ご質問をいただいたので、あらためて龍の文様(特に爪の数)について調べてみました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ご質問をいただいたので、あらためて龍の文様(特に爪の数)について調べてみました。

やきものに描かれる龍の絵(文様)には、三本爪、四本爪、五本爪と、爪の数の描かれ方がさまざまです。「五本爪は中国皇帝への献上品だった」(けれど、現代では中国でも日本でもあまり関係なく描かれている)というのは、この業界ではあたりまえに言われていることでしたので、その認識でずっと仕事をしてまいりました。作品に描かれた龍の爪について説明をするときも、そのように申し上げておりました。

今回、龍の掛け軸をお届けしたお客さまから「龍の爪は五本爪が本物なのでは無いでしょうか」というお問い合わせがありました。どうやら少し知識のある方が、そのような話をしたようです。その掛軸に描いていたのは四本爪の龍でしたので、お客さまのご心配を取り除くためにも、この機会にあらためて文献に当たったうえで、ご説明することに。

龍の掛け軸 藤吉憲典

中国の古いやきものの資料も、花祭窯にはたくさんありますが、ちょうどタイミングよく、つい先日中国上海から帰国した友人から『中国文様全集』の贈り物をいただいたところでした。年代別に描かれた中国の文様事典です。やきものに限らず、さまざまな場面で描かれてきた文様、造形されてきたデザインが、膨大な資料として編纂されていて、日本ではなかなか手に入らないであろう貴重な資料です。

『中国文様全集』

この全集の背表紙に描かれているのも龍で、こちらの爪は四本。資料を開くより先に「五本爪ではないからと言って、ほんものではないという言い方はできない」ことが真っ先に証明されました。本資料と、その他の資料をあたって、お客さまにご説明差し上げた「龍の爪問題」への回答は次の通りです。


  • 龍の爪の本数については、中国では、歴史的に皇帝への献上品(すなわち皇帝に認められた官窯で作られるもの)だけに許されるものとして、5本爪が描かれてきました。
  • 龍は霊獣のひとつ、そもそも想像上の存在なので、何が正しいというものはありません。猛禽類の足の鉤爪を模して龍の爪であるとする解釈があります。猛禽類の爪(足)は、前に 3 本、 後ろに 1 本の合計4本です。
  • 日本では、水墨画などにおいても、歴史的に見ても3本爪か4本爪で描かれているのが一般的です。
  • 5本爪だけが「本物」とする説は、中国の骨董品を見極めるときに、それがきちんと官窯(皇帝のお抱え窯)で作られたものかどうか、という点で語られる視点としては、ありえます。 が、これも当時からたくさんの模造品が作られていますし、現代では誰でも自由に描いています。
  • 5本爪で皇帝の権威を示すようになったのは、明時代からのようです。それ以前の時代は、3本爪か4本爪で描かれているのが一般的です。

このような回答となりました。お客さまからのおたずねで、あらためて調べ直す機会を得たおかげで、今後同様のご質問をいただいた場合にも、またきちんとご説明できそうです。

【第110回九州EC勉強会】『商品特性、経営資源別越境ECの勝ち方』に参加して参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

【第110回九州EC勉強会】『商品特性、経営資源別越境ECの勝ち方』に参加して参りました。

九州EC(九州ECミーティング)は、経営者・ECに取り組む方々が幹事となり、事業運営に役立つ情報交換・提供を行う会です。現在も完全ボランティアで続いている、稀有な勉強会組織です。今回の講師は、世界へボカン株式会社代表取締役の徳田祐希氏。九州ECでは初めての本格的な「越境」のお話で、そこに越境ECのコンサルとして、今真っ先にお名前の挙がる専門家の徳田祐希氏がいらっしゃるあたりが、この勉強会の凄さだと思います。

花祭窯としては、これまでにも徳田氏には勝手にお世話になっておりました。著書やYouTube(このYouTubeチャンネルが、すごいノウハウの宝庫です)で学んだり、

