ご近所「なごみ」でビジネス系少人数勉強会―インスタの最新情報を学んできました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ご近所「なごみ」でビジネス系少人数勉強会―インスタの最新情報を学んできました。

「なごみ」は、津屋崎千軒の観光案内施設ですが、現在ここを運営している「ひかりのみちDMO福津」さんは、福津市全体の観光推進を担っておられるうえ、館長さんはじめスタッフの皆さんがとても素敵な方々で、地元の事業者向けにさまざまな施策を考えてくださいます。わたしがときどきレンタルオフィスとして使っているのも、ここ、なごみです。

以前には、福岡でのインバウンドの実情を知るためのセミナーに参加しました。

今回は事業者向けのインスタ講座でした。講師は、福津市のグルメ&お出かけスポット情報を発信している山下ことみさん。地域密着のインスタグラマー、ウェブライターなどのお仕事をなさっています。

二時間の勉強会で集中的に学んだのは「プロフィール構成」について。事前に参加者それぞれのアカウントをチェックしておられ、個別にアドバイスをいただきつつ、その場で「プロフィール」の文言を改善するワークに取り組みました。

しょっちゅう変わるインスタグラムの動きを個人で追うのはたいへんで、プロフィールも一度設定すると、長い間そのままになってしまう、ということがありがちです。「誰に」「何を」伝えるのか。そんな当たり前のことも、気がつけばズレていることがあり、定期的な確認と見直しは必須だな、と再認識する機会にもなりました。

さて「プロフィール」。150文字のなかで、何をどう伝えていくのか。その肝として教わった四つのポイントで、自らのアカウントのプロフィールを練り直しです。


  1. アカウント名/一言 で、どんなアカウントかイメージが湧くように。何を提供し、発信するアカウントなのか。
  2. 最初の4行が最重要。インスタの画面表示でプロフィールが表示されるのは、上から4行→もっと読みたいと思ってもらえて初めて全文読んでもらえる。
  3. 数字・権威性・フォロー後のベネフィット・地図情報等。
  4. リンク誘導訴求。プロフィール行の一番最後=リンク先の上に表示される部分なので、「このリンク先で何が表示されるのか」を明示する。

山下ことみさんの勉強会より


ということで、解説を受けたあとのプロフィール制作は、非常に明快でした。方向性がはっきりしたら、あとはどんな言葉を用いればベスト(またはベター)なのか、書き出してみるのみ。

少人数での開催だったゆえに個別のフォローが手厚く、二時間のなかでその場で成果物を生み、即反映させることが出来たのは、素晴らしいことでした。講師の先生の力もさることながら、運営側の構成力も大きかったのではと感じました。

素晴らしい機会を作ってくださった、なごみの皆さんに感謝です^^

藤吉憲典公式インスタグラム

令和6年度デザイン開発ワークショップ第一回目―昨年度に続き参加します。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

令和6年度デザイン開発ワークショップ第一回目―昨年度に続き参加します。

昨年度初めて参加した、福岡県の事業のひとつ「デザイン開発ワークショップ」。昨年度とはいえ最終回は今年の三月でしたので、つい最近のことのように感じます。ともあれ令和6年度の募集にお声掛けいただきました。

ちょうど先月、新しいチャレンジをスタートしたところでしたので、これは良いタイミングかも知れないと思いました。まずは講師の皆さんの顔ぶれをチェック。令和6年度のデザイン開発ワークショップは、福岡・北九州・筑後・筑豊の四地区で開催されるということで、昨年参加した北九州のメンバーを確認したところ、前回と同じコーディネーター、アドバイザーの方々でしたので、応募を決めました。この先生方の「参加した事業者が儲かるように」という一貫した熱意は、とてもありがたいのです。

先日その第一回目が開催されました。昨年度は無かったことですが、第一回目はワークショップが開催される四つの地区の参加者全員が、顔合わせ的に一堂に会しました。記念講話として九州大学芸術工学研究院の迫坪先生による「デザインについて」のちょっとしたお話を聞いた後、1時間ほどの参加者自己紹介&交流タイム。この時間があることで、次回からはスムーズに各社の課題の検討に入れそうです。主催・運営側もいろいろと考えていらっしゃるのですね。

