博多ライトアップ呈茶 2019。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

博多ライトアップ呈茶 2019。

こちらも秋のお楽しみ、博多ライトアップウォーク。例年十一月の開催でしたが、今年はラグビーワールドカップに合わせて十月の開催となりました。ライトに照らし出される寺社の景観が見どころです。

南方流茶道の円覚寺は、博多旧市街にあたる地域にあり、ライトアップにあわせて、二日間だけ有料の呈茶サービスを提供しています。お寺の庭を眺めながらお抹茶と生菓子をいただく至福の時間を、楽しんでいただけますように、と。

今年も、二日間とも、夕方六時の開始からご用意した生菓子がなくなるまで、ほぼ切れ目なくお客さまがいらっしゃいました。毎年の恒例になってきたので、この呈茶をお目当てにしてくださるお客さまも増えているようです。嬉しいですね。

ライトアップされたお庭はもちろん見所ですが、せっかく円覚寺の呈茶にいらっしゃったら、ぜひご覧いただきたいのが、床の間のお花。毎年趣向を凝らして季節を感じるお花が活けてあります。

この呈茶のお手伝い、正直なところ体力を消耗します。でも毎年手をあげて参加したくなるのです。普段のお稽古ではなかなかお会いしない先生や先輩方とも一緒に動くことで、学ぶことが多いのが最大の魅力であり、またお手伝いしつつ独特の空間をあじわうことができるのは、役得でもあり。

ともあれ今年も無事に終了いたしました。

十月の書道部。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

十月の書道部。

月一度「今月は何を書こうかな」と考えるのは楽しいもので。傍から見ると「なぜ!?」と思われる文字列も、それぞれ理由があることもあれば、まったく考え無しのこともあり。ともあれ決まりごとが無いのが、花祭窯書道部のよいところ。先日も同じ時間にお稽古している三名が、三様にまったく違うことをしていました。

今回のわたしのテーマは「不動明王」。思いがけず、この「動」の難しいこと。半紙を縦半分横半分に折って、中心線を意識しながら書くのですが、ブレます。「不動」の文字に反して動いてしまいます。十枚ほど書いて、これ以上書いても集中力が続かないな、というところでラスト一枚。

月にたった一度の書道部。そのうえ、わたしが集中して書いている時間は三十分もありません。「上達する」には程遠いお稽古時間ですが、それでもこの三十分のおかげで、文字や筆に対する姿勢が整えられるのを感じます。

香椎宮献茶式と、野点

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

香椎宮献茶式と、野点。

毎年秋恒例の野点茶会。朝降っていた雨も上がり、気持ちの良い風が吹くなかでお茶をいただきました。いつも家路についてから「写真撮るの忘れた…」となるのですが、今回も。目の前の景色に夢中になり、つい「撮る」が後回しに。

香椎宮への献茶式、スタートは昭和22年といいますので、もう70年以上続いていることになります。献茶式の行われる香椎宮、野点の行われる報恩寺、茶道南方流の円覚寺との関係については、昨年の香椎宮献茶式のご報告に少し書いています。

神社本殿での禅寺茶道による献茶の儀。何度体験しても不思議な感覚に包まれます。南方流では「献茶」と呼ばれるものは、春の南坊忌、秋の実山忌と合わせて年に三回あるのですが、南坊忌と実山忌の際にあげられるお経は、香椎宮では神主さんによる祝詞になります。儀式が終わると、最後はお神酒をいただくのもまた神社ならでは。

今回のお茶席では和尚さんとご一緒でした。曰く、野点は南方流では一番最後のお点前であること。初伝に至るまでのお稽古に始まり、いろいろなお点前を学びお稽古を積みあげてここに至ること。野点では決まりごとのなかでの自由が重視されるということ。

論語の「心の欲する所に従えども矩を超えず(こころのほっするところにしたがえども のりをこえず)」を思い出しました。「思いのままに行動しても 決して道理を踏み外すことがなくなった」というほどの意味です。

茶道のお点前の作法には、決まり事がいろいろとあります。その決まり事が意味する本質を、何年もかけて何回も稽古することによって、体にしみこませることができたら、自由にやっても大丈夫な域に達するということなのだろうと理解しました。

