山梨市ワインと地域の食材を楽しむ交流会 in 花祭窯。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

山梨市ワインと地域の食材を楽しむ交流会 in 花祭窯。

山梨市ワインの知名度向上に取り組む山梨市ワイン振興会さんと、非公認(笑)友好都市である宗像市のコミュニティ協働推進課職員さんによる、草の根的交流会。いつも面白い提案をしてくれる仲間からの打診に快諾したのは言うまでもなく、喜んで会場提供したところでした。

醸造家、農家、漁業者、行政職員、地域ブランドコンサル、ホテル関係者、建築家などなど…いろいろな職業・肩書を持つ方々が、山梨市から、福岡県内から、集まりました。総勢18名。

山梨市ワインと葡萄ジュースに、福岡県の農畜産漁業の食材に、秋田の「かづの牛」。地域色豊かな贅沢な食卓で、それぞれの仕事に信念と愛情を持った皆さんの熱い(暑苦しいほどの)トークが繰り広げられ。

それにしても毎回そうなのですが、最初から腹を割った会話が盛り上がる仲間の面白さ。以前に別の集まりで花祭窯にいらした友人が、「仲良くなるのに、年齢も場所も仕事も立場も関係ないんだって、ここに来るとつくづく思う」とおっしゃったのを思い出します。

馬鹿話をしているようでありながら、真剣に協業を検討する時間にもなり、今後の展開が楽しみな作戦会議の場となりました。こんな集まりに巻き込んでくれる友人に心より感謝です。

海外展開セミナー in 宗像。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

海外展開セミナー in 宗像。

普段は福岡市内に情報を取りに行くことがほとんどである「海外展開」のセミナーが宗像であるというので、参加してまいりました。

メインは北九州・小倉の辻利さんの事例発表と、大分湯平温泉の山城屋さんの事例発表。基調講演に中小機構九州本部の国際支援アドバイザー福田さん。そして、ジェトロ、明倫国際法律事務所、福岡県による情報提供。

事例と施策がバランスよく紹介され、福岡県が掲げる「海外展開ワンストップ」を実感できるセミナーでした。花祭窯は海外展開を目指した2013年以降、それぞれの皆さんにいろいろなかたちでお世話になっており、その都度、それぞれの機関に足を運んできました。今もそうです。それが一堂に会した形でした。

以下、事例発表のなかから備忘。


  • 「きれいごと」は大切=文化事業的側面。
  • 店作りは街づくり、街づくりは店づくり。
  • シンガポール=ツーリスト。
  • メイドインジャパン≠最高。
  • 「価値」が伝わってなんぼ。

※以上、辻利茶舗 辻史郎さんの講演より

  • 安心感。
  • 親密なコミュニケーション。
  • 外国の方々の満足が高い=日本人のお客さまにも喜ばれる。
  • 知られていないことは、存在しないことと同じ。
  • 言葉(テキスト)と、写真・動画。

※以上、旅館山城屋 二宮謙児さんの講演より。


お二人の熱いトークに、わたしももっと頑張ろうとあらためて決意のセミナーでした。

続々・あらためて蕎麦猪口、文様編。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続々・あらためて蕎麦猪口、文様編。

文様編、つづきの続きです。

江戸時代中後期、江戸の庶民に広がった蕎麦やうどんとともに、蕎麦猪口も広まっていきます。いわば、庶民文化。文様がたくさん生み出されたと同時に、たくさんの数の蕎麦猪口が生み出されました。

これはつまり、職人たちによる「大量生産」が始まったことを意味しています。肥前磁器の制作工程は細かく分業化されており、「絵付け」ひとつとっても、染付(藍色)の線描き、ダミ(色塗り)、赤絵の線描き、赤絵のダミ(色塗り)と分かれます。さらに線描きのなかでも「器裾の二重線ばかり描き続ける人」「口縁の文様ばかり描き続ける人」「メインの文様を描く人」など…。

