久しぶりの大阪、久しぶりの新幹線で日帰り出張-暮らし用品さんにおじゃまして参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

久しぶりの大阪、久しぶりの新幹線で日帰り出張-暮らし用品さんにおじゃまして参りました。

もう何年大阪に行ってなかったかしら…ということはつまり、山陽新幹線にもずいぶん乗っていない、ということで、久しぶりの新幹線ホームからワクワクの大阪へ。目的地は、「藤吉憲典 陶展」開催中の、大阪阿倍野の暮らし用品さん。

その前に、どうしても顔を出しておきたいところがあり、まずは東大阪へ。従前通り、難波で近鉄線に乗り換えて行ったところ、「新大阪から直接来たんやったら、JRの東線で来れたのに」と路線図を見せられ、「ええええー!」と驚愕。そんなラインが通っていたなんて、知りませんでした。懐かしいお顔にご挨拶を済ませて、次は阿倍野方面へ。近鉄線のホームで難波行きの電車を待っていて「尼崎方面」の文字が目に入りました。「尼崎???」と路線図を確認したところ、なんと阪神線に乗り入れているではありませんか!いろいろなラインが繋がって便利になっていたのですね。そっかぁ、そんなに大阪に来てなかったんだなぁ…と、すっかり浦島太郎でちょっぴりショックでした。

さて暮らし用品さん、実はわたしは初めての訪問でした。「伺います!」といいながら、何度も予定が流れてしまい、ようやくおじゃますることが出来ました。ダンナから話には聞いておりましたが、とっても雰囲気のある長屋の一角で、玄関先から続く素敵なたたずまいに、思わず顔がニヤニヤしてしまいました。

そんな暮らし用品さんの店内の様子を激写して参りました。

大阪阿倍野の暮らし用品さん

大阪阿倍野の暮らし用品さん

大阪阿倍野の暮らし用品さん

大阪阿倍野の暮らし用品さん

大阪阿倍野の暮らし用品さん

大阪阿倍野の暮らし用品さん

靴を脱いで上がる空間は、とっても落ち着いた空間です。畳に座ってじっくりと器を愛でるのに、最適。ご来店なさるお客様も、皆さん長居をして楽しんで行かれるようです。わたしが伺ったときは、本降りの雨が降り出したところでしたが、雨に濡れた坪庭の雰囲気も素晴らしく、すっかりくつろいでしまいました。

店主の米田さんと、たくさんお話が出来ました。今回の「藤吉憲典陶展」は本日11月7日が最終日ですが、このあとも暮らし用品さんと、一緒にいろいろと取り組んで行くことが出来そうです。とっても充実した日帰り出張となりました。

地域行事―四年ぶりに「新町みかん狩り」復活♪

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

地域行事―四年ぶりに「新町みかん狩り」復活♪

今年は山笠はじめ地域行事が次々と復活して、嬉しい一年です。この「みかん狩り」も、復活を心待ちにしていた大好きな行事のひとつ。参加者募集の回覧板が回ってきた時は、嬉しくて大騒ぎしました。高校生の息子は祝日にも関わらず学校があるので、夫婦二人で参加することに。「新町」は花祭窯のあるエリアの通称です。

「子ども会」でもなく「老人会」でもなく、老いも若きも「皆で大型バスに乗って出かける」という非日常な感じが、とっても面白いのです。我が家同様「前回までは子ども連れで来ていたけれど」という人も増えていました。4年も経つと、小中学生だった子どもたちも高校生大学生になり、という感じで。子どものため、家族連れのためのの行事と限ったものではなく、年齢性別問わず、あたりまえに一人で気軽に参加できるのが、新町のミカン狩りのよいところ。もちろんご家族連れもたくさん。年代の異なるご近所さんに会える、嬉しい機会です。

貸し切りの大型バスに乗り込んで出かけるみかん狩り。目的地のミカン園まで乗車時間15分ほどの距離ですが、ピクニック気分になります。バスのなかでは「久しぶりー」「元気やった?」の声が飛び交い、とっても楽しい気に満ちていました。誰かが必ず顔見知りで、出発時間になり「まだ○○さんが来ていません!」など、出欠確認をしなくても隣人への注意が払われているのは、まさにご近所パワー。