この顔合わせの第一回目を含めて全部で6回のワークショップが、これから3月までの間で行われます。花祭窯的には、今回も「何をどう売っていくか」「その方法をどうデザインするか」を整理していくことに的を絞ったワークショップになると思います。しっかり成果を出せるよう、集中していきたいと思います。

名刺づくりは毎回楽しい―今回は考え方をまったく変えてみることにしました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

名刺づくりは毎回楽しい―今回は考え方をまったく変えてみることにしました。

毎回楽しい名刺づくり。前回大きくデザイン変更したのは、このブログによると2022年春のことでしたので、約2年半ぶりの大幅リニューアル。

今回も引き続き、花祭窯の事業をビジュアルで説明してくれる写真を裏面全面に、というのは変わりません。写真映えを一番に考えての用紙選びで、名刺としてはやや厚めのコート紙225kgをチョイスし、「紙製の名刺を使う意味」を生かせるように、のスタンスはそのままです。なにより、写真入りは好評でしたので^^

今回、大きく変わるのは表=名前の載る面です。名前以外の詳細情報は、コードで読み取る方式に。最近この手の名刺を頂くことがちらほら出てきて、なるほどこれはみんながスマホを持ち歩く現代では理にかなっているかも、と思ったので、自分でも試してみることにいたしました。

そうなると、名刺そのもののデザインをする前にまず、自分のプロフィールページを作り込む作業が必要になってきます。これって、けっこう手間じゃないか!?と思いつつ、ここはしっかり手間をかけていくべき部分ですね。名刺交換をした相手がこちらの事業に興味を持ってくださったときには、ページを読み込んでもらえば詳細な情報提供を瞬時にできますので、口頭で説明するだけよりも伝わりやすいでしょう。名刺の小さな紙面が小さな文字でごちゃごちゃすることが無いというのも、スマートです。

なにより、これまでわたしは「花祭窯 おかみ」と「Meet Me at Art アートエデュケーター」の2種類の名刺を作っていましたが、このタイプなら1枚でOKなのです。いろいろな顔、いろいろな肩書を持つ人にこそ適していると言えそうです。ページは日本語版だけでなく、英語版も用意しておけば、海外でもそのまま使えます。そんなわけで、現在プロフィールページ作り込み中。まだできていないの!?という声が聞えてきそうですが、出来上がりましたら、あらためてこちらでご紹介いたします。

弁護士さんに契約書作成の肝を教わる―またまた中小機構九州本部の専門家相談にお世話になりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

弁護士さんに契約書作成の肝を教わる―またまた中小機構九州本部の専門家相談にお世話になりました。

わたしの「公的サービス使い倒し術」のなかでも、活用度の高い方に入る中小機構九州本部の専門家相談。2013年から、ことあるごとに相談に行っていますので、それぞれの相談は単発とはいえ、10年以上お世話になっていることになります。

今回は、新しくサービスリリースを考えている「アート作品の貸し出し事業」の規約や契約書をどう作成すべきかについて、弁護士さんにアドバイスをいただきました。

いつもは博多にある中小機構さんに伺うのですが、今回はZoomで。相談日の前に、あらかじめこちらで想定して作成した規約や契約書のひな型を中小機構の担当者さんにお送りし、そこから弁護士の先生に転送して、あらかじめ内容をチェックしていただくことが出来ました。

おかげさまで、1時間の面談のなかではピンポイントで的確なアドバイスをいただくことができ、すっきりクリアになりました。面談の前にこちらが提出した文書の内容チェックなどをしてくださったことを考えると、1時間の専門家相談といいながら、それ以上の時間を割いてくださったことになります。弁護士さんに個別に相談を頼んだら、1時間いくらかかるのか…ということを考えたら、ほんとうに頭が下がります。ありがたいサービスです。

中小機構九州本部の支援サービス

おかげさまで、「アート作品の貸し出し事業」年内にリリースできそうな感じがしています。リリースの暁には、こちらでもご案内いたします!

