こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
万年筆初心者、楽しんでいます。
「万年筆デビュー」でブログを書いてからもうすぐ一年。齢五十にしてのデビューはスロースタートではありましたが、もともと「紙とペン」を愛する者としては、日常的に万年筆登場の機会が多く、毎日楽しく使っています。写真は藤吉憲典の作ったアッシュトレイ(灰皿)をペントレイに見立てて置いてみたところ。
一本目はネットショップで手に入れましたが、使い始めてすぐに「ちょっとした疑問」がいくつも出てきました。インクはカートリッジが良いのかボトルインクが良いのか、メーカーごとにインクの違いがあるのか、という初歩的なところからはじまり、手入れの方法(=洗い方)、ペン先の太さやインクの色の選び方など…。
本やメーカーのサイト、専門店のサイトなどで調べはじめると、まあ奥の深いこと。一過言ある方々の記事は「万年筆愛」にあふれるものばかり。筆記用具マニアが夢中になる世界がここにもあることに、遅ればせながら気づいたところです。
とはいえ、わたしの持つ疑問は初歩的なものばかり。聞いた方が早いかも!ということで、二本目購入は近くの文具屋さんに足を運び、店員さんにご指南いただくことに。万年筆に詳しい店員さんが一人いらっしゃって、「まだ一本目を使いはじめたばかりで」と申告すると、ちょっとした疑問にも丁寧に答えてくださいました。ガラスケースから取り出した万年筆を目の前で分解しながら説明してくださり、インクの色とペン先を変えながら、字の太さや色の出方を紙に書いて見せてくださり、とてもありがたかったです。
おかげさまで、ペン先の太さ、持った時の重さなど、一本目とは異なるタイプのお手頃価格の万年筆をゲットすることができました。アナログ世代のわたしとしては、やはり実物を見て触りながら説明していただくとわかりやすいです。初歩的な疑問が解消されると、さらに楽しみが広がりそうです。万年筆本体についても、インクについても、「次はこういうのが欲しいな」とイメージも湧いてきます。
残念ながら、その文具屋さんは昨年末で閉店してしまいました。貴重なご近所文化資産が失われてしまった感じがしています。「町の本屋さん」がどんどん減っているのと同様に、「町の文具屋さん」が生き残っていけるかどうかもまた、その地域にそのような文化を愛する人がどれだけ存在するかにかかっていますね。
かくいうわたしも、その文具屋さんに頻繁に足を運んだとは言えませんでした。ずっとそこにあって欲しいお店には、できるだけ足を運ぶことこそがその意思表示。一人の力でどうにかなるものではないと分かっていますが、その積み重ねも大切よね、と。万年筆を手にするたびに思う今日この頃です。