大阪万博視察・番外編-「竹中大工道具館」に行ってまいりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

大阪万博視察・番外編-「竹中大工道具館」に行ってまいりました。

今回の大阪出張は、万博の視察がメインイベントでした。前日入りでしたので、毎回出張時のミッションにしている、美術館博物館訪問を検討。万博に合わせて、京都・奈良の国立博物館と大阪市美術館では国宝を集めた特別展が開催されている、というのはもちろん知っていたのですが、今回は混雑するところは万博だけで十分…ということで、別の場所を選択。ずっと行きたいと思っていた「竹中大工道具館」に、ついに行ってまいりました。博多から新幹線に乗り、新大阪の一つ手前の新神戸駅で降りて、歩いて3分ほど。駅からすぐ近くの便利な場所です。

竹中大工道具館は、ご存じ関西拠点の大手ゼネコンのひとつ竹中工務店さんが、「大工道具」を民族遺産として収集・保存・研究・展示する目的で、1984年に開館なさったものです。新神戸駅の建物は、2014年に移転したものとのこと。上の写真の見事な門構えに、思わず「おおー!」と声が出ました。当日は霧雨がずっと降っていたのですが、雨の景色を見れてラッキー!とさえ思わせる美しい佇まいでした。中に入れば、見事な建築としつらえと展示の数々に、ワクワクどきどき。ずっと居たくなる空間でした。

竹中大工道具館

展示内容のすごさもさることながら、展示方法の種類・工夫がすごいです。

竹中大工道具館

引き出し式の展示ケースは、わたしのあこがれ。見事でした。

竹中大工道具館

茶室がどのようになっているかを見ることができる、スケルトンの実物大模型。靴を脱いで茶室の中に入ることができるのが嬉しいですね。写真左奥の壁の向こう(裏側)には、ちゃんと水屋もありました。

竹中大工道具館

展示室から外に出ると、小径の奥に休憩室がありました。これまた美しく落ち着く空間で、ゆっくり庭を眺めつつ、一休みすることができました。

お目当てだったミュージアムグッズの「カンナのキーホルダー」は、残念ながら売り切れで、人気が高くて入荷してもすぐ完売してしまうということで、今回は「木槌のストラップ」をゲット。カンナのキーホルダーリベンジも含め、また足を運びたいと思いました。

竹中大工道具館

そして、これは翌日万博会場に行って知ったのですが、大阪万博会場のシンボルである大屋根リングは、実施設計・施工・監理に竹中工務店さんも入っておられたのですね。知らずに竹中大工道具館に行っておりましたが、図らずもグッドタイミングな組み合わせでした。

大阪万博視察・その2-パビリオン訪問、お食事、予約と待ち時間など。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

大阪万博視察・その2-パビリオン訪問、お食事、予約と待ち時間など。

イタリア館を訪問した後は、腑抜けのようになりましたので、あとは同行してくれたお友だちに一任です(笑)。次はお昼過ぎに「日本館」。移動時間を考慮しても少し時間がありましたので、近くにある「コモンズD」館へ。すでに万博に足を運んだお友だちのレポートで、何人もの方がこの「コモンズ」シリーズがかなり楽しいとおっしゃっていたので、実は楽しみにしていたのです。

コモンズDは、25か国が参加。一つ一つのブースは広くはないけれど、それだけに各国が自国の「イチ推し」をアピールしていて、特色がわかりやすく興味深かったです。なかでもわたしが一番「おおー!」と思ったのが、岩塩のパキスタン。床も壁もオブジェも岩塩で出来ている幻想的な空間でした。入り口で迎えてくださった、その国の方であろうスタッフさんに「運んでくるの、たいへんだったんじゃないですか?」と尋ねると、「潮風に乗って、ここまで来ました」とユーモアを交えたお返事。こういうコミュニケーションの楽しさがまた、良かったです。「コモンズD 岩塩」などのキーワードでググると写真がたくさん出てきますので、興味のある方は探してみてくださいね。

