福岡市美術館 東光院仏教美術室

久しぶりに福岡市美術館をウロウロ―常設の「コレクション展」を楽しむ♪

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

久しぶりに福岡市美術館をウロウロ―常設の「コレクション展」を楽しむ♪

9月に開催する郷育カレッジの美術鑑賞講座の打ち合わせのため、福岡市美術館に行ってきました。打ち合わせは午後からでしたので、お昼前に美術館に入って、先にじっくり一周です。

現在、特別展示室では「Hello Kitty展」開催中の福岡市美術館。大濠公園に入ったとたんに、キティちゃんの紙袋を持った人がたくさんで、展覧会の盛況ぶりが伝わってきました。キティちゃんは好きですが、美術館でキティちゃんを見たいとは思わないので、今回は特別展はスルーして、常設展示のコレクション展示室へ。

2階にある近現代美術室のうち、毎年一回大幅な展示替えが行われるエリアがあり、前回訪問時から大きな変化が見られました。まずは展示室のつくり自体が変わっていたこと。これまでなかったところに壁が出現し、広い展示室のなかにいくつかのコーナーができていました。またキャプションボードだけでなく、作品を掲示している壁自体に文字や図を入れて、鑑賞方法をナビゲーションする仕組みも。学芸員さんたちが「鑑賞してもらうための工夫」をいろいろと検討しておられることが、伝わってきました。

その先に進むと、比較的短期でテーマ展示を入れ替えているコーナーです。「懐かしの風景~ニッポンの夏~」のタイトルで、絵画や版画作品が並んでいました。ここに並んでいた、伊藤深水の美人画シリーズの木版画が、見ごたえありました。

福岡市美術館 伊藤深水の美人画木版画
福岡市美術館 伊藤深水の美人画木版画

そして、ここで気が付いたのが、福岡市美術館の展示が、原則として写真OK(フラッシュNG)になっていたこと。監視員のお姉さんに「写真OKになったんですね!」と声をかけたら、ニッコリと「はい!ダメなところだけ、撮影禁止のピクトグラム表示が出ています」のお返事でした。ようやく福岡でもこの流れになってきたのですね、とっても嬉しいです。

昨年度リニューアル工事中で立ち入り禁止エリアになっていたところも、すべてオープンしていて、ホールにも新しい作品が設置されていました。ゆっくり横目に眺めつつ、続いては、1階の古美術のコレクション展示室へ。古美術のコレクション展示は、安定の素晴らしさで、ここに来ると気持ちが落ち着きます。企画展示室では、夏休みということもあり子ども向けに「音楽会」をテーマにした所蔵作品の展示でした。茶道具をメインとした松永記念館室も、夏の茶事をテーマにしており、学芸員さんたちの工夫の跡がうかがえます。このエリアは比較的展示替えが頻繁にあるので、次回訪問の9月には変わっているはずで、これまた楽しみです。

散々眺めた後に、福岡市美術館の教育普及担当学芸員さんと打ち合わせ。そのあとまた、一緒に常設展示室を2階から1階へと回りました。館の学芸員さんと一緒に回ると、展示の裏話などもお聞きできるのが楽しいです。役得で、ありがたいことです。福岡市美術館内をほぼ2周回って、歩数計は5000歩を超えていました。美術館博物館は、体を動かすのにも最適です^^

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ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。