それぞれの職人さんは、文様全体ではなく「部分」だけを描き続けるため、次第に文様の意味を考えることなくスピード重視になっていきます。繰り返し、複数の職人さんの手で描き継がれることにより、元の文様が何であったか不明なものが、たくさん生まれました。描き間違えたり、省略してしまったりしたものが、そのまま引き継がれた結果です。

そんな背景もあって、文様の解釈も、時代により、地域により人により実にさまざまです。どの解釈が正しいということではなく、扱う人がそれぞれに自分なりの解釈をして想像を広げていくことも、文様の楽しみの一つであると思います。

だからこそ、現代に蕎麦猪口を作る藤吉憲典のスタンスは、「古典をきっちりその通りに写す」のではなく「最初の一作目の気持ちで、丁寧に写し直す」。縦長の線一本とっても、上から下に向かって描くべきなのか、下から上に向かって描くべきなのかは、それがもともと何を描いたものなのかによって変わってくるのです。

蕎麦猪口という限られた形状に広がる文様世界。日本の四季の美しさ、江戸の人々の生活、異国文化の影響など、扱う人の想像力とともに、世界はどんどん広がっていきます。文様に込められた願い、縁起のいわれなどを知ることで、蕎麦猪口を一層楽しんでいただけるといいな、と思っています。

このブログでも何度もご紹介していますが、やきもの文化は「写し」の文化です。「写し」については、こちらにもご紹介しています。

※『蕎麦猪口の文様小話』「ふじゆりの蕎麦ちょこ蒐集」編より 、一部加筆修正。

続・あらためて蕎麦猪口、文様編。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・あらためて蕎麦猪口、文様編。

文様編の続きです。

日本の磁器文化は、1600年初頭に朝鮮半島から伝わり、その後中国大陸のやきもの文化・技術に学び、独自の進化を遂げてきました。その歴史、約400年。やきものの文様世界には、中国・朝鮮の文化が影響しているのはもちろん、遠くインドやペルシャ文化の流れを感じさせるもの、仏教文化の影響を感じさせるものもあります。

こうした渡来文化を倣いつつ、日本(肥前地域=現在の佐賀)の季節や自然など陶工たちの生活文化のなかにある身近なテーマが加わったり、蕎麦猪口が運ばれ使われた江戸の風俗が反映されたりして、日本独自の発展を遂げていきました。

日本の四季折々の美しさが描かれた蕎麦猪口は、季節により器を変え、器で季節を感じる和食文化を、手軽に感じることができる道具のひとつ。蕎麦猪口と呼ばれる筒型の器ひとつの形に、「桜」ひとつとっても百種を超える文様がデザインされているとも言われています。

次回はその文様を「引き継ぐ」ことの実際についてお話します。

※『蕎麦猪口の文様小話』「ふじゆりの蕎麦ちょこ蒐集」編より 、一部加筆修正。

あらためて蕎麦猪口、文様編。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

あらためて蕎麦猪口、文様編。

に続いての三篇目は文様について。

現代作家として、藤吉憲典が蕎麦猪口にどのように文様をつけているか。これは蕎麦猪口以外の和食器にも当てはまるところがありますので、「蕎麦猪口」と書いているところを「器」と読み替えていただいても大丈夫です。

一般に、やきものにおける和食器のデザインは、古典文様の写しが引き継がれていることが多いです。これは藤吉に関しても同じく。今、我が家の展示スペースに並んでいる器の顔ぶれを見ても、八割から九割方は、江戸時代の古典に倣い、発展させたものです。

骨董の世界でも収集者の多い蕎麦猪口の面白さ、人気の秘密のひとつは、バラエティに富んだ文様世界。研究者により数百種、数千種ともいわれる多様な文様が大きな魅力です。

骨董品の実物や破片あるいは写真資料で垣間見ることのできる、蕎麦猪口に描かれた文様の種類は、干支、昆虫、動物、草花、幾何学文、人物、山水、気象、季節の風物など多種多様。世の中のあらゆる事象が文様の素材となるのでは、と思えるほどにデザインの宝庫です。