さてコモンズDは次の予約時間までに回り切れず、半分以上を見逃したまま日本館へ。予約を入れると、確実に見れるという良さがある反面、時間に縛られるという不自由さもありますね。その日本館は、予約時間に到着してすぐに受付してもらえたものの、そこから館内に入るまでに長蛇の列ができており、30分以上待たされました。予約の上に待たされる…でも日々改善を繰り返しているようで、スタッフの皆さんの心配りが素晴らしかったです。日本館は「循環」をテーマにしたゾーンづくり。「藻のキティちゃん」と「火星の石」が目玉のようでした。キティちゃんはかわいかったけれど、個人的には、意図がよく理解できなかったかな、というところ。訪問前の予習と、訪問後の復習があると、より理解が深まるだろうなと感じました。わたしはといえば、勉強不足でした。

次の予約までに少し時間があるので、その間にお昼ご飯を食べることに。ランチ難民になりたくないと思いつつ、せっかくだから海外のお国柄を感じることができるような食事にありつきたいと思っていたところ、すでに14時近くになっていたからか、比較的すんなりアフリカのレストランに入ることができました。お値段は、もちろん万博価格。イタリアのサンドウィッチ1600円にも驚きましたが、アフリカのランチセットは、お野菜たっぷりの具材がかかったクスクスにハイビスカスのジュースがついて3900円也。美味しかったです&ボリュームたっぷりでお腹いっぱいになりました。わたしたちがレストランに入ったときに、ジャンベを使った太鼓演奏がちょうど始まり、観ることができたのがラッキーでした。飛び入り参加で踊り出す人があり、それがまたとてもかっこよくて、大いに盛り上がりました^^

次に予約で入ったパビリオンは「飯田グループ×大阪公立大学共同出展館」。未来の「ウェルネススマートシティ」をテーマにしていました。が、わたしの興味はといえば、会場中央に据えられた大きなジオラマ。電車も車も動いていて、夜になれば明かりが灯り、楽しかったです。ああいうものは、ずっと観ていて飽きないですね。大好きです。パビリオンが伝えたかったこととはまったく異なる目線だったとは思いますが、楽しみました。そうそう、こちらは予約のおかげで受付がスムーズだったほか、入り口から中に入るのにも、10分も待たされなかったと思います。その10分ほどの間にも、中の様子やパビリオンの概要を説明してくださる方があり、こういうサービスがあると、待ち時間も苦になりませんね。

というわけで、思いのほか長くなってしまいましたので、続きはまた次回。

↓大阪万博視察・その1はこちら↓

大阪万博視察・その1-カラヴァッジョ『キリストの埋葬』を拝んでまいりました!

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大阪万博視察・その1-カラヴァッジョ『キリストの埋葬』を拝んでまいりました!

ここひと月ほどの大阪万博関連のニュースを見ていると、開幕前の酷評はいずこへ、というほどに盛り上がっている感じがします。かくいうわたしも、当初気になっていたのは、大阪万博=「カラヴァッジョの絵が来る!」その一点だけでした。友人から「チケットあるけど、行く?」のお誘いをいただいたのは、3月初めのこと。それまでまったく考えてもいなかった「万博視察」が、急に現実味を帯びてきて、即決で「行く」となったのでした。

すぐに日程を決めて、そのあとはパビリオン予約。チケットを持っている友人がすべて手配してくれて、とっても助かりました。「どこ行きたい?」に対して「イタリア館さえ見れたら、あとはどこでもOK」の希望を出していたところ、イタリア館の予約を取ってくれました。現在、イタリア館は人気が高すぎて予約がなかなか取れないようですが、3月初旬時点ではすんなりと予約が取れたようで、ありがたいことでした。

朝9時半からのイタリア館予約に間に合わせるには、オープンする9時にすぐ万博会場入りしていなければならない、ということで、前日から大阪入り。入場ゲート前には2時間前に到着するも、すでに長蛇の列ができていました。それでも広い入場ゲートのおかげで、オープンしてからはスムーズに入ることができ、朝一の誰もいない大屋根リングをゆっくり歩いてイタリア館に向かうことができました。

