読書『女王陛下に捧ぐ、王家の宝の在処』(講談社)市塔 承 著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『女王陛下に捧ぐ、王家の宝の在処』(講談社)市塔 承 著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より、豪勢な雰囲気の表紙につられて借りて参りました。その分厚さ(33mm、480ページ!)に少々ひるみつつも、まあ、途中でギブアップしてもいいや、と手に取りました。第66回メフィスト賞受賞作ということで、どんな賞なのかしらとググりましたら「京極夏彦さんが先鞭をつけ、森博嗣さん、清涼院流水さん、西尾維新さん、辻村深月さんなどミステリー、エンターテインメントの異才を送り出してきたのがメフィスト賞です」と出て参りました。なるほど。

読み始めて間もなく、早くも手が止まりかかりました。というのも、本書の半分以上を「本の中に本」の入れ子構造が何重にもなって現れたので。まず本書『女王陛下に捧ぐ、王家の宝の在処』の中に『女王陛下に捧ぐ、王家の宝の在処』があり、その中に『本泥棒と少女』、その中に『ヒアヌビレの業績録』、その中に『砂漠に残された真実』、その中に『水神叙事詩』が出てきます。5階層になっている物語を行ったり来たりしながら進んでいくので、頭がこんがらがりそうになりながら、手を止めること数回。ところが途中から、本の中でもこの構造のややこしさに対して登場人物が「もう読むのをやめたい!」とキレはじめるので、その喜劇的な雰囲気が面白くて、読み続けることができました。

さて内容はといえば、喜劇ではまったくありません。複雑な構造が神秘を感じさせる冒険・歴史小説的でありながら、現代まで続く、宗教・権力・戦争をテーマとした社会小説だと、わたしは思いました。分厚くて面倒くさい(笑)一冊ですが、いろいろな意味で面白い一冊です。ぜひチャレンジしてみてください^^

『女王陛下に捧ぐ、王家の宝の在処』(講談社)市塔 承 著

「ひとまわり以上、年齢の離れたお友だちはいますか?」の問いが意味するもの。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「ひとまわり以上、年齢の離れたお友だちはいますか?」の問いが意味するもの。

言い回しはそれぞれなれど、このようなニュアンスの問いかけを、まったくジャンルの異なる場所で読んだり聞いたりすることが続きました。ひとつは、地域コミュニティの役割とフレイル予防の話題が上がった、あるミーティングで。別のひとつは、タイトルは忘れましたがビジネス書のなかで。そのほかにも、SNSでビジネス系の友人たちの間で意見が交わされているのを見かけたり、という感じ。ふだんから立場や考え方の異なる人と交流することは、視野を広げることにつながるし、自分を成長させてくれる。「ひとまわり以上、年齢の離れたお友だち」というのは、その分かりやすい、象徴的な言い方なのだと思います。

己を顧みれば、仕事つながりのお付き合いからいろいろな方と知り合う機会があり、とてもありがたいことです。そして「お友だち」の定義というか範囲についても、いまやSNSでつながっている「お友だち」というジャンルがありますので、だいぶ広く考えることができます。加えて、これまでの自分の人生の中で巡り合ったお友だち、地域でのつながり、子どもを通した活動からのつながりなどもあります。こんなふうに緩やかに考えると、友だちって、付き合いの程度の濃淡はもちろんあれど、自分で思っていたよりもたくさんいるような気がしてきました。

「ひとまわり以上、年齢の離れた」という部分にあらためて注目して頭に思い浮かべてみると、これまた意外と、けっこう年の離れたお友だちがいることがわかりました。ふだん年齢を気にしていないので、我ながら、へぇ~!という感じ。ただ、どちらかというと同年代から年上のお友だちの方が多く、一回り以上若いお友だちは、比較的少ないかもしれないということも判明。気が付けば芸能人でもスポーツ選手でも小説家でも、いろんな人がどんどん「自分より年下」になっていくなかで、年下のお友だちが少ないのはある意味不自然!?などと思いつつ、自分が動かなければ、若い方との接点は減っていくだろうと容易に想像できました。

というわけで、今後のわたしの緩やかな方針として、仕事を新たに外部にお願いするときには、できるだけ「若い方」にお願いすることを意識していこう!と思う今日この頃です。