次回は、その中身を少し見てまいりましょう。

※『蕎麦猪口の文様小話』「ふじゆりの蕎麦ちょこ蒐集」編より 、一部加筆修正。

続・あらためて、蕎麦猪口。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・あらためて、蕎麦猪口。

昨日の「あらためて、蕎麦猪口」の続きです。2004年に発行した、蕎麦猪口の魅力をまとめた小冊子「蕎麦猪口の文様小話」から抜粋してご紹介。


はじめに~そばちょこって(後半)

※「はじめに~そばちょこって」前半はこちら

猪口(ちょこ/ちょく)の語源としては、中国語で盃(さかずき)の意味を持つ「鍾」(しょう)の発音からきているというのが有力のようです。「猪口」の漢字を当てはめたのは、器の形が猪(イノシシ)の口に似ているから、とか。

現在では「猪口=おちょこ」で盃などを呼ぶのに使われるのが一般的ですが、古くは今で言う小鉢の役割に近いものが猪口と呼ばれ、かたちも大きさもさまざま。用途も和え物などの料理を盛る、調味料を入れて皿に添えて出す、飲み物を飲むのに用いるなど幅広く、いろいろな形のものを総称して猪口だったのだろうと想像されます。

そんななかで蕎麦のつけ汁用に程好く、また蕎麦湯のの身勝手の良い形、サイズのものが蕎麦猪口と呼ばれるようになったわけですね。そんな背景を知ってみると、現代のわたしたちが「食べる」「飲む」さまざまな場面で便利に蕎麦猪口を使うのも、なるほどあたりまえに思えてきます。

※『蕎麦猪口の文様小話』「ふじゆりの蕎麦ちょこ蒐集」編より


次は文様の話に続きます。

あらためて、蕎麦猪口。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

あらためて、蕎麦猪口。

蕎麦猪口は、作家・藤吉憲典にとっても、わたし自身にとっても、花祭窯を営んでいくうえでの一つの精神的支柱です。いわば、基本のなかの基本。

藤吉憲典の器=肥前磁器の素晴らしさを知っていただく入門編として、ご相談があった時には、蕎麦猪口をお勧めしています。その理由は、もともとはやきもののド素人であったわたし自身が、蕎麦猪口の魅力に引っ張られて学んできたからにほかなりません。

蕎麦猪口を楽しむことは、日本の磁器の歴史や江戸時代の風俗を学ぶことにつながり、食べる器・飲む器と食文化を考えることにつながります。実用的に楽しみながら教養が身につく。そのきっかけとなる器が、蕎麦猪口です。

そんな蕎麦猪口の魅力をまとめた小冊子「蕎麦猪口の文様小話」をまとめたのは、16年前。引き出しを整理していたら出てきたので、少しづつ内容をご紹介することにいたしますね♪


はじめに~そばちょこって

「蕎麦猪口」ってなんでしょう。そもそも小碗、小鉢のような形のものが「猪口」と呼ばれており、「そばちょこ」は「蕎麦」用の「猪口」だから、蕎麦やうどんのつけ汁を入れる器。

わたしたちが「蕎麦猪口」と呼ぶ器が盛んに作られたのは、蕎麦やうどんが庶民の食文化として広まった江戸時代中期~後期。ところがそのころ既に「そばちょこ」という言葉で呼ばれていたかというと定かではないそうです。

※『蕎麦猪口の文様小話』「ふじゆりの蕎麦ちょこ蒐集」編より


つづく。

文章を書く愉しみ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

文章を書く愉しみ。

最近、周りにNote(ノート)で文章を書いている人が増えてきました。仕事上の話を発信している人、ごく個人的な出来事を日記のようにしたためている人、読書記録を付けている人、旅行記や料理レシピなど誰かの役に立ったら嬉しいという気持ちで文字にしている人…。ウィキペディアによると「noteは文章、写真、イラスト、音楽、映像などの作品配信サイト」とありました。

ツールや目的はともあれ「文章を書く」ことを楽しむ人が増えているのだと思うと、なんだか嬉しくなってきます。かくいうわたしにとって、この「ふじゆりスタイル」は「自分自身のための備忘録」的な位置づけです。今確認したら、2013年3月5日が最初になっていましたので、なんともうすぐ7周年!

