JETRO NYからのアドバイス。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

JETRO NYからのアドバイス。

先日、福岡アジアビジネスセンターさんのことを書きましたが、ジェトロさんにも要所要所でお世話になっています。個人レベルの事業、しかも商材はアートですが「海外市場への輸出」であることには変わりなく。世界各地に支店を持ち、常駐職員さんがいて、地元専門家とのネットワークを持つジェトロからの情報に助けられることは多々あります。

少し前になりますが、ジェトロニューヨーク支店から、花祭窯の商材を前提とした北米市場レポートをいただきました。 A4用紙15ページに及ぶ量。海外展開でも、自らの足で赴き自らの目で確認することが原則ですが、客観的なレポートは、動き方の優先順位を決めるのにとても役立ちます。

以下、レポートから備忘。うちに近い商材をお持ちで、北米進出を考えている方には、いくらか参考になるかも!?


  • JUST FOR ME(エクスクルーシブ、希少性)。
  • Craftsmanship(職人技芸)に対する尊敬。
  • 一点もの。
  • 日本の伝統美に基づいたアート性の高さ。
  • 「強い」コンセプト:メッセージ、意志、アイデンティティー。
  • Zen(禅)。
  • 「良いエージェント」確保の重要性。
  • 北米にあったブランディングの打ち出し。
  • まずは丁寧に「ビジネスの土台」をきちんと作ること。

北米進出を考えるにあたり「良いエージェント確保の重要性」は以前からも言われていたことでしたが、あらためて「やはりそこか」という感じでした。まずはその地で丁寧にビジネスの土台を築いていくための、最重要ポイントなのですね。

平面と立体のあいだ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

平面と立体のあいだ。

辻仁成&江國香織共著の恋愛小説『冷静と情熱のあいだ』を読んだことは無いのですが、登場人物は絵画の修復家だったのですね。当時「○○と□□のあいだ」という言い回しが流行り、コントのネタに使われていたのを思い出しました。

さて

美術作品を説明する際の要素のひとつに、ジャンルがあります。平面・立体・映像・インスタレーションなど。藤吉憲典の場合、陶芸家・彫刻家としてこれまで作ってきたものはほぼ100%「立体」です。美術やアートといったときに多くの人が真っ先に思い浮かべる「絵画」は平面です。写真も平面作品ですね。

このところ海外での作品発表の機会を見据えて藤吉憲典が集中的に取り組んでいるのが、「平面と立体のあいだ」である「半立体作品」。これまでにも数点作ってきてはいますが、まとまった数手掛けるのは、20数年の陶歴において初めてのことです。

ここに至る要因はいろいろとありますが、なかでもここ数年「世界史を建築家の視点で学ぶ」シリーズでさまざまな歴史的・芸術的建築物を見て解説を聞き、学んだことも大きかったと思います。半立体の彫像や装飾レリーフが空間に果たす役割の素晴らしさ偉大さを、意識的・無意識的に刷り込まれました。

藤吉憲典の半立体シリーズは、現在「シマウマ」と「人魚」をテーマに広がりつつあります。これから先の展開が、いっそう楽しみです。

困った時の、福岡アジアビジネスセンター。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

困った時の、福岡アジアビジネスセンター

藤吉憲典の上海個展(11月)、ロンドン個展(12月)を控えて、ちょっぴり気分があわただしくなってきました。展示作品の制作はほぼできたので、あとは事務方のわたしの仕事です。

国内外を問わず、展覧会準備では「無事に作品を会場まで届けること」が一番の課題です。海外向けは、破損を防ぐ梱包への注力に加え、インボイスをはじめとした必要書類の準備に神経を使います。

先日、インボイス作成で少し気になることがあったときに、ちょうど福岡アジアビジネスセンターから「海外輸出個別相談会」のご案内が届きました。福岡アジアビジネスセンターは中小企業の海外展開を応援する福岡県の出先機関。少しでも気になることは、専門家に確認しておくのが一番と、すぐに予約を入れました。

この仕組みを利用したのは、2回目。予約の際にあらかじめ相談内容を具体的に書いておくと、的確にお返事を用意してくださるので、助かります。今回もおかげさまでスッキリ解決。毎度ながらありがたいです。

「ふじゆりスタイル」ブログでキーワード検索に「福岡アジアビジネスセンター」を入れると、いくつも記事が上がります。それだけ使っているんですね。国際弁護士さんによる法務相談などもあります。

福岡アジアビジネスセンターが使いやすいのは、県の機関でありながら、専任の職員さんを外部から採用したところにも一因があると思います。親身に対応してくださる職員さんに、いつも助けられています。

福岡県内の事業所で、海外向けの仕事で困りごとがあるときには、ぜひ一度訪ねてみてください。事務所名に「アジア」とついていますが、アジア域外の相談にも対応してくださいます。

