電気窯

年に一度、電気窯の定期メンテナンス。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

年に一度、電気窯の定期メンテナンス。

昨年春に花祭窯三代目の窯を設置し、もうすぐ一年経ちます。動力源が電気であり、焼成はプログラム管理されているとはいえ、窯を焚くときには気を配り神経を使います。最新の機械を導入したことで、安全面・環境配慮面での安心感を高めることが出来たのは、心理的に大きなプラスになりました。

新窯導入時に、窯の構造・焼成の際のコツや、窯を長持ちさせるための焚き方の留意点・メンテナンス方法など、メーカーさんから専門的なアドバイスを直接いただくことが出来たのも、貴重な機会でした。一般的な注意事項は調べればいろいろ出てきますし、陶芸作家のお友だちに話を聞いたりもしていますが、窯の特徴や、作家がどのような焼成方法を選びどのような結果を求めているかによっても、やり方が異なってきます。「藤吉憲典の窯の焚き方」におけるアドバイスをいただくことが出来たのは、ありがたいことでした。

そんなアドバイスのひとつ、窯を長持ちさせる方法として、この二月には「酸化焼成メンテナンス」を行いました。藤吉憲典は、本窯焼成において「還元焼成」を行っています。還元焼成を続けることによって進む窯の劣化があります。本窯焼成10回につき1回程度の頻度で「酸化焼成」で空焚きすると、これを防ぐ役割があるということで、年に一回の定期メンテナンスとして取り入れることにしたのでした。

新年最初の本窯を焚く前に、酸化焼成メンテナンスを定期化しようと決定。この2月に実施しました。通常の窯焚きと異なり、窯の中に作品は1つも入りませんので、そういう意味では気持ちが楽です。自動プログラムで酸化焼成を設定すれば、あとは電子制御でメンテナンスが完了。これで今年一年またしっかり窯に火を入れることが出来ます。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。