YouTubeチャンネル:越境EC・海外WEBマーケティング_世界へボカン

中小機構の専門家相談で面談の時間を取っていただいたり。

というわけで、今回初めて「生の徳田さん」のお話を聞けるとあり、一も二もなくセミナーに申し込んだのでした。以下備忘。


  • あたりまえのことをコツコツ。
  • 調査→戦略立案、が先。
  • (参考)https://www.sazentea.com/en/
  • クライアントの要望と、それを解決する商品を、紐づけする商品説明。
  • Shopifyのアプリ活用:Omnisend
  • Keep in touch
  • メルマガによる信頼構築は今も有効。
  • 海外のお客さまが「買える場所」を作る。
  • ロイヤルカスタマーを大切にする。
  • 「買う理由」を直接聞く。
  • お客さまは「見たい情報」しか見ていない。
  • オムニハブ:インバウンド観光と連動する。
  • 顧客との接点を「実店舗」で持つ。
  • インバウンド向けの接客ツールとして、インスタのリールは使える。
  • 卸売ページの作り方(参考)kakuritools.com
  • 絵画や高級品にはDHLがおススメ。
  • コミュニケーションツールをできるだけ一本化する。
  • ペイパル=購入者保護の仕組みがあるため信頼性が高い。
  • 顧客との最初の接点をどこでもつか。

【第110回九州EC勉強会】『商品特性、経営資源別越境ECの勝ち方』より


徳田さんがすごいな、と思うのは、必要以上の期待を抱かせず、本音で冷静に助言をくださること。たくさんの事例をお話下さるなかで、花祭窯としてはどのような方法が考えられるかを、じっくり考える機会になりました。また個人的には、これまで他の機関での海外進出サポートをしておられて、花祭窯の海外展開の初期の頃にたいへんお世話になった方が、世界ヘボカンさんに転職しておられて、思いがけず久しぶりにお会いできたのが、嬉しかったです。

お忙しいなか九州ECでの講師を引き受け、福岡にいらしてくださった世界へボカンの徳田さんとスタッフの皆さま、勉強会を企画運営してくださる九州EC幹事の皆さまに、心より感謝です。

2024年度の中学生職場体験学習を受け入れました@花祭窯。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2024年度の中学生職場体験学習を受け入れました@花祭窯。

ここ津屋崎に花祭窯の工房を移転してきたのが2012年。翌2013年からコロナ禍に入る前はまで、毎年中学生の職場体験学習を受け入れてきました。上の写真は2015年の時のものです。「職場体験受け入れ中」のシールを学校が作ってくださり、期間中、玄関先に貼っていたのでした。これはとても良い案だったと思います。また復活したら良いのに(笑)。

さてコロナ禍でしばらく職場体験学習自体が取りやめとなっていたのが、昨年から復活したと、市の教育委員会からご連絡をいただいていました。昨年は残念ながらダンナの日程が合わず受け入れできませんでしたので、花祭窯としては今年が復活第一弾となりました。中学生の職場体験。かつては5日間の受け入れ期間であったのが、3日間に短縮となっていました。3日間で何をやってもらおうか。お互いの時間を無駄にしないためにも、ある程度考えてから受け入れねばなりません。

今年花祭窯に来てくれたのは、津屋崎中学校二年生の女子二人。3日間のうち、最終日の一日は「陶芸(絵付)体験」にして、最初の二日間のメイン仕事には「図書館での資料集め」をお願いすることにしました。ちょうど作家(ダンナ)が、年末のロンドンでのクリスマス・ショウ向けに、「Animal Boxes」シリーズの制作に入っているところですので、その資料集めです。

福津市には二つの市立図書館があります。わたしがふだん使っているのは「カメリアステージ図書館」ですが、それぞれに強みがあるため、目的がはっきりしているときには、もう一つの「福津市立図書館」に優先的に足を運ぶことも多々あります。そして動物の写真データがたくさん載っている資料本となると、実は福間にある福津市立図書館の蔵書の方が豊富です。

福津市の図書館

まずは福津市立図書館で資料を集め、ダンナにチェックしてもらって不足しているものを、次はカメリアステージ図書館に行って探す、という手順。25冊もの資料を借りてくることが出来ました。福津市の図書館は、現在のところ貸し出し冊数の制限が無いので、こういうときありがたいです。