新しいことをしようとすると、自分の知らない仕事がたくさんあることが、実感としてわかる。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

新しいことをしようとすると、自分の知らない仕事がたくさんあることが、実感としてわかる。

最近仕事の相談で、興味深いプロの方とお会いしました。印刷やさんと、スキャニングやさん。どちらも福岡市内にある事業者さんです。自分が詳しくない分野の話を知りたいときは、足を運んでプロの仕事場に伺い、顔をあわせてお話を伺うのが一番ですね。抱えていた課題に対し、的確な方法にスムーズに辿り着きました。移動時間を考慮しても、足を運ぶことで早い解決につながったと思います。

まずは印刷やさん。ふだんの名刺印刷や簡単な冊子印刷やはがき印刷の類は、オンラインでいつもお世話になる事業者さんが決まっています。が、先日訪問した印刷屋さんでは、一言に印刷やさんといっても、仕事の種類・仕事への関わり方はさまざまで、会社や人によって事業の範囲やレベルが大きく異なるのだという側面を、垣間見せていただきました。まずは初めましてのご挨拶、と思って訪問したところが、そのまま具体的に話が進み、仕事をお願いすることになりました。誰かからの紹介(すなわちお墨付き)ということでもなかったので、あまりにスムーズな展開に、少々驚きました。テンポよく行くときはこんなふうですね。

どうやってその印刷やさんを発見したかというと、インスタです。自分たちのやりたいことに合った提案をしてくださる技術と感性を持った方が福岡にいないかと、インスタで探していてヒット。自分たちの考えていることを具現化してもらえそうだと感じてアポを取り、訪ねて行ったのでした。「自分たちの考えていることを具現化してもらえそうだと感じて」というのは、もっぱら直感(笑)。ただその直感を支えるものとして、インスタにアップされている画像、書かれているテキストの内容、誰がフォローしているか、という情報がありました。最近の若い子はインスタ上で検索をかけるという話を前々から聞いていましたが、なるほどこういう感じなのかな、と思いつつ。

そしてその仕事を進めていただく上で必要な外注先として、紹介していただいたのが、スキャニングやさんでした。コピーやスキャンをしてくださる会社です。例えばキンコーズなどもそうですね、そのもっとプロフェッショナル版とでもいいましょうか。スキャニングやさんとの出会いは、印刷やさんでの打ち合わせ中。「この部分は外注した方がいい」という仕事をできるところを探すのに、印刷やさんがその場でいくつか電話をかけ、ネットで情報を確認し、あっという間に外注の手配まで道筋をつけてくださいました。善は急げでそのままそのスキャニングやさんへ足を延ばし、課題が一つ解決。スキャニングやさんとのおしゃべりのなかで、今後の仕事でもサポートしていただける場面がありそうだということもわかりました。

そんな素敵な方々との仕事の第一弾がどのような形で現れるのか、わたしたち自身が一番ワクワクしています。こちらでもご報告できるのを楽しみにしています。

まずやる、あとで直す―思いついたことを、まずは形にするべく動いてみる秋です。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

まずやる、あとで直す―思いついたことを、まずは形にするべく動いてみる秋です。

アート作品の貸し出し事業を準備中です、とアップしたのは、ちょうど一週間前のことでした。こちらは現在、保険会社さんから動産保険についての質問事項回答待ちの状態。ここがクリアになったら、あとは規約を完成してスタートです。

続いては、「アートカード」を活用した教育普及プログラムを検討中です。秋はいろいろと思いつきやすい季節なのかもしれません。先日受講した博物館学芸員技術研修で、アートエデュケーションツールとしての「アートカード」の可能性が広がり、まずは実際にカードを作ってみることに決定。現在、デザインを起こしている最中です。

