花祭窯の、夏の花。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の、夏の花。

立秋が過ぎて、暦の上では秋になりました。 酷暑は続いているものの、 そういえばセミの鳴き声が少しおとなしくなっていたり、トンボの群れを朝夕見かけたりと、ちょっとづつ秋に向かっているのですね。

カノコユリ
今年はふたつ咲いてくれたカノコユリ。
こちらはこれから白い百合が咲きます。
いつも少しゆっくりめのサルスベリ。

真夏の緑はとても濃くなりますが、それに負けないような華やかな色を見せてくれる花々。木や宿根草は毎年変わらず咲いてくれるので、ありがたいです。

読書『W・チャーチル 我が半生』(中央公論新社)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『W・チャーチル 我が半生』(中央公論新社)

写真は、イギリスではありませんが、お日さまの名残りが美しい、夕刻の津屋崎浜。

少し前に読んだサッチャーさん『マーガレット・サッチャー 政治を変えた「鉄の女」』(新潮選書)から時代をさかのぼり、チャーチルさんへ。こちらは自伝でした。

「はじめに」にあたる冒頭部分が「現代イギリスの自伝として」と題した解説になっているとおり、1874年の生誕から、19世紀終盤の四半世紀を経て20世紀前半へというチャーチルの半生は、大英帝国の大きな転換期に重なっているのですね。読んであらためてわかりました。

特に本の前半で思い出したのは、カズオ・イシグロの書いた『日の名残り』。貴族の館で政治の重要なことが決まっていった時代への憧憬と、その終焉へ向かう時代の空気。『W・チャーチル 我が半生』の、行間に漂う当時の英国の思想と、階級社会の上から目線(笑)な文章がまったく鼻につかないと言えば嘘になりますが、それもまた時代と小説的文体のなせる業なのかもしれません。

そう、チャーチルの自伝記でありながら、気がつけば小説を読んでいるような気分になっていました。それもそのはずですね。チャーチルさんはそもそも文筆家でもあり、たくさんの著書があったことを、今回初めて知りました。

本書は自伝でしたので、次は客観的に書かれたチャーチルさんの本を読んでみたいと思います。

プレミアム〇〇デー。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

プレミアム〇〇デー。

の、ススメ。○○には、あなたの名前が入ります。わたしなら「プレミアム・ゆりデー」。

数年前のこと「たまには、好きなことをして、好きなものを食べる日をつくったら?」という提案が家族からありました。もともと仕事と趣味の境目が無いような感じなので、息抜きをする必要を感じていなかったのですが、なるほどね、と考えてみました。

仕事をしているのが好きだし、趣味はと聞かれてもたいそうなものは思いつかないのですが、たしかに気になっていることはありました。例えば、プールに泳ぎに行くこと。週1回でも泳ぎに行けたらいいなぁ、と思いつつ、月1回も行けていません。「もっと近くにプールがあれば…」というのは言い訳で(笑)

月に1日「プレミアム・ゆりデー」をつくり、その日は泳ぎに行ったり映画を観に行ったりする。別の雑事が入りそうになっても「ああ、その日はプレミアム・ゆりデーなのよね」と断ったりする。そう考えると、なんだか楽しくなってきました。

さて、提案をもらってから数年。スタートさせず仕舞いだった「プレミアム・ゆりデー」でしたが、今年の誕生日を機会に、月に一日つくることを決定しました。「休み下手」「切り替え下手」の皆さん、ぜひ「プレミアム・○○デー」はじめませんか?

内側とか裏とか底とか。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

内側とか裏とか底とか。

写真は、藤吉憲典のつくる陶箱シリーズのひとつ「染錦(そめにしき)蛙に紫陽花(かえるにあじさい)陶箱」。蓋の裏側にも、アジサイ。

12月のロンドン個展に向けて追い込み制作中のダンナ・藤吉憲典。ロンドンでのプロモーション用に作品の写真をいくつか送って欲しいという、Sladmore ContemporaryギャラリーオーナーGerryからのメールに、こんな一文がありました。

「ケンの作品写真、正面からだけじゃなくて、内側とか、裏とか、底とかの写真もよろしく!」

もちろん原文は英語でしたが、日本語訳すると、だいたいこんな感じ。

このメッセージを受けて、嬉しくてたまりませんでした。Gerryがほんとうに藤吉憲典の作品が大好きで、どこにその良さがあるのかをきっちりと理解してくれていることが、あらためて伝わってきたからです。

そもそも、将軍への献上品や大名諸氏への贈答品として、その技術・文化を発展させてきた肥前磁器の素晴らしさは、表面的な美しさだけでなく、形・絵付ともに、見えていないところにまで配慮し手を入れるデザインと、そのデザインを形にする技術力の高さにありました。

その美点をしっかり継承していくことは、磁器作家・藤吉憲典が己に課した使命でもあります。見えない細部にまでしっかり手を入れる仕事。それを見てくれている人、わかってくれている人がいるということは、作り手にとって、大きな喜びになります。

花火大会でした。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花火大会でした。

福津市の花火大会は、毎年近所のお楽しみ。海上で打ちあがる花火は、海岸線ぐるりと広い範囲から観ることができます。写真は翌朝の海。

早朝から海岸清掃ボランティアにたくさんの人が参加していました。市内に三校ある中学校からも、たくさんの中学生が毎年この花火大会後の掃除に参加しています。

昨今、人気の高い花火大会が中止になるニュースが耳に入ります。その要因はいくつもあるのだとは思いますが、この中学生ボランティアの経験が、将来花火大会を中止せざるを得ない要因となり得る一つを予防する効果があるかもしれないな、と思いつつ眺めています。

