津屋崎千軒には王丸屋がある。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

津屋崎千軒には王丸屋がある。

「コミュニティカフェ」とか「コミュニティスペース」などの言葉を日常的に聞くようになってきたのはいつ頃からだったでしょうか。津屋崎千軒にある王丸屋も「コミュニティスペース」とついていて「誰でも気兼ねなくふらっと立ち寄れる場所」になっています。

花祭窯から歩いて30秒ほどなので、我が家の家族は(特にダンナ!)しょっちゅう立ち寄っています。何をするわけでもなく、そこに行って、そこに「たまたま」いた人としゃべる。コーヒーを飲む。息抜きの場であり気分転換の場。

わたしはわたしで、 スマホ仕事に集中したいときに、王丸屋のフリーWiFi環境で長居。店主のとーる君はじめ、そこには「私より若い誰か」が居る、あるいは現れる確率が非常に高いので、スマホを触りつつ分からないことがあると、誰彼構わず聞いて教えてもらったりしています。

地元の人も、旅人も、子どもも、大人も、いろいろな人が気兼ねなく立ち寄れるのは、そのオープンな店構えもさることながら、店主とーる君のゆるい雰囲気が安心感を誘うのだと思います。地域コミュニティ!居場所づくり!的な張り切った雰囲気がまったく無いからこそ、居場所足り得るという逆説的な事実。

津屋崎方面お越しの際は、ぜひ王丸屋を体験してみてくださいませ(^^)

みんなの縁側 王丸屋はこちら。

ウィーン・モダン@国立新美術館

こんにちは、花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ウィーン・モダン@国立新美術館

西麻布桃居さんでの藤吉憲典陶展に在廊してきたついでに、国立新美術館へ。このところ、出張のタイミングで隙間時間を見つけては「ふらりと展覧会」に足を運べるようになりました。

桃居さん界隈で徒歩圏の美術館は、森美術館(六本木ヒルズ)サントリー美術館(東京ミッドタウン)、そして国立新美術館。月曜休館の美術館が多いなか、「今日開いている!」「企画展会期中!」という条件に当てはまった国立新美術館に行って参りました。

お天気も良く、お散歩がてら15分ほど。桃居さんのオープン時間まで約1時間、しっかり観覧することができました。

正式の展覧会名は「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」。英語版の「VIENNA ON THE PATH TO MODERNISM」の方がストレートでわかりやすいタイトルだと感じましたがそれはさておき。

素晴らしかったです!

このところブログでの展覧会訪問録は「素晴らしかった!」と書いていることが多く、何を観ても「素晴らしい」と言っていると思われるのではないかと危惧しつつ(笑)。実のところ、展覧会の感想は毒を吐くことも多いのですが、このところは「ちょうど自分の関心が向いているもの」を「秀逸な展示で見ることができる」ラッキー♪が続いています。

絵画だけでなく、ウィーン工房の工芸品の数々や、近代建築の先駆者と言われるオットー・アーグナーの設計計画図面、模型なども多数展示してありました。「分離派(セセッション)」の時代であり、これはつい先日の「世界史を建築家の視点で学ぶ アールヌーボー」で学んだばかりだったので「なんとタイムリー!」と一人で大満足。

クリムトの絵も好きですが、今回わたしがもっとも気に入ったのは、エゴン・シーレの「ひまわり」でした。1本すっくとした立ち姿の、華やかでない存在感に惹きつけられました。そして同行した中学生の息子を感動させたのは、「音楽の教科書に載っているシューベルトの肖像画」。

美術展では「自分のペースで勝手に見る」のが習いの藤吉家。今回もさっさと歩きだした息子がしばらくして興奮した様子で戻ってきて、「ほんもの?ほんものよね!」と腕を引っ張るので何かと思えば、お馴染みのシューベルトの肖像画の「ほんもの」でした。ついでにメガネの実物も。

