津屋崎の海

ひそかにリスペクト。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ひそかにリスペクト。

している人が、ご近所に二人いらっしゃいます。あいさつ程度のご近所づきあいですが、その佇まいや振る舞いを見聞きするたびに「真に余裕のある大人」の優雅が感じられ、そのような雰囲気を醸し出せる人物になりたいなぁ、と思うのです。

お二人に共通するのは、怒りや焦りの感情を表に出したり、大きな声を出す姿が、まったくイメージできないこと。あるときお嫁さんとおしゃべりの最中に聞いてみたら、「たしかにわたしが嫁に来てから1回もお義父さんが大きな声出してるとこ見たことないわ」ということで、やはりイメージ通りのようです。

もうひとつ共通しているのは、家のなかを歩くように、ご近所内を歩いている姿。近所でお見かけするときはいつも、いかにも気負いのない格好で歩いていらっしゃるのです。実のところお二人ともいわば地元の名士でありながら、まったくそのようなものにとらわれていないのがわかります。

いったいどうしたら、そのように飄々として品のある雰囲気が身に付くのでしょう。年齢的に考えると、お二人ともわたしよりおそらく20歳ほど上でおられるのですが、20年後に自分がそのような雰囲気をまとえるものかどうか。

「何かを成し遂げた」という行いへの敬意の場合は、その目指すものが行動として明確なのですが、「真に余裕のある佇まい」にたどりつくための指針は、漠然としています。どんな日々を積み重ねてきたかが問われるのだろうなと思いつつ、いったいどんな毎日を送ったらよいのでしょうね。お二人の姿をお見かけするたびに、思わず考えてしまいます。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。