そのほかの時間には、梱包材となる「薄葉紙」や「ぷちぷち」を適度な大きさにカットしてもらう作業や、封筒や伝票にゴム印や落款を押してもらう作業などをお願いしました。どの仕事も、わたしが「時間があるときにやろう」と後回しにしてしまっていた作業です。この機会にすっかり片付けてもらうことが出来て、とっても助かりました。

最終日には、絵付け体験。これは一日がかりになるだろうと思っていたところが、中学生二人とも「絵を描く」が好きで、絵を描くことに慣れていたため、思いがけず半日で絵付を完成させることが出来ました。余った時間は、せっかく津屋崎千軒に来たのだから、ということで、ご近所の登録有形文化財「藍の家」に行って、伝統的な建築物の見学をすることに。藍の家保存会の方にガイドをしていただき、ちょっとした社会科見学ができました。

おかげさまで、無事三日間の職場体験学習が終了しました。あとは、中学生が絵付をした蕎麦猪口が焼き上がったら、連絡して取りに来てもらって、完了です。上手く焼き上がりますように。ともあれ、やはり他所のお子様を預かるというのは責任感を伴うもので、今はホッとしているところです。

某所より「花祭窯」についてのインタビューのご依頼をいただきましたので、下準備。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

某所より「花祭窯」についてのインタビューのご依頼をいただきましたので、下準備。

「藤吉憲典/Kensuke Fujiyoshi」についてのインタビューは、これまでにも何回もあったのですが、「花祭窯」ということになると、久しぶりのような気がします。上の写真は、昨年受けた、Kensuke Fujiyoshiのインタビュー記事。「花祭窯≒藤吉憲典」ですので、大差ないだろうと思う方もあるかもしれませんが、やはり「作家(アーティスト)」への質問と、「事業」に対する質問は、少し異なるように思います。いずれにしても、ありがたく貴重な機会であることには変わり有りません。幸い「インタビューではこんなことを質問しようと思っています」と事前にいただきましたので、きちんとお伝えできるよう、こちらで下準備。


  • 花祭窯と藤吉憲典の概要

花祭窯は、陶芸家・磁器彫刻家・書画家として活動する藤吉憲典の工房です。藤吉憲典は1966年熊本生まれ。幼少期より「画家になる」と決めており、佐賀県立有田工業高等学校デザイン科を卒業後、グラフィックデザイナー/イラストレーターとして東京のデザイン事務所で3年ほどの経験を積みました。佐賀に帰省後、「磁器に絵をつける仕事」でやきものの世界へ。複数の窯元で商品開発(プロダクトデザイン)の仕事を約10年経験後、1997年に佐賀県江北町花祭で作家として独立、2012年福岡県福津市津屋崎に工房を移転し、現在に至っています。

  • 花祭窯「おかみ」の主な仕事の内容・難しさ

おかみの仕事は「作品をつくる」ことと「顔役」以外ほぼすべて。経営判断をするための「選択肢」と「判断材料」を調べ集め並べること。その難しさ(=面白さ)は、いかに「作家がほんとうにやりたいこと」に気づき、方向づけ、マネジメントすることができるか。それをやっても良いと言える根拠を並べることができるか。作家の熱狂的ファンでありながら、状況をどれだけ冷静に客観的に眺めることができるか。

  • ブランディングを上げることへの成功要因

(まだまだ成功と言える状態ではまったく無いけれど)多少なりともうまく行っている要因があるとしたら、まず第一に作家の信念(自分たちが大切にするもの)を曲げず、王道でコツコツとやってきたことが大きいと思います。そして、そこ(作家)を信頼してくださるギャラリーオーナーさんたちと出会えたこと、その先にいらっしゃる、自分の審美眼を信じてモノを見ることのできる客様たちの存在こそが、事業が継続できている要因です。

また仕事を、「伝統工芸」や「アート」だと特別視するのではなく、ふつうの事業(ビジネス)として動いてきたことが、様々な業界・分野の方々に学ぶ機会につながり、継続の力になっています。

  • 海外進出成功への要因

(これもまだ成功と言える状態ではまったく無いけれど)海外の取引先を作ることが出来たのは、国内同様コツコツと新規開拓のアプローチを続けてきた結果だと思います。様々な形で力になってくださる方々との出会いも重要でした。かかる時間や費用をコストととらえず、あくまでも投資と位置付けて考えることができるかどうかも大切なように思います。