「帰ったら音楽の先生に報告しなくっちゃ!」と大喜びの息子。こういう発見があるから、やっぱり本物を観に行くのはいいですね♪わたし個人的には、もっとゆっくりできるときに、3階にあるという美術図書館に行ってみなくちゃ!と思いつつ。

大満足の新国立美術館でした。「ウィーン・モダン」の会期は8月5日(月)まで。

藤吉憲典陶展@桃居、在廊しておりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

藤吉憲典陶展@桃居、在廊しておりました。

6月2日(日)~3日(月)桃居さんにおじゃましておりました。つくり手であるダンナは、初日から二日目にかけて在廊。期間中たくさんの方にご挨拶することができて、とても嬉しい滞在となりました。

今回は、テーマを「蓋もの」と絞り込んだため、これまでのような食の器を期待してお越しくださったお客さまには、少しびっくりなさるかもしれないと思いながらの個展スタートでした。そんな気がかりもあって、今回の作品群についてお客さまから質問があればひとつでも多くお答えしたいと思い、ダンナと日程をずらして滞在しておりました。

国内のギャラリーでこのようにまとめて「蓋もの、箱もの」をご覧いただく機会は、今回が初めて。初めての取り組みというのは、やはりいつも結果が読めずにドキドキするものです。まずはとにかく、作家が楽しんでつくった作品を、お客さまが楽しんでご覧くださったらいいな、の一心でした。

ご来場の皆さんがワクワクした表情で蓋を開けてご覧になったり、「一番お気に入りの箱」をお探しになるにこやかなご様子を拝見して、少しホッと致しました。

桃居さんでの藤吉憲典陶展2019は、6月4日(火)が最終日。全展示作品は藤吉憲典公式サイトでもご覧いただくことができます。

https://fujiyoshikensuke.com/jp/%E8%97%A4%E5%90%89%E6%86%B2%E5%85%B8%E9%99%B6%E5%B1%95%EF%BC%A0%E6%A1%83%E5%B1%85/

藤吉憲典公式Twitterはじめ。

こんにちは。花祭窯おかみ・ふじゆりです。

藤吉憲典公式Twitterはじめ。

数カ月前にアカウントを開設するも「こまめにツイートする」に至らず、いまだまったく使いこなせずにおります。ご覧の通り、フォロワーの数もこれからどんどん増えてくれたら嬉しいな、というところ。

とにかくコツコツ続けることが大切!という友人の言葉に励まされ、ここ数日ちょこちょことつぶやいております。

やきもの・器・アート作品・彫刻・美しいものなどなどに興味のある皆さまのフォローをお待ちいたしております。よろしくお願いします♪

https://twitter.com/Ceramicist_Ken/status/1134286202251538432

藤吉憲典陶展@桃居、明日初日です。

こんにちは。花祭窯おかみ・ふじゆりです。

藤吉憲典陶展@桃居、明日初日です。

藤吉憲典陶展 at 桃居
藤吉憲典陶展 at 桃居

2019年は西麻布桃居さんでの個展が最初。楽しみにしてくださる皆さまには、たいへんお待たせいたしました!の初日です。

今回の個展テーマは「蓋もの」。「蓋がついているもの」にこだわった結果、重箱・陶箱がいろいろと並びます。

和の箱、洋の箱。古典の写しから、コンテンポラリーアートと呼ぶべきものまで、培ってきた肥前磁器の伝統工芸文化・技術と現代美術との融合点をご覧いただける個展です。どうぞお越しくださいませ。


藤吉憲典陶展
2019年5月31日(金)→6月4日(火)
AM11:00→PM7:00(最終日PM5:00)
会期中無休
桃居
港区西麻布2-25-13
TEL03-3797-4494