ミカン園に到着すると、めいめいにハサミと収穫したみかんを入れる袋が渡されます。この収穫袋、毎年どんどん小さくなっている!というのが目下我々の懸念事項。つまりミカン園はどんどん人気が出ているのですね。今年もやはり、少し小さくなっていました。甘そうなミカンを探してミカンの木の間をうろうろと歩き回り、30分もすればみかん袋はいっぱいになります。ミカンをさんざん採ったあとは、皆でお弁当タイム。東筑軒のかしわめし弁当も毎回恒例の楽しみのひとつです。

11月らしからぬ暖かいお天気のなか、たくさんおしゃべりして、たくさん収穫して、楽しいみかん狩りでした。家に帰りついてからは、今回参加できなかったご近所さんにちょっぴりお裾分け。来年も無事開催できますように♪

手帳のお引っ越しシーズン―来年の手帳を手に入れました。

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手帳のお引っ越しシーズン―来年の手帳を手に入れました。

気に入った手帳があって、ここ5年ほど同じものを使っていて、来年も買うつもりでいたのですが、たまたま立ち寄ったヨドバシの文具売り場で、程好い手帳を発見。今使っているものもたいがいシンプルですが、さらにシンプルなのが気に入り、即買いしました。ノートでお馴染みの、コクヨCampusシリーズの手帳です。以前からあったのだろうと思うのですが…これまでは目に留まらなかったのが不思議です。

手帳カバーを使い始めて10年ほど(たぶん)。お気に入りの手帳カバーが、毎年の手帳探しをグンと楽にしてくれた上に、使いたい手帳のパターンも決まってきていましたので、若かりし頃のように「気に入った手帳を探すのに1時間以上かかった!」なんてことは、もうすっかりなくなりました。

翌年以降の予定が入ってくると、手帳の後ろのページに追記していきますので、増えるほどにどんどんページが雑然としてきます。世間の「手帳売り場」は毎年9月頃から増えてきている感じがしますが、個人的に「そろそろ新しい手帳に書き込んでいきたいな」というところで、手帳売り場に目が行くのだと思います。それが今回は昨日、11月あたまでした。

新しい手帳を手に入れてまずするのは、「わたしにとって大切な決まり事」を書き写すことです。「利休七則」「南方流茶道訓」「経営理念」そして「仕事哲学(ワーク・フィロソフィー)」。相変わらず「手帳は紙派」のわたしにとっては、この作業もふくめて、自分の手で書くことが大切なのです。年末に向けて頭の中を整理整頓するのにちょうど良いタイミングなのですね。毎年この時期の儀式のようになっています。

今回の手帳は12月から始まっていますので、まだあとひと月ほどは移行期間。その間にしっかり引継ぎです。

福津市の図書館のサイトが新しくなりました!

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福津市の図書館のサイトが新しくなりました!

システム改修のために長期休館していた福津市の図書館が、11月1日ようやくオープン。いやぁ、待ちかねておりました!

↑の記事でも書きましたように「図書システムの更新」が今回の休館の理由でしたので、まずは新しいウェブサイトにアクセスするとことから、図書館生活復活です。

福津市の図書館 

システム更新に合わせて、URLも変わっていました。旧アドレスから自動でジャンプするようになっていましたので、そこは心配なく。ただ、あらためてログイン登録をしなおさなければならないというのは、不親切ですね。大事な「入り口」で足止めされるのは不本意ですから、ここは旧システムから引き継げるようにしておいた方が、スムーズで良かったと思います。再登録させることに何か別の意図があるなら、仕方ありませんが。

続いては、新しいサイトで蔵書検索と予約をお試し。あくまでも個人的な感想ですが、本を検索してから予約完了画面に至るまでの道のりが、以前よりもやや長くなったような。これは足を運んだ時に司書さんに聞いてみたところ、実際経由する画面数が増えていることがわかりました。そして、これまでは検索した本のスペック(ページ数とか発行日とか)とともに内容が簡単に表示されていたのですが、それが無くなっていたのが、残念だなぁと。