  • 今後の展開

藤吉憲典の仕事を、世界中の「眼の力」がある人たちの視界に届かせることが、花祭窯としてこれから最優先でやっていくべきことと考えています。そのためにどうしたらよいかを、日々模索しています。これまで以上に「人の手を借りる」を仕事に取り入れ、自分達二人だけではできないこと(時間がかかり過ぎたり難しかったりすること)に挑戦していきたいと思っています。


このように準備をしておくと、まずは心構えが出来ますし、自らを振り返る貴重な機会にもなりました。花祭窯のこと、藤吉憲典のことを「知りたい」「知らせたい」と考えてくださるメディアの方々に、少しでもきちんと伝わるように、その機会をちゃんと活かせるように、というのも「花祭窯おかみ」の大切な仕事のひとつです。いつどこでこの下準備が生かされるのかは、告知解禁してからのお知らせとなります。どうぞお楽しみに。

うっかりパスポートの有効期限を切らしてしまっていたので、取り直し。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

うっかりパスポートの有効期限を切らしてしまっていたので、取り直し。

いや、うっかりしておりました。気が付いたのは、北京個展に先立ち中国渡航ビザを取得しようとしていた頃。コロナ禍が落ち着いて以降、ダンナはロンドン、ミラノ、カッラーラ、北京と海外出張しておりましたが、ふと気がつけばわたしのパスポート、有効期限切れてるじゃん…ということで。前回の海外渡航からずいぶん時間が空きましたので、こういうことがありますね。上の写真は、KLMが福岡空港に就航していた頃ですから、もう8-9年前のもの。

パスポートの申請も取得も、昔に比べたらずいぶんやりやすくなりましたが、発行に1週間ほどかかるのは変わらないので、いざという時に慌てないよう、早め早めに手配です。まずは戸籍謄本。昔は戸籍地の役所まで行かねばならず、学生の頃に親に電話をして取ってもらい、郵送してもらったことを思い出しました。「広域申請」なるものが可能になって、居住地で謄本をゲットできるようになったのは、ありがたいことです。パスポート申請用紙は外務省サイトからダウンロード。あらかじめ記入をしておけるので、これも落ち着いて記入が出来ます。電子申請も可能なのはわかっているのですが、博多への用事ついでに天神にある窓口へ。パスポートセンターの手前にあるお店で証明写真をゲット。毎回「後悔先に立たず」な証明写真ですが、これはもうそういうものだとあきらめれば、さほど気にならなくなります(笑)。

パスポートセンターにはたくさんの方がいました。年齢も格好もさまざまで、あらゆる世代の、いろいろな立場の人が、ふつうに海外渡航する時代なのだなぁと、今更ながらに感じました。たくさんの方がいらっしゃいましたが、受付をしてからは思ったほど待たされることなく、サクサクと進みました。窓口のお姉さんたちの、にこやかでテキパキとした様子はとても安心感がありました。

更新を失念していたのは「しまった!」ではありましたが、最初から申請し直すにあたり、非常時の連絡先の見直しなどが出来たのは、良かったです。うっかりも悪いことばかりではなく(笑)。

9月は久しぶりに「中学生職場体験学習」の受け入れ―3日間のプログラムを考え中です。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

9月は久しぶりに「中学生職場体験学習」の受け入れ―3日間のプログラムを考え中です。

2013年からスタートした、花祭窯での「中学生職場体験学習」の受け入れ。津屋崎に工房を移転したのが2012年でしたので、その翌年から受け入れていたのですね。コロナ禍で学校側が体験学習を止めていたので、中断になりました。昨年から再開され、花祭窯は昨年は日程が合わなかったので受け入れ事業所の名乗りを上げませんでしたが、今年は久しぶりに中学生を受け入れることに。

以前は5日間あった職場体験期間が、3日間に短縮されていました。さてその3日間をどう有意義に過ごしてもらおうか、思案のしどころです。先日、中学校の職場体験担当の先生が挨拶にお見えになり、いろいろとお話をしました。窯元での職場体験というと、例えば「ロクロを引く」など、職場体験ならぬ「陶芸体験」を期待する向きがでてきます。これは毎回、先生にも生徒にも共通して言えることなので、まずはそこにくぎを刺すところから(笑)。数日の経験で「つくる」ことに手を出すことができるほど、甘い仕事ではないことを理解していただいたうえで、お話が出来ます。