調べてみると、国立系の博物館をはじめ、学校向けの教育普及プログラムとして、アートカードを活用している館が、けっこうあることがわかりました。アウトリーチ(出前講座)、貸し出し教材としても、人気があるようです。調べているなかで、カード実物を使うものだけでなく、「デジタルアートカード」なるサービスを展開している会社も発見。画面上で活用できるものです。デジタルアートカードを導入している館の取り組みもいくつか見てみました。スマホやタブレットなどの端末さえあれば、いつでもどこでも利用できることや、物理的な制限が無いので、何人もが同じタイミングで一斉に使うことができるのが、良いところ。ただわたし個人的には、実際に手に取って使うことのできるアートカードの魅力に軍配が上がりました。

善は急げで「カード」を制作してくれるところがあるものかと調べたところ、これまた、あるのですね。印刷会社さんのなかに、「かるた」や「トランプ」や「タロット」などのカードを制作する会社をいくつか見つけることが出来ました。一般的な印刷物との違いは、1つのデザインを複数枚印刷するという前提ではなく、デザインの異なるカードをセットで印刷すること。ある印刷会社では、1セットを54枚までと設定し、1セット当たりの印刷料金が決まっていました。セット数が増えれば、その分1セット当たりの金額が安くなる仕組み。

花祭窯のアートカード。こちらも出来上がり次第、ブログでご紹介いたします。一番楽しみにしているのは、わたし自身です^^

今年も無事に参加、精進して参りました―香椎宮での献茶式と報恩寺での野点茶会。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

今年も無事に参加、精進して参りました―香椎宮での献茶式と報恩寺での野点茶会。

人の人生に例えれば喜寿(77歳)すなわち77回目を迎えたという今年の香椎宮での献茶式。前日の準備から、楽しく充実した二日間となりました。お茶会当日がとても暑かったので、着物を着ての動きがたいへんでしたが、心配した雨には降られることなく、良かったです。

茶道南方流のお茶会は、お茶会前日の準備から始まります。準備への参加は任意で、そのとき時間を取れる人が、出来る範囲で準備をお手伝いする、というのが大原則です。お仕事やらさまざまな用事で準備に参加できなくても、お互い様ですので、まったく問題ありません。わたしができる限り準備から参加したいと思うのは、準備のなかで学ぶことがとても大きいから。お稽古の曜日や時間帯が異なって、なかなか顔を合わせることのない皆さまもいらっしゃいますので、お茶会と前日準備は、そうした方々にお会いできる貴重な機会でもあります。

入門以来ずっと年に5回お茶会があるので、わたしのなかで毎年の決まりごとのようになっています。毎年10月の香椎宮献茶式と報恩寺での野点茶会は、「お茶会の場を作るとこから始まる」という意味で、特に学びの大きい機会です。例えば、野点用の釜を吊り下げるための竹を山から切り出し、炉として地面に穴を掘るところから行う。そんなことを毎年やっている流派は、なかなか他には無いのではないでしょうか。

今回わたしは、前日準備でまず午前中は、お献茶のお点前に使う「棚」を磨く仕事を仰せつかりました。無垢の白木を乾いた布で黙々と磨き続けると、なんとなくツヤが出てきたかしら?という状態になります。これらの仕事の難しさは、「ここまでやったらゴール」の到達点がわかりにくいこと。先生に「上等上等、そろそろいいでしょう」とおっしゃっていただいて、なんとなく安心できるのですが、ほんとうにこれで良いのかしらという感じがあります。庭掃除なども似たところがありますが。

午後からは切り出された青竹を洗う作業。たわしでゴシゴシと洗います。これもまた、明らかな泥汚れなどが落ちたあとは、どこまで洗ったら良いのか、見た目の判断のしにくいところ。節の部分についた黒いシミのようなものをキレイに取り去ることをひとつの目安として、取り組みました。こちらも先輩に「もう大丈夫でしょう」とおっしゃっていただいて、お終いにすることが出来ました。