まだ新しいシステムに慣れていないから、というのももちろんあると思いますが…ちょっと使いにくくなっている!?という思いを抱えつつ、図書館に足を運ぶと、カウンターに司書さんらスタッフだけでなく、館長さんもいらっしゃって、再開後のお客さまをお迎えしていました。図書館側としては、貸し出し等に伴うシステムの使い勝手が気になるのでしょうね。返却・貸し出しの手続きは、これまで通りスムーズに進みました。

さっそく司書さんと館長さんに、新しい図書検索システムの使い勝手の感想をお知らせ。更新=改善したところに、マイナスの感想を報告するのはどうかとも思いましたが、福津市立図書館協議会委員を務めている役割意識もあり、また運用を始めてから微修正していくこともあるかもしれないと期待しつつ、ここは正直なところをお伝えしました。

ともあれ無事の再開はとても嬉しく。平日の午後でしたが、図書館内は賑わっていました。皆さん開館を楽しみに待っていたのですね。

オランダに移住した知人が、「小さく始めるヨーロッパ輸出や海外輸出ブランディングをサポート」する仕事をはじめました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

オランダに移住した知人が、「小さく始めるヨーロッパ輸出や海外輸出ブランディングをサポート」する仕事をはじめました。

アーティストがの経済活動や海外進出について「この分野でコンサル業出来るかも(笑)」と頭をよぎったのは、つい先日のことでした。

アーティストに限らず、海外現地で日本語と現地言語でサポートしてくださる方と出会えるかどうかは、海外進出にあたっての障壁を取り除く、とても大きな要因だと思います。できれば「日本語が話せる」だけでなく、日本の文化的背景などに馴染んでいて微妙なニュアンスを理解してくれる人に出会えることが、望ましい。日本に長く住んでいた人だと、そのあたりがクリアになりやすいと感じています。

そして、今後そんなサポートを期待できるかもしれない!思える方から、このたびオランダで事業を始めたとご連絡をいただきました。ウェブデザイナーでコンサルタントの田代紫野(Tashiro Shino)さん。商工会を通してお世話になった中小企業診断士さんからのご紹介でお会いすることになり、この夏に花祭窯にいらしてくださったのでした。実のところ一度お会いしただけですが、これからオランダに移住して事業をスタートなさるという直前で、ご自身の事業計画について語る熱意と理想溢れる姿がとても印象的でした。

まだ移住してから数カ月で、これから現地での基盤を築いていかれるところだと思います。まずはウェブサイトをオープンしたということでご連絡をいただきました。さっそく覗いてみたところ、海外進出のためのHow toがわかりやすくまとめられていました。

purplea+  「小さく始めるヨーロッパ輸出や海外輸出ブランディングをサポートします」とあります。

わたしはまだ実際にサービスを利用しておりませんので、お仕事ぶりの評価はできませんが、まずはウェブサイトをご覧になるだけでも、海外進出を今からご検討なさる方に役立つ情報を見つけることが出来ると思います。「輸出を支える支援体制」というメニューがあり、そのなかで「公的機関の施策/役立つ情報」「海外展開に利用できる補助金情報」が一覧でまとめられており、ここをチェックするだけでもかなり役立つと思います。わたしもオランダ進出を企むときには、まずご相談してみようと考えています。

そういえば!2023上半期ふじゆり的読書ベスト5。

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そういえば!2023上半期ふじゆり的読書ベスト5。

明日から11月!とカレンダーを見て、ふと思い出しました。今年はまだ上半期の読書まとめをしていなかったのではないかと。「上半期」でブログ検索をかけたら案の定、今年の読書ベスト5はヒットしません。ということは、やはり書いていない。

ということで、遅ればせながら2023年上半期(1月~6月)読書のベスト5。あと二月待てば年間ベスト10を出せるというこの期に及んで、あえて上半期を出さねばと思ったのは、漠然とした感触ではありながら、今年の読書はかなり濃い!と思ったからです。とりあえず半年分をまとめておかないと、年間分の順位をつけるのは難しいだろうな、と。まあ、なによりその振り返り作業が楽しいから、というのが一番ではありますが。