さてイタリア館。無事予約時間に入場。インストラクションの映像を数分見た後に本会場へと入ると、最初の空間では、1920年に飛行家アルトゥーロ・フェラーリンがローマから東京への初飛行に使用したという飛行機「アルトゥーロ・フェラーリンの飛行機」と、紀元2世紀の大理石彫刻「ファルネーゼ・アトラス」が出迎えてくれます。飛行機は、オリジナルの技術図面に基づいて忠実に再現したものだそうで、つくづくと天井を見上げてしまいました。天文学の巨神アトラス、人間と宇宙の関係を擬人化したアトラスは、今回のイタリア館のシンボル。1800年前にこのような彫刻が作られていたこと、それがここに運ばれてきて、現代のわたしたちが見ることができるということに驚愕します。ぐるりと一周回ってみることができるように展示されているので、あらゆる角度から拝むことができます。

そして次の間に進むと、目指すカラヴァッジョの絵画に会うことができました。バチカンが万博に参加したのは初めてのことだとか。小さく暗い空間に、絵だけがバン!とスポットライトを浴びていて、その圧倒的な存在感に、思わずこみあげてくるものがありました。皆さん遠慮してか、絵からかなり離れていたので前の方ががら空きで、絵の正面真ん前に陣取って至近距離でじっくりと拝見することができました。絵とわたしと、一対一(実際には周りにたくさん人がいましたが)で対峙することができた、素晴らしい時間でした。わたし的にはこの時間だけで充分、大阪万博に足を運んだ意味がありました。

大阪万博カラヴァッジョ

イタリア館、ほかにももちろん見どころの展示やお庭があり、素晴らしかったですが、わたしはもう大満足で、館内を回りつつひたすら絵の余韻に浸っていました。もうひとつ目玉作品とされていた、レオナルド・ダ・ヴィンチの「アトランティック手稿」の素描は、立ち止まらないように流れるよう促されていて、そこはちょっと残念でしたが、仕方がないのでしょうね。胸いっぱいになって館の外に出ると、ピッツァやジェラートのキッチンカー。ジェラートのところには大行列ができていたので、トマトとモッツァレラとバジルソースのサンドウィッチ(1600円也)を購入して、ベンチでかじりながら一休み。

イタリア館のテーマは「芸術は生命を再生する」。ご興味のある方、これから足を運ぶ方は、イタリア館のサイトにある展示内容の解説を読んでから行くと、見え方が一層深まるかもしれません。ちなみにわたしは、まっさらな状態で観に行って、帰ってきてから復習しております^^

イタリア館 – L’ITALIA A EXPO 2025 OSAKA

『「つくる」を続けるために―中川政七商店の経営とデザイン』を聴いてまいりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

『「つくる」を続けるために―中川政七商店の経営とデザイン』を聴いてまいりました。

福岡県産業デザイン協議会の特別講演『「つくる」を続けるために―中川政七商店の経営とデザイン』を聴いてまいりました。お話は、株式会社中川政七商店代表取締役社長の千石あや氏。オープンしたばかりの「ワンビル」ことONE FUKUOKA CONFERENCEへ、思いがけず早い時期に足を運ぶ機会となりました。

福岡県産業デザイン協議会の講演会に参加したのは、昨年に続いて二度目でした。昨年は北九州のネジチョコの会社、オーエーセンター株式会社・代表取締役社長の吉武太志氏のお話で、これがとっても面白かったのでした。

さて中川政七商店さんは、今や有名ブランドに仲間入りしたといえる奈良の老舗。工芸をテーマにしていることもあり、ぜひお話を聞いてみたいと、申し込んでおりました。

以下、備忘。


  • 日本の工芸を元気にする=経済的自立と職業への誇り。
  • 新しいことをスタートするにあたり、きっかけとしての「本」出版。
  • 知ってもらうきっかけとしての「本」。
  • 工芸産地の衰退スピードが想像以上に速い→産地全体で取り組む必要性。
  • 経営者の覚悟+独自の方法論。
  • 中小企業経営の学問。
  • 会社の業績は社長の力量できまる。
  • 社長が一番勉強しなければならない。
  • 会社の力=ビジョン×ブランディング×組織能力。
  • 経営とは社会(お客様)と調和しながら、自分のやりたいことをやり続けるための努力。
  • やりたいことをやり続けるために、学び続ける。
  • 商品を作ることとブランドを作ることとの違い。
  • 他との違い、世界観、らしさ。
  • ブランドとは、○○に関するあらゆる情報・要素が集まった結果としての(ポジティブな)イメージ。
  • 伝えるべき情報を、どのような方法で伝えていくのか、あらゆるタッチポイントで「同じポジティブ情報」を伝える。
  • 言語化・共有化。
  • SPIRIT・CONCEPT・VALUE・VISION→GOAL
  • 常にブラッシュアップすることが必要。
  • 経営の技術→すべては事業計画(管理関係)次第。
  • 問題・課題の多くは、事業計画を立てることで解決に向かう。

