こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
シマウマ作品続々-「壁面」の楽しみがどんどん広がります。
気がつけば、もう12月!とはいえ年内(=花祭窯にとっては年度内)に進めたい仕事はまだまだてんこもり。今年は、藤吉憲典作品において、書画をはじめ「壁面」に本格的に意識を向けた一年となりました。これまでにも陶板レリーフ(半立体陶板)を作成するなど、ジワジワと壁面へのアプローチは続けてきていましたが、本格的に書画作品をアート作品として発表することを決めてから、「どのように提供するか」への意識が新たになりました。
「購入できる作品としてご覧(ご検討)いただく」「お客さまが自分の空間に飾ったときのイメージができるようサポートする」と考えたときに、特に国内では、額縁であったり軸装であったりという、「作品をプレゼンテーションするための+α」が大きな意味を持つことを、実地で学んだ一年でした。
というわけで、引き続き「壁面作品」の「見せ方」を考え続けています。その最新作が、シマウマ陶板の額装。今回も大崎周水堂さんにお世話になりました。
藤吉憲典の縞馬陶板。額装していたものがひとつ嫁ぎましたので、あらたに二つ増やしました。大崎周水堂のスタッフさんがさまざまに(かつ、かなりピンポイントで!)提案してくださったなかからセレクト。今回はシックで上品な仕上がりとなりました。
色違いで同じタイプの額縁です。ちょっとした色の違いですが、どちらがよりしっくりくるか、何度もシミュレーションした結果、このような組み合わせとなりました。「作らないけれど、作る側の人」である私としては、このような形で作品に参加できることが、とても面白く嬉しいのです。縞馬陶板シリーズは、個人的にも大好きなので、ずっと花祭窯に飾っていたいという気持ちもありつつ。
そして今年は、少し前までは「はっきり分かれている」と感じていた、器ギャラリーさんとアートギャラリーさんとの垣根というか役割分担が、こと国内においては徐々に意味がなくなりつつあることを、何度も実感いたしました。「器を見に来たけれど、そこで気に入ったアート作品を見つけて、購入する」お客さまが確実にいらっしゃって、それが自然であること。実は勝手な線引きをしていたのは販売する側のわたしたちの方で、お客さまの方がずっと自然体で自由なのだということを感じる場面がいくつもありました。そうとわかれば、何をすべきかは明白です。来年以降は作品を発表する作家側としても、もっと垣根をなくして、「藤吉憲典のアート作品」をご覧いただける機会を増やして参ります。