二十年後、三十年後、あるいは五十年後、果たしてこの境地に至ることができるのでしょうか。今はまだまったくイメージできませんが、目指すべき姿があらためてはっきりとしたお茶会でした。

ありがとうございました。

郷育カレッジ:ふくつ散歩 福間南編に参加してきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

郷育カレッジ:ふくつ散歩 福間南編に参加してきました。

「郷育カレッジ」は福津市が誇る市民生涯学習の仕組みです。様々な分野で年間約100講座。福津市民または市内の事業所に勤務している人は、入会金500円と年会費1000円(+講座により材料費)でいくつでも受講できます。ただし、希望者の多い講座は抽選。近年は満員御礼の講座も多数です。

「ふくつ散歩」も人気講座のひとつ。市内の各地区で、地元のボランティアガイドさんが見どころを案内してくれるシリーズです。住んでいても、行ったことのない場所はたくさん。ふだん車で通り過ぎてしまうところにも、さまざまなストーリーを見つけ出すことができます。

最初に福間南での地域の取り組みなど現状のお話をお聞きした後に、散歩に出かけました。歩いた距離は3キロほどでしたでしょうか。道々ガイドさんが教えてくださった多様なエピソードで、これまで何度となく通った場所にも、少し違って見える景色が生まれました。

今回は「文化財めぐり」ということで、個人的には、亀山神社(古墳)、大日堂の大日如来とお不動さん、うがみ(八龍)神社の絵馬あたりが特に興味深かったです。お堂など、ふだんは閉めているところも、地域で管理なさっている方が、ふくつ散歩のために開けてくださって、拝観することができました。

ご協力くださいました皆さま、誠にありがとうございました!

花祭窯の庭師さん。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の庭師さん。

夏が過ぎ、草木が伸び放題の庭を手入れしなきゃね、と思っていたところに台風が来て、風に乗ってきた潮であちらこちらと枯れはじめ。いつもお世話になっている庭師さんに、助けを求めました。数年前に花祭窯の茶庭を整備するときからお世話になった方なので、どこにどんな草木が植えてあるか、すべてご存知。説明要らずの安心感です。

上の写真は、その庭仕事後。「2カ月後ぐらいに、好い感じになる」をテーマにスッキリ美しくなりました。ほんとうは今の時期だと水引草があったり、ヤブランがあったりと、もう少しにぎやかなのですが、潮で枯れはじめたため、思い切ってバッサリ。あとは、寒くなるまでに、どれだけ新しい芽が出てきてくれるか、です。

お仕事ぶりをみていて、「どこを残すか」で決まるのだなぁと、あらためて思いました。迷いなく手際よく枝を落とし、草を払っている、その瞬間瞬間に「どこを残すか」を絶妙に決めているのがわかり、すごいなぁと思いました。

これからが楽しみなサザンカの木の周りも、スッキリ。一日でここまで仕上げてくださった庭師さんに感謝です。

ごりょんさん打ち上げ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ごりょんさん打ち上げ。

今年の津屋崎祇園山笠は夏のはじめにとっくに終わりましたが、裏方ごりょんさんのおつかれさま会は、夏休みが終わって子どもたちが学校に行きだしてから。

もともと「ごりょんさん」というのは、博多では「商家の奥さん」を指す言葉として使われていたようですが、現在では意味が転じて「山笠の男衆を裏方で支える女衆」を指す呼び方としても使われています。

山笠期間中のほぼ1カ月しょっちゅう呑んでいる男衆に比べて、ごりょんさんの宴会はこの打ち上げひとつですから、慎ましやかなもの。宴会といってもランチタイム。お酒を呑まない分、デザートのスイーツまで楽しみつつ、おしゃべり。

わたしがこの末席に加わってから8年。毎年反省をしながら、やり方を改善しようとしつつ、上手く行ったり行かなかったり。皆さん仕事もあれば、子どもの学校行事もあり、家事はもちろんこなさねばならず。そんななか、時間をやりくりして山笠に関わる1カ月間は、「終わるとホッとする」というのが正直なところでしょう。とりまとめする役職の奥さん方はたいへんだなぁ、といつも思います。

皆が顔をそろえるのはまた来年1月の新年会。しばしの休憩です。

2019年9月の書道部。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2019年9月の書道部。

読書の秋、食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋。アートフェアを観てきたばかりだったので、今月は「芸術の秋」で。

