大峰山 ヤブツバキ

ちょっとした「嬉しい」をキャッチして楽しむ才能は、自分を機嫌良く保つのに大いに役に立つ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ちょっとした「嬉しい」をキャッチして楽しむ才能は、自分を機嫌良く保つのに大いに役に立つ。

少し前に読んだ本で『日常美学』なる概念を知りました。

このなかに『生活のなかで実践される「美」、「芸術」』についての考察がありました。「美」「芸術」というとなんだか大げさになってしまうけれど、わたしたちが「生きていくなかで自然に感性をはたらかせている」というのは、実感としてあるなぁと思っています。

「感性がはたらいて感情が嬉しい方向に動く」ことは、日常生活のなかでけっこう頻繁に起こっています。そんな心の動きを、するっと流してしまうのではなく、ひとつひとつキャッチして=意識に上げて確認したり、言葉にしたりすることは、「嬉しい」気持ちを倍増する効果があると感じています。

例えば今日は仕事で久留米市に行きましたので、お昼ご飯はお肉の中津留レストランでカツカレーを食べ、電車に乗る前にこれまた久留米で人気の甘納豆やさんの甘納豆を見つけてお土産に買い、と、これだけでももう二つの「嬉しいこと」となります。そのうえ電車に乗ろうとしたら、ラッキーなことに乗り換えなしで最寄り駅まで行ける快速がちょうどあって、空いていたので楽々座れたこと、車窓から大きな虹が見えたこと、筑後川を鉄橋で通ったときにたくさんの水鳥が見れたこと、電車を間違って乗ったかもしれないという若者に大丈夫だよと教えてあげれたこと…。ほんの数時間の間にも、こんなに嬉しいことが発生しています。

下の写真は、お正月用に、昨年末に玄関に生けた花。1月も末週になりましたが、まだまだきれいに保たれていて、ロウバイは今ちょうど開いて香りがしてきたところです。これはもう、玄関を通るたびに嬉しくなる、という状態。こう考えてくると、生活空間に花や絵が飾ってあったり、お気に入りのインテリアがあったりすることは、知らず知らず感性に働きかけてくれる部分もあるとは思いますが、「そこに花がある」「そこに絵がある」と意識的になることで、さらに感性がはたらく要素がありそうです。

お正月の花

ここまで書いて、なんとなく既視感があるなぁ、と思ったら、やはり過去に同じような記事をアップしておりました。内容だけでなく、タイトルも近いという(笑)。

きっと、わたしの「日常生活」に対する態度は、ずっとあまり変わっていなくて、同じようなことをして、同じように感じているということなのだと思います。自分の思考&行動パターンが見えてくるのは面白いですね。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。