【告知】福岡ACAD.「世界史を建築家の視点で学ぶ!第7回モダンスタイル」

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

【告知】福岡ACAD.「世界史を建築家の視点で学ぶ!第7回モダンスタイル」

全8回で計画をしている「世界史を建築家の視点で学ぶ!」シリーズ。第1回「建築の歴史」第2回「エジプト・ローマ」第3回「初期キリスト教・ビザンチン」第4回「ロマネスク・ゴシック」第5回「ルネサンス・バロック」第6回目「アールヌーボー」と続き、いよいよ終盤の次回は第7回「モダンスタイル」です。


美しい建築をスライドで見ながら、歴史・文化的背景などについて考察を深めます。今回のテーマは「モダンスタイル」。現代につながる建築スタイルを眺めていきましょう。
西洋史に興味のある方、建築・工芸・アート・デザインに興味のある方、お気軽にご参加ください。
世界各地の名建築をその目で見てきた、株式会社藤井設計室・藤井昌宏さんの解説です。

<講師>株式会社藤井設計室・藤井昌宏さん
木原千利建築設計事務所を経て、藤井建築設計室を開く。店舗・住宅・病院などのほか、ハウステンボス、阿蘇ファームランド、ひらかたパークなどエンターテイメント性の高い設計管理を得意としている。2017年全体リニューアルした「かしいかえん」の設計監理は遊園地の大規模リノベーションとして、エンターテイメントビジネス業界で注目を集めている。(https://www.facebook.com/Fujii.Design.Office/

<参加費>大人3000円、学生1500円(当日会場にて現金払い)

<会場>メイトム宗像1階101会議室
福岡県宗像市久原180

<スケジュール>
18:00開場・受付開始
18:30スライドショー講座スタート
20:30質疑応答・意見交換タイム
21:00アンケート記入など
21:30閉場

ご参加希望の方は、フェイスブックの本講座イベントページから参加ボタンを押してください。追ってこちらから確認のメッセージを差し上げます。お問合せもお気軽にどうぞ(^^)

プロの仕事。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

プロの仕事。

明後日からはじまる西麻布桃居さんでの藤吉憲典陶展。個展用の作品が出そろったので、作品撮影をお願いしました。

ほんとうは個展のたびに毎回きちんと写真を撮っていただいて、記録に残していくのがベストだと頭ではわかっているものの、なかなか理想的にはできていません。

作品が揃うのが個展会期の発送期限ギリギリである事実もさることながら、なによりもわたしの気持ちに余裕がなくなって、撮影の手筈を整えることができていないというのが実際のところです。いけませんね。

今回は「必ず撮ってもらわねば!」という使命感のもと、藤吉憲典の作品撮影においてもっとも信頼するabc photoの赤司さんに依頼。超ご多忙のなか駆けつけてくださいました。

お昼から設営を開始し、撮影した作品数は約50点。撮影方針と基本のセッティング決定までに最も時間を割き、ベストな撮影環境が決まると迷いなくシャッターを切っていかれる姿が、プロフェッショナル。無駄にシャッターを切らないんですよね。

当初 17時ぐらいまでかかるかもしれませんね、と話していましたが、実際は1時間以上早く完了。素晴らしく美しいお仕事ぶりに感嘆しました。

結局のところ「何がカッコいいのか?」が、作り手である藤吉憲典としっかり共有できているのが、撮影を安心してお任せできる一番の理由なのだと、改めて感じました。もちろん、それを具現化する高い技術をお持ちであることは言うに及ばず、です。

皆さんにも写真の数々を早くご覧いただきたくて、納品が待ち遠しいところです。どうぞお楽しみに♪

朝起きて、

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

朝起きて、

朝食までに行うルーティンがあります。神棚にお参りする、メールをチェックする、フェイスブックでお友だちの近況を拝見する。わたしは自分の仕事を手帳で管理していますが、この流れのなかで手帳が埋まっていくことも少なからず、朝は仕事を組み立てる時間にもなっています。

今朝はこの流れのなかに、わたしにとってのGOOD NEWSがいくつもあって、思わず顔がほころびました。こんな日は、日々の仕事のモチベーションがあがるだけでなく、中長期的な計画も進んでいくから面白いものです。

写真は、好きな景色の一つ、近所の津屋崎漁港の景色。朝から魚市場「お魚センター」に出かけるのは、朝食後のルーティンです(^^)

「ニッチ」って何?