今回は、5枚目で清書。10枚20枚と書いてもダメなときは全然ダメで、たくさん書けば上手くいくかというとそうでもなく。集中して書けるときと、そうでないときの差が自分でよくわかります。

月に一度、自分に向き合う書道、おすすめです。

秋祭りシーズン、スタート。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

秋祭りシーズン、スタート。

写真は、毎年そのスタートを飾る「在自(あらじ)の 金刀比羅(こんぴら)さん」。これから10月にかけて、宮地嶽神社の秋季大祭や地元・波折神社のおくんちなどがつづきます。

あちらこちらで舞いを奉納しながらの行列は、「もうすぐ到着するよ!」と声を掛けられ外に走り出てからが、長い待ち時間(笑)。各地域で接待場所を設けて、行列の皆さんをねぎらっています。昔は、この近所にたどり着くころには、行列の皆さんは酔っぱらってふらふらだったとか。

同じように楽しみに外に出てきたご近所さんたちと、おしゃべりしながら到着を待ちます。この待ち時間がまた、楽しい。昔からこの地域にいらっしゃる方々から、たくさんのエピソードを聞くことができます。

行列の神輿に続く賽銭箱にお賽銭を入れると、神主さんがその場で祓ってくださいます。近所のお母さんたちと一緒に頭を下げ、お祓いを受けました。神主さんが法螺貝も吹いてくれました。行列でそぞろ歩く皆さんも、沿道で見守る皆さんも、笑顔。

まだまだ残暑は厳しいですが、 金刀比羅さんがやって来ると、秋が来たなぁと思います。

聖福寺の開山忌。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

聖福寺の開山忌。

わたしが入門している茶道南方流は、博多の禅寺・円覚寺で受け継がれています。その円覚寺は、日本最初の禅寺と言われる聖福寺さんの塔頭であり、聖福寺開祖の栄西禅師は日本に「茶」をもたらした人と言われています。つまり、とってもご縁が深いのですね。

本日9月5日は栄西禅師の命日ということで、その前日9月4日に聖福寺の開山忌・栄西禅師の供養がありました。仏殿での供養では、最初に献茶式があり、そのお手伝いで参加してまいりました。

献茶のあとは、何人ものお坊様の読経を聞くことができました。仏殿の空間に響く読経の声は、震動を伴ってズーンと体に直接届くような感じでした。何とおっしゃっているのか聞き取ることすらできないものの、なんかすごいぞ、という感じ。語彙が足らずにすみません‥。

後から気づけば、その読経は1時間近く続いていました。献茶からはじまって1時間以上、じっと座ってご供養の様子を拝見していたのですが、とても興味深い時間でした。

ふだんは仏殿に入ることはなかなかできませんが、「献茶のお手伝い」という役目のおかげで、ありがたくも貴重な体験をしてまいりました。感謝。

むなかた文化財マップ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

むなかた文化財マップ。

お隣の宗像市教育委員会が制作発行している「むなかた文化財マップ」が秀逸だったので、いただいてきました。花祭窯の在るここ津屋崎は福津市で、宗像市ではないけれど、もともとは宗像郡津屋崎町ということで「宗像エリア」です。

宗像市と福津市は、沖ノ島(宗像市)と関連遺産群(福津市・新原奴山古墳群)が世界遺産登録されたことから、名実ともに共通の歴史遺産をもつことになりました。一市民としては、せっかくなのだからこの機会にもっと密に連携したらよいのにと思ったりもするのですが、残念ながらどうも意識に温度差があるようで…。

それはさておき、この文化財マップ。どこにどのようなものがあるのか、これまで点で学んできた情報が、一枚で俯瞰できるようになりました。地理的な関係性も一目瞭然!とても分かりやすいです。時代ごとに遺跡名が記され、文化財に指定のものにはその種別の表記もあり。

地域の歴史や文化の話をお聞きしたり学んだりする機会のたびに、この「むなかた文化財マップ」に示された地域のつながりの強さを感じていましたが、市の境界線は人がかってに定めたものだということを、あらためて考えさせられました。

「むなかた文化財マップ」は、宗像市の「海の道むなかた館」や、福津市「カメリアステージ歴史資料館」で手に入れることができます。