福岡県産業デザイン協議会の特別講演『「つくる」を続けるために―中川政七商店の経営とデザイン』(株式会社中川政七商店 代表取締役社長 千石あや氏)より


中川政七商店さんが今のような形になったのは、先代社長の中川淳氏の力によるということでした。そこから受け継がれた千石あや氏が共有する、日本全国的な、現代の「工芸・工芸産地」の問題点への意識に、大きくうなずいた1時間でした。なんとなく味方を得たような嬉しさを感じながら、会場を後にしました。

それにしても、ワンビルのスペースの広さに驚きました。会場となった6階のカンファレンスホールは、フリースペースが広々としていて、ここで仕事をする人たちのモチベーションになる空間だなぁと、感心。できたばかりのワンビルに足を運ぶ絶好の機会を作ってくださった福岡県産業デザイン協議会に感謝です^^

「美」とか「美術」とか「美学」と言いながら、おしゃれにとても疎いもので。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「美」とか「美術」とか「美学」と言いながら、おしゃれにとても疎いもので。

若いころから「おしゃれをする」ことに目を向けてこなかった結果、この歳になって慌てることが増えてきました(笑)。一般に、おしゃれに興味を持ったり気を使ったりしだすのは、10代思春期の頃からでしょうか。10代のころから「自分の身だしなみ」について考えることをしてきた人と、50代になって「なんとかせねば」と思いはじめる人(わたし)とでは、すでに約40年の開きがあるわけです。この差は大きい!

あらためて考えてみると、ずっと長い間、わたしにとっての「美」は、自分が見たり感じたりするもの=自分の外にあるものなのでした。いわば「自分のことは棚に上げて」語っている状態ですね。美術的な仕事について25年以上が過ぎた今頃になって、そもそもその語り手があまりにも見た目にこだわらなさすぎるのはいかがなものか、説得力があるのだろうか、という疑問が頭をよぎるようになってきました。ひとつには、更年期の年頃を経て、自分自身のいろいろなことが目に見えて変化してきた、というのも現実的に大きな要因だと思います。

『美 「見えないものを見る」ということ』福原義春

そういえばわたしにとってのバイブル的な本の一冊である『美 「見えないものを見る」ということ』の著者である福原義春さんは、化粧品会社・資生堂で名誉会長まで務めた方。うーん…。

というわけで、今更ながら、いつもきれいな友人に話を聞いてみたり、女性誌のファッション雑誌を手に取ってみたりしています。これまであまりにもそういうことをしてこなかったので、正直どこから手を付けたらよいのかわからない状態(笑)。あるときには「ローマは一日にして成らず」と思い、またあるときには「始めるのに遅すぎることはない」と思いながら、「少しはなんとかせねば」とジタバタしています。義務感や焦燥感ではなく、もっと楽しんで取り組めるようになると良いのでしょうけれど、なにしろ、慣れていないのです。きっとおしゃれ上級者の皆さんは、楽しんでいらっしゃるのだろうな、と思いながら、修業は続きそうです。

西麻布・桃居さんでの「藤吉憲典陶展」に合わせて東京出張に行ってきました♪

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西麻布・桃居さんでの「藤吉憲典陶展」に合わせて東京出張に行ってきました♪

隔年で開催してくださっている、西麻布・桃居さんでの「藤吉憲典陶展」。初日・二日目は作家であるダンナが在廊、わたしは5日目(最終日の前日)にお伺いしてまいりました。会期終盤で終日ゆったりペース。ご来場のお客さま方と、比較的たくさんお話することができて、楽しかったです。オーナーの広瀬さんともゆっくりたくさんおしゃべりできて、濃い在廊時間となりました。ご来場くださいました皆様、ありがとうございました!