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「ニッチ」って何?

先日、お友だちとおしゃべりをしていて出てきた言葉「ニッチ」。よく使う隙間という意味でのニッチではなく(綴りは一緒ですが)、建築用語でした。昨今はインテリア用語として一般的に使われることもあるようですね。

「 【niche】① 西洋建築で,壁面を半円または方形にくぼめた部分。彫刻などを飾ったり噴水を設けたりする。壁龕(へきがん)。」 (Weblio 三省堂大辞林 より)とありました。

壁龕(へきがん) というのがまた難しいですね。へきがんは「 西洋建築で、壁・柱の垂直面につくったくぼみ。彫刻などを飾る。ニッチ。 」(コトバンク大辞林第三版より)とありました。

話の発端は友人とのおしゃべり。藤吉憲典の作品群が「もう少し大きくしたら、ニッチにちょうどいいよね」と言われ、「ニッチって何?」と質問したのでした。 説明を聞いてみると、それ知ってる!存在は知っているけれど名前を知らなかった、というやつです。

日本の住宅には床の間があり、欧米の住宅にはニッチがある。床の間・ニッチともに、いわば個人博物館としての最小単位の展示スペースだとわたしは思っています。住宅にある博物館。残念ながら昨今の日本の住宅建築からは床の間は失われつつありますが、ヨーロッパにはニッチと、それに伴う文化がちゃんと引き継がれているとの友人の言葉は、とても心強いものでした。

ニッチという空間にこそ、磁器彫刻家としての藤吉憲典作品がピッタリはまるのではないか、というお友だちの話に、なるほど納得。 ヨーロッパ各地で住宅建築をたくさん見てきている友人の言葉だけに、説得力も絶大です。 そのような具体的スペースを想定しての制作を今までしたことが無かったと、ダンナともども気づかされたのでした。

いざ気づいてみれば、そして調べるほどに、まさにニッチこそ藤吉憲典作品のためのスペースなのではないかと思いが募ってくるから不思議なものですね。12月のロンドン個展(Kensuke Fujiyoshi solo Exhibition)に向けて、「ニッチ」は重要キーワードになりそうです。

なにげないおしゃべりのなかで、たくさんのヒントを投げかけてくれるお友だちに心より感謝。いつもありがとうございます。

様式を生み出す。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

様式を生み出す。

昨日は尊敬する建築家ご夫妻が、花祭窯に遊びに来てくださいました。ちょうど西麻布桃居さんでの藤吉憲典陶展に向けて準備している作品が揃いつつあるところで、一足早くご覧いただくことができました。

そのなかで飛び出したのが「藤吉さんの作品を観ていると、新しい時代の様式が生まれるという確信が感じられるよね」という言葉。つくり手であるダンナにとって、これ以上ない激励をいただきました。

そういえば、「骨董の名品のように、代々受け継がれ何百年先にも愛でられるものをつくる」ということを常々考えてはいても、「様式を生み出し、遺す」という発想はありませんでした。新しい様式を遺すという観点があった!と、大きな発見をした気分でした。

やきもの、なかでも肥前磁器の世界で様式といってまず思い浮かぶのは「柿右衛門様式」であったり「鍋島様式」であったりします。様式という観点で、これまでに藤吉憲典が作ってきているものを思い返してみると、確かに 「藤吉様式」とでも呼べるものが確実に生まれ、育ちつつあると言えそうです。

「藤吉様式」ではなんだか硬いから、新しい様式としてどんな名前を付けたらカッコよくしっくりくるかしら、などと楽しく妄想中です。