といっても、最初からすんなり継続できたわけではなく、それまでに何度も「ブログスタートしては3日坊主」を繰り返していました。どんどん書けるようになってきたのは「読んだ人に少しでも役に立つようなことを」という意識をなくして、自分のために書きはじめたから。人の目を過剰に気にしなくなると、文字がするすると出てくる…もともと文章を書くのは好きなんですね。

自分のために書きだしたブログがきっかけで、今ではコラムの提供をするようにもなりましたから、ありがたいことです。そういえば昨年読んだ本のなかに『読みたいことを書けばいい』(ダイヤモンド社)がありました。自分が読みたいことを書くのが一番ですね。

コラム「日日是好日」提供中。

読書『BRUTUS Casa BANKSY バンクシーとは誰か?』

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『BRUTUS Casa BANKSY バンクシーとは誰か?』(March, 2020 マガジンハウス)

ブルータスカーサ最新号の特集はバンクシー。サザビーズオークションでのシュレッダー事件や、サルの議会の絵(正式タイトル:Developed Parliament)、覆面性・神出鬼没性など、面白い人だなぁと思ってはいましたが、ほぼ知りませんでした。

ダンナが買ってきたこの特集号。試しにページをめくっていたら、すっかり引き込まれてしまいました。彼の作品・行動が現す、社会問題へのアプローチ、現代アート市場への批判、そしてアーティストとしての信念。

それにしても日本はいろいろな意味でアート後進国なのだと、あらためて思いました。村上隆さんの『芸術起業論』(幻冬舎)で「現代アート市場の世界標準」で対等足りえるために日本のアーティストに必要なことを考えさせられたのは、もう十数年前のことではありますが、バンクシーは既にその「現代アート市場」という前提を否定する立ち位置でものを言い、行動を起こしている。その行動がまた市場に反映されて作品の高値を呼ぶという矛盾が起こっているのも事実ですが。

昨今の日本で流行りつつある、現代アートへのアプローチがあまりにも小手先に過ぎないと、突きつけられた感じがしました。これは、アーティストも、アーティストを取り巻くアート業界の人々も同じこと。そろそろ、追いかけるだけではなく、独自の価値観で世界市場に対等足りえるアート市場の在り方を実現できたらいいのかもしれませんね。

ともあれ、バンクシー。次に何をするのか、気になります。また、彼に関する本はいくつも出ているようなので、少し遡って読んでみようかな、という気になりました。

それにしても、ほぼ一冊丸ごとバンクシー特集とは。BRUTUS Casa、すごいです。

写しで、質を上げていく。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

写しで、質を上げていく。

「写し」の文化については、過去にもたびたび話をしています。

江戸時代から続く、日本のやきもの(和食器)文化の継承は、「写し」によってなされてきたとも言えます。「コピー」が質を劣化させながらの表層的な真似であるのに対して、「写し」はオリジナルを超える良いものを生み出そうとする行為。

創業から20年以上経つと「古典文様を写してつくったもの」もたくさん。そこからさらに「自分が過去に写したものを、さらにグレードアップさせる」制作へと続いていきます。かたちをつくるときも、文様を描くときも、前作よりもっと良いものを、と。永遠にゴールは無いなぁと、見ていてつくづく感じます。

写真は、藤吉憲典の「染錦丸文そら豆型小皿」。現代的な三つ足のそら豆型小皿に、江戸の人気文様「丸文」を写した、創業初期からの定番です。昨日、久しぶりに窯から上がってきたのを見て、あらためて写しの面白さを思いました。

染錦丸文そら豆型小皿 藤吉憲典