そんなときは寝るのが一番!久しぶりに風邪をひいておりました…

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

そんなときは寝るのが一番!久しぶりに風邪をひいておりました…

ようやく秋めいた風が吹いてきたと思ったら、急に冷え込む朝があり、挨拶代わりに「夏の疲れが出ないよう、ご自愛くださいね」と言いまくっていましたら、その当人(わたし)が久しぶりに風邪をひきました。

インフルエンザでもなく、コロナウィルスでもなく、「風邪」というのはどういうものだったかな、というのを久しぶりに思い出しました。最初「ひき初めの今のうちに!」と、いわゆる「風邪薬」を飲んでやり過ごそうとしたのですが、いけませんね。症状が抑えられてしまうので、元気になったと勘違いして動き回り、かえってあとからドッと来る悪循環。

というわけで、観念してすべての予定をキャンセルして、丸二日、寝ておりました。幸い、熱っぽく頭がぼんやりするものの咳も鼻水もさほどひどくなく、どこかが痛いというわけでもなく、単に「休め!」という身体からの注意喚起だったようです。サインを出してくれる体に感謝^^

写真は、暑さが和らいで散歩に出た津屋崎浜で、カモメが何羽も飛来しているのを発見し、撮った一枚。庭先にはジョウビタキも訪れはじめました。季節は着実に動いておりますね。

写真撮るの下手なんですが…カモメ、見つけることができますか?

津屋崎浜

12月のイベントに向けて作戦会議-初めての取り組みはなんだか面白い。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

12月のイベントに向けて作戦会議-初めての取り組みはなんだか面白い。

12月は、初めての試みがひとつあります。国指定重要文化財に指定された豊村酒造さんの活用事業として、藤吉憲典の作品を展示することになりました。ご近所さんですので、こういう形で地域貢献的なことでご一緒できるのは、とても嬉しくありがたく。そこに向かってじわじわと準備をしています。

本日は、豊村酒造さんと増田桐箱さんと打ち合わせ。増田桐箱さんにお知恵をお借りしたいことがありましたので、ご足労をお願いしたのですが、ほんとうに頼りになります。おかげさまで、決めるべきことが即座に決まりました。長年花祭窯を担当してくださっている増田桐箱の担当さんは、たくさんの事例をお持ちで引き出しが多く、プロフェッショナル。細かいことも「持ち帰り」せずその場で決めてくださるから、助かります。

会場が豊村酒造さんですから、個展テーマは「酒器」。お正月の近い時期でもありますから、「祝膳」よろしく、華やかなお膳を設えてご覧いただくことができたらいいな、と思います。会期は12月19日から21日の三日間ですから、短いのですが、足を運んでくださった方々が眼福を感じてくださるように、頑張ります。重厚な豊村酒造の主屋と本座敷をお借りしての展示、気が引き締まります。

既にプレスリリースなどは進めていて、現在イベント案内チラシの完成を待っているところです。チラシが出来上がりましたら、あらためてこちらでもイベントを大々的に告知・ご紹介いたします。どうぞお楽しみに♪

柿右衛門調酒器 藤吉憲典

↑藤吉憲典の作る酒器・チロリ↑

読書『第七問』(白水社)リチャード・フラナガン著/渡辺佐智江訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『第七問』(白水社)リチャード・フラナガン著/渡辺佐智江訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より。このところ近現代を舞台とした良書にたくさん出会っています。「新刊棚」はとても小さなスペースですが、訪れるたびに興味深い新刊に出合えるので、探す手間が省けて、自分以外の人の選書を楽しむことができるのが、とても魅力的です。

さて『第七問』。読み始めてしばらくして「???」となりました。ひとつには、いくつかのストーリーが章毎に新たに立ち現れてくること、そしてもうひとつには、「語り手」と著者が重なること。手掛かりを求めて裏表紙の説明書きを読んだところ「ベイリー・ギフォード賞」受賞とあり、どんな賞なのかを調べました。これは英国で選定される英語のノンフィクション図書賞だそうで、なるほどノンフィクションだったのね!とわかり、少々混乱が収まりました。

著者のお父さんの日本での捕虜労働につながる話、著者の母国オーストラリア・タスマニアの歴史にまつわる話、『宇宙戦争』で知られるSF作家H・G・ウェルズの『解放された世界』にまつわる話、著者自身がボートの事故で死に直面した話、と、一つだけとっても重厚なテーマが、次々と立ち現れます。最初は「???」だったそれらが、次第にひとつの方向に向かってまとまっていくさまを読むのは、わたしにとってすごい読書体験となりました。