花祭窯の庭師さん。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の庭師さん。

夏が過ぎ、草木が伸び放題の庭を手入れしなきゃね、と思っていたところに台風が来て、風に乗ってきた潮であちらこちらと枯れはじめ。いつもお世話になっている庭師さんに、助けを求めました。数年前に花祭窯の茶庭を整備するときからお世話になった方なので、どこにどんな草木が植えてあるか、すべてご存知。説明要らずの安心感です。

上の写真は、その庭仕事後。「2カ月後ぐらいに、好い感じになる」をテーマにスッキリ美しくなりました。ほんとうは今の時期だと水引草があったり、ヤブランがあったりと、もう少しにぎやかなのですが、潮で枯れはじめたため、思い切ってバッサリ。あとは、寒くなるまでに、どれだけ新しい芽が出てきてくれるか、です。

お仕事ぶりをみていて、「どこを残すか」で決まるのだなぁと、あらためて思いました。迷いなく手際よく枝を落とし、草を払っている、その瞬間瞬間に「どこを残すか」を絶妙に決めているのがわかり、すごいなぁと思いました。

これからが楽しみなサザンカの木の周りも、スッキリ。一日でここまで仕上げてくださった庭師さんに感謝です。

女三人集まれば…仕事の話。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

女三人集まれば…仕事の話。

三連休の一日、博多で「もつ鍋」ランチ。昼からもつ鍋という時点で、すでにオッサン感満載ですが、集まったのは女三人。個人事業のわたし以外は、二人とも株式会社の創業社長。

業種も業態もまったく異なる三人でしたが、話題は自然とそれぞれの事業の話になりました。今まさに向かい合っている経営課題や、計画中の新規事業の話、数字の話など話題は尽きず、あっという間の三時間。

創業した動機も、事業継続のモチベーションもそれぞれに異なるものの、広義での「経営の話」をざっくばらんに繰り出せる場には、各々にとってたくさんの「!」が散らばっていました。面白いのは、それぞれがその「!」を見つけ、拾い上げる瞬間がときどき見えること。

こういう機会に毎回思うことですが、事業をしているお友だちとのおしゃべりには、無意識の共通言語があるようです。明確な問題提起などせずとも、なにげなくおしゃべりしているだけで、解決すること少なからず。そろそろお開きという頃に友人の発した「あ、なんかすっきり!」の言葉がみんなの気持ちを代弁していました。

これだから、ときどきのランチ会は外せません。 そんなお友だちが周りにいることが、つくづくありがたいのです。

ときどき、すごい料理人さんに出会います。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ときどき、すごい料理人さんに出会います。

仕事柄、日本料理の料理人さんが藤吉憲典の個展にいらしてくださいます。福岡・津屋崎まで足を運んでくださる方々もあります。藤吉の器を使ってくださる方々は、大切な資産として食器を扱う方々。料理の仕事に、高いプロ意識と美意識を持っておられます。

先日も、とびぬけたプロ意識と感性をお持ちの料理人さんが、花祭窯に遊びにいらっしゃいました。いつもと違ったのは、日本料理ではない分野の料理人、シェフでいらしゃったこと。

写真はその方、大野尚斗さんが「これに何を盛り付けるか」のイメージを語ってくださった、藤吉憲典のサイ。このサイを見て、迷わず具体的な料理の盛り付けをイメージした方にお会いしたのは、初めてでした。でも確かにこのサイは、なにかを入れることのできる「蓋もの」になっており、その中身が料理であるというのは、素敵な可能性のひとつになります。

お若いながら、はじめから世界に照準を合わせている、明確な意志。 言葉に違わぬ行動を伴う熱意。そして、どんなことをしゃべっていても、何を目にしても、己の仕事=料理と関連付けて考える、好い意味での執着と発想の柔軟性。

特に最後の一点は、意識して考えているというよりは、自然とそのように思考が働いているのが見て取れ、思わず嘆息。

既知の仲良しであるFRANCE-YAシェフ・舩越さんと一緒に来てくださったのですが、舩越さんもまた「フレンチオタク」と呼べるほどの人。そこに「やきものオタク」の藤吉憲典ですから、彼ら三人の会話が面白くて面白くて、あっというまに数時間経っていました。「その道のプロ」とお話しするのは、ほんとうに楽しい。このような機会があるのは、幸せなことです。

大野さんのnoteで、彼の料理人となり、ご自身のお店を持つまでの道のりを、一緒に追いかけることができます。すでに相当面白いエピソードが満載です。

藤吉憲典の新作、続々追加中。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

藤吉憲典の新作、続々追加中。

藤吉憲典の英語版公式サイトに、アート作品の新作紹介。

https://fujiyoshikensuke.com/artwork/

海外ではアート作品をメインに発表しているので、英語版サイトでもそれに準じた作品紹介になっています。

食器もチェックしたい!という皆さまには、フェイスブックやインスタグラムのほうが、いち早くご覧いただけると思います。どうぞよろしくお願いいたします。現在、藤吉憲典の公式日本語サイトでも食器も紹介していこうと準備中。こちらはゆっくりお待ちいただけると幸いです。

