小さくて美しくて精巧で可愛らしいものは、コレクションしたくなる。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

小さくて美しくて精巧で可愛らしいものは、コレクションしたくなる。

例えば、藤吉憲典のつくる小皿豆皿。この顔ぶれを見るたびに、この作家は小さいものをつくり出すのが得意だし、なにより好きなのだなぁと、つくづく思います。

小さくて美しくて精巧で可愛らしいもの。やきものの世界になじみ深いところでは、香合(こうごう)もそうですね。上の写真は、錦野薔薇文香合(藤吉憲典 作)。その他思いつくところでは、香水瓶、嗅ぎ煙草を持ち運ぶ鼻煙壷(びえんこ)など。ここに並べたものはいずれも「香り・匂い」にまつわるものであり、「持ち運ぶ」が用途に含まれるものだと気づきました。「蓋付き」なのはその用途故ですね。

香合も香水瓶も鼻煙壷も、コレクター心をくすぐるもので、国内外問わずあちらこちらの美術館・博物館にコレクションがあります。鼻煙壷は日本ではあまりなじみが無いかもしれません。わたしが初めてその存在を知ったのは、大阪市東洋陶磁美術館でのこと。大阪市東洋美術館が所蔵する沖正一郎コレクションに鼻煙壺1,139件があり、常設展示コーナーでその一部を拝見することが出来ます。常設の専用棚に並んだ姿は壮観です。コレクションのなかから100個、入れ替えながら展示している様子。とにかく見ていて飽きません。(大阪市東洋陶磁美術館は、現在改修のため長期休館中です。)

そんな小さくて美しくて精巧で可愛らしいものに「ボンボニエール」がある!と気づいたのが、つい先月のこと。先日のブログ「佐賀鍋島家のお宝を守る徴古館。」で発見した探し物というのは、このボンボニエールのことでした。ボンボニエールもまた、「持ち運ぶ」用途があり「蓋付き」であり、コレクションされています。

ボンボニエールとは、砂糖菓子「ボンボン」を入れる小さな箱。大きさは手のひらにおさまるほどのサイズです。欧州でお祝い事の記念品としてボンボニエールを配る慣習を、明治時代中期以降日本でも倣い、皇族や華族の間で取り入れていました。慶事の宴席への出席者に、金平糖などの砂糖菓子を入れた小箱を引き出物として配るこの伝統は、現代でも皇室で受け継がれているといいます。

なにしろ皇室伝来のものですから、市中に出回り難いものでしょう、その数は決して多くないようです。徴古館にあるボンボニエール146点は、出どころも確かなまとまったコレクションとして、かなり貴重であることが伺えます。興味深かったのは、その材質が、銀か木かの二択であること。このなかに磁器が無かったのは残念なことでした。ただ、皇室に由来している物に限らなければ、ノリタケ、ロイヤルコペンハーゲンなどが、磁器製のボンボニエールをたくさん手掛けています。

ということで、磁器作家・藤吉憲典が次なるコレクションアイテムとして取り組むのは、ボンボニエール。同じようなサイズ・意匠でも、香合というと用途や使う人が限られてしまいがちですが、お菓子入れでしたら誰でもが楽しく使えます。どんなものが出来てくるのか、どうぞお楽しみに。

佐賀鍋島家のお宝を守る徴古館。

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佐賀鍋島家のお宝を守る徴古館。

「文化遺産オンライン」が面白い。と書いていたのはつい一昨日のこと。ある調べ物をしていて辿り着いたのが文化遺産オンラインだったのですが、わたしの調べ物のお目当てが、佐賀鍋島家の伝来品を所蔵する「徴古館(ちょうこかん)」にたくさんあるとわかり、軽く驚いたところでした。徴古館なら、佐賀に住んでいたころに何度か足を運んだことがあります。灯台下暗しとはまさにこのこと。

鍋島報公会徴古館 https://www.nabeshima.or.jp/main/

佐賀県内で初めての博物館と謳われる雰囲気の良い洋風建築は、国の登録有形文化財です。徴古館を含む佐賀城内エリアには大きな神社もあり、お散歩がてらウロウロするのに程好い環境です。徴古館の展示スペースはそれほど広くはないものの、鍋島家のお宝の数々は目を楽しませてくれるものでありました。

