『六月博多座大歌舞伎』を観に行ってきました。

久しぶりに歌舞伎―『六月博多座大歌舞伎』を観に行ってきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

久しぶりに歌舞伎―『六月博多座大歌舞伎』を観に行ってきました。

博多座での観劇自体かなり久しぶりで、歌舞伎というともう前に見たのがいつだったかしら(笑)…というほど。千穐楽の三日前、博多座内はたくさんのお客さんでにぎわっていました。開演前の売店周りの賑わいに巻き込まれると、博多座に来たわ~、と気分が盛り上がります。お弁当屋さんやらお土産屋さんやらフォトスポットやら。ウキウキとした気分になる上質な空間づくりは、やっぱりすごいなぁと思います。

わたしが観に行ったのは「昼の部」でした。テレビだったか新聞だったか、ローカルメディアで目にしたインタビューで、中村勘九郎さんが「今回特にお昼の部は、歌舞伎初心者の方でもわかりやすく楽しんでいただける演目だと思います」とおっしゃっていたので、鵜呑みにして伺いました。とはいえ、あまりにも「まっさらな状態」で臨むと「ストーリーについていけなかった!」という事態になりかねないことは経験上知っていましたので、あらすじと配役が記されたチラシだけいただき、開演までに目を通しました。

演目は『引窓(ひきまど)』、『お祭り』、『福叶神恋噺(ふくかなうかみのこいばな)』の三つ。勘九郎さんのお話のとおり、いずれも分かりやすく、事前にあらすじを読んだ効果もあって、ちゃんとストーリーのなかに入っていくことができました。ついつい、所作の美しさ、動きと音の不思議さ、舞台装置の面白さに見とれてしまうのですが、今回は「人情もの」のお話もしっかり味わうことができたのが良かったです。鑑賞者としてのわたし、ちょっぴりは成長したのかもしれません(笑)。前から10列目ほどの席で、舞台上の演者の表情の変化がちゃんと見えたのも嬉しかったです。

個人的に一番気に入ったのは、勘九郎さんの踊りがメインの『お祭り』。たまにテレビで見かけるイメージとはまったく違っていて、「この人こんなに色気があったのね」と驚愕。これは「一幕見券」でもう一度観たいかも!と思ったものの、千穐楽まで残り2日で断念しました。『引窓』では橋之助さん演じる与兵衛が素敵でしたし、七之助さんが可愛らしかった『福叶神恋噺』はローカルネタを入れ込むなどサービス満点で、時折笑いに包まれながらの観劇でした。

久しぶりの歌舞伎、とっても楽しくて大満足でした。それにしても、勘九郎さんに対して持っていたイメージがガラッと変わりました。次、機会があれば、ぜひ七之助さんの女形が際立つような演目を拝見したいと思います。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。