり事があるのだと、勉強になりました。

お話を全て伺ったうえで、いくつもある掛軸定番の装飾パターンを今回は退け、まずは自分たちの考えた通り、背景と作品のみ、という最もシンプルな形で仕上げていただきました。発注に際して、作品と背景色を重ねて確認したりはするものの、部分的に合わせたものを、頭のなかで全体像に拡げてイメージしているので、実際にどう上がるかは、一か八か(笑)。結果、イメージした以上に、雰囲気よく仕上がって参りました。さすがはプロの仕事ですね。嬉しくなりました。

藤吉憲典 書画 龍

藤吉憲典の龍と、兎。

藤吉憲典 書画 兎

展示サンプルとして、縦長作品と横長作品があるとわかりやすいよね、ということで、発注したときは意識していなかったのですが、図らずも今年の干支(卯)と来年の干支(辰)の組み合わせとなっておりました。展示サンプル2作品。これらをご覧いただくことで、「飾ったときの雰囲気」をイメージしていただきやすくなるのではないかな、と思います。

実際に書画作品をお買い上げいただくときには、作品のみをお買い上げになり、ご自身で額装なり表装なりを発注なさるお客さまもいらっしゃいます。一方で、どう飾ったらよいか、表装をどこに頼んだらよいか、迷うお客さまもいらっしゃいます。これらの基本的なサンプルがあることで、ここから背景の色を変えたり、装飾を少し凝ったものにしたりと、自分が飾ろうとしている空間にあう形をイメージしやすくなればいいな、と思います。

金毘羅さんでした-ご近所秋祭りシーズンスタート。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

金毘羅さんでした-ご近所秋祭りシーズンスタート。

3年ぶりとか4年ぶりに開催される地域行事がつづく2023年。ここらあたりの秋祭りの先頭を切る金毘羅さんも、昨年までは「コロナ禍対策仕様」でしたが、今年は行列が復活しました。下のブログは、2013年のもの。そういえば2012年に津屋崎に移住してきて、その年の金毘羅さんがちょうど住んでいる地域の当番年で、さっそくダンナと息子が参加させていただいたのでした。

さて、4年ぶりの金毘羅さん。大名行列や獅子舞による奉納の舞は無かったものの、お神輿を引っ張っての行列は楽しく賑やかしく。遠くから歩いてこられる行列をお迎えする接待所を、山笠の人たちがつくります。行列が辿り着くのを今か今かとご近所さんたちと一緒にそわそわ待ちました。この時間もまた楽しみ。お神輿と一緒に引っ張ってこられる賽銭箱にお賽銭を入れれば、神主さんがその場でお祓いをしてくださいます。しばし頭を垂れて、お祓いしていただき、大満足。

この秋は、この先宮地嶽神社のお祭りや、地元波折神社のお祭りも開催されます。とても楽しみです。

読書『口訳 古事記』(講談社)町田康著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『口訳 古事記』(講談社)町田康著

『古事記』の口訳です。口訳すなわち、一般的な口語体=今の時代で読める・わかる言葉に訳すること。古文や漢文に対して使われますね。現代語訳、としていないところがミソ。その訳者が町田康氏ですから、一筋縄では行かないだろうという予想は出来ます。

わたしがちゃんと『古事記』の内容を読んだといえるのは、実は子どもが生まれてから。子ども用に作られた、日本の神様の神話絵本があり、それを息子に読み聞かせながら「古事記って、こんな内容だったのね」とあらためて認識したのでした。もちろん中学高校時代から『古事記』というタイトルは知っていましたが、本というよりは日本史のなかの位置付けでした。

さて『口訳 古事記』、町田康ワールド全開です。講談社のサイトでの紹介に「画期的な口語訳」とある通り、というか、画期的というのはだいぶ抑えめの表現だと思います。本書内で交わされる神々の会話部分が、特に面白かったです。町田康の口訳を通すことによって、神話の「エロ・グロ・ナンセンス」な部分が、よりあきらかになる感じがしました。ただ、『古事記』を名乗っている以上当然ではありますが、物語の筋は変わっていません。古文の言い回しによってなんとなくオブラートに包まれていたものが、そうではなくなった、とでもいいましょうか。

神々の名前のややこしさはどうすることも出来ませんが、古事記のなかで「言っていること」「やっていること」は、この口訳によって、だいぶわかりやすくなったと思います。これまで古文はもちろん各種現代語訳の『古事記』にチャレンジしつつ途中で挫折した、という方々(わたしもその一人でしたが)に、試してみていただきたい一冊です。先に述べましたように「町田康ワールド全開」ですので、好き嫌いはあるかもしれませんが。

475ページ、結構な分量です。ですが、物語のストーリーはある程度知っていたのと、口訳が面白かったのとで、わりと一気に読み切ることが出来ました。それにしても、絵本の読み聞かせをしていたときも「日本の神様、けっこうめちゃくちゃしてるなぁ」と思っていましたが、本書を読み終わってその思いがなお強くなりました。

『口訳 古事記』(講談社)町田康著

聖福寺さんでお経に浸る、献茶のお手伝い。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

聖福寺さんでお経に浸る、献茶のお手伝い。

9月5日は栄西禅師の命日です。日本最初の禅寺と言われる聖福寺開祖の栄西禅師は、日本に「茶」をもたらした人物だと言われています。毎年、命日の前日9月4日に、聖福寺の開山忌・栄西禅師の供養が行われています。わたしが入門している茶道南方流・円覚寺は、聖福寺さんの塔頭であり、毎年和尚様が法要の献茶を差し上げています。

今年もわたしにできるお手伝い=献茶式に使う道具を運ぶ=に参加して参りました。実のところ自分にできることは少なく、ほとんど役に立っていないのですが、他の先輩方がなさるお手伝いを拝見しながら学ぶことが多く、できるだけ参加したい機会となっています。また、献茶式の様子を近くで拝見することが出来る、貴重な機会でもあります。

毎年のことですが、荘厳な雰囲気に圧倒されます。仏殿のなかは、灯りは薄暗く、外はとても晴れていたので、窓から見える明るさとのコントラストが際立ちました。読経がはじまる前はしんと静かで、ときおり外で風に木や葉が揺れる音がさざめき、厳かな気持ちになります。そして法要がはじまれば、仏殿に響き渡るお経のシャワー。何人ものお坊様が連なって歩きながらお経を唱えるご様子は、ちょっと異次元空間に迷い込んだ感じで、何度体験しても大きな感動に包まれます。

すごいなぁすごいなぁと思っているうちに、読経が終了。初めて体験したときは、どれくらいの時間行われるのかを全く知らなかったので、読経の時間が永遠に続くかのように思われたのですが、今回はなんだかあっという間に終わってしまったような気がいたしました。

お手伝いが終わったあとは、ねぎらいのお抹茶をいただきました。暑いなかでもお抹茶をいただくとホッとしますね。ありがたいことです。南方流は8月がお稽古お休みなので、皆さまにお会いできたのも久しぶりで、嬉しい機会でした。9月からはまたお稽古再開です。