後半に向かって、読者に投げかけられ続ける鋭い「問い」は、古今東西の「わたしたち」に向けられた痛烈な批判であり、出口の無いしんどさを感じさせられました。著者は小説でもブッカー賞をとっており、フィクションでもノンフィクションでも卓越した作品を書いている、稀有な作家のようです。タイトルの『第七問』の意図するところは、とても哲学的で、わたしにはよく考えることができませんでした。著者の別の作品=小説も読んでみたいと思います。

『第七問』(白水社)リチャード・フラナガン著/渡辺佐智江訳

大阪阿倍野・暮らし用品さんでの「藤吉憲典 陶展」は今週末初日です。

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大阪阿倍野・暮らし用品さんでの「藤吉憲典 陶展」は今週末初日です。

2回目となる、暮らし用品さんでの個展です。その間に「酒器展」や「茶器展」にもお声がけいただいて参加しておりますので、まだ2回目!?という感じで、もっとお世話になっているような感じがしていますが、藤吉憲典ソロとしては2回目。

前回の2023年は、ご家庭でのふだん使いの器を意識した顔ぶれでお届けいたしました。そのときに、料理人さんからのご要望をいくつかいただいたということで、今回は、プロの料理人さんに喜んでいただけるものも、いろいろとご用意しています。様々な種類のものをお送りしましたので、愛でて楽しんでいただけるものと思います。

会期は少し長め11月5日(水)までとなります。大阪は、万博も終わり、少し落ち着いているのではないでしょうか。秋の一日、ぜひお時間を見つけて足を運んでいただけると嬉しいです。


藤吉憲典 陶展

暮らし用品

場所:大阪市阿倍野区阪南町1-45-15
電話:06-6628-2606
会期:2025年10月25日(土)~11月5日(水)11時~18時
※木・金曜はお休み。

10月は大阪です―阿倍野の暮らし用品さんで「藤吉憲典 陶展」。

読書『ジェイムズ』(河出書房新社)パーシヴァル・エヴァレット著/木原善彦訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『ジェイムズ』(河出書房新社)パーシヴァル・エヴァレット著/木原善彦訳

西日本新聞書評コーナーで見つけて気になり、本書を読むために、マーク・トゥエインの『ハックルベリー・フィンの冒険』を遡って読んだという、こんなふうに、ある種の手続きを踏んでまで読んでみようと思った作品は、久しぶりでした。というわけで、期待大!で読み始めましたが、その期待を上回る読書となりました。

『ジェイムズ』は、米国文学『トム・ソーヤーの冒険』で知られるマーク・トゥエインが書いた『ハックルベリー・フィンの冒険』を、語り手(主人公)を変えて書いた小説です。『ハックルベリー・フィンの冒険』は、主人公である、貧困層に生まれた白人ハックと黒人奴隷ジム(ジェイムズ)の冒険物語。もともとはハックの視点で描かれた物語を、『ジェイムズ』ではジムの視点で描き直しています。著者は、アフリカ系アメリカ人作家のパーシヴァル・エヴェレット氏。

興味を持ったものの、わたしは『ハックルベリー・フィンの冒険』を読んでいませんでしたので、まずは『ハックルベリー・フィンの冒険』を読むところからスタートしたのは上述の通りです。あらすじが頭に入ったところで、いざ『ジェイムズ』へ。『ハックルベリー…』もそうでしたが、冒険小説というよりは、社会小説。そして「アイロニー(皮肉)」という意味では、『ジェイムズ』の過激さは『ハックルベリー…』の比ではないと感じました。読み手たる自分のなかにあった無意識の思い込みと、甘さ・浅さを突き付けられる、ハードな読書体験となりました。

本書の著者パーシヴァル・エヴェレット氏の著書は、日本ではあまり刊行されていないようですが、米国では20作以上の長編を発表していらっしゃり、高く評価されているとのことです。俄然興味がわいてきました。ほかに訳書が出ていないか、ちょっと探してみたいと思います。

