こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。
読書『サピエンス全史』(河出書房新社)ユヴァル・ノア・ハラリ著
『サピエンス全史』上下巻。副題は「文明の構造と人類の幸福」。2016年初版の発行時からずっと気になっていた本を、やっと読みました。
人類の進化の歴史と、その結果起こっていること、起ころうとしていることを説き・問題提起しています。人類史・文明史を生物学的な側面、科学技術的な側面から眺めるだけでなく、哲学的にも社会学的にも考察することを求められる本。
わたしが上巻で引っかかったキーワードは「虚構」。そして「客観的現実」と「想像上の現実」。下巻では、章題にもなっている「文明は人間を幸福にしたのか」。そして最終章で提起される「私たちは何を望みたいのか?」。
上巻を読みはじめて気がつけば、つい先日聞いてきたダライ・ラマ法王の法話の内容が、ずっと頭に浮かんでいました。「空(くう)である。すなわち、すべてのものには微塵たりとも実体性が無い。実体があると勘違いするから、そこに執着その他が生まれる」というお話。
背筋が寒くなるような示唆もありましたが、事実そのような危惧のある現代に生きている者としては、読むべき本、読んでよかった本だと思いました。ボリュームがあり消化しきれなかった感があるので、また時間をおいて繰り返し読もうと思います。