お茶会当日は、朝から会場の最終的な設定と、道具運びなど。無事献茶式が終わったら、野点茶会です。自分が席入りするとき以外は、水屋仕事を手伝います。今年も1席20名以上の、合計50名近い出席者での大きなお茶会となりました。これだけの人数がいると、終了後の片付けは早いものです。先生方・先輩方の指示に従い、一斉にあちらこちらでお片付けがはじまると、1時間もしないうちにほとんどが片付いておりました。こういう時の機動力というか、あうんの呼吸で皆さんが無駄なく動く感じが、何年やっていても、やっぱりすごいなぁと思います。

帰りは、いつもお世話になっている先生と途中までご一緒で、駅までの道中と乗り換えの駅まで、たくさんおしゃべりすることが出来ました。とっても楽しい一日でした^^

幼稚園・保育園など教育施設への「アート作品の貸し出し事業」をスタート準備中です。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

幼稚園・保育園など教育施設への「アート作品の貸し出し事業」をスタート準備中です。

きっかけは、ご近所の保育園からのお問い合せ。保育園の秋祭りイベントで、地元の作家の作品を展示して子どもたちに本物を見せたい、ついては藤吉憲典の作品を出展してもらえないかというご相談でした。「子どもたちが本物に触れる機会を提供する」ということには大賛成でしたが、2カ月前のご相談ではいろいろと難しく。提供する作品の準備やら、他の作家さんの作品との兼ね合いやら、展示方法についてやら、作品・鑑賞者双方への安全確保についてやら、きちんと準備しないと難しいということをご説明しました。できれば一年以上前にご相談いただけると嬉しいです。

ご相談にいらしてくださった園長さんによると、その園では芸術を特別なものとせず、あたりまえにそういうものが身近にある環境を目指したいということで、その考えにはわたしたちも共感しました。それならばなおのこと、イベントで様々な催しがあるなかで、半日から一日単発的にアート作品をただ展示しても、あまり意味が無いのではないかと率直に申し上げました。そして「長期的な視点で美術教育環境を提供できるような機会や方法があれば、ご協力したいと思います」ということをお伝えしたのでした。

お話をしている間は具体的には思いつかなかったのですが、しばらく頭の片隅にあったこの課題から、カタチにしようと思い立ったのが「アート作品の貸し出し事業」です。保育園や幼稚園などの施設の一角に、常に本物のアートがある空間を作ることで、長期的な情操教育的効果を期待できるだろう、というところ。そのときは意識していなくても、成長して大きくなった後に「そういえば通っていた幼稚園には、いつも絵画が(あるいは彫刻作品が)あった」というように思い出す機会があれば、大成功です。アートエデュケーターふじゆりとしては、幼児向けに、より積極的なアート体験プログラムを組むことも可能ですが、「芸術を特別なものとせず、あたりまえにそういうものが身近にある環境を目指したい」ということならば、むしろこちらかな、と。

そのような環境を作ろうとしたときに、もちろん一番良いのは、その施設がアート作品を購入して飾ることですし、そうしている教育施設は少なくないと思います。ただ、最初はハードルが高いかもしれないな、とも理解できなくはないので、将来的には購入することを目指して、まずはレンタルからスタートするのもアリかな、と思いました。それが、子どもたちにとっても、施設に携わる方々にとっても、最初のきっかけになれば、というところです。

というわけで、現在、貸し出しのための規約等を制作中。2024年内にはサービスをスタートできると思います。今のところ、対象は子ども向けの教育関連施設と考えています。オフィスなどへのアートレンタルサービスを事業展開しているところもあるのは知っていますが、オフィス=大人は、借りるのではなく買って欲しい(笑)。興味のある方は、ぜひ一度ご相談くださいませ^^

花祭窯のギャラリースペースに椅子が入りました―ようやく気に入ったものを発見♪

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯のギャラリースペースに椅子が入りました―ようやく気に入ったものを発見♪

花祭窯のギャラリースペースは靴を脱いで上がる和室なので、座るときは「畳に座る」ことになります。和室に上がってしまうと「ちょっと腰掛ける」ような場所が無く、特に膝や腰の悪い方がいらっしゃったときは、申し訳ない状態が続いていました。「畳の部屋に似合う椅子」を探さないとね、と言いつつ、コロナ禍下で来客を受け入れない時期も数年あり(と言い訳しつつ)そのままになっていました。

