こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。
学芸員技術研修会「博物館教育」@佐賀県立博物館・美術館。
新年最初の学芸員研修会は、佐賀県立博物館・美術館での「博物館教育」。もと宮城県立美術館教育担当学芸員・齋正弘先生による講義と演習。 写真は会場となった佐賀県立博物館のエントランスホール。
齋先生の美術館教育の講座を初めて受講したのが2016年度。3年度目の今回は、過去2回に比べてもさらに「哲学的な研修」になっていました。
以下備忘。
- 美術家は「第一次産業家」である。
- コンセプトを明確にして、出来るだけ単純化する。
- 「カンディンスキー後」の発明は?
- 「開けてはいけないところを開ける」の「美」的インパクト。
- 美意識はその背景に積み重なったもので決まる。
- 話を聴いてもらうには、周波数を合わせることが必要。
- 比較・対比できる(=ものがたくさんある)のが博物館・美術館の良いところ。
- schooling、teaching で出来ないことを「education」で行う。
- teacher→instructor→interpreter→facilitator
- 本来的な「ワークショップ」とは「ゴールを目指さない」で「拡散していくことを肯定」できる活動。
- 知識を教えるのは学校でやればよいこと。
- 文化財はいかようにも使える。
- 地域の文化を活性化して「文化で飯が食える」ができる地域にするには、地域の美術館・博物館の役割が重大。
- 「個別に相談にのる」の徹底。
- 「わたし(専門家)はどう見ているか」をオープンにする。
- 「美術家になる人」「美術を使って何かをする人」「美術を使ってより生活を豊かにする人」
- 子どもの時どんな体験をしたら、高校生になった時にデートコースに「美術館・博物館」を入れるようになるか。
- 「無駄なこと・ものをどれだけ見たり知ったりしているか」が肝。
- 同じ土俵に載らない。此方の土俵を提案する。
- 美術館・博物館の一番大きな役割は「education」。
(齋正弘先生の講座より)
とても本質的なお話とワークショップでした。館所属の学芸員さんたちにとっては、成果を現場に落とし込むには、難しさを感じる研修だったかもしれません。わたしは個人でやっているからこそ、すぐに取り入れていきたいと思います。
毎回素晴らしい研修機会をコーディネイトしてくださる九州産業大学の緒方先生に、心より感謝申し上げます。