1位 『名画の生まれるとき 美術の力Ⅱ』宮下喜久朗著

本書より前に出ている『美術の力』も、もちろん良かったです。わたしはたまたま『美術の力Ⅱ』を先に読んだため、本書のインパクトの方が強かったのかもしれません。いずれにしても、これからも繰り返し読む本になるのは間違いない2冊です。

2位『罪の轍』奥田英朗著

奥田英朗著の追っかけがスタートしたのも、この上半期でした。わたしにとって最初の一冊目となった『罪の轍』。これにハマったからこそ、でしたが、おかげでかなりの冊数読みました。シリアス路線もお笑い路線も、いずれも外れ無しです。

3位『オリバー・ツイスト』チャールズ・ディケンズ著

ディケンズはこれを読まねば!ということで、「読んでいなかった名著」の一冊を読破。時代背景も興味深く、圧巻でした。個人的には『クリスマス・キャロル』よりもこちらが響きました。

4位『フローリングのお手入れ方法』ウィル・ワイルズ著

これに続いて読んだ『時間のないホテル』も面白かったウィル・ワイルズ著。かなり不思議な感じのあるストーリーは、ジャンルとしては「SF」ということで、SFのイメージが変わりました。新作が出たらまた読みたい作家さんです。

5位『書籍修繕という仕事』ジョエン著

「書籍修繕」という、知らなかった世界を、とても魅力的に教えてくれた一冊です。仕事の中身に興味があるからこそのランク入りであるだけでなく、文章自体がとても魅力的でした。


いや、ほんとうにこの時点で一度振り返りをしておいてよかったです。思った通り、濃い読書をしていました。この5冊を選び出すのに、かなり悩みました。年間ベスト10を出すのが今から楽しみです♪

続・読書『店は客のためにあり 店員とともに栄え 店主とともに滅びる―倉本長治の商人学』(プレジデント社)笹井清範 著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・読書『店は客のためにあり 店員とともに栄え 店主とともに滅びる―倉本長治の商人学』(プレジデント社)笹井清範 著

本書のブログ記事を上げたのはほんの3日前でしたが、

この週末に2周目を読みました。先のブログでは総論的な感想を書いたので、今回は、個人的に刺さった文言をピックアップ。


  • 「真」「善」「美」
  • 世に認められるには他者とのネットワークをしっかり築いて良い関係を育んでおくこと
  • 「いや、30年と30秒だ」(ピカソ)/積み重ねた修練の価値
  • 失敗は成功の素に、間違いは成長の糧になる
  • 「物売っている 自分売っている」(「物買ってくる 自分買ってくる」河井寛次郎)
  • 「恕(じょ)」(孔子)
  • 常に変わり続ける決意
  • 常にお客様の利益を守りつつ、かつ己の利益も外さない値決め
  • そのために私たちはもっと儲けなければなりません。(中略)商人が責任を負う未来のための資源なのです。
  • 目的を実現するために利益が必要なだけ
  • 一つ一つの商品に実印を捺すような商売
  • お客様自身はまだ気づいていないけれど、心から望んでいるに違いないとあなたが確信する品
  • 「この商品をあのお客さまに出会わせたい」
  • 「君子九思」(李氏篇)
  • 変わらぬ真実を軸に変わり続けなければなりません。
  • お茶室は四畳半 だからいつも行き届く
  • 店の語源は「見世」 自分の世界観を見せる場所
  • 制作において観る者を意識し、喜ばせようとする(村上隆)
  • (お客様の)顕在化していない思考・意思
  • どうやって真実を上手に伝えるか
  • 1)あなたがやれること/2)あなたがやりたいこと/3)あなたがやるべきこと
  • 物を費やして消す「消費者」/物を活かして生きようとする「生活者」
  • やれることのレベルを上げつつ、やるべきことに意識を集中
  • まず社会に利する
  • 最上のサービスとは高価なもの
  • 価値を誰よりも理解してこそ、その価値を伝え続けようとする覚悟が生まれます。
  • 儲からなければ、託された役割を果たすことが出来ない「見たままを写実的に描いたものは絵ではない。筆意を加えたものが絵である」(歌川広重)