花祭窯の小さな畑の近況報告-2026年6月1日。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の小さな畑の近況報告-2026年6月1日。

いよいよ夏野菜の苗の植え付けが本格化。5月中に植えたほうが良いよ~!と、ご近所の家庭菜園の先輩方から教えていただきながらも、なかなかサクサクとは進みません。「焦るな焦るな」と自分に言い聞かせつつ、畑仕事です。野菜の直売所に行っても、ホームセンターに行っても、ついつい野菜苗に目が行きます。上の写真は、こんな風に収穫できたらいいな♪のイメージ。

そして、いよいよ本日から、新しい畑がはじまります。1年半お世話になった「旧畑」は7月末までですので、これから少しづつ移行してまいります。

【6/1時点での顔ぶれ(旧畑)】

カボチャ(3/15)タマネギ(ジャガイモ収穫完了)
サンチュ(3/15)
ニラ
(ジャガイモ収穫完了)
オクラ(4/25)
シソ(4/5)
九条ネギ(3/15)
ピーマン(4/5)サヤエンドウ

5月中旬に、ジャガイモを無事に収穫しました。小さいサイズのジャガイモながら、5キロ以上はあったと思います。と書きながら、収穫量をはかっておくんだった!と反省。カボチャは二つの苗がどうやら根付いてくれたようで、なんともう花が付いていました。サンチュは採っても採ってもどんどん新しい葉っぱが出てきて、エンドレス収穫祭の様相です。サンチュ最高。ピーマンも白い花が付きだしました。種から植えたシソもやっと葉っぱがしっかり出てきて一安心。

サヤエンドウは、もうそろそろお終いになります。タマネギの収穫をもうやったほうが良いよね、と思いつつ。ニラと九条ネギは、葉の部分を収穫した後、根っこを掘り出して、新しい畑に移行します。オクラの芽がなかなか出てこないのが気になります。もう1カ月以上経ちますから、出てこないかもしれないなぁと思いつつ。

実は、新しい畑の契約は本日からなのですが、貸してくださる方のご厚意で、既に少しづつ植え付けを始めています。これまでより少し広くなりましたので、まずはサツマイモとカボチャを植えました。暑くなりすぎると植え付けのタイミングとしてよくないようなので、できるだけ早めに整えていきたいと思います^^

「うっかり」転じて福となる―「額縁仕事」でまた表現の新境地。

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「うっかり」転じて福となる―「額縁仕事」でまた表現の新境地。

失敗した!と思ったものが、うまいこと化けることもあるから面白い。」と書いていたのは、5月初めのことでした。「面白い」と断定していましたが、面白くなるかどうかは、そのあとのわたしの仕事にかかっていたわけで、額縁画材の専門店・大崎周水堂さんに駆け込み、フレーマーさんにずいぶん時間を割いていただきながら、いろいろと検討しておりました。「フレーマー」日本語にすると「額装師」。「額縁(フレーム)」を作る職人さんのことで、額縁選び・マット等付属品の組み合わせのアドバイスから、作品に合わせた加工・セットまでを一貫して行う専門家です。

「額の加工に少し時間がかかるかもしれません」とおっしゃりながら、5月内に仕上げてくださったフレーマーさんから「できました!」とお電話をいただき、引き取りに行ってまいりました。額装は、ああだこうだと選ぶ時間も楽しいし、完成した作品に会いに行くのがまたワクワクドキドキ。もちろん、選ぶときにある程度の完成図は頭に描くのですが、きっちりはまった状態になったときにどのように見えるかは、未知の世界です。制作数が増えれば増えるほど、完成図のイメージがもっとはっきり見えるようになるだろうと思います。

染付絵皿額装 藤吉憲典

↑この写真は、今回出来上がった作品のひとつ。藤吉憲典作の染付絵皿を額装したものです。撮影者がガラスに映りこんでいるのは、ご愛敬^^; 

初挑戦、もちろん反省材料もいくつかありますが、ここからまた世界が広がりそうで楽しみです。なによりも、これを飾る空間をつくりたい!と自分自身が思えるものが出来上がったのが嬉しいチャレンジとなりました。次はさらに完成度の高いものを目指します。