さて今回の調べ物、佐賀にあるのならば、すぐに直接観に行ける!と喜んだのも束の間、現在展示替え休館中で、6月中旬まで開館を待たねばということで、とりあえずは断念です。でも、その資料の載った図録を手配していただけることになりました。昨日お電話でお話をしたところが、翌日の本日には手元に届きました。職員の方に心より感謝です。上の写真はその図録表紙。

やきものの資料探しなら、佐賀県を最初にあたりますが、今回はそうではなかったのに、実は佐賀県にあったというめぐり合わせ。やっぱりご縁があるのね♪やっぱりわたしたちがやるべき仕事なのね♪と、勝手に喜んでおります。

「文化遺産オンライン」が面白い。

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「文化遺産オンライン」が面白い。

上の写真は「文化遺産オンライン」サイトのトップページ。

ここ数年で、美術館博物館の使いやすいサイト・情報量は各段に増えて、まったく使いこなすことが出来ていないほど。特に海外の著名美術館が提供する情報は、所蔵品の紹介はもちろん、研究文献などのテキスト情報、動画によるガイドツアー、各種教育普及プログラムなど、ほんとうにありがたい限りです。

日本国内の美術館博物館も、この2年でオンライン化が素晴らしく進み、調べ物をするのにも、個別の美術館サイトから情報を得ることが増えていました。そんななか、調べ物をしていてたまたま見つけたのが、この文化庁のサイト。文化庁が運営する我が国の文化遺産についての電子情報広場(ポータルサイト)です。

文化遺産オンライン https://bunka.nii.ac.jp/index.php

昨日現在での登録館数が1045館、そのうち作品公開をしてくださっているのはわずか195館で、作品公開数が269,959件。正直なところをいえば「このキーワードでこれだけしかヒットしない!?」という分野が少なからず、です。基本的には各館の任意の意思による登録がベースになっているのが、その理由でしょう。自館の収蔵品をたくさん登録してくださっている館もあれば、そうでないところもある、というところです。

使ってみた印象としては、地方の小さい館が頑張ってデータベース化してくださっているのが、とてもありがたいです。これまでまったく知らなかったモノや作者が出てくるのが面白い。「名も知らぬ館」が持っているお宝情報を、「時代」「分野」「文化財体系」のカテゴリー検索から引っ張り出すことができて、未知の世界を切り開く楽しさがあります。地方の小さな館にとっては、自分たちの研究分野・所蔵品・活動を広く知らせるチャンスにつながりますから、どんどん登録してくださるといいな、と思います。

文化庁が運営するデータベース。その存在をもっと知っていただくことで、これから中身がどんどん充実していくことが期待されます。

芸術家の妄想力。イメージが具現化するということ。

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芸術家の妄想力。イメージが具現化するということ。

磁器作家として独立したときから(正確にはその前から)、ダンナ・藤吉憲典は風呂敷を広げることが得意です。「こんな陶芸家になる」のイメージを具体的に言葉にできるのは、作家・アーティストとして必要な要素のひとつかもしれません。アーティストに限らず、自ら事業を起こす人は、そういう具体的な成功イメージをはっきりと持っている方が少なくないと感じます。ダンナの場合、成功イメージを説明する形容方法が特異で面白いのが、伴走者としては愉快なところ。

そんな「こんな陶芸家になる」の形容のひとつに、「学校の教科書に載る」というのがあったのです。独立してやっと自分の作品を作り始めたぐらいの時代から、ずっとそんなことを言っており、息子が小学校に上がる頃には「お父さんそのうち教科書に載るから」と、具体的な根拠はまったく無いのに言っていました。

が、そんなイメージが具現化するお話をいただきました。詳細の情報公開は一年先2023年4月以降になりますので、現段階ではここに書けないのがちょっぴりもどかしいのですが、こんなことってあるのだなぁ…というのが正直な感想です。

藤吉憲典が作家として独立した理由の一つに、肥前磁器(古伊万里、有田、鍋島などの総称)の技法・文化が、このままでは文献のなかに眠ってしまうという危機感がありました。また作陶理念には「肥前陶磁の伝統技術・文化の継承を、生きた個性で形にする」と挙げています。まさにそこに共感・理解してくださった結果としてのお話でした。ありがたく、嬉しい限りです。