『店は客のためにあり 店員とともに栄え 店主とともに滅びる―倉本長治の商人学』(プレジデント社)笹井清範 著より


ピカソの逸話に見られる「積み重ねた修練の価値」を価格とする考え方は、そのままアーティスト・藤吉憲典の仕事における値付けにあてはまるものですし、「一つ一つの商品に実印を捺すような商売」というのは、すべての作品に「名」を入れる作家としては、すでに行っていることです。こうしてピックアップすると、いくつもアート関連の人物の名前が出てきているのが面白いですね。文章のピックアップはしていませんが、ゴッホに関する記述も出てきましたので、ゴッホの絵の写真を入れてみました。

そういえば、アーティストも経済活動をしているのだという記事を書いたのも、つい先日のことでした。

そう考えると尚のこと、本書は、アーティストの皆さんにもおススメできる本だと思います。

『店は客のためにあり 店員とともに栄え 店主とともに滅びる―倉本長治の商人学』(プレジデント社)笹井清範著

暮らし用品さんでの「藤吉憲典 陶展」スタート!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

暮らし用品さんでの「藤吉憲典 陶展」スタート!

久しぶりの大阪個展は、阿倍野の暮らし用品さんです。ちゃんと調べてみましたら、関西方面での個展は2017年が最後となっておりましたので、なんと6年ぶり。関西方面の皆さま、たいへんたいへんお待たせいたしました。

大阪・阿倍野にある暮らし用品さん。数年前から、常設で藤吉憲典の器を扱ってくださっています。暮らし用品さんでは初めてとなりますので、暮らし用品さんのお客さまに「はじめまして」のご挨拶をする気持ちです。常設ではふだん使いに取り入れやすい器を中心にお届けしておりますが、個展ではアイテムを絞り込まずに、「藤吉憲典」の様々な顔をご覧いただけるよう、お届けしています。

暮らし用品さんのインスタグラムでも、器をご紹介いただいております。気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

藤吉憲典陶展 暮らし用品

暮らし用品 藤吉憲典 陶展

【会期】2023年10月28日(土)~11月7日(火)※水・木曜休み

【時間】11:00~18:00

【場所】大阪市阿倍野区阪南町1-45-15

【電話】06-6628-2606

読書『店は客のためにあり 店員とともに栄え 店主とともに滅びる―倉本長治の商人学』(プレジデント社)笹井清範著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『店は客のためにあり 店員とともに栄え 店主とともに滅びる―倉本長治の商人学』(プレジデント社)笹井清範著

出版コンサルタント・土井英司氏が発行しているメールマガジン「ビジネスブックマラソン」略して「BBM」からの新着書籍の一冊です。このBBMを購読(無料です)している友人が少なからず、さっそく本書を読んだお友だちが数名SNS上に高評価の読後感想を載せていらっしゃるのを拝見。メルマガで気になっていたところに、尊敬するお友だちの皆さんの高評価を読んで、即買いしました。

『店は客のためにあり 店員とともに栄え 店主とともに滅びる―倉本長治の商人学』(プレジデント社)笹井清範著

「商人道」本。帯にも推薦の言葉が書いてありますが、巻頭にユニクロの柳井さんが14ページにわたって熱烈な解説を執筆しています。そのあとに続く筆者・笹井清範氏による「はじめに」が8ページ。本文に入る前のウォーミングアップから、本書に託した並々ならぬ情熱が伝わって参りました。

そのあとに続く本文で、商人の行動指針「商売十訓」が紹介されます。さらに十訓のそれぞれには、関連する10編の教えが紹介されています。これらを読み込むことで、理想とされる商人像のなんたるかの本質理解に近づいていくことが出来る、という構成。ひとつひとつの訓示は、字面を読めば、あたりまえにそのとおりだと思えるものです。が、そのような薄っぺらい理解ではなく、言葉の深い意味・本質をしっかり自分のものにして商いをしてほしいという願いが、各訓示に続く10編の教えから伝わってきます。いわば「倉本長治」という方の思想本。