先日おじゃました大川家具ドットコムさんの10周年パーティーが、本社ショールームで開催されたので、これ幸いと2階のショールームで椅子を物色(笑)。そしてあっさりと、気に入ったものを発見したのです。これ、けっこうすごいことかも。

座面の大きさといい、高さといい、配色といい、座り心地といい「花祭窯の和室に、これ!」という椅子です。素晴らしい出会い♪これまでに探したなかで、木製のデザインチェアーは、シックで美しいもの、座り心地の良さそうなものがいろいろとありましたが、実は「重い」ものが多いです。今回出会った椅子は、良いつくり、良い雰囲気のものでありながら、片手でも動かせる形・重さであるというのも見逃せないグッドポイント。

大川家具ドットコムさんで手に入れた椅子

正座の苦手なお客さまも、これからは安心して受け入れることが出来ます。嬉しい^^

ご質問をいただいたので、あらためて龍の文様(特に爪の数)について調べてみました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ご質問をいただいたので、あらためて龍の文様(特に爪の数)について調べてみました。

やきものに描かれる龍の絵(文様)には、三本爪、四本爪、五本爪と、爪の数の描かれ方がさまざまです。「五本爪は中国皇帝への献上品だった」(けれど、現代では中国でも日本でもあまり関係なく描かれている)というのは、この業界ではあたりまえに言われていることでしたので、その認識でずっと仕事をしてまいりました。作品に描かれた龍の爪について説明をするときも、そのように申し上げておりました。

今回、龍の掛け軸をお届けしたお客さまから「龍の爪は五本爪が本物なのでは無いでしょうか」というお問い合わせがありました。どうやら少し知識のある方が、そのような話をしたようです。その掛軸に描いていたのは四本爪の龍でしたので、お客さまのご心配を取り除くためにも、この機会にあらためて文献に当たったうえで、ご説明することに。

龍の掛け軸 藤吉憲典

中国の古いやきものの資料も、花祭窯にはたくさんありますが、ちょうどタイミングよく、つい先日中国上海から帰国した友人から『中国文様全集』の贈り物をいただいたところでした。年代別に描かれた中国の文様事典です。やきものに限らず、さまざまな場面で描かれてきた文様、造形されてきたデザインが、膨大な資料として編纂されていて、日本ではなかなか手に入らないであろう貴重な資料です。

『中国文様全集』

この全集の背表紙に描かれているのも龍で、こちらの爪は四本。資料を開くより先に「五本爪ではないからと言って、ほんものではないという言い方はできない」ことが真っ先に証明されました。本資料と、その他の資料をあたって、お客さまにご説明差し上げた「龍の爪問題」への回答は次の通りです。


  • 龍の爪の本数については、中国では、歴史的に皇帝への献上品(すなわち皇帝に認められた官窯で作られるもの)だけに許されるものとして、5本爪が描かれてきました。
  • 龍は霊獣のひとつ、そもそも想像上の存在なので、何が正しいというものはありません。猛禽類の足の鉤爪を模して龍の爪であるとする解釈があります。猛禽類の爪(足)は、前に 3 本、 後ろに 1 本の合計4本です。
  • 日本では、水墨画などにおいても、歴史的に見ても3本爪か4本爪で描かれているのが一般的です。
  • 5本爪だけが「本物」とする説は、中国の骨董品を見極めるときに、それがきちんと官窯(皇帝のお抱え窯)で作られたものかどうか、という点で語られる視点としては、ありえます。 が、これも当時からたくさんの模造品が作られていますし、現代では誰でも自由に描いています。
  • 5本爪で皇帝の権威を示すようになったのは、明時代からのようです。それ以前の時代は、3本爪か4本爪で描かれているのが一般的です。

このような回答となりました。お客さまからのおたずねで、あらためて調べ直す機会を得たおかげで、今後同様のご質問をいただいた場合にも、またきちんとご説明できそうです。