まずは一年先の情報公開を楽しみに。そして次に具現化するのは、どんなイメージか。こういうところにも、アーティストの伴走者としての仕事の面白さがあります。

読書『世界の名建築歴史図鑑』(エクスナレッジ)五十嵐太郎編

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読書『世界の名建築歴史図鑑』(エクスナレッジ)五十嵐太郎編

『世界の名建築歴史図鑑』(エクスナレッジ)五十嵐太郎編

『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)で、彫刻の歴史をざっと学び直し、としてまとめ直していたのは、ほんのひと月前のことでした。いつものご近所カメリア図書館で見つけた本書『世界の名建築歴史図鑑』をパラパラと開いて、まず思ったのは、彫刻の歴史と建築の歴史は、とくに近代以前はリンクしていたということ。建築家であり彫刻家という人物はたくさんいたわけで、そのうえ画家であるという人も少なくなかったのですから、そもそも分けて考えるものでは無かったのだろうなぁ、なんてことをあらためて思いました。

本書『世界の名建築歴史図鑑』では、西洋だけでなく日本の建築の歴史の流れも追っていること、建築は「社会的な存在である」ことを意識したまとめ方になっていることが、専門家でない者(=わたし)にとって親切でわかりやすく感じました。キーワードで読み解けるようになっていて、それぞれのキーワードが興味をそそります。上の写真の目次で、そのキーワードの一端を垣間見ることが出来ると思います。

個人的には、これまでほとんど学ぶことのなかった日本の建築の流れを読むことが出来たのがまず第一の大きな収穫でした。また近代以降の建築についてのまとめ方に、特に「社会的な存在である」という視点を強く感じました。建築家のお友だちとおしゃべりをしていると、彼ら彼女らの仕事と花祭窯の仕事(=芸術家の仕事)との大きな違いとして、「まず最初に誰からかのオーダーがないと作ることが出来ない」点と、ほとんどの場合「(外観を)公の目にさらされるのが大前提」を挙げる人が多いです。この二つの特徴が「社会的な存在」となる根本にあると思いました。

そんなことを考えながら、面白く簡潔に学ぶことのできる教科書でした。カラー写真が豊富で、見ていて楽しい!というのもおススメポイントです♪それにしても、写真掲載されている建築物の7割方には見覚えがあり、これは福岡ACAD.で開催した勉強会「世界史を建築家の視点で見る」シリーズの賜物です。あらためて株式会社藤井設計室藤井昌宏氏からの学びの大きさにあらためて感謝。コロナで休会状態になってしまっていましたが、そろそろ福岡ACAD.も再開を考えたいところです。

『世界の名建築歴史図鑑』(エクスナレッジ)五十嵐太郎編

藤吉憲典のLinkedInページが出来ました。

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藤吉憲典のLinkedInページが出来ました。

Ceramic Artist Kensuke Fujiyoshi LinkedInページhttps://www.linkedin.com/company/ceramic-artist-kensuke-fujiyoshi/

そもそもLinkedIn(リンクトイン)に登録をしたのは、遡ること5年ほど前のこと。藤吉の個展でロンドン滞在中にご紹介いただいた、日本と英国を結ぶ仕事をなさっている方からのご招待でした。そのときは単純にクラウド名刺管理ツールのひとつで、海外ビジネスでの利用者が多い、くらいの認識。それから何年も経つうちに、次第にSNSとしての位置づけが強くなってきた感じで、最近は越境ECを手掛けるコンサルの方々も話題にすることが増えてきました。

そんなこんなで、せっかくアカウントは持っているのだから、そろそろ活用してみようかな、と思い始めたところです。SNSの活用も、アカウントを増やしたところで、生かせなければリスク要素を抱えることにもなるので、痛し痒しではあります。が、使ってみなければ自分たちの仕事に合うかどうかを推し量ることもできません。今年は3年ぶりにロンドン個展がありますので、11月の会期オープンに向かって試していくことに。