商人学ではありますが、商人に限らずふつうに仕事をしている人すべてに応用できると思います。友人からは「芸術家には当てはまらないかも!」と言われましたが、そんなことはありません。芸術家用に解釈するにはいくつか注釈が必要になるパターンは多少出てこようものの、どんな職業にでも生かせる姿勢(≒思想)が説かれていると思いました。実のところ、訓示の理解を促すための10編の教えのなかに、「ゴッホ」「村上隆」など、例として芸術家の名前が出てくるところもあります。

何度も繰り返し読むことで、理解を深め、自分の姿勢を見直していくことのできる本だと思います。

西日本新聞で生成AIに関する記事を読んで、自分が何に不安を感じていたのか腑に落ちた。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

西日本新聞で生成AIに関する記事を読んで、自分が何に不安を感じていたのか腑に落ちた。

福岡県民のローカル新聞、西日本新聞。ここ津屋崎に越してきてから、地元のニュースをより多く読みたいということで、ずっと西日本新聞を購読しています。紙版。ここ数年、新聞の文字が大きくなったのは読みやすくて良いとしても、どんどん薄くなってきているのが、しばしば気になる今日この頃。字が大きくなって薄くなっているというのはつまり、情報量が激減しているということよね!?と思うたびに、「紙」でとる購読紙を変更しようかと頭をよぎるのです。値上げもあったし。が、ときどきとてもいい記事があったり、いい視点があったり、好きな連載(執筆者)もあったりするので、ついついそのままになっている、という状況です。

そんななか、10月22日の新聞に載った社会面の記事が目に留まりました。題して「生成AIの真の危険とは」(西日本新聞定期購読者以外は有料記事です)。ChatGPTはじめ、生成AIなるものを使っているお友だちは既に周りにたくさんいますが、わたし自身はまだ手を出していません。基本新しいものに対してビビリなのです。そこで自分のなかにある「不安=よくわからないこと」を取り除いていくために、いろいろな人が生成AIについて書いている文章を、目についたら読むようにしています。でも、自分のなかにある生成AIに対する不安の正体がどういうものか、まだよく見えていませんでした。

そこをだいぶ明らかにしてくれたのが、今回の記事でした。西日本新聞の記事『生成AIの真の危険とは 「創造知」磨く努力が必要』は、独哲学者・ボン大教授のマルクス・ガブリエル氏なる人物が書いたもの。有料記事なので、わたしが「それだ」と思った部分をちょっとだけ、引用させてもらいますね。


  • 生成AIがより創造的にパワフルになるほど、私たちは創造性を失っていく。
  • 実に便利で経済的ではあるが、これは私たちに創造的知力の減退をもたらす。この減退は今、社会基盤や経済といったアナログ世界の危機という形で現れている。
  • (私注:AI登場で無くなる仕事があるとかそういうレベルの話ではなく)真の危険は、もっとはるかに深い。デジタル変革が加速する中、私たちが創造知をデジタルに委ね、その訓練をやめてしまうことに宿る。

そして「それは地球規模で道徳的、地政学的逆行の進む、このアナログ世界に生きる私たちを一層愚かにする」とし、ゆえに「教育の未来のために、私たちは履修課程にデジタル変革の倫理学や哲学を加える必要がある」と説いています。

全文はこちら➜西日本新聞me (西日本新聞定期購読者以外は有料記事です)『生成AIの真の危険とは 「創造知」磨く努力が必要』独哲学者・ボン大教授 マルクス・ガブリエル氏より。


ということで、ありがたいことに、わたしの不安の原因を文字で説明してくれる記事に出会いましたので、まだしばらくは西日本新聞の紙購読を続けることになります。わたしが抱いていた漠然とした不安は、ますます想像力・創造力の欠落につながるのではないかしら、ということだったのですね。これは生成AIに限ったことでは無く、すべての「便利」に対して言えることなのだとも思いますが。

ちなみに西日本新聞は、紙版を購読していれば、ウェブ版は追加料金なく読むことが出来ます。実はうっかり当日の新聞紙を梱包材として使ってしまいましたので(笑)、ウェブ版で該当記事を探して読み直したところでした。ふだんは紙でしか読みませんが、こういうときにウェブ版は便利ですね♪