今年はお天気の不安が無かったこともあり、昨年にも増してたくさんの車と人出でした。交通整理には、あちこちで地元のおじさんたちが大活躍。「地域の知っているおじさん」が目を配ってくださっていることが、つくづくありがたいと感じました。

アートギャラリーでの対話型美術鑑賞プログラム。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

アートギャラリーでの対話型美術鑑賞プログラム。

学芸員研修を通して美術館・博物館での教育普及プログラムを考えたり、美術館の常設展示を用いて対話型鑑賞をしてみたり、座学の講座形式で「対話型美術鑑賞」を解説したりしてまいりましたが、このたび「アートギャラリー向け」のプログラムを作りました。

アートギャラリーオーナーの皆さま、貴ギャラリーで扱っている作品(絵画、彫刻など)を題材に美術鑑賞ツアーを開催しませんか?

そもそもわたしの「美術はもっと身近に使える」という思いは、「鑑賞する」を越えて、もっと生活のなかにあたりまえに美術が存在して欲しいというものです。

そのためにも、まずは「鑑賞する」環境や習慣が自然に生まれることが一番。アーティストではない立場でアーティストの言葉を代弁してきたわたしとしては、美術教育で一番大切なのは、描くことでも作ることでもなく、まずは鑑賞することです!と、あえて言い切りたいのです(笑)

ともあれギャラリーで対話型鑑賞のツアーをすることは、参加する方が「自分のこととして、ひとつのアート作品に向き合う」絶好の機会となります。

採り入れてみたい!という方は、お気軽にご相談くださいませ(^^)

mmaa連絡先
https://fujiyuri.com/blog/meet-me-at-art/

読書『ある男』(文藝春秋)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『ある男』平野啓一郎著(文藝春秋)

『マチネの終わりに』から約2年ぶりだったそうですね。平野啓一郎ファンには待ちかねた1冊だったようです。

戸籍を交換して別の人間の過去を引き継ぎ、その人間として生きる。小説ではありますが、自分の身近にそういう人がいたとしても不思議では無く、漠然とリアリティを感じながら読みました。

「別人として生きる」ある男の決断の背景にあるもの。そしてその背景を明らかにしないでいられない主人公の執着。すべてが少しづつ過剰ではありながら、誰にでもイメージできる程度のさざ波が立っているようなストーリーでした。

「文体」の妙があり、それが魅力でありながら、作品によっては、読み進めるのに時間のかかる平野作品。ちなみにわたしはデビュー作をいまだ読み終われずにおります(笑)が、この『ある男』は一気に読み終わりました。

選書ツアー!@紀伊國屋書店。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

選書ツアー!@紀伊國屋書店。

今年も行って参りました。地元のカメリアステージ図書館が開催してくれる選書ツアー。写真はイメージ。

大学図書館では一般的らしいのですが、一般の公的図書館での開催はまだ珍しいという選書ツアー。「図書館に入れたいと思う本を選ぶ!」とっても魅力的なイベントで、もちろんすべての希望が通るわけではありませんが、このような機会があることが嬉しくて仕方がありません。

博多にある紀伊國屋書店に集合。今年は「子どもが選ぶ本」も入れたいということで、夏休み期間中の開催となりました。図書館の職員さんからの説明と、紀伊國屋書店さんからの説明を聞いた後、約1時間かけての選書タイム。自分が図書館に入れたいと思う本を見つけたら、専用の端末でISBNコードを読み込んでいきます。

このところ本屋さんをぶらぶらする時間をとれていなかったので、とってもいい時間になりました。普段はなかなか行かないコーナーにも足を伸ばし、久しぶりに子ども向けの本コーナーをのぞき、視界を広げる時間となりました。

図書館がより身近になる選書ツアー。せっかくの素晴らしい機会なのですが、3年目の今年も参加者の募集に苦戦をしたようで、図書館のスタッフさんと「次回はどうしたらもっと積極的に参加してもらえるか?」について意見交換。

福津市、とくにカメリアステージ図書館をお使いの皆さん、次回は是非ご参加をご検討ください。選書ツアー、おススメですよ♪

波折神社の夏越し祭。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

波折神社の夏越し祭。

今年は7月28日(日)に行われました。半年の穢れを落とし、無事に感謝して茅の輪をくぐります。 「茅の輪くぐり」「夏越し祓い」「輪越し祭」 など呼ばれますが、半年が終わる6月30日に開催する神社も多いですね。

ここ津屋崎に越してきてから、すっかり我が家にとっても大切な年中行事のひとつとなっています。昨年作った我が家の輪を納め、今年くぐった輪の葦をいただいてきて、お守りにします。写真は我が家の今年2019年の夏越しの輪。輪を編むのはダンナの仕事です。輪っかをつくって八年目となり、だいぶ形も格好良く作れるようになりました。

毎年、人がどれくらい集まるかが気になりますが、今年はわたしの知っているなかでは最も多かったように思います。神職のお手伝いをしているダンナが「饅頭足りないかも…!」と(笑)

輪くぐりとお祓いが終わると、紅白のお饅頭をいただいて帰ります。今年は予想よりも参加者が多かったようで「一家族にひとつ」でなんとか間に合ったようです。でも、地域の方々がたくさん出て来てくださるのが嬉しいですね。

神主さんを先頭にぞろぞろとみんなで行列を作って輪をくぐるのは、神妙な神事でありながら、なんだかとても楽しいのです。心のなかで半年間の無事を感謝しながら。歩いて行ける地元の神社でこのような行事のあることが、毎回ありがたいです。