在廊日のお昼ご飯は、桃居さんのすぐご近所「おそばの甲賀」さんへ。週末には遠方からもたくさんのお客さんがいらっしゃるという人気店です。タイミングよくカウンター席に座ることができてラッキーでした。おやつには、これまたご近所の「ホブソンズ西麻布店」でアイスクリームをゲット。この西麻布店はホブソンズアイスクリームの日本第一号店だったそうです。夜は西麻布交差点から5分ほどのイタリアンダイニングmingoさんへ。ピザもパスタも大満足の美味しさでした。おかげさまで、西麻布を楽しむ一日となりました。

翌日は、朝一番にサントリー美術館へ。開催中の『酒呑童子』の展覧会を満喫した後は、銀座へ向かいました。藤吉憲典の器を使って下さている料理屋さんで、お昼のコース。そこで、つい先日藤吉憲典への取材依頼をくださった編集の方とカウンター席で隣り合わせるという、すごい偶然のラッキーもあり、楽しいお食事となりました。お料理ももちろん大満足です。お食事のあとは、すぐご近所の銀座黒田陶苑さんへご挨拶。虎屋ビル5階の本店は、ちょうど展覧会の入れ替え最中で大忙しのご様子でしたので、文字通りご挨拶のみで失礼し、別館アネックスへ。スタッフさんとおしゃべりしがてらの近況報告です。

今回の東京出張は、そこでミッションコンプリート。あとは、気になっていたお店をいくつかチェックしながら帰途につきました。そういえば前回の東京出張は日帰り。福岡から東京は飛行機の数も多く、日帰り出張が可能なのですが、宿泊することによって動ける範囲が広がるのも当然のことで、気持ち的にも余裕ができるのが良いですね。今回は気にかかっていたことをほぼすべてクリアすることができました。行きの飛行機からきれいに富士山が見えたのも、良かったです♪

京都・大阪への弾丸出張、ものすごく充実した1日となりました。

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京都・大阪への弾丸出張、ものすごく充実した1日となりました。

今年に入って二度目の日帰り関西です。ひとつひとつの案件は、それぞれ別のものですが、昨年12月の京都視察あたりから、なんとなく関西方面とのご縁が再び強まってきている感じがしています。若かりし頃、大阪に住んでいたことがあり、仕事で大阪・京都・兵庫を歩き回っていた時期もありますので、関西方面は自分のなかでは親しみのある場所。嬉しいかぎりです♪

大阪阿倍野の暮らし用品さんでの茶器展が、先週金曜日からスタートしています。ダンナ・藤吉憲典は、初日に暮らし用品さんに顔を出すことに。個展はもちろん、複数の作家さんによる企画展でも、できるだけ藤吉が会場に伺うようにしています。今回の企画展では10名の作家さんが器を出しているのですが、顔を出すのは藤吉だけだったとのことで、オーナーの米田さんがとても喜んでくださいました。良かったです!

さてまずは京都。京都の街中は、昨年末の時点ですでに人が多いと思っていましたが、万博の影響やら、過ごしやすい季節だということもあるのでしょう、さらにすごいことになっていました。海外からのお客様と思しき方々と、修学旅行生が入り混じって、まあ賑やか。そんななか、明治初期から五条坂で京焼はじめ伝統工芸品を扱う老舗・朝日堂さんに、足を運んでまいりました。サロンでは、展覧会「超絶技巧 明治工藝展」を開催中で、明治の京薩摩を拝見することができ、眼福。美術館と異なり、作品に間近まで寄ることができますし、手にとることができるものもあるのが、嬉しいところです。オーナーさんとも、陶芸の枠を超えた様々なお話をすることができて、とても良い時間を過ごすことができました。

その後、大阪へ移動。大阪では、先般の九州EC勉強会でお世話になった、株式会社ユウキノイン代表取締役・酒匂雄二さんに、ウェブ活用の方向性と具体策について「壁打ち相手」=単発コンサルをお願いしました。ちょうど今月下旬から、毎年恒例の藤吉憲典公式サイトの調整・修正に入ることが決まっていますので、ベストなタイミング。花祭窯の事業のなかでウェブ活用をどのように位置づけていくか、思案しはじめたところでもありましたので、九州ECでお話を聞いて、酒匂さんにご相談しよう!と決めたのでした。