まだ日本語ページを作り始めたばかりで、事業の基本情報をやっと掲載したところです。多言語でのページ作成ができるようになっているので、これからまずは英語ページを作成して、その後コンテンツを増やしてまいります。今のところなんとなくですが、LinkedInとアーティストは相性が良さそうに感じています。

増やしたり減らしたりしながらのSNS運営。一人でできることは限られているので、反応を見ながら要らないものは思い切って止める意思決定も必要だなと思いつつ。そのうえで、並行して取り組むべき柱が何本もあるならば、そろそろサポーターの手を借りることも考えようと思いつつ。

とりあえずLinkedIn、お試し中。アカウントをお持ちの方は、ぜひフォローしていただけると嬉しいです^^

Ceramic Artist Kensuke Fujiyoshi LinkedInページ

藤吉家の「新・春の恒例行事」は、いちご狩り。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

藤吉家の「新・春の恒例行事」は、いちご狩り。

花祭窯の創業地である、佐賀県江北町花祭に行って参りました。目的は、草刈りと、苗木の植樹と、いちご狩り。いちご狩り@花祭は、昨年から始まった我が家の春行事です。

観光農園「花祭いちごの谷」
観光農園「花祭いちごの谷」

福岡・津屋崎から佐賀・花祭までの道中は、あちらこちらで満開に近い桜を愛でながらのドライブとなりました。いい季節です。花祭窯の創業地でも、移転前に植えた桜が見事に花を咲かせてくれていました。

花祭の桜

限界集落になりつつある花祭に光を当ててくださった観光農園「花祭いちごの谷」の活動は、そこに住んでいなくてもできる地域貢献を考えるきっかけを、わたしたちにあらためて提示してくれました。毎年この季節にここに来ることによって、初心に戻ることが出来るありがたさ。

自分達にできることの第一歩として、一昨年の台風で更地となった創業跡地に、柑橘樹を植えることに。今回はまず3本を植えましたが、これから少しづつ増やしてまいります。そのうち、柑橘類の果実で観光農園ができるようになるといいな、と企み中。

花祭に果樹園を作る。

お茶のお稽古、のお稽古@徳り庵。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

お茶のお稽古、のお稽古@徳り庵。

「お茶のお稽古再開。」と書いたのは約2週間前のこと。

コロナ禍で、集まってのお稽古が出来ず、お点前を忘れてしまわないよう自習すればよいと頭では分かっていても、まったく手につかなかったこの2年間…(せっかくお茶室があるというのに!)。ようやく南方流・円覚寺でのお稽古ができるようになった途端「よし、おさらいしよう」と意欲が湧いてくるのですから、ゲンキンなものです。「あまりにも出来無さ過ぎると恥ずかしい」という気持ちが自分のなかに残っていることを確認(笑)。

やはり久しぶりにお稽古に出る前に復習したいという息子とともに、徳り庵でおさらいすることになりました。徳り庵は、花祭窯の小さな茶室です。

炭をおこして湯を沸かして、となるとまた一仕事なので、今回まずは空点前で。空点前(からでまえ)とは、実際にお茶を点てることなく、お点前の手順をしてみることです。「エアーお点前」とでも言いましょうか。実物の道具をどこまで使うかはその時々・環境に寄ります。今回は、湯・水・炭・お抹茶無しで、お茶室には風炉に窯と水差しだけを配置し、手に持って扱う道具は実際のものを使いました。

基本のお薄点前をお稽古しました。袱紗捌き(ふくささばき)の練習をし、お茶碗に茶巾・茶杓・茶筅を仕込むところから。人に教えるのが一番自分の勉強になるというのはどんな分野にも言えることなのだと思いますが、お茶もその通りですね。少なくとも息子よりは先輩ということで、拙いながらも指導をすると、自分が何所を理解していて、何をわかっていないかがあからさまになります。

ひととおり片付けまで済ませると、教える方も教わる方もぐったり。息子が「今日はここまでで大丈夫」と言ってくれたので、内心助かりました(笑)。お茶の先生方は、一日に何人も、それも習熟度合がまちまちな入門者のお稽古をずっと続けておられます。そのすごさをあらためて思いました。