食器をいち早くチェックできるのはこちら!
藤吉憲典公式インスタグラム

中学生職場体験@花祭窯2019。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

中学生職場体験@花祭窯2019。

今年も男子中学生2名が来てくれて、はじまりました。7年目。ということは、最初に受け入れた子どもたちが成人している!ということ。のべ受け入れ人数は14名になります。

5日間。毎年思うのは、せっかく縁あって花祭窯に来てくれた彼らに、「やってもらう仕事」をどれだけ準備できるか。この準備をしっかりしないと、お互いに時間が無駄になってしまいます。

学校から「職場体験の機会提供ありがとうございます」と言われる以上に、こちらが「中学生が職場体験に来てくれたおかげで仕事がはかどりました」とお礼を言える5日間をつくるのが、理想です。

1日目の本日は、例年通り駐車場の「草むしり」からスタート。上の写真は初日の仕事ぶり。これも毎年思うことですが、草むしりや掃除はほんとうに性格が出ますね。最初にこれをすることで、その後の指示の出し方を考えることができます。

外での清掃仕事、室内での事務仕事、図書館での調べものと、場所を変えながらいろいろと取り組んでもらいました。思いのほかサクサクとこなしてくれて、準備した仕事の進み具合も予想を上回るスピード。

明日以降も楽しみです。

上海での仕事には、We Chat 。

こんにちは。花祭窯・おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

上海での仕事には、We Chat 。

必須!ということで、春先に現地打ち合わせをしたあとアプリを入れ、さぁこれで個展の打ち合わせがいつでもできる!と思った矢先、片手で数えられるほどの回数しかチャットをしていない段階で、「アカウントブロック」にあったのでした。

ただでさえドキドキしながらインストールしたのに、スマホ使いこなせないなかビジネスツールだからと頑張っているのに、この仕打ち(笑)

ウィチャットを使いこなしている日本人の友人数人に聞いてみても、アカウントブロックされたことも無ければ、ブロックされたという話を聞いたこともないということで、がっくりしながら情報集め。

ありました!「We Chat アカウントブロック解除法」。こういうことがあるたびに、さまざまな分野で最新サービスを使う方々が、ご自身が体験したトラブルを解決策と一緒に公開してくださっていることに感動します。ネット上でのこのような善意の側面は、20年前から変わっていないなぁ、と思います。ほんとうに何度「名も知らぬ先人」の知恵に助けられたことか。

まず目を通したマニュアルの「アカウントブロックされるわけは?」の項目には「わかりません」と書いてあり、深くうなずきました。わたし自身、なぜブロックされたのか、まったく心当たりがなかったので。

ともあれブロック解除法に導かれ、上海に住む友人の力も借りて、本日ようやくブロック解除に成功。時間をかけすぎてしまい、新しくアカウント作ったほうが早いよね?と自問しつつ、なんとかクリア。ホッとしました。

これで、この11月から12月にかけての上海個展と企画展に備えることができます。気がつけばあと2か月足らず。展示内容については、ダンナ藤吉憲典の作品制作も目途がたってきました。事務方の仕事はここからスピード上げてまいります!

「面白そうか」という判断基準。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「面白そうか」という判断基準。

おそらく仕事柄、あるいはダンナやわたしの対外的な印象によるものかもしれませんが、たまにユニークなご相談をいただきます。

我が家は商売をしていますので、いただいたご相談に対してまず考えることは「それはうちの仕事にとってプラスになるか、少なくともマイナスにならないか」ということ。仕事と直接的に関係のない内容であっても、まずそこを考えます。それも、短期的な影響よりも、長期的に見たときの影響を重視して考えることが多いです。

それから、そのご相談を持ってきた方が「信頼できる方か、共有できる価値観を持っているか」ということ。これは、同じ人でも、ある分野では価値観が共有できるけれど、別の分野では全然違う!ということもあり、ひとつひとつ分けて考えるのが難しいところですが、とても大切。「全面的に信頼していたのに」というのは、自らの勝手な思い込みによるものだと、歳を重ねてわかってきたところです。

そしてもうひとつ大切なのが「面白そうか」ということ。どんなに「信頼できる方が持ってきた」「商売的にも良い話」であっても、「それはわたしにとって面白いのか?」という判断基準が、今更ながらに大きくなってきたような気がします。

この「面白い」のなかには、単純ではないニュアンスが含まれていて、「あなたの言う面白いってどういうこと?」を言葉で説明するのにはかなり骨が折れますし、きっととても伝わりにくい。10人いれば10人それぞれの「面白い」があり、それは各々の生きてきた道から導き出されるものなのだと思います。

というわけで、先日某所からもたらされた「ちょっと面白そうな話」少し検討してみます。