そうはいっても、陶芸の仕事に興味を持ってもらうことは嬉しいことですし、大切なことなので、毎回最終日には絵付け体験などの「お楽しみ時間」は作ります。そこは作り手であるダンナに丸投げでお任せです。わたしとしては「つくる以外の仕事」にどのようなものがあるのかを知ってもらい、そこを手伝ってもらうべくカリキュラムを組まねばなりません。お楽しみ時間に1日あてると考えると、実質的には2日間。さて何をしてもらおうか、なかなか決まりませんが、お互いにとって有意義な時間になるように、頭をひねっているところです。

「いつ、どこに行けば(藤吉憲典の)作品を見ることが出来ますか?」へのお返事。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「いつ、どこに行けば(藤吉憲典の)作品を見ることが出来ますか?」へのお返事。

ここ津屋崎の花祭窯へのご来訪には「必ず事前にアポイントを取ってくださいね」とあちらこちらでお願いをしています。皆さんが電話で事前に確認をしてくださるようになり、おかげさまで「せっかく足を運んだのに、欲しいと思っていたものを見ることが出来なかった」という事態を、少しづつ防げるようになってきています。

藤吉憲典はすべて一人で制作しているため、制作数が他の作家さんや窯元さんに比べるとずっと少ないです。そのため、ご覧いただける機会も、比較的少ないと思います。花祭窯まで足を運べば、たくさん見ることができるだろうとお考えの方も少なからずいらっしゃるのですが、在庫がとても少ない(タイミングによってはほとんどないこともある)ので、ご覧いただけるとは限らないのが現状です。

お客さまの「いつ、どこに行けば(藤吉憲典の)作品を見ることが出来ますか?」に対する、現在の状況をまとめることにいたしました。


★作品をまとめてご覧いただけるのは、各地での個展の機会です。

作品制作のスケジュールは、個展・企画展などの展覧会に合わせています。そのため、展覧会機会に向かって制作数・在庫数も増えて参ります。出来上がったものはそのまま個展会場へ送ることがほとんどですので、数をまとめてご覧になりたい場合は、個展にお越しいただくのが一番です。

国内で継続的に個展を開催してくださっているギャラリーさんは次の通りです。ギャラリーさんに直接お尋ねくださっても大丈夫です。

桃居(東京西麻布)、百福(東京南青山)、銀座黒田陶苑(東京銀座)、ギャラリー栂(岡山和気)、暮らし用品(大阪阿倍野)

    ★個展・企画展によって、並ぶ作品が異なります。

    基本的には「そのときに自分の作りたいものを作る」のが藤吉憲典の大原則ですが、制作ジャンルが幅広いので、展覧会を開催してくださるギャラリーさんの意向や、その先におられるお客さまのことを考えながら、展覧会に出すもの(=その展覧会に合わせて制作するもの)の傾向を変えています。そのため、個展にいらっしゃったときに「目当てにしていたものが無かった!」ということもございます。

    ★欲しいもの、見たいものが決まっているときはお問い合せ下さい。

    作る側としては「今、力を入れて作ったものをご覧いただきたい」という気持ちで展覧会に作品を送りますので、そうしてご覧になったもののなかに気に入ったものが見つかると、「作品との出会い」の楽しさになるのではないかという気持ちもございます。ただ、明確に「蕎麦猪口が欲しい」「マグカップが欲しい」というようなご要望がある場合は、近々それらを見ることのできる機会があるかどうかを、お問い合わせいただくのが確実だと思います。花祭窯へお電話いただくか、花祭窯蕎麦猪口倶楽部のお問合せフォームをご利用ください。

    ★アート作品をまとめてご覧いただける機会は、現在のところ海外のみです。

    現在アート作品は、花祭窯のギャラリースペースに数点置いていることがございますが、制作後すぐにロンドンのSladmoreギャラリーに送ることが多いです。またSladmoreでは、展覧会の際に常連のお客さまに先に作品を紹介するため、ご覧いただくことが出来ても、売約済みになっていることも少なくありません。国内でもご覧になりたいとのお声をいただくようになっていますので、最近は個展の際に数点お持ちするようにしています。今後まとめてご覧いただける機会を持てるよう、検討中です。