『ジェイムズ』(河出書房新社)パーシヴァル・エヴァレット著/木原善彦訳

読書『最果ての子どもたち』(早川書房)ニコラ・マチュー著/山木裕子訳

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読書『最果ての子どもたち』(早川書房)ニコラ・マチュー著/山木裕子訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より。フランスの権威ある文学賞「ゴンクール賞」をとった作品だということで、そういえば先日読んだ本は「ゴンクール賞ノミネート」と紹介してあったような、と思い出しました。やはりカメリアステージ図書館新刊棚から借りた『小さな嘘つき』がそうでした。どちらも早川書房さんからの刊行です。

さて『最果ての子どもたち』読み始めてすぐに、いつの時代の話かが気になりました。1990年代の話だと分かり、納得すると同時に漠然とした暗い気持ちになりました。主人公は、かつて製鉄で栄えた「限界都市」に生まれた少年アントニー。彼が14歳のときからの8年間の青春を描いています。いわば思春期から大人へと成長を遂げていく期間。昔読んだ中島らもの本のなかに「息をするだけでも恥ずかしい」自意識過剰なお年頃、というような表現があったのですが、まさにそんな感じです。そこに出自のコンプレックスが加わって、登場人物それぞれの苦悩、痛々しさが読んでいる間中付きまといました。

『最果ての子どもたち』は、早川書房の公式サイトによると「青春小説」のジャンルですが、「青春」の文字の清々しさはまったくありませんでした。読みながら、少し前に読んだ『テスカトリポカ』を思い出しました。これも「貧困(富)」と「格差」が起点となるストーリー。現在の世界を覆う資本主義の仕組みに対する問題提起をする小説が、このところよく目に留まります。こうした本に出合えるのも、カメリアステージ図書館新刊棚のおかげです。

『最果ての子どもたち』(早川書房)ニコラ・マチュー著/山木裕子訳

アート作品撮影のお仕事拝見―今年も赤司憲壕さんにお願いしました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

アート作品撮影のお仕事拝見―今年も赤司憲壕さんにお願いしました。

ロンドンへ向けて出荷前の作品撮影は、今年もいつものabc pictures 赤司憲壕さんにお願いしました。赤司さんに撮っていただくようになったのは、2015年からだったと思います。そろそろ10年以上のお付き合い。初めて花祭窯で撮影をお願いした時から、阿吽(あうん)の呼吸とでも言いましょうか、多くを語らずともこちらの意図を汲み取ってくださるので、ほんとうに助かっています。

今回はAnimal Boxesシリーズを10数点と、シルクスクリーンの平面作品を4点撮影。最初のセッティングが決まったら、一枚一枚画面で確認しながらも、迷いなくサクサクと進んでいきます。このスピード感がなんともプロフェッショナルです。正味一時間もかからずに撮影終了。実にスマートです。その数日後には、バシッと決まった写真を納品してくださるのですから、カッコいいなぁと思うのです。

納品されましたら、藤吉憲典の公式インスタグラムでアップしていきます。どうぞお楽しみに^^

読書『ハックルベリー・フィンの冒険』(研究社)マーク・トウェイン著/柴田元幸訳

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読書『ハックルベリー・フィンの冒険』(研究社)マーク・トウェイン著/柴田元幸訳

いつものカメリアステージ図書館から借りてきました。我が家ではローカル紙の「西日本新聞」を購読しています。年々紙面が減って薄くなってきているような気がするのは由々しきところですが(笑)、地域色が強いのはもちろん、地方紙だからこそ書ける特集などがあって、けっこう楽しめます。いくつかあるわたしの楽しみの一つに、毎週末の見開きの書評コーナー「おすすめ読書館」があります。上の写真は、そのウェブ版。紙で購読していると、無料でウェブ版も利用できます。

ある日、その書評欄で見つけた『ジェイムズ』(河出書房新社)がめちゃめちゃ気になりました。『ハックルベリー・フィンの冒険』で、主人公ハックと一緒に冒険する黒人奴隷ジムの視点から、その冒険を描き直したというもの。これは読んでみたい!と思ったものの、そもそも元となる『ハックルベリー・フィンの冒険』を読んでいないということに思い当たりました。実のところ、その前作となる『トム・ソーヤーの冒険』さえも読んでいません。まずは『ハックルベリー・フィンの冒険』だけでも読まなければお話にならない!と、図書館へ駆け込みました。