いやぁ、すごいです。約1時間の壁打ちで、ぼんやりと頭の中にあったことを、明確に言語化することができました。目指すべき方向に向かって「何をするか」を具体的に決めることもでき、ものすごく頭がすっきりしました!その場で花祭窯の持っているサイトをそれぞれ確認してくださり、思いもよらなかった課題も明らかになりました。目から鱗とはこのことです。今年は外部の専門家の力をいかにお借りするかをテーマにしていますが、さっそく助けていただきました。これも、九州EC勉強会でお会いしてお話を聞いていたからこそ。ありがとうございました。

という感じで、とっても充実した一日となりました。行き帰りの新幹線から、福山城と姫路城がよく見えたのも良かったです。帰りはどちらのお城もライトアップされていました^^


茶器展 暮らし用品

場所:大阪市阿倍野区阪南町1-45-15
電話:06-6628-2606
会期:2025年4月19日(土)~5月6日(火)11時~18時
※水・木・金はお休み。
※詳細は、暮らし用品さんのホームページでご確認ください)。

実は年初から「IT系のお困りごと」続発で修業を強いられておりました(笑)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

実は年初から「IT系のお困りごと」続発で修業を強いられておりました(笑)

金融サービスの管理画面にログインできなくなったり、突然PCが挙動不審になったと思ったら単にマザーボードの電池が切れていただけだったり、PCのデータ移行用に外付けのSSDを買ってきたら新品なのに「予期せぬエラー」でアクセスできなくなったり、旧PCから新PCへとデータを移したら勝手に上書きされて消えてしまったり、海外からの送金がうまくいかないとお客様に言われ散々調べてもらったら実はお客様のちょっとした勘違いだったり…。解決してみれば、どれも原因はさほど深刻なものではなく、ちゃんとわかることばかりでホッとしたのですけれど、「次はなにが来る!?」と戦々恐々でした。

修業を強いられておりました…と過去形で書いたものの、実はまだあと一つ問題が残っています。Windows11にしたら、プリンタのスキャナ機能が使えなくなったまま、という。ドライバをアンインストールしてはインストールし直し、と数回繰り返しているのですが、うまくいかず…。公式サイトによれば、同じエラーが出ているのはわたしだけではないようで、症状の当てはまるヘルプがありました。それを読んでやっているんですけど、その通りには回復しないという…ふぅ(笑)。おそらく、苦手でない方にしてみたら、「トラブル」とも言えない、ちょっとしたことばかりだと思います。でもね、パソコンとかインターネットとか、デジタル系が、不得手なのです。

「仕事でやりたいことをするために必要な手段」だからやっていますが、仕事をしていなければ、とっくに浦島太郎です。こういう事態に陥るたびに、いつも思い出すのは事業を始めてインターネットを使い始めた当時のこと。わたしが藤吉憲典の作品を販売するネットショップをスタートした2000年は、いわゆる「黎明期」で、それこそわからないことだらけでした。冷や汗をだらだらと流しながら、四苦八苦していました。でも「掲示板」その他、善意の人が集まり不得手な人を助けてくれる風土・場があり、親切な方々に頼りながら何とか乗り越えてきました。そのころのことを考えると、今はより「公式なフォロー」が行き届いた環境になってきているのは確かです。つまり、あとは、そうした情報をきちんと使いこなせるかどうか、ということになりますが。

「システム管理者」的な存在を確保して、その人に投げて解決してもらう、というようにできたら楽なのだと思います。そろそろそのような方法も、選択肢に入れていかねばならないのかもしれません。ひとつ解決するたびに大きくため息をつきながら「今回のこのトラブルを乗り越えて得たものはなんだ?」と自問します。トラブルが起きた時の解決に向けて取るべき方法の選択肢が少し増えて、トラブルに対する耐性(図太さ)が少しついて、現在自分たちがお世話になっているモノ・サービスの「仕組み」を、理解できたとは言えないまでも垣間見ることはできて、チャットによるサポートが格段に便利になっていることがわかって…と、自分でやるからこそわかること、学ぶことがたくさんあるのは確かです。