    ★花祭窯にいらしても、作品がほとんどない場合がございますので、何卒ご承知ください。

    最初に書きましたように、藤吉憲典は手持ちの在庫数があまり多い方ではありません。花祭窯にいらっしゃるタイミングによって、ご覧いただける場合もございますが、例えば個展会期中などは、ほとんど在庫が無い状況になることもあります。「せっかく足を運んだのに、何もなかった!」という事態を防ぐためにも、お越しになる前に必ずお電話でご確認いただけると幸いです。


    今、思いつく限りのことを書いてみました。ご参考になれば幸いです。また状況が変わることがありましたら、このような記事でご紹介して参ります。

    今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

    お客さまの熱意に、まだまだ「知ってもらうための努力」が足りないことを知る。

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    お客さまの熱意に、まだまだ「知ってもらうための努力」が足りないことを知る。

    先日、少し遠方から新幹線で津屋崎の花祭窯までいらっしゃった、はじめましてのお客さまがありました。『美の壺』で藤吉憲典のことを初めて知り、その後、ネットの情報やギャラリーの情報を調べたとおっしゃって、足を運んでくださいました。開口一番「『美の壺』を見てびっくりした。こんなにすごいものを作る人がいるなんて。どうして自分は今まで藤吉さんの存在を知らなかったんだろう!?」と。

    聞けば熱心な陶芸コレクターさんで、自分の気に入ったものはとことん集めるとのこと。コレクションには有名作家さんのお名前が並んでおりましたが、藤吉の作品を気に入ったとおっしゃるあたり、どうやら有名無名で判断しているのではなさそうです。藤吉憲典の公式サイトで過去作品もかなり熱心にご覧になっていて、たくさん情報を集めておいででした。

    このお客さまをはじめ、やはりコレクターとなられる方は、懇意にしておられるギャラリーからの情報をメインに作家・作品を探しておられることを、あらためて感じました。つまり、オフラインであり、ギャラリーオーナーとの信頼関係による情報が一番というところ。藤吉作品を扱うロンドンのSladmoreギャラリーのお客さまも、やはりそうなので、これは日本に限ったことではありません。

    そう考えると、今回は『美の壺』というテレビ番組がギャラリー的な役割を果たしてくれた、ということ。そこからはご自身でインターネット上の藤吉憲典に関する情報を拾い集めてくださった、という順番で、花祭窯へのご来店につながっています。「藤吉憲典という作家のこと、作品のことを知りたい」と思っていただければ、そのための情報は公式サイトやSNSを通して発信していますので、辿り着いていただくことが出来ます。その前、一番最初のきっかけのところを、じゅうぶんに提供できていないのですね。

    お客さまの「どうして自分は今まで藤吉さんの存在を知らなかったんだろう!?」の言葉を思い返すほどに、「ギャラリー」や「美の壺」にあたる部分をもっと強化することが、良い作品を待ち望んでいらっしゃる方々に喜んでいただけることにつながると確信。常々頭にあることではありますが、まだまだ「知ってもらうための努力」が足りませんでした。「こんな作品を探していたんだ!」とおっしゃってくださるお客さまの前に、きちんと情報を提供できるようにすることが大切であり、長期的な課題なのだということを、あらためて考えています。

    多言語化支援セミナー~ChatGPTとDeepLの活用による翻訳業務の改善~に参加いたしました。

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    多言語化支援セミナー~ChatGPTとDeepLの活用による翻訳業務の改善~に参加いたしました。

    長年お世話になっている、福岡アジアビジネスセンターさんが主催するZoomセミナーに参加いたしました。

    ここ数年のわたしの翻訳仕事は、もっぱらDeepLをメインで使用しておりましたが、今年に入ってから、ChatGPTも併用するようになっていました。とはいえ、ChatGPTについては「活用」と言えるほどではなく…という状態であったところに、ドンピシャ!なタイトルのZoomセミナーのご案内をいただき、飛びつきました。