天神から博多まで歩くと約40分。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

天神から博多まで歩くと約40分。

天神エリアも博多エリアも広いので、どこからどこまでどのようなルートを使うのかによって幅はありますが、わたし的には、この間を歩くとおおよそ30分から1時間、1時間はかからないかな、という感じです。歩く速度はどちらかといえば速い方かもしれません。ダンナと一緒に歩いていると、いつの間にかダンナを置き去りにしていること多々。これはまあ、歩く速度というよりは、ダンナがあちこち引っ掛かるのが大きな理由でもありますが。

福岡市内で仕事の用事があるとき、わたしの動きの起点はJR博多駅になります。たいていの用事は、地下鉄の駅名で言えば「博多」~「中洲川端」~「天神」あたりでおさまることが多く。福岡市美術館が目的地に加わるともう少し延びて「大濠公園」、福岡市博物館に行くとなるとこちらはバス利用一択で「百道」あたりまでとなります。実際には、博多から天神、大濠公園方面までも、地下鉄よりもバスを使うことがほとんど。福岡市内の移動は、覚えてしまえば西鉄バスはとても便利です。

さて博多から天神。実はこの間に、仕事で立ち寄ることのある場所が数カ所点在しているため、そうすると、バスに乗るまでもないかな?ということが、まあまあ発生します。この区間はバスの本数も多いので、待ち時間がもったいないということは無いのですが、それでも「バス待ってる間に、近くまで歩けそう」というケースが少なからず。バスの本数が多いということは「疲れたら途中からバスに乗ったらいいや」という判断にもつながります。加えて、ふだん事業所では座り仕事の時間が長いので、できるだけ歩こう!という意識があるのも、「歩く」につながっていると思います。

先日天神でミーティングがあり、さて帰ろうかというところで、そういえば「福岡ミュージアムウィーク」開催中だと思い出し、帰途中にある福岡アジア美術館(アジ美)を久しぶりにチェックすることにしました。福岡ミュージアムウィークは、福岡市の文化振興課が事務局となり、市内にある文化施設が主催する企画で、9日間の期間中、常設展の入場料が無料になったり、粗品が進呈されたり、イベントが開催されたりという特典があります。派手さはありませんが、美術館博物館への来館を促す、とても良い企画。

ミーティング場所からアジ美まで20分かからないかな、と踏んで、歩きました。ちょうどいい感じの疲れ具合(笑)で、到着。ゆっくり常設展を観覧し、美術館に備え付けられている各種情報をチェックし、館内の椅子で少し休憩して出発。美術館で作品を鑑賞した後は、観たもの=自分のなかでインプットを消化するために、休憩するか、歩きたくなります。アジ美から博多駅までは、川端商店街~櫛田神社~東長寺と、歩きたくなるエリアなので、たいてい歩きます。この日も幸いお天気が良く、荷物も重くなく、急ぐ理由もありませんでしたので、バスには乗らず歩くことに。これがまた20分かからないかな、というぐらい。

というわけで、途中、美術館への寄り道をはさんで約40分。通しで歩くと、まあまあ時間がかかる感じですが、寄り道や用事をこなしながら20分+20分だと、余裕で歩ける距離ですね。

読書『チャックの数奇な人生 イフ・イット・ブリーズ』(文藝春秋)スティーヴン・キング著

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読書『チャックの数奇な人生 イフ・イット・ブリーズ』(文藝春秋)スティーヴン・キング著

現在公開中の映画『サンキュー、チャック』。あちらこちらで映画評を読んで、観たいなぁどうしようかなぁ、と悩んでいたところに、いつものカメリアステージ図書館新刊棚で原作邦訳の本書を発見しました。映画公開のタイミングできっちり入れてくださっている、司書さんのアンテナに感謝です。

原著は中編4編が入って1冊、という形のようですが、日本での刊行となった本書は、そのうちの2編『ハリガンさんの電話』と『チャックの数奇な人生』が入って1冊になっていました。両編とも、ホラーのスティーヴン・キングではなく、人との温かい交流が主題となるキングです。日本語訳はそれぞれ、安野玲訳・高山真由美訳となっています。ちなみに中編4編のうちの残り2編は、次巻として『もし血が流れれば イフ・イット・ブリーズ』のタイトルでもうすぐ発売されるとのこと。

