花祭窯の茶室「徳り庵」

お茶のお稽古、のお稽古@徳り庵。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

お茶のお稽古、のお稽古@徳り庵。

「お茶のお稽古再開。」と書いたのは約2週間前のこと。

コロナ禍で、集まってのお稽古が出来ず、お点前を忘れてしまわないよう自習すればよいと頭では分かっていても、まったく手につかなかったこの2年間…(せっかくお茶室があるというのに!)。ようやく南方流・円覚寺でのお稽古ができるようになった途端「よし、おさらいしよう」と意欲が湧いてくるのですから、ゲンキンなものです。「あまりにも出来無さ過ぎると恥ずかしい」という気持ちが自分のなかに残っていることを確認(笑)。

やはり久しぶりにお稽古に出る前に復習したいという息子とともに、徳り庵でおさらいすることになりました。徳り庵は、花祭窯の小さな茶室です。

炭をおこして湯を沸かして、となるとまた一仕事なので、今回まずは空点前で。空点前(からでまえ)とは、実際にお茶を点てることなく、お点前の手順をしてみることです。「エアーお点前」とでも言いましょうか。実物の道具をどこまで使うかはその時々・環境に寄ります。今回は、湯・水・炭・お抹茶無しで、お茶室には風炉に窯と水差しだけを配置し、手に持って扱う道具は実際のものを使いました。

基本のお薄点前をお稽古しました。袱紗捌き(ふくささばき)の練習をし、お茶碗に茶巾・茶杓・茶筅を仕込むところから。人に教えるのが一番自分の勉強になるというのはどんな分野にも言えることなのだと思いますが、お茶もその通りですね。少なくとも息子よりは先輩ということで、拙いながらも指導をすると、自分が何所を理解していて、何をわかっていないかがあからさまになります。

ひととおり片付けまで済ませると、教える方も教わる方もぐったり。息子が「今日はここまでで大丈夫」と言ってくれたので、内心助かりました(笑)。お茶の先生方は、一日に何人も、それも習熟度合がまちまちな入門者のお稽古をずっと続けておられます。そのすごさをあらためて思いました。

それにしても道具の前に座るだけで、気持ちが引き締まるから不思議です。こうしていざ自主稽古をしてみると「どうして今までやらなかったのかしら!?」とさえ思えてくるのですから、我ながら呆れます。ともあれ後悔先に立たず。少なくとも月に一度はお茶室に座りたいと思います。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。