今回、続けざまにトラブルに見舞われて、一番感心したのは、チャット、メール、電話等で対応してくださった、様々なカスタマーサービスのスタッフの方々がとても親切で忍耐強いこと。すごいな、と思いました。パニック気味のこちらに対し、一つ一つ確認しながら、できることできないことを明確にして、解決に導こうとしてくださる姿勢に、何度も助けられました。そして、解決してしまえば「おかげで理解できることが少し増えた。もう少し自分で頑張ってみよう」と思ってしまいます。すべて他者に任せてしまって、自分がまったく理解できなくなってしまうことに対する怖さがあるというのも、実際のところ。結局は、その時間と労力をどう位置付けて考えるかですね。

なんてことを考えさせられたここ数か月でした^^

第1四半期経過-経営指針書の見直し。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

第1四半期経過-経営指針書の見直し。

2025年も第1四半期を過ぎました。毎年のことではありますが、1月1日が年度スタートの個人事業は、新年、春節、新年度、などと区切りを迎えているうちに「もう四分の一!」ということになります。この間は内外ともに変化が起こりやすい時期でもあるので、お正月に立てた経営指針書も、大きく変更点が出てくるのが例年のこと。毎年の「経営指針書」を振り返ってみると、ゴールデンウィークあたりに最初のアップデート版を出しています。

今年は例年より約ひと月早く、アップデート版を発行、発行といっても、単に紙に印刷して出すだけですが(笑)。日々、進捗状況のメモとチェック、計画変更の内容をリアルタイムで紙の上で書き直していますが、修正事項があまりに多くなってくると読みにくくなるので、アップデート版を出し直します。「そろそろ出し直したほうがいいな」と思うのは、漠然と自分の気分なので、定期的なものではありません。ですので、いつもより少し早くこのタイミングが来たということは、今年はこの最初の四半期で大きく状況の変わったことがいくつも出てきた、ということです。

昨年までに種まきをしていたものが、このタイミングで出てきた、というものや、まったく想定していなかった事案の発生など、いくつかの「嬉しいこと」がこの三か月の間に出てきました。これらを成果につなげるには、またやるべきことがありますので、必然的に新たな「To Do」リストが、経営指針書に加わります。計画立てるのが好きなわたしとしては、嬉しい作業。新たな事項は、テキストを赤文字や青文字にして一覧性を良くして、紙に印刷。はい、紙でないとダメなのです。アップデート版を手にしたら、あとは行動ですね。

写真は、花祭窯の小さな露地にあるザクロの木。この木は、ご近所さんが庭から掘り出して捨てようとしていたところを、いただいたのでした。根から掘り出してしばらく放置していたということで、根付くかどうかわからない状況でしたが、根付いたらラッキー!ということで。あれから10年ほど経ったでしょうか。植樹して数年後からは、花を咲かせ、実をつけてくれるようになりました。今年も美しい新芽が出てきています^^

ザクロの新芽

「作らない人」にとって、表装選びは貴重で愉しい創造的機会。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「作らない人」にとって、表装選びは貴重で愉しい創造的機会。

「作らない人」であるわたしにとって、表装=額装や軸装を選ぶ仕事は、貴重かつ愉しみな美術的創造力発動の機会です。今回もお世話になったのは、博多中洲川端・大崎周水堂さん。額装にしても軸装にしても、毎回「一般的ではないオーダー」を繰り出すわたしに対して、スタッフの方々が我慢強く付き合ってくださいます。最近では、よくみかけるパターンでセレクトをすると「その組み合わせは、ふつうっぽいですよね」とご指摘いただくほどになりました(笑)。

額装選び@大崎周水堂さん

フレーム(枠)と、マットの組み合わせは果てしなく、まずは予算やテーマで絞り込むことが必須です。今回は「400×800mmの定型パターンのある、細めでシンプルなフレーム」を、スタッフの方に出していただきました。出てきたフレームは10種類以上。

額装選び

マットの種類もたくさんです。実際に作品を載せてみて、イメージを確認。この作業が面白くて、放っておくと延々と続けてしまいます。

額装選び

今回の表装テーマは、これまでに作ったことのあるパターンではない組み合わせを選ぶことでした。同じものに対して、表装を変えるとどのように見え方が変わるか、遊び心が試されます。これが気軽にできるもの、シルクスクリーン作品ならではですね。めちゃめちゃ楽しいです。

決まるまで、いろいろな素材を引っ張り出してきて、お付き合いくださるスタッフの方々に、心より感謝です。