金襴手雛香合 藤吉憲典

今年もお雛さま。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

今年もお雛さま。

2020年桃の節句は、ゆっくりと家で寛いでいる人も多いかもしれませんね。我が家の中学生も、思いがけず長い春休みがスタートし、早くも暇を持て余し気味。それを横目に、自営業の我が家では淡々と仕事を進めています。

いつもと違うことや不確実な要素が多いときほど、「いつもの」を大切にすることが「マイペース」の維持につながると感じています。というわけで、写真はいつもの花祭窯の金襴手雛香合。檜扇を持たせそびれたが故に販売自粛した雛香合ですが、おかげで毎年、花祭窯の三月の主役として彩りを添えてくれています。

香合ですから、手に収まるサイズで動かしやすいです。雛段や付属のお飾りがありませんので、出すのも仕舞うのも簡単。今年は木目の美しい平台に載っていただきました。気軽に飾れるからこそ、面倒くさがりのわたしでも、毎年引っ張り出すことができます。家で楽しむ季節のアートこそ、「展示しやすさ」が問われるなぁ、などと学芸員目線で思いつつ。

小さくて、飾りやすくて、存在感のある金襴手雛香合。子どものころ家には雛飾りが無く、お友だちを羨ましく思ったりもしていましたが、大人になって最高のお雛様が毎年側に居てくれる嬉しさを味わっています。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。