さて最初は『ハリガンさんの電話』。少年と老人の交流が描かれていて、ほっこりしながら読んでいたら、途中からゾッとさせられました。これがあるからスティーブン・キングです。油断してはならないなぁと反省(笑)。こういうのを読むと「スタンド・バイ・ミーを書いた人なんだよな~」と、今更ながらに思います。わたしは知りませんでしたが、『ハリガンさんの電話』も映画化されていたそうで、たしかに映像がイメージできるストーリーでした。

次は『チャックの数奇な人生』。映画評で読んでイメージしていたよりも、ずっと深い物語でした。当たり前ですね。「ハリガンさん」で油断していましたので、今回は用心しながら読みましたが(笑)、こちらはゾッとさせられることなく読み終えました。「数奇な人生」となっていますが、1点を除けばさほど数奇というほどでもなく、全体として温かさが伝わってくるものでした。第三幕、第二幕、第一幕と遡っていく構成になっています。終幕である第一幕のタイトル「わたしのなかにはたくさんのものがある」に、ジンと来ました。本書でキングが言いたかったことが、この「わたしのなかにはたくさんのものがある」に詰まっていたように思います。

原著にはキング自身が「あとがき」を書いているということで、こちらも興味津々。邦訳版では、次巻に作者解説として掲載されるようですので、これは次巻も読まねば!ということですね。ともあれ本書を読み終えて、映画も観たいなぁと、思いました。来週あたりでお終いになる館もあるようなので、行くなら急がねば、です。

『チャックの数奇な人生 イフ・イット・ブリーズ』(文藝春秋)スティーヴン・キング著

初心にかえり「お薄」のお点前―お茶のお稽古2周目に入りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

初心にかえり「お薄」のお点前―お茶のお稽古2周目に入りました。

入門している茶道南方流では、基本のお棗(なつめ)での薄茶点前からお稽古をスタートし、平棗、中継ぎ、吹雪、弦付きなど、種類に合わせて微妙に扱いの異なるお点前に進みます。その後、濃茶手前、炭点前、懐石茶会、奥点前…と、次第に複雑になるお点前をお稽古し、最高位のお点前として天目台を用いた「お献茶」があります。ともあれ、薄茶が一番最初=基本ということです。

干支を一周する時間をかけて、わたしが「お献茶」まで辿り着き「天目」のお免状を拝受したのは、つい先月の事。お献茶までは、学ぶお点前の順番がきちんと決まっていますが、お献茶を経たのちは毎回のお稽古で何を習うかは、各人に任されます。どうしようかとさほど考えるまでもなく、一番最初に戻ることにいたしました。

なにせ習ったのが10年以上前のお薄点前。みごとに忘却の彼方です。先生に「すっかり忘れています。ご指導よろしくお願いします!」と言い訳しながら、臨みました。そうして実際にお点前を終えたときに感じたのは、なんとも言えない清々しい潔さ。先月までお稽古をしていた「天目」では、ひとつのお点前が完了するのに1時間近くかかっていましたが、30分もかかりません。とてもシンプルです。そしてシンプルだからこそ、たいせつな要素がぎゅっと詰まっているような感じがしました。

「薄茶の一番最初って、こんなふうだったのね!」と、なんだかとっても嬉しくなりました。初めて習ったときには必死過ぎて何も見えていなかったのが、少しは見えたような感じ。何が見えたのかは、いまだ定かではありませんが(笑)これからひとつひとつ復習していくのが、とても楽しみなっている2周目です。

再読書『サロメ』(文春文庫)原田マハ著

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再読書『サロメ』(文春文庫)原田マハ著

出先で、電車のお伴を!と本屋さんに駆け込みました。電車のお伴には、持ち運びやすい新書版か文庫版です。ぷらぷらと文庫の棚を眺めていたら、目に飛び込んできたのが、見覚えのある本書の表紙の黄色。読んだことがあるのは確かだけれど、そのときは図書館で借りたんだったよね?(=我が家蔵書、ダブってないよね?)と記憶をたどりつつレジに並びました。

前回読んだのは2017年のことで、本書『サロメ』の単行本でした。初版が2017年1月となっていましたので、出てすぐに読んでいたようです。今回手に入れた文庫版は2020年初版となっていました。わたしとしては、約10年ぶりの再読。黄色い表紙に「見覚えがある」と思ったのですが、実は採用されている絵が違うものでした。どちらも、オスカー・ワイルドの『サロメ』のために描かれたビアズリーの絵ですが、単行本は「クライマックス(お前に口づけしたよ、ヨカナーン)」で、文庫は「踊りの褒美」。