    以下、備忘。


    • 機密情報を翻訳するなど、AIにトレーニングさせたくない場合の対処:設定→データコントロール→モデルの改善を「オフ」
    • それぞれの「訳し方の癖」を理解する。
    • 日本語としての自然さ:DeepL>ChatGPT
    • 逐語的な訳:DeepL<ChatGPT
    • いずれも、英→日のほうが、日→英よりも精度が高い。
    • DeepLは、かたまりとしての文章の訳が得意。
    • DeepLで自然な文章を作り→ChatGPTで逐語的に追って訳漏れを防ぎ→人によるチェック・修正をかける。
    • 翻訳作業におけるChatGPTの役割:翻訳・書き換え・校正・辞書。
    • 訳文の種別・表現・スタイルを指定できるのがChatGPTの強み=言葉で簡単に支持できるので、「訳し方」のカスタマイズが容易。
    • ChatGPTでは「リファレンス」を示すことにより「訳し方」を指示することが可能。
    • AIの判断で付け加えられる情報があるので、人の目によるチェック・修正が必須。
    • ChatGPTは、最新の情報やニッチな情報については弱い。
    • 「文法上の誤りを修正して」の指示で、校正が可能。
    • ChatGPTで類語や例文をたくさん出してもらうと、より適切な表現が見つかりやすい。

    ITを活用した多言語化支援セミナー~ChatGPTとDeepLの活用による翻訳業務の改善~(福岡アジアビジネスセンター)より


    基礎的な事柄を中心にした内容でした。かなり期待値を高くしての参加でしたので、「あら、もうおしまい?」という感じがなかったと言えばウソになります。が、実際に使っていてなんとなく感じていたことに、翻訳のプロの目線から裏付けをいただくことが出来たのは、大きかったです。

    今回も福岡アジアビジネスセンターさんに、たいへんお世話になりました。ありがとうございました!

    はじめて短期スタッフをお願いしてわかったこと―人材ビジネスの価値・ありがたさ。

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    はじめて短期スタッフをお願いしてわかったこと―人材ビジネスの価値・ありがたさ。

    今回の博多阪急さんでの個展で、半日だけ単発で会場に在廊するスタッフをお願いすることになりました。知人に相談してみたところ、人材派遣や紹介を手掛ける福岡の会社で、福岡市内の百貨店への人材派遣に特化したところがあるということで、会期のひと月ほど前にお話を聞いてみました。

    営業担当の方が、すぐに必要な時間帯で動いていただける人材を探してくださいました。今回は単発の短時間ですので、派遣ではなく紹介。一点だけ確認されたのが「年齢層のご希望、上限などはありますか?」ということ。まったくありませんでしたので、何歳の方でもしっかり仕事さえしていただければ大丈夫です、とお返事しました。サービスを利用する側としては、まず「百貨店に派遣されている人」ならば、接客マナー・ビジネスマナーの点である程度安心できるだろうという期待がありました。そしてもし年配の方であれば、年相応の落ち着きや経験値から来る安定感があるだろうな、と。

    たった半日の勤務ですが、軽い面接というか、スタッフさんに事前にお会いしました。服装、話し方、控えめながら言葉の端々に現れる意欲が好感を持てて、即決。わたしより一回り以上年上の方で、百貨店への派遣歴も長く、どんどん進化するレジなど売り場でのあれこれに対応するため、自発的に各種研修に出かけているということでした。お会いした日も、これから新しいレジに対応するための研修に出かけるところでした、と。おかげさまで、スタッフさんの勤務日当日は滞りなく運び、わたしも安心してその日を務めることが出来ました。

    実はわたしの社会人経験は、法人人事部へのサービスを展開する会社で、人材採用・教育・評価・人事制度構築などのコンサル的な仕事でした。ですので、人材ビジネスを供給する側としては、じゅうぶんに仕組みや価値、使い勝手を理解していたつもりでした。30年を経て、今回初めて逆の立場でその仕事を眺めたときに、役に立つ仕事をしていたことを実感することができ、そんな意味でもとても良い経験となりました。今回の経験のおかげで、今後はもっと気楽に人材サービスのサポートを使っていけるように思います。何事も経験と勉強ですね。