それにしても道具の前に座るだけで、気持ちが引き締まるから不思議です。こうしていざ自主稽古をしてみると「どうして今までやらなかったのかしら!?」とさえ思えてくるのですから、我ながら呆れます。ともあれ後悔先に立たず。少なくとも月に一度はお茶室に座りたいと思います。

読書『〔デザイン技法図鑑〕ひと目でわかるレイアウトの基本』大里浩二監修・MdN編集部編

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『〔デザイン技法図鑑〕ひと目でわかるレイアウトの基本』大里浩二監修・MdN編集部編

こちらもいつものカメリアステージ図書館。階段を上ったエントランスエリアに、特集コーナーがあり、現在展示されているのは「伝える」をテーマにした本の数々です。その内容は…


【カメリアステージ図書館】

『言いたいことが伝わる 伝える力』『伝える力』をテーマに、伝わりやすい話し方、資料の書き方、レイアウト、広告など、ビジネスだけでなく日常生活でも役立つ様々な本を集めました。①伝わる話し方(コミュニケーション)②資料を使って伝える(資料作り・プレゼンテーション)③まだ知らない人に伝える(広告・POP作り)人に伝える力(技術)を学んでみませんか

カメリアステージのフェイスブックページより


ということで、良さげな本が並んでおります。わたしはデザイン系の「伝える」に役立つものを物色して参りました。数回にわたり何冊も借りてきたなかで、「これは買い!」となったのが本書『〔デザイン技法図鑑〕ひと目でわかるレイアウトの基本』。

裏表紙に「ちゃんとデザインの基本原則が学べるデザイン教本。」と書いてある通り、わたしのような、デザインを体系立ててちゃんと学んだことが無いけれど、仕事で使う場面がたくさんある人間に最適です。全ページで実例を挙げて簡潔に示してあり、ビジュアル的・直感的にわかりやすいのが嬉しい。そのうえで解説文を読めば、理屈もしっかり胎落ちします。

「レイアウト」にはじまり、「文字」「写真」「図版」「配色」と網羅していますので、これ1冊あれば、わたしレベルの活用範囲でしたら、ほぼこと足ります。なによりそれぞれの単元で上がっているサンプルが、どれもセンス良く、そのまま技法を部分的に流用して雛型として使えること間違いなしです。素人(=わたし)的には、こういうのが一番助かります。紙媒体・ウェブ、どちらでも生かせそうです。

カメリアステージ図書館の特集コーナーでは、いつもいろいろな気づきがあります。そんな場所を作り上げてくださっている図書館スタッフの皆さんに心より感謝です。

[デザイン技法図鑑]ひと目でわかるレイアウトの基本。

名刺新作-今回は裏面全面にサイ写真。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

名刺新作-今回は裏面全面にサイ写真。

毎回楽しい名刺づくり。名刺をどうしたものか、検討中。と書いていたのは、もう二か月ほど前ですが、懸案としていた「より紙で作る意味のある名刺」=ビジュアルインパクト重視で作ることが出来ました。と、自分では思っています(笑)

サイのサイモン氏名刺

これまでは表裏で日本語版・英語版と分けていましたが、分けなくても両方表記できるよね、と思い直し。結果、片面は余分な文字を入れることなく全面写真で作成することが出来ました。今回の写真は、絶賛売り出し中(笑)の、藤吉憲典作・サイのサイモン氏。

サイのサイモン氏のインスタ、現在休止中です。

そもそも「日本語版・英語版と分けなくても、同じスペースに両方表記してもいいよね」は、前回2020年に藤吉憲典公式ウェブサイトをリニューアルしたときに、発想を切り替えてチャレンジしたもの。情報を分けて独立させる効用もあるけれど、一か所で完結できることによる利点もあることがわかってきた、ここ数年でした。

毎回写真を差し替えていくことで、キャラクターカードのように、名刺を集める楽しみが生まれると嬉しいかも…などと思いつつ。考えてみたら、花祭窯の事業を説明するのに、写真ほど雄弁に語ってくれるものは無いかもしれません。今回は写真映えを一番に考えて、用紙は名刺としてはやや厚めのコート紙225kgをチョイス。「紙製の名刺」の存在価値を最大限に生かせるよう、これからもいろいろ試していきたいと思います。