さて再読の原田マハ版『サロメ』。ビアズリーと、ビアズリーの姉・メイベル、ワイルド、ワイルドの恋人・ダグラスの四つ巴はなんともおどろおどろしく、再読とはいえ緊張しながら読みました。昨年久留米市美術館で開催された「ビアズリー展」での印象と、そこで手に入れた画集のおかげで、最初に読んだ時よりも、当時の時代背景や実際のビアズリーの作品とその変遷のイメージが残っていたので、より没入感がありました。

あとがきは『怖い絵』シリーズでお馴染みの中野京子さん。

原田マハ著は、たいがい読んでおりますが、現時点でのわたしにとってのベスト3は、

  1. 『楽園のカンヴァス』
  2. 『サロメ』
  3. 『キネマの神様』

という感じです^^

『サロメ』(文春文庫)原田マハ著

有朋自遠方来-山梨から10年来のお友だち。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

有朋自遠方来-山梨から10年来のお友だち。

有朋自遠方来(ともありえんぽうよりきたる)、先日は山梨からのお友だち来訪でした。初めてお会いしたのは、花祭窯が津屋崎に工房を移転してきて1‐2年が経った頃だったと思います。津屋崎のお隣・宗像市での地域を盛り上げようと、宗像・山梨両市の職員さんが、個人的な活動としてプラモデルイベントやワインイベントを手弁当で企画していて、その心意気に賛同したのが最初でした。イベントの作戦会議や反省会を開催する場所として、たくさんの人が花祭窯に集い、熱いトークが繰り広げられ。

それから10年以上。春に市役所を早期退職し、セカンドキャリアに向かってスタートを切ったというお友だちが、訪問してくださいました。セカンドキャリアの構想が明確に描かれていて、3年後のオープンを目指して準備を進めるということ。その話をするお友だちの表情の生き生きとしていることがとても嬉しくて、こちらまでワクワクしてきました。市役所時代に、自分のプライベートな時間(とお金)を使って全国を奔走していらっしゃった方なので、全国あちらこちらに仲間がいます。志に共感してつながっている関係性なので、今回の退職と次への動きにも、皆さん喜んで応援している様子。やっぱり「人」ですね。

上の写真は、いつもお土産でいただく、東晨洋酒の田草川さんが作るワインと、果樹園ジャンファームの網倉さんが作るぶどうジュース。山梨には美味しいものがたくさんですね。まだ遊びに行ったことがありませんので、行かねばなりません^^

読書『福音列車』(KADOKAWA)川越宗一著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『福音列車』(KADOKAWA)川越宗一著

いつものカメリアステージ図書館の蔵書検索から、川越宗一さんの著書追っかけで初の短編集でした。これまでに読んできたのが、いずれもずっしりとした長編でしたので、短編集だとは思わずに読み始め、いきなり物語が終わってしまったときには「え!もうおしまい!?」とびっくりしました(笑)。

『ゴスペル・トレイン』『虹の国の侍』『南洋の桜』『黒い旗のもとに』『進めデリーへ』の5つの短編で構成されています。舞台は順に、アメリカ、ハワイ、パラオ、シベリアとモンゴル、インドで、時代は明治維新の後から、第一次世界大戦、第二次世界大戦と流れます。近現代における、日本と外国とのかかわりを垣間見ることができる5編でした。

近現代史を小説で読むことの良いところは、歴史で学ぶ「史実」とされているそれぞれの場面には、その時代を生きた人がいるという当たり前のことが、きちんと伝わってくることにあると、わたしは感じています。登場人物たちが生きている空間はフィクションの中ではありますが、そのフィクション空間を、どれほど膨大な資料が支えているか。歴史小説を書く作家さんたちの凄さに頭が下がりつつ、の読書です。

川越宗一さんの短編集。氏の著書をこれから読んでみようかな、という方がいらっしゃいましたら、お試しで読んでみるのに本書はちょうど良いかもしれません。ここまでガッツリ長編を読んできたわたしとしては、本書の5編の物語がそれぞれ長編になったらどんなふうになるかしら、と思わずにいられませんでした。それぞれをテーマとした長編が出るといいな、と期待しています。

『福音列車』(KADOKAWA)川越宗一著