さて『ハックルベリー・フィンの冒険』。とても興味深く読みました。行間から、時代背景が色濃くにじみ出ていて、訳者の方の工夫がしのばれました。けっこうな長編ですね。「冒険」のタイトルに対して勝手に抱いていたイメージと中身がまったく違っていて、いい意味で裏切られた感がありました。『トム・ソーヤーの冒険』もこんな感じなのかしらと疑問に思いつつ。ハックルベリーは冒険小説というよりは、むしろ社会派小説という印象を持ちました。読むのに想定以上に時間がかかりましたが、面白かったので、途中挫折はせず。

無事完読できましたので、準備は整いました。次はいよいよ『ジェイムズ』です。新刊ながら、こちらもいつものカメリアステージ図書館で発見することができましたので、さっそく予約。すでに図書館に入っていたことが嬉しく、いつものことながら感度の高い選書に感謝です。読むのがとても楽しみです^^

『ハックルベリー・フィンの冒険』(研究社)マーク・トウェイン著/柴田元幸訳

10月の津屋崎千軒はちょっぴりにぎやか―「音楽散歩」でした。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

10月の津屋崎千軒はちょっぴりにぎやか―「音楽散歩」でした。

音楽散歩も、すっかり津屋崎千軒の10月の恒例行事となりました。2010年から続いているということなので(コロナ禍下の期間は除く)、15年目。その間、運営方法はいろいろと試行錯誤があったようですが、形を変えながらでも続いていることがすごいと思います。

さて毎回数組の演者が来てくださるわけですが、そのなかで自分が聴きたい時間に合わせて足を運べるというのが、地元民の嬉しいところ。今回は、バンドネオン奏者の方がいらっしゃると聞き、楽しみにしていました。というわけで、バンドネオン奏者・小川紀美代さんの演奏を聴きに散歩がてら藍の家へ。

アルゼンチンタンゴの楽器として知られるバンドネオン。タイトルは知らずとも、演奏が始まって「この曲聴いたことがある!」というものがいくつもありました。生演奏を目にするのは今回が初めて。音楽散歩の良さのひとつは、会場が古民家だったりして演者と観客の距離がとっても近いことです。迫力の演奏を間近に観ることができました。

演奏はもちろん、世界のあちこちで演奏してきているという小川紀美代さんのお話はとても面白く、サービス精神満載で大満足の時間となりました。演奏終了後、1920年代に作られたというバンドネオンをじっくり拝見。彫りや螺鈿が施され、美術品の域です。バンドネオンは調律ひとつとっても複雑でお金がかかるものということでしたが、メンテナンスしながら現役で楽器として使っていらっしゃるのですから、すごいなぁと思いました。写真撮ってもいいよ♪ということで^^

音楽散歩 小川紀美代さんのバンドネオン演奏
音楽散歩 小川紀美代さんのバンドネオン演奏
音楽散歩 小川紀美代さんのバンドネオン演奏
音楽散歩 小川紀美代さんのバンドネオン演奏

音楽散歩実行委員会の皆様に感謝。今年もありがとうございました♪

10月の津屋崎千軒はちょっぴりにぎやか―波折神社のおくんちでした。

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10月の津屋崎千軒はちょっぴりにぎやか―波折神社のおくんちでした。

三連休の中日、日曜日は波折神社のおくんちでした。子どもが小さかったときは、おくんちの行列の太鼓に毎年参加していましたので、地元のお祭りであるという以上に思い入れのあるイベントでした。今年も、1週間前から神社で太鼓の練習をしている音が聞こえてきて、そろそろおくんちだなぁとしみじみ。この太鼓、いわば口伝で「地域のおじさんたち」や、これまでに参加した子どもたちが教え伝えながら練習していくのですが、最初はてんでバラバラです。それがおくんち当日に向かって、少しづつ少しづつ上達していくのを聞くのも楽しみのひとつ。

おくんち当日は、さわやかな秋晴れ!というよりは季節外れの暑さとなりましたが、ともあれ悪天候ではなく、よかったです。おくんちの行列はけっこうな距離歩きますので。お昼過ぎに神社を出発した行列が戻ってくるのは、夕方4時近くになります。遠くからだんだんと太鼓の音が聞こえてきて、そろそろ近くに来るな~、と外に出ると、ちょうど目の前を通っていくところでした。

波折神社のおくんち
波折神社のおくんち
波折神社のおくんち

良い景色でした^^