こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
こんな人になりたい。
クリスマス。今年のところどころで気にかかりながら先延ばしにしてしまっていたことを、年内にきちんとしなければ!と、一念発起した昨日でした。
2019年はここ数年のなかでも、陶芸術家・藤吉憲典にとって、ひとつ勝負の年でありました。「器」と「アート」。どちらも大好きで、どちらも大切。本人曰く「ガチャンガチャンと」思考回路を切り替えながら、作陶に取り組んでいます。つくるのにどちらがラクということは無く、細部まで丁寧に、「すべてが自分の代表作」というスタンスはまったく同じ。
器=役に立つもの、アート=意味のあるもの。同じ「磁器作品」であっても、求めるお客さまの志向は異なるため、市場は同じではありません。「器のギャラリー」と「アートギャラリー」のあいだに距離があるのは、アートピースに取り組み始めたときからわかっていたことではありました。
作り手・藤吉憲典にとっては、両輪があることで、それぞれの分野の進化・深化があります。が、それを本心から理解できる人は、日本においてはクリエイティブな業界にあっても(あるいは、だからこそ)多くはないことを、ことあるごとに感じていました。
それでも、こうして「好きなもの、作りたいものだけを作る」姿勢を一貫して来れているのは、ひとえに、作家とその作品を愛し、理解しようとし、尊重し、その進化・深化を一緒になって楽しみ、受け入れ、世に発表してくださるギャラリーさんがあるからこそです。これは、国内でも国外でも同じ。
さて冒頭の「気にかかりながら先延ばししていたこと」のひとつについて、お世話になっているギャラリーさんにご連絡をしたところ、作家が「こう言ってもらうのが一番うれしい」というお返事そのものをいただきました。
20年近いお付き合いのなかで、これまでもずっと「この人のようになれたら素晴らしいな」と思っていた方。その懐の大きさに、また頭が下がりました。涙が出るほどありがたい言葉に、作家ともども大きく勇気づけられたクリスマスでした。